【モー娘。年代・メンバー別能力値】

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173名無し
そんでとにかく色々あった。
圭ちゃんいわく「サヤカにはバチがあたったんだ。ネコになったサヤカを元に戻す
ためには鉄パイプで三百回殴らないといけない。だからサヤカをちょっと貸してくれ。」
ということだった。圭ちゃんはどこまでもマジな顔だった。
「鉄パイプで三百回もなぐったら死んじゃうじゃん」
と私は思ったのだが言わなかった。
「何よアタシばっかり悪者にして。」
なかなか答えない私に向かって、圭ちゃんはふてくされたようにそう呟いた。
174名無し:04/03/01 20:30 ID:txjh9ERq
しょうがないので私はスキをついて圭ちゃんの家から市井ちゃんを連れて逃げた。
家の前に止まっていたホンダクレアスクウピイをパクってそれで走った。クレアスクウピイ
なら燃費もいいし、静かだから逃げ切れると思ったからだ。
というわけで私は深夜の国道を走っている。
懐では市井ちゃんが寒そうに震えている。
いつか見たシチュエーションに私は不思議とノスタルジックな気持ちになり、後ろから
トラックが走ってくるのに気づかない。
175名無し:04/03/01 20:34 ID:txjh9ERq
夜中の国道が真っ白に染まったような気がした。横断歩道の白だったのかもしれない。
強い衝撃があって、くるっと視界がまわった。わかったのはそれだけ。もしかしたら
トラックが突っ込んできたのかもしれないな、と私はぼんやり他人事のように思った。
それから懐の市井ちゃんを腕でしっかりと包んだ。
白はどんどん深く強まっていく。やがて赤みを帯びて夕焼けのようになった。
それが私にはとても切なく。夕焼け。Tシャツ。ヤキソバ。大盛り。
176名無し:04/03/01 20:35 ID:txjh9ERq

「わかってないじゃない、市井ちゃんどうすんの。」
「おっ、いいなあその出だし」
私たちは普通に市井ちゃんの家にいる。遠くではネコが鳴いている。日曜の午後
日差しが差し込んでくる12畳くらいの和室にいたけど市井ちゃんの家にそんな
部屋あったっけとはちょっと疑問だ。
とにかく寝転がってる二人。
「まあいいじゃないかワケわかんない病気から解放されてさ」
と市井ちゃんは笑う。
177名無し:04/03/01 20:36 ID:txjh9ERq
私たち小説のなかでしか一緒にいらんないんだよ市井ちゃん。

「まあ大丈夫だろあたしくらいんなると生き様そのものがネタだから」
と市井ちゃんは不敵に笑う。どこか翳りを帯びたその瞳。私はこの瞳が好きだ。
だから私もくすっと笑う。
「じゃあ市井ちゃん。」
「ああ、任せとけ」
市井ちゃんは立ち上がる。私はそれを見送る。
178名無し:04/03/01 20:36 ID:txjh9ERq
気づけばがらんとした和室に一人で居る。
私は誰といたのかをもう思い出せない。すべてが夢だったようにも感じる。
誰かが居なくなったという意識だけが鮮明に残っている。
「・・・あ、仕事行かなきゃ」
そう言えば収録やなにやら今日も一日、大忙しだったはずだ。私はそれを
思い出す。

私はクレアスクウピイのエンジンをかける。事務所までは国道を走れば10分で
付くはずだった。いきなり原チャ乗り付けたらマネージャー、さぞかしびっくりする
んだろうな。私はくすっと笑う。ぶううんと低い音がして私はもう走っている。
179名無し:04/03/01 20:39 ID:txjh9ERq
なんでもいいけど
市井ちゃんの子供は絶対可愛いよね