もろたーー!!

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58014話
14.「Truth@」
 
  王座に座るは首失いし国の王。足元に転がるはその王の生首。誰がどう
 見ても、これはまさしく「革命」が完成された構図であった。しかし・・・。
 
 「実際は革命軍ではなく、他の誰かが殺したという、信じがたい事実。
 この状況に紺野達はただただ言葉を失うのであった・・・。」
 「何やってんのあさ美ちゃん。」
 「この場面に相応しいナレーション。」
 「いらんわ。で、どうします?」

 加護が問いかけても、誰も口を開く事はなかった。どうすると言われても、
 今は何がなんだか分からない。
 
 「とりあえず・・・。」

 飯田は重い口をやっと開くと、自分でも嫌になるくらいありふれた一言を、
 口から放った。
 
 「状況を整理しよう。」
58114話:04/05/16 00:02 ID:9/R2O/+l

 「あ、あたしが報告に来たときはまだ生きてました!!」

高橋が手を上げて言う。そういえばこいつスパイだったっけ、全員ふと
思い出す。高橋の話から、全員が王の間の周りの回廊に辿り着く前は、
少なくともつんくは生きていた、という事になる。
 
「本当に飯田さんたちじゃないんですか?」

 松浦の問いに、飯田は首をブンブン振る。
 「あたし達がここに来たときはまだ首ついてたけど、その・・・
 乗ってただけみたい。」

 王座に眼をやりながら、飯田は嫌な顔をした。血が流れていないのがむしろ
 グロテスクさを演出している。全員首に目を合わせることなく、話し合いは
 続く。
 
 「つまり誰かが高橋の報告後、あたし達がここに来るまでの間にここに進入、
 つんくを殺した。ってことだな・・・。」

 吉澤は王座に近づき、首のあるはずの部分をじっと見る。
 
 「・・・・・・・。大体、あたし達以外今この城で生きているのって、誰?」
 
 石川がふと呟く。全員考える。自分たち以外、誰か生きているだろうか?
 
 「・・・・!!」

 全員ある一人を思い浮かべていた。後藤を殺した、憎き、そして最強の鬼神。
58214話:04/05/16 00:05 ID:9/R2O/+l
 
 バン!!!
 
 全員口を開こうとした時、ドアが強引に開かれる。入ってきたのは、
 「豚バラブロック・・・。」
 紺野が呟く。
 「Gackt・・・。」
 松浦の目は恐怖に怯えている。先程の敗北は松浦の精神面においてかなりの
 ダメージを与えていた。Gacktは全員の姿を見回すと、不思議そうな顔で、
 
 「お前達、どうやって・・・。特に壁突き破ってきた方・・・。Hydeはどうした?」
 hyde、という単語を聴いた瞬間、辻がピクッと震え、明らかに怒った顔で、
 声を張り上げた。
 
 「あんな奴、ののが倒したのれす!!」
 「何!!」

 Gacktの表情が一変する。その目からは、怒りと悲しみが両方涙となって
 滲み出ていた。
 
 「貴様ら・・・・。」
 Gacktの邪気が体でじかに感じ取れる程膨れ上がる。
 「あ、ご、誤解しないで!つんくは殺してないから!!」

 何弁解してんだよ、全員白い目で石川を見る。しかしGacktはそんな事
 聞いちゃいない。
 
 「くそっ!!!」
 
 ドン!!!
 全員目が点になる。Gacktが蹴った壁は跡形もなく崩れてしまった。あまりの
 迫力に全員一歩後退する。
58314話:04/05/16 00:07 ID:9/R2O/+l

 「くそっ!!!」

 グチャッ!!!
 「!!!」

  全員、さっきよりも驚いた。なんとGacktは落ちていたつんくの頭を
 踏み潰したのだ。血や変な汁が飛び散り、全員更に一歩引く。
 目は飛び出し、管がバラバラになった顔とかろうじて繋がっている。
 顔は少しすると途端に溶けてなくなってしまった。全員瞬きもせずに、
 その情景を騒然とした表情で見ていた。Gacktは落ち着くと、口を開く。
 
 「そうだ・・・いい機会だから教えてやろう・・・。
 つんくが国民に何故重税を強いていたかを・・・。」

 Gacktは王座まで歩くと、つんくの体を今度は丁寧に、そっと地面にどけると、
 王座を横から押した。
 
 「!!」
 王座は静かにスライドして行き、そこから下へと降りてゆく階段が現れる。
 全員相変わらず次々と目の前で起こってゆく光景を、見ることしか出来ない。
 Gacktは静かに階段の一段目に足を乗せると、言った。
 
 「着いてこい。信用できるのならな。」
58414話:04/05/16 00:08 ID:9/R2O/+l

  全員着いて行く事を選んだ。ここで着いて行かないと、謎が謎のまま
 終わってしまうし、進まない事にはどうしようもない。この場に留まっても
 全く得られるものがないのなら、多少危険でも着いて行った方がいい・・・。

  階段で10段くらい降りてゆくと、そこはなんてない普通の部屋だった。
 Gacktは奥まで歩くと、手をブロック状の壁に添える。すると触れた1ブロックは
 陥没し、そこから小さな9ブロックが浮き上がってきた。
 1ブロックごとに数字が1〜9まで書かれていて、Gacktはボダンを4度押す。
 
 『1029』
 
 部屋は静かに振動を始めた。全員なんとかその場で転ばないようにと体を
 沈め、体勢を保つ。揺れが静まり、立ち上がるとGacktの前に空洞が生まれていた。
 そしてその中には溢れんばかりの札束が。
 ゴールド数はもう天文学的数字ではないのだろうか。

 「これは?」

 飯田が冷静な顔のまま質問する。
 
 「国民から集めた金を、つんくは全部溜めて、国民の望んでる公共施設建設の
 資金にしようと思ってたんだよ。・・・そんな事も知らずにお前らは勝手に
 革命だとか言って・・・お前らは!!!!」
 再びGacktの体から邪気が溢れ出る。全員吹き飛ばされかけるも、その場で
 踏みとどまった。
 
 「だからおいら達は何もしてないって!!」
 「問答無用!!!」

 Gacktは第一歩を踏み出した。
58514話:04/05/16 00:09 ID:9/R2O/+l

 『ストップや。』

 中澤の声が突然聞こえ、Gacktも思わずその場で足を止める。その表情が
 曇ったが、全員その理由は分からなかった。
 
 「裕ちゃん!!」
 矢口が興奮気味に叫ぶ。Gacktは罰の悪そうな表情で言った。
 
 「裕ちゃん・・・。」
 
 「!!?」
 全員Gacktの方を見る。しかしその姿を知る由もない中澤は話し出した。
 
 『さっきから話、全部聞かせてもろうたわ。そんで分かったわ。
 昔からの謎も、何もかも。皆、分かったで。つんくを殺したのはhydeのはずや。』

 「え!?」
 「くっ・・・。」

 Gacktは下唇を噛んでいた。
58614話:04/05/16 00:10 ID:9/R2O/+l






58714話:04/05/16 00:11 ID:9/R2O/+l


  つんくは妙な気分でいた。革命軍が今日突撃してくる事を知った上で、
 自分が王座に座っているという事実。
 普通なら突撃する事が分かっているんだから非難する。だがGacktが言った。

 「大丈夫です。僕たちの強さは絶対ですよ。それに誰かがボロを出して王が
 いないと気づかれたりしたら、それこそ全員一気に始末するチャンスを失います。」

 
 確かに鬼神の強さは絶対的だから心配する事は何もないはずだが、何故だか
 つんくは妙な胸騒ぎを覚えていた。
 嫌な予感、という言葉がこの場合しっくり来るのかもしれない。
 
  次々と知らされる撃破の報告。嫌な予感はもしかしたら現実に変わるかもしれない。
 高橋が来た時点で思った。とりあえず、王の間の周りにはhydeがいるから
 心配ないとは思うが・・・。
 Hydeの強さには絶大の信頼を置いていた。特に今日のような日は、
 夜になれば・・・・・・。

58814話:04/05/16 00:12 ID:9/R2O/+l

 ガチャッ。

 「失礼します。」

 hydeが中に入ってくる。何の報告だろうか。つんくは目を逸らすことなく
 hydeをじっと見ていた。
 
 「何の用や?」
 「Gacktが苦戦しています。後藤真希によって。」
 「ホンマか?!くそっ、Gacktまで苦しいとはな・・・。でも大丈夫やろ。」
 「はい、Gacktが負けるはずありませんから。そしてもう一つ、言わなければ
 ならない事があります。」

 hydeの言い方は妙に含みを持っていて、つんくにはそれが妙に引っかかった。

 「どういう意味や?」
 hydeはニヤリと笑うと、溜息を一息つく。
 
 「まあ、宣告。ですかね。」
 「宣告?」
 「はい。死の。」
58914話:04/05/16 00:14 ID:9/R2O/+l


 本当にそれは一瞬の出来事で、つんくは気がつかないうちに死んだ。
 Hydeの剣は、鮮やかにつんくの首を通過してゆく。血は出たが、
 全部魔法で消し去る。そして首を魔法で軽くコーティングし、切り目と
 繋いで固定した。これでどこから見ても生きているように見える。


 「よし・・・。」

 hydeはあくびをすると、ふらふらと回復室へと歩いていった。
 きっと自分が着く頃にはGacktが使っている事だろう。Hydeは歩きながら、
 静かに呟いた。
 
 「あと少しで、俺達の夢、叶うな。」

 To be continued
590えっと:04/05/16 00:15 ID:9/R2O/+l
すみません、こんなに間置いたのに、こんな量で。

>>579  レスありがとうございます。
    出来れば話の内容を詳しく書くような感想は控えていただきたいのですが・・・。
    いるかどうか分かりませんがもしかしたら読んでいる方が他にいらっしゃる
    かもしれませんので。
59115話:04/05/17 22:40 ID:xT5JE0Bz
15.「TruthA」

  Gacktは相変わらず罰の悪そうな表情のまま、下唇を噛み、何も言わない。
 いや、言えないのかもしれない。中澤はそんなGacktを尻目にどんどん話してゆく。
 全ての真実を。
 
 『Gacktとhydeは二人で野望を抱いていたんや。
 「つんくを殺して王座に着く」っちゅうな。
 その上でどうしたら自分らが王座に着けるか考えた。
 幸いつんくには子供はおらん。皇族も王となるには高齢すぎるか幼すぎるか。
 ならつんくの指名となる。』
 
 チッ。
 
 舌打ちが、王の間の中で響く。Gacktの姿を見て、藤本は少しだけ笑った。
 
 『でも二人は軍人としての評価、信頼は厚かったけど、人間的に信頼は
 薄かった。なにより闇の部分を見抜いていたんやろうね。つまりつんくは
 二人を選ぶ事はない。でもだからと言って暗殺して、自分たちに王座は
 与えられるのか?いや、独房で一生を終える事になるだろう。
 そこで二人は考えたんや。』

 中澤はここで少し溜める。この間はGacktの二度目の舌打ちを招いていた。
59215話:04/05/17 22:41 ID:xT5JE0Bz
 
 『革命軍を利用しよう。』
 
 !!
 
 全員スピーカーを食い入るように見つめる。
 一体どういうことだ?
 Gacktだけは相変わらず同じ表情をしていた。
 
 『高橋から聞いて今日攻め込んでくる事が分かった。だからこの突撃に便乗して、
 二人は作戦を立てた。』

 だんだんとGacktの体が震えを覚えてゆく。全員Gacktを警戒しつつ、真剣に
 中澤の推理に耳を傾ける。
 
 『hydeが王の間を守り、高橋の報告後、中へと入って殺害、そして革命軍を
 全員始末した後、国民、皇族などにこう説明する。』
 
 コツ、コツ、コツ・・・。
 
 足音が聞こえる。全員後ろを振り向いた。そこにいたのは・・・。
59315話:04/05/17 22:42 ID:xT5JE0Bz

 「裕ちゃん!!!」

 矢口が声を思い切り張り上げる。中澤は少しだけ微笑むと、続ける。

 「僕たちが苦戦している間に、革命軍につんく王を殺されてしまいました。
 だから、私達の手で、革命軍を全員始末しました。王は死の間際に、
 『国はお前達に任せる』とおっしゃられました。未熟者ではありますが、
 これが王の遺言ゆえ、私達二人で何とか国を生計してゆきたいと思います。
 ま、こんなところやろ。ガックン?」
 『ガックン??』

 全員不思議そうな顔をする。中澤は笑うと、
 「久しぶりやな。」
 「裕ちゃんもね。」
 『裕ちゃん?!』

 今度は全員叫ぶ。今度こそ聞き間違いではなく、確かに裕ちゃんと言ったのだ。

 「えっと。・・・・どういうこと?」

 飯田は中澤の方を向く。中澤はなんでもないような顔で、答えた。
 「昔、一緒に戦った、仲間や。国営軍としてな。」
 『え?!』
 「まあ昔の話だけどね・・・。」
 Gacktが呟く。
 「昔?」

 その言葉に引っかかったのは小川だった。中澤は少しだけいやな顔をすると、
 
 「しゃーないな。話すわ。」
59415話:04/05/17 22:43 ID:xT5JE0Bz

  全員一旦隠し部屋を出ると、中澤は全てを明かした。自分の過去の事を、
 王国から追放されたという事、革命軍を作ったのが本当は自分の復讐のため
 だった事まで、全て。誰もが話を聞きながら信じられない、という顔をして、
 中澤を見ていた。しかし、中澤の話はここで終わらなかった。
 中澤は周りの反応を見て、一人一人に視線を移し終えると、話を再開した。
 
 「それでな、まこっちゃんの部屋にさっき行ったんや。人望が厚かったし、
 とりあえず失踪中っちゅうことになっとるからな。部屋はまんま残ってた。」
 
 中澤はここで喋るのをやめた。全員固唾を呑んで中澤の次の言動を見守る。

 「そこでな、おもろいものを見つけたんや。」

 中澤はにっと笑うと、回想を始めた。
59515話:04/05/17 22:44 ID:xT5JE0Bz








59615話:04/05/17 22:45 ID:xT5JE0Bz

  部屋はその当時のまま、何も変わらずに残されていた。いつか必ずまことは
 帰ってくる、皇族達の僅かな儚い望みをよく表している。
 しかしそれでも、まことはもう帰っては来ない。
 中澤は少しだけその場で目を瞑った。

 「・・・・・・・・・。」

 自然と閉じた目の隙間から水が流れる。中澤は手でそれを必死にごしごしと
 擦り、はぁっ、と溜息を着くと、呟く。
 
 「まこっちゃん・・・。」

 自然と零れた言葉だった。月日が流れても、友の声を忘れる事はない。
 友の姿を忘れる事はない。それは親しければ親しいほどに、当たり前で、
 ごく自然な事。
 少なくとも中澤は、まこととは親友と呼べないにしても、友達、と呼ぶには
 親し過ぎる関係だったと思っている。思い出すのは辛いが、思い出さないと
 もっと辛かった。中澤はまことの顔を思い浮かべると、少しだけ笑った。

 「・・・・・・・・・・。」

 もう一度目を瞑り、今度は手を握って黙祷を捧げる。
 1分ほどの闇の後、中澤は意を決してベッドを動かした。あのときのように。
59715話:04/05/17 22:46 ID:xT5JE0Bz

  当時は頭に血が登って、全く気がつかなかったが、今思い出してみると、
 あのダイイングメッセージには明らかに不自然な点が一つあった。
 それは、文字があまりにもはっきりと、鮮明と描かれていた事。
 死を前にした人間が、それほどくっきりと文字を描けるだろうか。
 しかも血を使って。はっきりと残すにはかなりの血が必要なのに対して、
 かなりの量の血を使えば最後まで書き終わることなく死んでしまう可能性が高い。
 なのに・・・。

 「!!」

 文字はあの時と同じ様に、くっきりと、鮮明に描かれていた。
 月日が経って、全く薄れることなく残っている。
 これはどういうことか、中澤はすぐに理解した。
 この文字は・・・・。 

59815話:04/05/17 22:47 ID:xT5JE0Bz

 「保存魔法がかけられていてたんや。」
 『!!』

 これにはGacktも過敏に反応した。
 明らかに動揺しているのが誰の目からも明らか。中澤は鼻で笑うと、続けた。
 
 「でもまこっちゃんは魔法を使えへん。つまり・・・。」
 「誰かの手によって意図的に残された文字、ということですか?」
 松浦が冷静な表情でそう呟くと、自然と松浦へと視線が集まる。
 
 「これがもしhydeのせいだったら、中澤さんが追放された夜、なんでGacktと
 hydeが城に残っていたのに説明がつきますよね。」
 「流石賢いなぁ。その通りや。あの日は完全な奇襲やってん。元々二人は
 おるはずなかったんやし。うちにそうする様に仕向けた、と考えるのが自然やな。」

59915話:04/05/17 22:49 ID:xT5JE0Bz

 「つまり・・・。」

 松浦がGacktの方を向くと、全員の視線が今度はそっちへと移る。
 
 「まこっちゃんを殺したのは、つんくやない。ガックンか、hydeや。」

 Gacktは中澤と目を合わせたまま、ただただ黙っていた。目を逸らすことなく、
 中澤と暫くにらみ合いを続ける。
 
 「・・・・・・・・・・・。」

 長い沈黙。そして・・・。
 
 「皆、言うとおりだよ・・・。」
 Gacktは重い口を漸く開く。中澤はその言葉を聞くとニヤリと笑った。
 
 「えらい素直やん。」
 
 Gacktはピクッと体を震わせ、目を細めたが、攻撃に出るようなことはなく、

 「ここまで完璧に推理されちゃお手上げだよ。」
 
 Gacktは両手を上げてみせると、笑顔になった。
 なんだというのだろう、この余裕は。全員心底Gacktの行動に嫌悪する。
 しかし、中澤はそれ以上に余裕だった。
 
 「じゃああとはガックン倒すだけやな。」
60015話:04/05/17 22:52 ID:xT5JE0Bz

 「裕ちゃん相変わらず冗談巧いね。」

 Gacktは笑いもせずにそう言うと、中澤は笑う。全員二人の世界に着いて
 いけず、まるでスクリーンで上映されている映画を見ているかのような感覚を
 憶えていた。なんというか、絶対に届かない、そんな感覚。
 「『BLURRY EYES』がかけられた状態でどうするつもりかな?」
 
 『BLURRY EYES』とは中澤が国から追放される日にhydeにかけられた抑制呪文。
 この呪文にかかると戦闘力を物凄い制限され、まともに戦えなくなってしまう。
 しかも効果は術者が術を解くまで。しかし、
 
 「アホ。Hydeが死んだから、全然切れとるわ。あんな呪文。せやからもう、
 体は動くで〜?」
 「!!!」
 全員目を疑う。
 中澤は話し終えた頃には姿を忽然と消してしまったからだ。
 
 「!!!」
 再び目を疑う。
 中澤はGacktの目の前に現れ、日本刀をGacktの首元に突きつけていた。 
 「今、殺ろうと思えば、殺れたで?なんか、抑制呪文中に鍛えて人並み以上の
 動きができるようになったせいか、体がめっちゃ動くんやけど。前より強なってるわ、うち。」
 
 中澤は笑って見せると、日本刀をGacktの喉から引いた。
 「・・・術が解けているのは本当みたいだね。」

 Gacktは一歩後退すると、何もない所から剣を取り出す。
 「行くよ。」
 
 To be continued...