【今夜は】ジャニモニ・ロワイヤル【戦争だ!】

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1ジャニモニ作者
同じ出席番号どうしが一蓮托生。生き残るのはどのコンビか!?

男子1番 相葉雅紀  女子1番 安倍なつみ
男子2番 今井翼   女子2番 飯田圭織
男子3番 内博喜   女子3番 石川梨華
男子4番 大野智   女子4番 小川麻琴
男子5番 岡田准一  女子5番 加護亜依
男子6番 亀梨和也  女子6番 亀井絵里
男子7番 小山慶一郎 女子7番 後藤真希
男子8番 桜井翔   女子8番 紺野あさ美
男子9番 滝沢秀明  女子9番 ソニン
男子10番 手越裕也  女子10番 高橋愛
男子11番 堂本光一  女子11番 田中れいな
男子12番 堂本剛   女子12番 辻希美
男子13番 長瀬智也  女子13番 新垣里沙
男子14番 錦戸亮   女子14番 藤本美貴
男子15番 二宮和也  女子15番 松浦亜弥
男子16番 松本潤   女子16番 道重さゆみ
男子17番 三宅健   女子17番 矢口真里
男子18番 森田剛   女子18番 保田圭
男子19番 山下智久  女子19番 吉澤ひとみ

計38名
2ジャニモニ作者:04/06/21 19:51 ID:aihMJHI/
3序章:04/06/21 19:54 ID:aihMJHI/
亀井が目覚めると、そこは灰色の壁に囲まれた異様な部屋であった。
よく見ると周りに事務所の先輩が倒れている。

「ちょっと〜何だよこれ〜!」
矢口が吼えた。首に妙なリングが繋がっているのだ。
強引に外そうとする矢口を安倍と飯田がなだめる。

「おなかすいた」
こんな状況で、辻希美はのん気なことを言っている。

そのとき、壁の一角が音を立てて二つに分かれた。
すると向こうにも同じような集団がいる。
(あれは…山Pとその他?どうなってんの?)
後藤は冷静に考えようとしたが、さっぱり訳がわからない。
向こうのジャニーズ面々もかなり動揺している。

『今夜は戦争だ!』
そのとき、部屋に大音量の放送が流れた。
『出席番号でペアを組み、ちょっと殺し合いをしてもらいます』
38名に旋律が走る。
『首のリングが繋がっており、片方が死ぬと相方も死にます。ちょっと試してみるか?』
4序章:04/06/21 19:56 ID:aihMJHI/
パカッと壁から銃が出てくる。
無抵抗な者たちに容赦なき一発が落とされる。
パァン!!
ジャニーズ組の誰かを撃ったみたいだ。
たまらず悲鳴をあげる年少組。

ピピピピ……
すると、小川麻琴の首についたリングから変な電子音が聞こえてきた。
「うわうわうわーなんじゃあーこりゃーーー」
パァン!!
小川が、首から爆発して死んだ。
「麻琴っちゃーん!!」
高橋と紺野が泣き叫ぶ。

『わかったかね。君達が生き残る方法はたった一つ。他人を殺して生き延びること』
無常なる放送。
これが残酷なゲームの始まり。

【残り36人】
5序章:04/06/21 19:58 ID:aihMJHI/
『男子1番相葉雅紀!女子1番安倍なつみ!』
「は、はい!」
「…はい」
出席番号順に呼ばれる。だから最初は安倍なつみである。
パートナーは嵐の相葉雅紀。彼はどこか震えている。
(なんか頼りなさそうだべさ)
安倍はうろたえる相葉を置いて先に部屋の外へ出て行った。

『男子2番今井翼!女子2番飯田圭織!』
飯田はモーニング娘のリーダーだ。立ち上がって、残る全員を見つめた。
(私達が殺し合いなんかする訳ないよね)
部屋を出るとき、パートナーの今井翼がいきなり相談をもちかけてきた。
「なぁ、実はさ…」

『男子3番内博喜!女子3番石川梨華!』
震えていた。石川は吉澤の手をつないで離そうとしない。
「梨華ちゃん、呼ばれてるよ。行かなきゃ殺される」
「でも、よっすぃー…」
「とにかく生き延びるんだ。なんとかして逃げる方法を探す!」
石川は吉澤を信じて立ち上がった。かわいい妹のような辻と加護にも手を振る。
パートナーのNEWS内博喜は何故かニヤついていた。
6序章:04/06/21 19:59 ID:aihMJHI/
男子4番の大野智と女子4番の小川麻琴はすでに殺された為、とばされる。

『男子5番岡田准一!女子5番加護亜依!』
友達が殺されるシーンを目の前で見せられ、加護の意識は呆然としていた。
何も考えられない。どうしていいのかわからない。いつしか涙が…。
「ほら、いくぞ」
だからパートナーのV6岡田がぶっきらぼうに言い放つのも、聞こえなかった。
(うちも…殺されるんや…殺し合いなんてできへんよぉ)
嘆いていると強引に手を引っ張っられた。泣きながら加護は部屋を出た。
その後ろ姿を悲しそうに辻が見ていた。

『男子6番亀梨和也!女子6番亀井絵里!』
(どっちも亀だ、変なの)
なんて亀井が場違いなことを考えていると…
「ま、亀どうし、のんびりいきまっか」
と同じことを言われて亀井はびっくりした。

『男子7番小山慶一郎!女子7番後藤真希!』
後藤真希のパートナーはNEWSの小山慶一郎である。
(山Pだったら良かったのに…)
…と文句あり気な目つきで小山をにらんだ。
7序章:04/06/21 20:01 ID:aihMJHI/
『男子8番櫻井翔!女子8番紺野あさ美!』
このコンビ、櫻井は慶応大、紺野は中学で学年1位の経験もある秀才ペア。
死んだ小川とは同期で同い年の紺野は一番、彼女の死を悲しんでいた。
それ以上に、こんな残酷なゲームを始めた組織に怒りを覚えていた。
復讐だ。その為にはペアを組む相手がバカな奴だと、どうしようもないが。
(嵐の櫻井さん。彼ならまだ大丈夫か……)

『男子9番滝沢秀明!女子9番ソニン!』
ソニンは迷うことなくスッと立ち上がり、部屋を出て行った。
パートナーの滝沢も同じだ。彼は他のグループの様に大人数の仲間がいる訳ではない。
武器の入ったバッグを受け取ると、二人は誰に別れを惜しむことなく去っていった。

『男子10番手越祐也!女子10番高橋愛!』
高橋は無言で立ち上がる。手越も無言で立ち上がる。
どこか影の薄い二人組はそのまま、静かに部屋を出て行った。
8序章:04/06/21 20:02 ID:aihMJHI/
一方、その頃、外では。
「本当に大丈夫なんでしょうね?」
飯田圭織が問う。
「そろそろ来るはずだ。まかしとけって」
今井翼は余裕の笑みで答える。
出席番号2番ペアは、始まりの建物を出るとすぐ、近くの茂みに隠れたのだ。
「タッキーと約束したんだ。あいつが来るまで待っていよう」
出る直前に、パートナーの今井にそう言われたから。
(まぁ確かに二人より、滝沢くんがいる方が心強いけどさ)
すると櫻井紺野ペアが、渡されたバッグの中身で議論しながら出てきた。
(紺野。あの子も誰かを傷つけるような子じゃない…大丈夫だよね)
各ペアの出発は5分おき。飯田は今井と共に茂みの中で残り5分を待った。
そして滝沢がパートナーのソニンを連れて現れた。
今井は喜び勇んで飛び出した。それを滝沢が笑顔で向かえ、二人は固く握手する。
飯田はソニンを見ていた。ソニンの表情がおかしい。
(モーニング娘に人を傷つけるような子はいない。だけど……)
飯田は見た!ソニンの手に握られた拳銃。
(〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!)
パン!銃声が鳴る。そこで飯田の思考は止まった。
その結果、パートナーの今井も爆発して死ぬ。
ソニンは銃口から出る煙をフッと吹き消すと、無言でポケットにしまった。

【残り34人】
9序章:04/06/21 20:12 ID:aihMJHI/
『男子11番堂本光一!女子11番田中れいな!』
気の強い田中は物怖じせずに立ち上がる。
パートナーはキンキの堂本光一。こうなっては頼りにするしかない。
建物の入口まで歩くと、とりあえずお互いに自己紹介をした。
「れいなちゃんかぁ。ほんで、辻ちゃんとは仲ええの?」
質問の意味がわからなかったが、田中は辻を先輩なのに愛しおしく思っている。
「えっ?あ、はい。仲いいです」
「そりゃ良かった。ほな待ってよか」
そう言うと光一は入口にドカッと座り込んだ。
田中は半信半疑で、それに従う。

『男子12番堂本剛!女子12番辻希美!』
ある程度面識のある二人は会釈を交わして部屋を出る。すると光一達が待っていた。
「おう」「ども」
まるで楽屋入りのような何気ない挨拶をかわすキンキ。
「れいなちゃーん!!」「のんちゃん!!」
対照的に、抱き合って感動的な再会を果たす女子組。
メンバー同士で殺し合いなんてありえないと、辻は考えている。
(キンキさんも仲良しみたいだし。みんな話せばきっとわかってくれるのれす)
辻は田中と手をつないで外へ飛び出した。
10序章:04/06/21 20:14 ID:aihMJHI/
『男子13番長瀬智也!女子13番新垣里沙!』
新垣はキョロキョロと怯えながら立ち上がった。
パートナーはTOKIOから唯一参戦の長瀬智也。かなり異色の組み合わせである。
(なんか怖いなー。大丈夫かなー)

『男子14番錦戸亮!女子14番藤本美貴!』
「美貴ちゃん…」
藤本が呼ばれると心配そうに松浦が声をかけてくる。
「大丈夫、亜弥は次でしょ。表で待ってるね」
ニコッと微笑んで藤本は立ち上がった。パートナーはNEWSの錦戸亮。
(ふぅん。まあまあね)

『男子15番二宮和也!女子15番松浦亜弥!』
おそらく唯一といっていいかもしれない。
映画「青の炎」で共演しており、普通に気心の知れたペアである。
「ひさしぶり」
「ねぇ。どうしてこんなゲームしなきゃいけないの」
「わかんねえよ。わかんないけど今は従うしかないって。逆らったら…」
二宮は自分の首のリングを指す。意味がわかった松浦も頷く。
「…ペアがニノ君でよかった」
「ん?今なんか言った?」
松浦は笑って横に首を振った。
さぁ、表では美貴が待っているはずである。
11序章:04/06/21 20:24 ID:aihMJHI/
「美貴ちゃん!」
「亜弥!」
入口で合流する約束をしていた藤本と松浦が手をつなぐ。
どんな危険な状況でも、二人いっしょならば怖いものなんてない。

「ちょっと待てよ!」
すると藤本のパートナー錦戸が騒ぎ出した。
「もしかして、こいつらと一緒に行く気か?俺は御免だぜ」
錦戸の視線は、松浦のパートナー二宮を見ている。
「油断させて、いつ寝首をかかれるかもわからねえ!」
「それはこっちも同じだろ」
二宮も反論するが、それは錦戸の怒りを煽る効果しかなかった。
チャ!
錦戸が支給された武器ライフルを構えると、銃口を二宮に向ける。

(ニノ君が殺される!)
そう思った松浦は自分達に支給された武器小型ナイフを抜いて構えた。
慌てて錦戸はライフルを二宮から松浦へと移す。
「だめーーーーーーー!!!!」
それを見た藤本がパートナーを止めようとライフルの前に立った。
驚いた錦戸の指先が、反射的にすべる。

パァン!!
12序章:04/06/21 20:26 ID:aihMJHI/
松浦は見た。
親友の体が、ビクンと大きく波打つのを。
(美貴ちゃん……!)
胸の小さな穴から、真っ赤な飛沫が飛び出す。
ちょうど後ろにいた松浦の顔に、点々と赤い血のりが付く。
「美貴ちゃあああああああああああん!!!」
「あ…やぁ……、ごめ……」
最期の台詞が言葉になる前に、松浦の腕の中で藤本美貴は事切れた。

「あああああああ!!!!!!」
錦戸は狂った様に叫んでいた。そして首のリングが鳴る。ピピピ……
ドン!!
パートナーの死はペアの死。錦戸亮も死んだ。

藤本との思い出が走馬灯の様に蘇る。
「嘘よ。嘘だ。嘘よね。嘘嘘嘘!!そんなの嫌だよーーー!!美貴ちゃーん!!」
「行くぞ!」
パートナーの二宮が腕を引っ張る。
(ヤダ!美貴ちゃんを置いて、どこにもいけない!)
「行くんだ!」
無理やり引っ張られて、松浦は動き出した。
(美貴ちゃあああああああ………ん)

【残り32人】
13序章:04/06/21 20:27 ID:aihMJHI/
『男子16番松本潤!女子16番道重さゆみ!』
道重のパートナーは嵐で最年少の松本潤。
(やっぱり、いちばん可愛い私がヒロインで生き残るべきかなぁ)
(松本さんもそれなりにカッコいいからヒーロー役ね)
…と、とんでもないことを考えていた。
二人がトボトボと外へ出ると、そこでとんでもない物が目に入った。
錦戸亮と藤本美貴の死体。
さらに奥を見ると、今井翼と飯田圭織の死体。
(ああやっぱり。みんな一番かわいいの座を狙って、戦いは始まっているのね)
(さゆも負けずに誰かを殺さなきゃ…)
道重は支給された武器日本刀をキュッと握り締めた。

『男子17番三宅健!女子17番矢口真里!』
モーニング娘の残りももう3人。矢口と保田と吉澤だけである。
名前が呼ばれたとき矢口は保田を振り返った。
保田とは第一次追加メンバーとして同期で、長い付き合いだ。
「圭ちゃん。殺し合いなんてするわけないよね」
「当たり前でしょ!うちらがそんなことする訳ないわよ!」
そうだ。そうに決まっている。矢口は保田の言葉に少し安堵した。
パートナーはV6の三宅健。
この二人も先の松本道重ペアと同様、入口に出て衝撃を受けることになる。
14ねぇ、名乗って:04/06/21 20:28 ID:qcQT3OSU
ニッポン放送のマネか?
15序章:04/06/21 20:29 ID:aihMJHI/
『男子18番森田剛!女子18番保田圭!』
保田のパートナーは番長森田剛。
(なんか怖そう…)
まずそう思った。だけど命を賭けたペアなのだから無愛想にもできない。
怯えながらも保田は精一杯の笑みを作り、後に続いた。
しかし入口で二組の死体を発見して、保田はたまらず悲鳴をあげた。
「うぎゃあああああああああああ!!!」
するとどうしたことか。パートナーの森田がいきなり走り出したのだ。
死体には目もくれず一直線に森の向こうへ。
(待って!置いてかないでよー!)
保田も慌てて追いかけるが、全然追いつかない。
そしてあっという間に見失ってしまった。
このサバイバル空間でポツンと取り残されてしまった保田圭。
(なんでよ〜)


――――――――そして、最後の娘が立ち上がる。
16序章:04/06/21 20:30 ID:aihMJHI/
『男子19番山下智久!女子19番吉澤ひとみ!』
ようやく一番最後のペア。
吉澤は死んだ小川の手をギュッと握った。
(待ってろよ。絶対仇とってやるからな)
バカな妹分に別れと誓いの言葉を落とすと、勢いよく立ち上がる。
しかしパートナーの山下智久は座ったまま動かない。
「行かないの?」
声をかけるとすぐに山下は立ち上がった。
(意外とヌケてんのか?)
二人に支給された武器は防弾チョッキであった。
しかし、そこには重大な落とし穴が待ち受けていたのだ。
「…って1個しかねーじゃん!意味ねー!」
吉澤は当ての無い怒りを込めて、防弾チョッキを叩き落す。
山下はそれを拾って、吉澤に差し出した。
「着ろよ」
「え?いいの?」
「いいよ」
(何だよ。ヌケてるかと思ったらいいトコあんじゃん!)
「俺は後ろに隠れるから」
(……前言撤回)
17序章:04/06/21 20:31 ID:aihMJHI/
山下と吉澤が表に出ると、やはり二組の死体が待ち受ける。
(ミキティ…かおりん…)
ショックだった。だがそれ以上にやるせない怒りがこみあげてきた。
(許せねえ!こんなクソゲーム!絶対にぶっつぶす!)
だが復讐にしろ脱出にしろ、たった二人では何もできない。
吉澤はとりあえずパートナーの山下に相談した。
「どうしよっか?」
「任せるよ」
彼はそっけない。だが恐怖に怯えている訳でもなさそうだ。
いまいちよくわからない。
「私は他の子たちを探したいんだけどさ」
「別に構わないよ。絶対に信用できる相手ならね」
絶対に…と言われて頭にまず浮かんだのは同期の3人の顔。
「少なくとも…四期。梨華ちゃ…石川、辻、加護。同期のあいつらは大丈夫!」
「わかった。そうしよう」
賛同を得ることができて、とりあえず安心した。
このルールではペア同士の争いほど間抜けなことはない。
(防弾チョッキは私が着てるんだから、私がしっかりしなきゃな)
改めて決意を固めなおし、吉澤と山下は踏み出した。

……その様子をじっと物陰で眺めているペアがいるとも知らず。
18アッチの90:04/06/21 21:52 ID:t/jysUo0
作者さん乙です
じゃあ続き、楽しみにしてます
19ジャニモニ作者:04/06/21 22:05 ID://Pb2vqk
>>14
ニッポン放送?聞いてないですけど、似た様なのあるんですか?

>>18
はい、ありがとうございました。では続きいきます。
20ジャニモニ作者:04/06/21 22:10 ID://Pb2vqk
最後のペアが出て行く様子を物陰でじっと眺めている二人がいた。
別に隠れていた訳でもなく、ただ隅っこに体操座りしていただけ。
あまりの影の薄さに結局誰にも声をかけてもらえなかった。
「ずっとここにいたのに…」
「誰も気付いてくれないんやよー」
出席番号10番、手越佑也と高橋愛はボソッと呟いた。
21残り32人:04/06/21 22:12 ID://Pb2vqk
石川梨華とパートナーの内博貴は山沿いを走っていた。
「ここまでくれば、とりあえず大丈夫か」
彼が立ち止まってそう言ったので、私は聞いた。
「大丈夫って?どういう意味?まさか本当に皆が殺し合いすると思っているんですか?」
「他に助かる方法ないし結局はそうなるだろ」
少しショックを受けた。信じたくはない現実をパートナーから直に聞かされたからだ。
「内さんは、仲間を信用していないんですか?」
「博貴でいいよ。そういう君は信用してるの?」
「してます!」
私がもう4年以上見てきたモーニング娘。は殺し合いなんて絶対にしない!
それは胸をはって言える。
(だよね…みんな)
「へぇ」
しかし彼はあまり反応してくれない。現実逃避しているって思われてるのかも。
「とりあえずちょっと座ろう。疲れたろ」
内さんの提案で、私たちは大木の根元に並んで腰を下ろした。
「そういえばまだ俺たちの武器、見てなかったな」
すると内さんは私にも見えやすい様に、リュックをこちら側へ広げてくれた。
中にはヨーヨーが入っていた。二人の間に沈黙が流れる。
(おもちゃじゃない!そんなの酷……ううん、関係ない。だって武器なんて使わないし)
そこで、あまりにヘボい武器を見て失望した自分に気付く。
(私も強い武器を望んでいた?それって戦う意思があるってこと?)
(もし、強い武器が当たっていたら?それでも絶対に争わない?)
(殺しあう?私達も殺しあい、裏切りあうの?嫌だ、そんなの嫌だ!)
気が付くと石川梨華は震えていた。心細くて仕方なくなっていた。
22残り32人:04/06/21 22:12 ID://Pb2vqk
隣にパートナーの内博貴が座っていた。
(彼だけは…彼だけは絶対に裏切らない)
ギュッ。
不安で…不安で…怖くて…怖くて…どうしようもなくなっていた。
石川は内の腕をとると無言でしがみついた。体が震えていた。
涙が出てきた。
内がこっちを見た。石川は小さく囁いた。

「怖い…」

ふいに、このまま彼の胸に飛び込んでしまいたい衝動に駆られた。
しかしその衝動が全身に伝わる前に、異変が起きた。

ガサッ!!

内と石川はとっさに見つめあう。
物音。
物音が大木の反対側から聞こえたのだ。誰かがこっちに近づいてきている音。
(誰?敵?味方?ううん…味方なんていない)
震える石川の手を内はそっと握った。そしてそっと物音のした方を覗き込んだ。
彼の顔色が瞬時に凍りつく。
(いったい誰が…?)
石川はリュックからヨーヨーを取り出して、強く握り締めた。
23ねぇ、名乗って
イイ!
1はトリップつけれ。