149 :
名無し:
目がさめると小さな部屋に居たの。
「あれ・・・ここ、ドコ?」
私はベッドから身を起こす。パイプベッド。埃っぽい部屋。窓からは西日が差し込んで
一瞬、部屋中が赤く染まっているように見えた。
私は一人だった。状況をひとつひとつ整理しようと思う。しばらくして頭を振る。
何一つ思い出せない。記憶がない。市井ちゃんと駅のベンチ。ケラケラ笑う
市井ちゃん。抱き合って。それから。市井ちゃん。市井ちゃんが居ない。市井
ちゃんが居ない。市井ちゃんが。
150 :
名無し:04/02/15 05:19 ID:KR/yeyzH
部屋にはドアがひとつ。私はそれに近づく。ドアにはでっかく、落書きが
してある。
『ドアあけるな 右腕を見ろ』
なんでドアなのに開けちゃいけないの。
私は軽く切れ気味で右腕を見る。そこにはきったない字で色々書かれてる。
『外に出るのは厳禁です 10分経ったら忘れる病気 電車でふたり刑事が死んでたから
逃げた ここはチバ県の奥地 ケイちゃんが来た時だけドアを開けるように 他の人が来たら
ドアを開けないように 12時までには帰ってくる 外に出るのは厳禁です』
私はそれをバカみたいに何度も読んだ。