「すごーい・・・」
スカイライダーは感心しながらその様子を見ていた。
「・・・でも油断しないで!」
廃車の山をかき分け、切り裂きながら2号機が現れた。
「ナメルナァ!」
「まかせて!」
ZX、2号機ともに一直線に相手に向かって走り出す。
再び格闘戦が始まった。
ZXの動きが軽い。
スピード・パワー共にさっきまでとは段違いだ。
小川の気分がノッて来た。
こうなった時のZXは強い。恐ろしく強い。
完全に攻守が逆転した。
「一体これは・・・何がどうなってるんだ?」
研究員の男は、モニターの数字を見て目を疑った。
「1号機」の推定シンクロ率がぐんぐんと上昇し、あっという間に90%を突破した。
逆に2号機のシンクロ率はじわじわと低下していく。
「馬鹿な!有り得ない!・・・」
男はモニターの前で頭を抱えた。
ZXのシンクロ率は、110%から90%の辺りを行ったり来たりしている。
もし正確に計測することが出来たならば、きっとこう表示されただろう。
「99%」
2号機はやられ放題だった。
圧倒的な戦力差に攻撃を出すことすら出来ない。
しかしZXの攻撃もどこか不自然だった。
必殺技を出せば・・・いや通常の攻撃でも簡単に2号機を闘不能に追い込めるはずだが、それをしようとしない。
パワーをセーブして、ひたすら頭部にダメージを与え続けている。
「そうか、まこっちゃん・・・」
最初は戸惑っていたスカイライダーも、ようやくZXの目的に気が付き始めた。
その時。
ズドン!
砲弾がスカイライダーの脇をかすめた。
「貴様、何をしている!」
タイガーロイドに変身した信田からの攻撃だった。
つづく