「待て!!」
悪の企みに待ったをかける正義の声がコンビナートに響く。突然の邪魔者に驚く
怪人達に、挑みかかる少女達。ケイ、麻琴、れいな、それぞれの戦う意志が少女
達を戦士に変える。
「変身!」
れいなは変身コードを入力したファイズフォンを構えて叫ぶと、そのままファイズ
ドライバーのスロットにファイズフォンを装着する。「Complete」の電子音声とともに
のびる真っ赤なフォトンストリーム。閃光とともに現れたのはファイズだ。
「変・身っ!!」
変身の構えとともに空中高くジャンプする麻琴。ZXの名を叫びながら縦横無尽に
飛び回る赤い残像が再び地に降り立つ。仮面ライダーZXの登場だ。
「アァーマァァァゾォォーン!」
野生の瞳が真っ赤に燃えて、まばゆい光りとともに現れたのは大自然の戦士。
仮面ライダーアマゾンがその姿を現し、3人のライダーが悪の軍団に完全と立ち向かう。
ライダー達はおのおの群がる戦闘員達を次々となぎ倒していくが、ここで部隊の
指揮官であるカタツブラーが高笑いとともに少女達に言い放つ。
「威勢の良いのも今のうちよ。お前達、こいつらに手が出せるかな?」
そう言うと同時に、どこからともなく姿を現したのは大勢の作業員。彼らはみな、
このコンビナートで働いていた人たちだ。今や彼らは怪人カタツブラーによって
怪人の卵を産み付けられ、操られているのだ。戸惑うライダー達の事などおかまい
なく、うつろな瞳の人々は戦士達ににじり寄る。
「くっ・・・」
「きさん、卑怯やろ!!」
「いくら貴様らでも、罪もない人間は殺せまい。元に戻すためには俺の生き血が
必要だが・・・まぁあきらめるんだな」
身構えるばかりのアマゾンとファイズ。卑劣にも敵は、無辜の人々の命を盾にして
逃げおおせようとしているのだ。と、その時である。ただ一人ZXが迫り来る人々に
対して立ちはだかると、いきなりの一撃を加えたのだ。
「それだけ聞けば十分だ・・・マイクロチェーン!!」
「えっ?!」
二人のライダーも一瞬何が起こったのか判らないようであったが、ZXの手から
放たれたマイクロチェーンの切っ先が地を穿ち、それを手にしたZXは彼らの
頭上を、そして地上を縦横無尽に駆けるとまるで縫うように次々と作業員達を
縛り上げていく。そしてとうとう、現れた全員の動きをマイクロチェーンで封じた。
しかし電流を流しさえしなければ、チェーンが彼らの命を奪うことはない。その
様子に危険を感じたカタツブラーが遁走を決め込もうとするが、チャンスは
今しかない。
「保田さんっ!今っ!!」
ZX〜麻琴の声に答えて駆け出すアマゾン。それはまさに「反射」と呼べるほどの
素早さだった。一方のファイズもオートバジンのグリップに手をかけて引き抜く。
グリップは変形して剣状の武器「ファイズエッジ」と化す。ファイズは素早く
ミッションメモリーを装填、ファイズフォンのENTERキーを押す。
『Exceed Charge』
「うらぁ!!」
音声がエネルギー充填を告げ、振りかざした真っ赤な閃光の刃から衝撃波が走る。
その衝撃波が怪人に届くと同時に、カタツブラーの身体を宙に浮きあがらせて
動きを封じる。身動きのとれない怪人に対し、身を躍らせて空中から襲いかかる
黒い影。アマゾンの必殺技「大切断」が炸裂する。
「大っ!切断!!」
背びれがうごめき、アームカッターが鋭い光を放つ。閃きとともに手刀が怪人の
腕を裁ち落とすとのとほぼ同時に、ファイズエッジを構えたファイズがカタツブラー
に一閃。直後に刻まれた赤い閃光の紋章とともに、カタツブラーは灰と化して崩れ
落ちた。ZX〜麻琴の機転によって生き血を手に入れた3人は、無事作業員達を
怪人のコントロールから解き放った。