【モー娘。年代・メンバー別能力値】

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60名無し

ある日目が覚めると居間に圭ちゃんが居た。
「誕生日おめでとうサヤカ。死ね。」
ギラついた目で包丁を握る。完全に殺す気であると一目でわかる。つま先から頭の
テッペン神経の一本一本にいたるまで、まるで殺意のカタマリのような圭ちゃん。
「落ち着いてケイちゃん、話せばわかるってば!危ないっ!」
対するはおそらく寝起きである市井ちゃん。パジャマにナイトキャップの殺し屋さん。
61名無し:03/12/30 23:59 ID:ut4Yisrn
居間のテーブルをはさんで二人は向かい合う。圭ちゃんが右にずれれば市井ちゃん
は右に。圭ちゃんが左に動けば市井ちゃんも左に。
「ケイちゃんを危険なことに巻き込みたくなかったんだよ」
と市井ちゃんは言う。
「絶対ウソ」
と圭ちゃんは言う。
「なんでバレたんだ」
市井ちゃんは首をかしげて呟く。さらに怒り狂う圭ちゃんはついにテーブルを乗り越え
て飛びかかろうとする。次の瞬間その動きがぴたりと止まる。市井ちゃんの様子が
おかしいのだ。
62名無し:03/12/31 00:10 ID:V0U38tY8
「なんでバレたのか・・・わからない、完璧なウソだったのに」
市井ちゃんは頭をかきむしりながら苦悶の表情をうかべる。
「ど、どしたのサヤカ」
豹変した市井ちゃんの様子に圭ちゃんは戸惑う。もちろん私は戸惑わない。奴の
やりくちはだいたいわかってきたからだ。けれど決して私が賢いというわけでは
ないのだ。
やがて市井ちゃんはがばっと顔をあげる。芝居臭い顔つきでまくしたてる。
「ケイちゃんもしかしてエスパーなんじゃないの?すげぇよその洞察力。
いやマジ完敗って感じ。乾杯。どっちでもいいや。とにかくすげぇ。市井紗耶香
土下座します。ははー」
63名無し:03/12/31 00:17 ID:V0U38tY8
「・・・いやそんなに言わないでよ。照れる。」
「長い付き合いだけどまさかケイちゃんにこんな才能があったとは。ケイちゃんアレだよ
もしかして探偵さんとか向いてるんじゃ?ほら眼鏡超にあうし。語学堪能だし」
「かなぁ。いやアタシもそんな気はしてたんだよねえ。」
「ああやっぱり。言うまでもなかった。そうだよねケイちゃんくらい鋭かったらそんなこと
自分で気づくよね。アタシのバカ。バカ。バカ」
言いながら市井ちゃんは自分の頭をポカポカ叩く。
圭ちゃんは嬉しそうに「事務所はどこにしようかな。」と呟いている。すでに包丁は
テーブルに置きっぱなしで、意識は遠い世界に飛んでいるようだ。
私はトコトコとテーブルへ向かい、包丁を手にとった。
それから台所へ行って、三番目の引き出しにそれを戻した。
64名無し:03/12/31 00:43 ID:V0U38tY8
イチイチャムオメ
65名無し:04/01/01 01:16 ID:UztXvMkn
アケオメ
66名無し:04/01/01 01:17 ID:UztXvMkn

「明けましておめでとう。」
と私は言った。市井ちゃんは笑いながら答える。
「なんだ改まって」
私はにっこり笑って鉄パイプを振り上げる。
「誕生日にスキャンダルを暴露されちゃうようなやつは死ぬべきだと思う。」
67名無し:04/01/01 01:20 ID:UztXvMkn
市井ちゃんは顔をしかめる。
「参ったな・・・」
「参ったなじゃないよ。とりあえず死ね。」
私は鉄パイプを振り下ろす。しかしすでに市井ちゃんは身をかわしている。
「お、落ち着けバカ」
「誰がバカよ。」
と言って私は逃げる市井ちゃんを追う。
68名無し:04/01/01 01:25 ID:UztXvMkn
居間にいる。私たちはテーブルをはさんで睨み合う。いつか見たシチュエーションだ。
私が右にずれると、市井ちゃんはやっぱり右にずれる。
「二人で殺しあってもしょうがないだろ」
と市井ちゃんはうつむく。
「殺し屋なんだからいいじゃない殺しあっても。」
と言いながら私は、鉄パイプ片手にテーブルを乗り越えようとする。市井ちゃんまで
あともう少しというところまで身を乗り出す。とたんに市井ちゃんの右手が動き、次の
瞬間、私は額につめたい感触を感じている。
69名無し:04/01/01 01:29 ID:UztXvMkn
「まだまだ甘いな」
市井ちゃんはにやりと笑う。銃をつきつけられ私は仕方なく鉄パイプを捨てる。
「卑怯だよ油断させといて。」
と私は不敵に笑う市井ちゃんを睨みつけ、ぼやく。
「お前ごときに殺されるわけないだろ」
なおも笑ったままの市井ちゃん、でもそう言う声にはちょっと元気がなかった。
「市井ちゃんのバカ。」
と言って私は泣きだす。
70名無し:04/01/01 01:31 ID:UztXvMkn
そのまま延々と泣きつづける。
わんわん泣く私はまるで4年も昔の私のようで、それを見ながら困る市井ちゃんもまるで
4年も昔の市井ちゃんのようだった。
だから私は延々と泣きつづけた。