管制室の扉が機械の駆動する音とともにゆっくりと開く。4人ライダーは
警戒心と共に扉の向こうへと身を躍らせた。管制システムがランプを明滅させ
ながら不気味に稼働している薄暗い部屋に、銀色のマントをまとった一人の
男が立っている。
「お前がヨロイ元帥だな!観念しろ!!」
「ロケットの発射を止めるのれす!!」
V3とライダーののの言葉に、男〜ヨロイ元帥は不気味に笑って答えた。
「良く来たな仮面ライダー。だが残念ながらもう手遅れだ。プルトンロケット
の発射準備はもう出来ている。『Z計画』はロケット一基でも十分可能だ」
4人のライダーを見やったまま、笑みと共に元帥はロケット発射スイッチに指を
伸ばす。ライダー達の制止にも耳を貸さず元帥は躊躇なくスイッチを押すと
さらにそのそばにある、特殊ガラスによってシールドされたスイッチに視線を移す。
「まさか?!」
「自爆スイッチだ・・・ゼティマの栄光と共にこの基地は役目を終えるのだ」
ライダーあいの言葉に答えた元帥はシールドを叩き割る。そのままスイッチが
作動するや時限爆弾の起動をタイマーが告げ、その直後地鳴りのような音が
鳴り響く。それと同時に基地全体を地震のような揺れが襲う。
「ロケットのエンジンが点火したようだな。もう誰も止められんぞ」
ロケット基地を監視していたモニターをスイッチで切り替える元帥。そこに
映し出されていたのは、ジェットの炎を吹き上げながら上昇していくロケットの
様子だった。
「遅かったか!!」
ゆっくりと上昇するロケットの様子を目の前にして、口惜しさに目をそらす
Xライダー。無念の思いは他のライダーも同じだ。一人ヨロイ元帥だけが狂気の
笑みをたたえてこの様子を見守っている。その間にも基地爆破の時は迫り、戦い
空しく仮面ライダーと東京に最後の時が訪れようとしていた、その時だった。
『お前の思い通りにはいかないぞ、ヨロイ元帥!!』
突然場面が切り替わり、モニターに映し出されたのは操縦席のような場所だった。
そしてそこにいたのは、誰あろうライダーマンだった。
「ライダーマン!!」
「ミカ・トッド・・・貴様ァ、最後まで俺の邪魔をするつもりか!!」
驚きの声を上げる仲間達と、悪罵の言葉を浴びせるヨロイ元帥。その両者へ、
ライダーマンは笑みと共に言う。その手には中で引き抜いたと思われるコネクタが
握られている。
『ロケットのコントロールはワタシが掌握した。プルトンロケットが東京に
打ち込まれる事はない!』
今やプルトンロケットは、操縦席にいるライダーマンだけがコントロール
できる状態にあった。
『東京に着弾する前に蠍谷上空で爆破すれば、計画は阻止できる。これは
ゼティマの一員だったワタシの仕事』
操縦桿を握る手に力を込め、ライダーマンは落ち着いた口調で管制室の仲間
達に語りかけた。
「そんなことしたらライダーマン、いやミカちゃんはどうなるのさ?!」
モニターに映るライダーマンに向かって叫ぶV3。しかし、その言葉はすでに
仮面ライダーのものではなかった。
『・・・サヨナラはしなきゃならなかったんです。それが早まっただけ』
ロケットの上昇と共にライダーマンの身体に強大な重力がかかる。それは
元々腕のみを改造しただけに過ぎない生身の身体には耐え難いものだった。
歯を食いしばって重力に耐える姿、その決意と覚悟が仲間達の胸を刺す。
やがて最終ゲートが開くと、いよいよロケットは推力を増して大空へと
飛び出していった。
今日の分は以上です。実はラストがまだ仕上がっていないので、あと一回だけ
続きます。続きは13日の夜くらいに。
>>481 三ヶ月ばっかし中東に行って来ます。