川o・-・)紺野もモー娘。卒業へ川o・-・)

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ご は ん 4

「今日ひまぁ??」
「え??」
急に加護ちゃんに誘われた。
今晩うちに食べにこいということらしい。
特に用事もなかったので承諾した。帰り一緒に加護ちゃんの家に行くことになった。

「でも急にどうしたの??」
「じゃじゃん♪」
帰りのタクシーの中で私が訪ねると、加護ちゃんは大きなスーパーの袋から、
お好み焼き粉を取り出した。

「本当は本池のみんなとやるはずだったんだけど、収録がおして都合がつかんくなって。材料もおいといたら悪くなるし、加護ちゃん持って行きなよって言われて、もらって帰ってきたのだ。」
ぱふぱふと袋を軽く叩く加護ちゃん。
私はどうして自分を呼んでくれたのかを聞きたかったんだけれど…。
もう一度聞きなおそうか迷っていたらタクシーがついてしまった。
70 :04/02/05 19:53 ID:uL5kfxtn
加護ちゃんは一通り材料をテーブルの上に出すと紅しょうがを探す。
「おかしいなぁ、このへんに…。おかーさーん??紅しょうがどこぉ?」
私は所在無く立っているだけだ。
何かやろうかと、聞きたくても隙が見つからなくて聞けなかった。
奥の方から加護ちゃんのおばさんが出てきて、「あらぁ、愛ちゃんこんばんはぁ。ゆっくりしてってな。」という。
私がうなずくとニコニコと笑って、紅しょうがとホットプレートを出してまた戻っていってしまった。
「今日はおばさん達一緒に食べないの?」
そう、いつもお邪魔するときは一緒に夕飯を食べているのに。
「うん、まぁね。さ!やるじょ〜!」
加護ちゃんは、はぐらかすように右手を掲げて気合を入れた。
71 :04/02/05 19:54 ID:uL5kfxtn
じゅうじゅうじゅう。
お好み焼きのタネは音をたててこんがりとしてくる。
私はそのお好み焼きと加護ちゃんをかわるがわる見た。
今日どうして誘ってくれたのか、とっても聞きたかった。
いつもは大体が私だけでなく、あさ美や辻ちゃんなんかも誘っているから、何か理由があるのかな?
「あの、」
「あ!愛ちゃん、もういいよ、少し押さえてひっくり返して!」
私の言葉をさえぎると加護ちゃんはお好みソースを取り出し、
ひっくり返したお好み焼きに、とろとろとソースをかけた。
じゅぅぅぅ。
あたりにいい香りがたちこめる。ぐうぅ。思わずよだれを飲み込む。
「おいしそぉぉ〜♪♪」
「うんうんっっ!」
質問するのもすっかり忘れて私と加護ちゃんはお好み焼きに見いった。
青のりの上でかつおぶしが楽しそうに踊っている。

「「いっただっきまーすっっ♪♪」」

「おいひいね。」
「ふんふん。」
はふはふとほおばると、白く湯気があがった。
加護ちゃんは舌で前歯についた青のりを必死にはがそうとしている。
私は私で、2枚目に手を伸ばした。
グラスの氷がカラカラと揺れる。
72 :04/02/05 19:55 ID:uL5kfxtn
「今日さ、」
いきなり切り出した加護ちゃんに私はビビる。前置きをしてください。
「今日愛ちゃんだけ呼んだの、色々理由があって。」
私はお茶を一気飲む。
「夏に、ののと卒業でしょ?」
「あぁ、うん。」
「愛ちゃん歌うまいじゃん。」
「えぇ??」
話がちぐはぐだ。加護ちゃんはもう1口、決心したように、ほおばる。
「うん、あのね。歌を教えてほしい。」
「????」
「うち、声をお腹からだすって、よくわかんないんだよね。」
私はうなずいて、もう1口。
「おぃおぃ、そんなことないよとか言ってよ!もぅ。…いいけどさ。
だから、これから愛ちゃんに特訓してほしいわけなの!
こんなこと…あしゃの前とかで言ったら、何か、悪くない??」
「あはは。」
「それに、やっぱりののは『ライバル』だし。」
加護ちゃんの表情がいくらか固くなった。
「一緒にやるって言えどさ、やっぱり負けたくないの。」
そう言ってグラスに手をかけて、ためらうように飲み干した。
加護ちゃんはとてもマジメな顔をしてる。
73 :04/02/05 19:56 ID:uL5kfxtn
「いいかな?」
最初、何がいいのかわからなかった。勿論私は最初から全て協力するつもりだったし。
「愛ちゃん、特訓してくれる?」
「もちろんだよぉ!」
「まず何からしよっか!」
テーブルに手をついて、身を乗り出す加護ちゃん。全く乗りやすいタイプだ。
「あ、じゃあさ。初めはもうちょっと身を絞ろうよ。あ、コラ。耳ふさがないの。」
加護ちゃんはイヤイヤをしてお好み焼きを箸でつまんだ。

「ほら、腹が減っては戦は出来ぬってね♪」
さぁ、いつから特訓ははじまるのでしょう??