【モー娘。年代・メンバー別能力値】

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82名無し
「ユニット組んだはいいものの、うちら全然仕事してないな」
と言って市井ちゃんは縁側で足をぶらぶらさせる。
「そうだよ青春は短いんだよ、今のうちに輝くだけ輝かないと。」
と私はドラえもんを読みながら言う。
「少女の時間は一番美しくて儚いからな」
と言って市井ちゃんはやたら詩的な顔つきをした。私はまるで少女漫画の世界に迷い
込んだような気分になった。
「ああ美しくて儚いままずっと居れたらいいのになあ。」
私はそんなことを呟く。
「よし、ツジとカゴを殺そう」
と言って市井ちゃんは立ちあがった。
83名無し:04/01/03 19:43 ID:0oBsqZgC
というわけでモー娘。の楽屋にいる。人は全員出払っているらしく影も形もない。私たちは
顔を見合わせてニヤニヤ笑う。待ち伏せだ。古今東西老若男女を問わずに訪れるあの
感情、つまり待ち伏せの時に感じるあの昂揚感。それが私たちを限りなくニヤニヤさせた。

「ああ早く撃ちてえ。なんて言おう。なんかカッコいいセリフないかな後藤?」
「市井ちゃんダメだよにやにやしちゃ。ゴルゴみたいな感じで行こうよ。」
「一つ人の世の生き血をすすりぃ」
「やばい興奮して鼻血出てきた。」
84名無し:04/01/03 19:47 ID:0oBsqZgC
とりあえず私はティッシュを鼻に詰めた。市井ちゃんが首の後ろをとんとんと叩いてく
れる。叩きながら市井ちゃんはこんなことを言う。
「しかし考えてみたらお前ともながい付き合いだよな」
そして私もしんみりと答える。
「そうだよね市井ちゃん思えばながい付き合いだよ。」
楽屋の鏡に二人がうつる。鏡越しに目が合ってそれが合図に変わる。それから
私たちはしみじみ思い出話を語り合った。それはまるで汲めども汲めども尽きない
神話の泉のように後から後からあふれて、私たちの心をどんどんと子供にかえした。
「あたし最初はさ、市井ちゃんのこと嫌いだと思ってたんだけど、うるさい先輩って
感じでさ・・・でもさ・・・」
「わかってるよ後藤・・・」
市井ちゃんが涙を我慢しているのに気づいて私はなおさら泣けなくなって、それで
なおさら泣きたくなった。
私たちはいつまでもそのままの姿勢で、鏡越しに見つめあいつづけた・・・
85名無し:04/01/03 19:49 ID:0oBsqZgC

 その頃楽屋の外では辻と加護が立ちすくんでいた。
 ドアを開けようとして、異様な雰囲気を察知したのだ。
「見てみ、泣いとるで・・・」
 加護が小声で言う。
「なんでかってに楽屋に入ってんだろう・・・」
 辻も小声で呆れたように呟く。
「ああはなりとぉないなぁ・・・」
「だいじょうぶだよあいぼん、ああはならないよ・・・」
 どちらともなく、二人は顔を見合わせる。
 そして微かに笑う。すこし疲れたように。