133 :
ケロ:
『旅立ち』
「よし、じゃあ行くか」
荷造りが終わり俺は家の外に出た。
家の外にはすでに荷物を積み込んだトラックがあった。
俺がトラックに乗ろうとした時、
「涼」
「おぉ、絵里」
彼女の名前は亀井絵里。
俺の幼馴染みだ。
「ねぇ本当にアメリカに行くの??」
「あぁ」
「・・そっか」
俺の親は日本の大企業働いているが今回アメリカの方に行くことになった。
134 :
ケロ:04/03/08 16:08 ID:XCF45cud
「本当に行くの??」
「あぁ、こればっかしはしょうがないからな・・」
俺がそう言うと絵里は黙り込んでしまった。
「じゃあそろそろ行くか」
俺がとすると絵里は俺の服の袖を引っ張っていた。
「おい、離せよ」
「アメリカに行くんだったら離さない」
絵里は少し泣きそうだった。
「しょうがないだろ。もう決まった事なんだから」
「私は涼がいなくなるなんてヤダ!!」
その場が時間が止まったように静かになった。
「じゃあ約束して高校生になった時日本に帰って来るって」
そう言うと絵里は俺に小指を出した。
「わかった。約束する!」
俺は絵里の小指に自分の小指を絡めた。
「約束だよ!!」
そう言うとゆっくりと指が離れた。
「そろそろ時間だ。行くぞ涼」
「わかった。じゃあな絵里」
俺はトラックの中に駆け込むように乗った。
「じゃあな絵里・・」
俺は呟くように言った。
そしてそのまま俺は日本を後にした。
涼、中学1年の春の事だった。