224 :
黒さゆ ◆m68dVLRBiQ :
「ほんと仲良しだよねぇ〜二人」
知ってる
「そんなに好きなの?」
お前には関係ない
「ひょっとしてさぁ・・・マジ入ってる?」
「違いますっっ!」
叫び声をあげたのは
亀井だった
藤本も、そして私も
目を見開いて亀井を凝視している
「ち・・・違いますぅ・・・」
亀井の声が震えていた
亀井の目が潤んでいた
どうしてそこまで否定するのか
「・・・・分かってるって」
ふぅ、と小さくため息をついて
藤本は
見たこともないような顔をした
「泣くな」
「・・・・」
「返事」
「・・・はぃ」
はい、と言ったのに
絵里の涙は止まらないようだ
藤本は私を見て
悪いね、とでも言いたげにウィンクした
なんだか無性に腹が立った
なぜか、悔しかった
「からかっただけじゃん」
ねぇ、と言うように
藤本はもう一度私を見る
私はそれを無視した
「仕方ないな〜…ほんと、すぐ泣くんだから」
「ごめんなさい」
「誤るんだったら、泣きやめ」
「・・・はぃ」
「あぁっ!ほら、また泣く〜」
私は、何をやってるんだろう
私は、何を見ているんだろう
居心地の悪さはピークに達していた
「ごめんね、さゆ」
あの後
私は、絵里に謝られた
「びっくりしたでしょ」
「うん。急だったから」
すると絵里はもう一度悲しそうに笑って
ごめんね、と呟いた