もろたーー!!

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531えっと
>>529 レスありがとうございます。
   遅れてすみません、ただもう少し待っていただけないでしょうか。
>>530 レスありがとうございます。
   いいところで切る事でドラマの次の回を待つドキドキ感といいましょうか、
   そんな気持ちを感じていただいたら幸いです。
   
   すみません、また0話行かせていただきます。    
5320−2:04/04/30 23:04 ID:xssDweMv
 0−2「嘘」
  一人の小柄な男が、戦場でフラフラと歩いていた。しかしだからと言って
 怪我したわけでも、疲れたわけでもない。たらたらと歩いているだけ。
 そんな男の後ろに一つの影が襲い掛かる。男は振り返ると、次の瞬間には、
 影はその姿を失った。
 
 「やれやれ・・・。」
 男は手を全く出していない。男は余計な邪魔が入ったと、つまらなそうな顔を
 していた。
 
 「あかんぞ敵に背中を見せたら。」
 
 手を出したのは女だった。女はいつものように男に説教をする。対して背丈の
 変わらない男は、同じ高さの目線で返す。
 「裕ちゃんは用心深すぎるよ。あの程度の敵にやられるような僕じゃない。」
 裕ちゃんと呼ばれた女は、はぁっ、と溜息をつくと、唇の回転を早める。
 「hyde!お前はいっつもいっつもいっつもいっつもそうやな!何度言うたら
 わかんねん!伏兵っちゅうもんが一番怖いんやで!?ガックンだって言うとるがな!
 そんなんで死んでも知らんぞ!!」
 「知らなくて結構。」

 hydeは再びフラフラと歩き出す。廃墟と化した城の中を。そんな彼を、
 長身の男が話しかけた。
 
 「裕ちゃんの言うとおりだよ。hyde。」
 「あ〜もう皆保護者か!!!」
 hydeの声は、大きな空間でよく響き渡った。
5330−2:04/04/30 23:06 ID:xssDweMv

 「3人流石やな、今回の戦いで我が国も大分有利になった。」

 まことが王座に座り、跪く3人をたたえる。しかし3人は跪いているからと
 言って、忠誠を誓っているわけでも、お慕い申し上げてるわけでもなかった。

 「まこっちゃん無理し過ぎやて。訛るなら訛るで、おとなしく統一せな。」
 「うっさいわ!!誉めてるんやから大人しく喜んどけ!!」
 「あれれ〜いつからまこっちゃんそんな気の強いキャラになっちゃったの〜?」
 Gacktが低い声でまことをからかう。
 「まこっちゃん言うな!!」
 「まこっちゃん褒美の方またスティックとかだと嫌だよ。」
 「だからまこっちゃんちゃう!!まことさんとか言えや!!
 大体スティックなんかあげた事ないがな!」
 「偉そうにしたらあかんでまこっちゃん。王座なんかに座って。」
 「あ〜もう!!!」

 こんなふざけた3人でも、実力が確かだから、まこと時期国王は3人の無礼な
 振る舞いに罰を与えたり、叱ったり出来ない。3人は戦争の時必ずパーティーを
 組み、そのパーティーは別名『阿修羅』と呼ばれていた。
 激情に刈られると手が付けられない中澤、
 戦いの中でどこか哀愁を見せるGackt、
 戦いの後に見せる笑顔が印象的なhyde。
  三者三様の戦闘スタイルは敵国にも恐れられ、全ての国営軍中最強のパーティーと
 言われていた。
5340−2:04/04/30 23:07 ID:xssDweMv
  3人とも年齢が近く、入軍前からも知り合いで、凄く仲が良かった。
 そのためか、悪ふざけもしょっちゅう。まだ若かった3人は、他愛のない
 悪戯で、よく城内の貴族を困らせていた。
 でもいざ戦闘になると、やっぱり3人は戦闘値の桁が違う。
 強ければ何やっても許されるわけではないが、その愛すべきキャラクターで、
 3人は慕われていた。
 
 「中澤〜、お前何勝手に熱愛発覚とか言って中居君巻き込んでるんだよ。」
 「貴さんが広めたって聞いたんですけど。」
 「ちが、違うよぉ〜。何言ってんだよ〜。」
 
 中澤は鬼神のメンバーとも仲が良かった。これは中居が入軍と同時に力を見せ、
 鬼神に入隊。石橋と木梨がコンビ解消、ピンとなった事もあり、石橋と中居
 という新しいコンビが誕生したばかりの頃の絡み。二人でふざけていると、
 前から中居が歩いてきた。
 
 「おい中澤〜、お前熱愛発覚なんて言って自分の希望言ってるんじゃねぇよ!」

 ダミ声は昔も変わらず、中居はいつものように現れる。3人でトークを展開していると、
 木梨が道を通りかかった。

 「中澤そう言うのも逆にピンポンだから。」
 最近(現実ではかなり昔だが)ヒットしたネタを“てんどん”でひたすら
 使いまわす芸人魂たっぷりの木梨も、昔と変わらなかった。
5350−2:04/04/30 23:08 ID:xssDweMv

 「王が死んだ?」

 王がある日、急死した。それに伴い、まことが王となる。自然な流れだった。
 しかし、
 「まこっちゃんがいなくなった?」

 突然の報告に中澤は驚きを隠せない。まことが突然の失踪。原因も全く見当が
 つかないが、とりあえず置手紙すら残さずに忽然と姿を消してしまった。
 それにあたり、国は臨時でつんくを王位に置き、1年経ってもまことが
 見つからなければ、その時はつんくを正式な王とする。それが法皇の意見。
 そのままその案で可決となった。
 
  王の急死、後継者一番手まことの失踪、悪い噂が立たないはずがない。
 当然、まことが王になると思っていたし、なるべきだと思っていた中澤は、
 疑問を感じずに入られなかった。
  
  Gacktとhydeが遠征で出かけている期間、中澤は動いた。二人の事は信用
 していたが、二人がいなければ自分に敵う実力者は城にはもういない。
 それを見込んでの行動開始だった。
5360−2:04/04/30 23:09 ID:xssDweMv
  行動開始は夜だった。流石に白昼堂々とまことの部屋に入るのは気が
 ひける。誰かが見ているかもしれないのに、そんなリスクを背負う必要性が
 感じられない。中澤はまことの部屋に入ると、部屋中を虱潰しに荒らした。
 いつ戻ってくるか分からないと言う考えから、部屋は綺麗なまま残されている。
 そんなに荒らすわけにもいかないので、とりあえず上辺だけ色々調べ回した。
  ・・・・特に何があるというわけでもなく、中澤はベッドの上に腰を降ろした。

 「・・・まこっちゃん。」
 中澤はまことに国王になって欲しい、というよりもなるものだと思っていただけに
 ショックが大きかった。しかもよりによってつんくが王?そんなふざけた事が!
 中澤は不意に下を向くと、あるものに気がついた。

 「赤い・・・?」
 ベッドの下の僅かな隙間に、赤い何かが見えた。中澤はすぐにベッドを
 無理やり動かす。すると、そこからは信じられないようなものが中澤の視界に入った。
 
 「(血文字・・・。)」
 
 その文字ははっきり「つんく」と読めるもの。
 中澤はベッドを直すと、すぐに部屋を飛び出した。
5370−2:04/04/30 23:15 ID:xssDweMv
 バン!!!!
 「誰や!!!」
 つんくは夜遅くまで王の間に居座る事が多い。
 それもこれも周りを警戒しているからだとしたら?
 
 「お前!!!まこっちゃんを・・・・!!」
 国王の急死だって死因は分かったものではない。つんくはいわば、
 校長の座を付け狙う教頭の立場だったのだ。中澤は剣を両手に持ち、
 つんくの首しか目に入らない。
 そのまま突っ込む。
 
 「ぅらぁぁぁ!!!」
 中澤は思い切り剣を振った。
 完璧なスピード、角度。かわせるはずがない。
 
 「やめろ!!!」
 しかし、腕を後ろから掴まれた中澤は、完璧だったはずの全てをあっさりと
 阻まれた。後ろを振り向くと、取り押さえていたのはなんと、信じられない。
 
 「ガックン、なんでおんねん!!」
 中澤は諦めなかった。暴れてGacktを振りほどくと、今度は拳をつんくの
 心臓めがけて、思い切り突き出す。
 
 『Blurry Eyes』
 「うっ!!!!」
 突然体の動きが鈍る。突き出した拳は、あっさりとGacktに止められてしまった。
 
 「何を・・・・した・・・。Hyde・・・。」
 中澤はほとんど動かせない体をなんとかhydeの方へと向け、精一杯に声を
 絞り出す。しかしhydeは中澤に目さえあわせず、
 「処罰はどうしましょう。」
5380−2:04/04/30 23:16 ID:xssDweMv
  中澤は結局、城の外へと捨てられた。Hydeのかけた呪文は能力抑制呪文だった。
 有効期間はhydeが生きている限り無限。中澤は今では一応問題なく戦えるほど
 までに回復したが、このときはほとんど動けず、3日這ってなんとか城下町まで
 たどり着いた時には、力尽きて死に掛けていた。
  そこで中澤を救ったのは、安倍だった。
 
 「?」
 
 倒れている中澤を、最初に発見した安倍は、とりあえず近づき、
 「生きてるべか〜?」
 軽くつついた。
 
 ピクッ。
 
 「うわ!!!な〜んだ生きてるなら生きてるって言えばいいのに。」
 
 安倍は中澤を担ぐと、家へと連れ帰り介抱。中澤はその後リハビリを重ね、
 なんとか人並み以上に戦えるまでに回復した。
 リハビリ中、中澤の心の中に常にあったのが国への復讐。しかし今の自分の
 体ではどうにもならない、と体を鍛えながらも半ば諦めていた。
5390−2:04/04/30 23:17 ID:xssDweMv
  そんなときだった。
 つんくが国民に重税を求め、ひどい政治を働き出したのは。中澤は思った。
 これはチャンスや。
 中澤はこれに便乗し、重税を課すつんくを倒し、国を変えよう、と革命軍を
 結成する事にしたのだ。
  つまり中澤は本心から国を変えようなんて、これっぽっちも思っていない。
 完全な後付である。国に追放された後、巨大な廃墟を利用して家を作っていたため、
 税も払わず。中澤は国営軍の最強パーティーとしてのプライドを、全く捨てていなかった、
 最初は。
 頑張っているメンバーの姿に、中澤はやがて感化され、段々国民側で物事を
 見れるようになっていた。
 

  ・・・・昔の事を思い出してもしょうがない。
 今日、決めるためにも・・・。
 
 「皆待ってろや。」

 中澤は過去への疑問、想い、全てをぶつけるべく、静かに立ち上がった。
 To be continued…