川σ_σ||<始めるよ。 ( `_´)<始まるよ!
川σ_σ||<久々のいんたーみっしょん。( `_´)<次のお話までの繋ぎです。
「よしっ!いた!」
矢口はそう言うと無線機を手にする。
今現在矢口がいる建物にはホッパーがアンテナに偽装されて立っていた。
「ボス、圭ちゃん、そっちの方にいるよ。
今いる大通りから二つ目の信号を右折、三本目の路地!」
「こちら斉藤、了解。これより追跡を開始する」
矢口からの連絡を受けたハローワーク商会の「ボス」こと斉藤は
指示通り車を走らせた。
いんたーみっしょん
【戦え!ペット探偵!】
ハローワーク商会のペット探偵業は順調に売上を伸ばしていた。
もっともそれは矢口や、保田達がいての事である。
本日は行方不明になった猫の捜索の仕事が入ったので
斉藤、矢口、保田のチームで仕事を行っていた。
「さて、ここか・・・・矢口、路地に着いたけどまだいる?」
無線機に呼びかける斉藤。
「うん、まだいるよ。丁度2人がいる真上。見えない?」
捜している猫は建物の上にいる様だ。斉藤が見上げると
丁度建物の窓のところにいた。
「何だよ、あんなとこにいやがって・・・・仕方ない、上に行くか・・」
斉藤は建物の階段を上って行こうとすると
「任せて!」
保田はそう言うなり勢い良く走り出し、建物の僅かな凹凸を利用して
器用に壁を登るとあっという間に猫を捕まえて戻って来た。
「・・・・・圭ちゃん・・・・・・やっぱ凄いわ・・・・」
保田の人間離れした動きに呆然とする斉藤、
だが次の瞬間ハッとしたように周りを見渡した。
「・・・・・誰にも見られてないな・・・・ふぅ・・・圭ちゃん頼むよ
そう言う事やる時はこっちで言うからさぁ」
あんな動きを他人に目撃されたらそれこそ大騒ぎである。
そんな斉藤の心配を気にしないかの様に保田は笑うだけであった。
それから2時間後、場所はハローワーク商会の事務所。
事務所には猫の飼い主が訪れていた。
「ありがとうございます。この子ったらいつの間にかいなくなってて・・・」
飼い主がそう言って猫をなでていると
「失礼ですが、そちらの猫ちゃんは少々過保護の様ですね。
部屋の中に閉じ込めておくだけでじゃ駄目ですよ」
斉藤はそう言うと領収書を渡した。
「えっ?どうして解るんですか?確かにこの子には一部屋与えて
そこにいつも置いておりますが・・・・」
「はっきり言って運動不足から来るストレスが原因で逃げ出したと思います。
こちらも職業柄ペットについての勉強もやっていますからね。
せっかく見つけたのにまた逃げ出したりしてら大変でしょう。
その後のアフターケアもサービスの一環ですよ。
ですから少しはその子を自由にさせてあげて下さい」
斉藤が笑顔でそう言うと飼い主は「解りました」と言って
更に一万円、お礼として置いて行った。
「ふはははは・・・どうよ、これこそ最高のサービスでしょ。
あんな「一日いくら」なんて商売やってる所は駄目だよ。
そこ行くとうちは一調査10万円。だいたい二日でケリがつくし
こうやってアドバイス料も貰えるからね。おいしいよ」
ほくほく顔の斉藤に矢口が手を出した。
「んじゃお給料頂戴!」
「はいよ、じゃあ圭ちゃんと矢口で4万円ね、
それからお礼の一万円は圭ちゃんに」
斉藤はそう言うと合計5万円を2人に手渡す。
斉藤が飼い主に言った猫のストレスのアドバイスは
保田が「猫がそう言っている」と言ってたから出来た事なのである。
「いつも悪いね。こんな割の良い仕事なんて今まで無かったよ。
でもさ、こんなに貰っちゃって大丈夫なの?」
「平気だよ、脱税なんかしてないし、なんと言ってもFBIからの入金は
非課税だからね。実際の申告より会社の収入は多いんだよ」
「そっか、それじゃ安心だね。だったらオイラ達の取り分もっと増やしてよ」
矢口がそう言うと斉藤は笑顔で言った。
「それは無理だなぁ。だいいち働き分に合った給料しか出すなって
中澤さんに言われてるし、こっちの取り分もあるし、後は・・・」
斉藤がそう言いかけた時であった。
「お邪魔しますよ!」
柄の悪い2人組がハローワーク商会にやって来た。
見るからにその筋の人ですと言わんばかりの風体に
思わず矢口は笑い出しそうになっていた。
「いらっしゃいませ、ハローワーク商会にようこそ。
本日はどのようなご依頼でしょうか?」
斉藤が2人組に椅子を勧めると柴田がお茶を持って来た。
「いやね、別に仕事の依頼で来た訳じゃないんですよ。
実は最近こちらの評判を耳にしましてね。
何でも格安でペットを探し出すとか・・・すごいですねぇ」
「いやーそれ程でも・・・まあでも値段なら何処にも負けないと思います」
「そうですかぁ〜。でもね〜・・・・それがこちらには具合が悪いんですよ。
実はね、私の所も同じ商売をやっておりましてね。
お客をみんなこちらにとられてしまいまして・・・・」
「そうですか、それは悪いですね。でもこちらも商売ですから
お客様のニーズに合わせるのはご時世でしょ」
「そうですね。それも大事ですが・・・・ねえ斉藤さん、
やっぱり同じ仕事をやるもの同士お互いに上手くやって行きましょうや」
斉藤と2人組のやり取りを見ていた矢口はそこでやっと
こいつらが何しに来たのかが解った。