「みんなネンネ(死語)やなあ・・・」
「だってねえ・・・」
「最近の小学生ってスゴイよね・・・」
「レディコミの読みすぎだよ・・・」
安倍とケイと矢口は照れくさそうに言った。
「(ネンネってどういう意味?)」
他の6人は首をかしげていた・・・
「まあ、いずれみんな大人に・・・・・」
中澤はそこまで言いかけて言葉を止めた。
「コホン・・・で、結局まともな情報は無かったんか?」
軽く咳払いをすると慌てて話題を変えた。
「うん、冷やかしが4件、『すぐ来て!』が6件、相談が3件・・・」
矢口は手紙を分けながら言った。
「まあ相手は小学生やからな」
「雅ちゃんも少しは選んでくれればいいのにね」
「まだ始まったばかりだし・・・」
「でも『すぐ来て!』が本当だったりしたら・・・」
安倍がそう言うとケイが笑い出した。
「あんなの真に受けちゃダメよ。・・・・でもねえ・・」
「うん・・・」
矢口もちょっとだけ引っかかっているようだった。
「まあ100%嘘やと思うけどな・・・そうや。」
中澤はそう言うと辻と紺野と小川を呼び出し、手紙を渡しながら何事か指示していた。
「よし、じゃあ言って来い!」
「わかりました!」
3人とも元気良く飛び出して言った。
「結局見に行かせたの?」
「キリが無いよ。」
「でも、このままじゃ冷やかしが減らんからな。」
「無視した方がいいんじゃないの?」
「大丈夫や、3人には変身してドアを蹴破って家に入るように指示したから。」
「え?・・・」
「そんで『怪人どこだー!』と適当に暴れて、嘘やったらガキ絞めて来るように言っといたわ」
「・・・誰か止めに行って来い。」
30分後・・・
「なんとか被害は3軒で済みました・・・」
高橋と新垣が3人を連れて帰ってきた。
「せっかくこれから子供に説教するところだったのれす」
「中澤さんに仕事を頼まれて張り切ってたのに・・・」
「どうして止めるんですか?」
3人は不満そうだった。
「・・・少しは疑問を持って行動しろよ、お前ら・・」
ケイは呆れた様子だった。
「ええ考えやと思ったんやけどな・・」
中澤も少し不満そうだった。
「いくらなんでも荒っぽすぎるよ」
「気持ちはわかるけどさあ・・」
「・・・でもまあいい見せしめにはなったかもね。」
安倍もケイも矢口も文句を言いながらも内心は中澤を支持しているようだった。
「・・・じゃ、ポストの方は気長に続けるということで・・・」
中澤がこの場を締めようとしたときに、矢口が手紙を取り出した。
「ちょっと待って、実はもう1通あるんだけど・・・」
「なんや今ごろ・・・」
「ポケットに入れたのを忘れてたんだよ。」
「一応読んでみてよ。あまり期待してないけど・・」
安倍にそう言われ矢口は手紙の封を開けた。
「『ライダーさん、僕のお父さんはお酒が大好きです。でもお酒を飲むと暴れるのです・・』」
「今度は家庭相談かよ・・・」
「『・・・いつもベロベロの大トラになって帰ってくるのです。おかげで家族は怪我が絶えません』」
「気の毒だとは思うんだけどね・・・」
「うん、うちらの仕事やないなあ・・・」
「『・・・きのうは体長3メートル、体重350キロの大トラになり、お母さんが大怪我をしました。』」
「・・・・」
「『犬のジロも食べられてしまいました。今日あたり家族の誰かが食べられてしまうかも知れません。
ライダーさんお願いです、助けてください』・・・」
「・・・・行ってくる!」
「待って、私も行く!」
安倍とケイはそう言って飛び出して行った。
「・・・どうやら役に立ったな。」
「みたいだね。まだ奴らの仕業かどうか分からないけどね・・・」
矢口はちょっとだけ嬉しそうだった。
この手紙がきっかけとなり、ゼティマの「人類獣人化計画」を未然に防ぐことになるのだが、それはまた別のお話・・・
そして「ライダーポスト」と「少年仮面ライダー隊」はこれからもいくつかの事件を解決していくことになるのだった。
「黒い仮面ライダー?」
〜終わり〜
おまけ
「ねえ、あの手紙何が書いてあったのれすか?」
「うるさい、早く寝なさい!・・・」