サラマンドラの腕から解放された雅はがっくりと膝を付いた。
アマゾンが素早く雅を抱きかかえ、安全な所に運ぶ。
それを見たV3が腕をひょいと振り回す。
ドガァ!
腕を掴まれていたサラマンドラは勢い良く壁に叩きつけられた。
「グウゥ・・・」
サラマンドラはうめき声を上げながら倒れこんだ。
「何やってたのよ、矢・・・V3。」
「そっちを見失っちゃって・・それよりこんな奴らを相手に何をモタモタしてんの?ケイ・・・・ケ、ケメコ。」
「・・・・誰がケメコよ。あんたのために相手を残しておいたんじゃないの。」
「どうだか・・・」
「食らえ!」
突如二人を炎が襲う。ガマゴエモンの火炎ガマ油だ。
「このっ!」
アマゾンは炎をかいくぐりガマゴエモンに突進する。
「ぐああ・・・」
ガマゴエモンはあっけなく叩きのめされ地面に伏した。
「弱えーなあ・・・」
V3は呆れてその様子を見ていた。
サラマンドラもガマゴエモンも、あまりにも歯ごたえが無さ過ぎる。
「くっ!・・・カァッ!」
V3が振り返ったスキを突いて、サラマンドラがV3に石化泡を吐く。
V3の背後から複数の泡が襲う。
「・・・なにっ!」
V3はまるで後ろに目でもあるかのように、後ろを向いたまますべての泡を避けてみせた。
実力が違いすぎた・・・
V3は悠然と振り返り、サラマンドラに向かって歩き出した。
「う・・・くそう!」
サラマンドラは苦し紛れに再び泡を吐いた。
「あっ!」
泡はV3にではなく雅に向かっていた。
「くそっ!」
V3は泡に向かってジャンプ。身を挺して雅をかばおうとする。
バシャア!
「?」
突如V3の前に人影が現れ、体で泡を受け止めた。
泡をかぶった足がみるみる石になっていく・・・
「ううう!!」
悲痛なうめき声が地下室にこだました。
「貴様!・・・この人でなしめ!」
サラマンドラの怒鳴り声が響く。
「ぐぐぐぐ!!ひでえ!」
V3の足元ではガマゴエモンが石になった足を押さえてうめいていた。
アマゾンにぶん投げられたのだった。
「どっちが人でなしだ・・・ねえ、さっさとやっつけちゃおうよ。」
V3はそう言ってサラマンドラを引きずり起こした。
「そうね。でも必殺技を使うまでもないよね。」
アマゾンもそう言いながらガマゴエモンに近づく。
「く、くそ。あの4人だけじゃなかったのか!・・・」
「本部の情報部め・・いい加減なことばかり言いやがって・・」
サラマンドラとガマゴエモンが怯えながらつぶやいた。
「『あの4人』って?」
「あ、それはねえ・・・」
アマゾンがV3に説明を始めた。
「・・・私らがあの4人より下・・・ってかい!」
「馬鹿にしてるでしょ?」
アマゾンは片足が石になったガマゴエモンを引っぱり上げながら言った。
「気が変わった、本当の力を見せてやる!・・・行くよ!」
「おう!」
そう叫ぶと二人は互いに怪人を投げつける。
そして飛んできた怪人に向かって同時にジャンプ!
「V3マッハキィック!」
「大切断!」
「・・・ギャアー!」
「グワアア!!」
2人の怪人は必殺技をモロに食らい爆発した。
「ひっ!・・・」
強烈な爆風が雅を襲う。雅は思わず目を閉じた。
「あれ?」
いつまでたっても爆風は来ない。
そっと目を開けると目の前に2人のライダーがいた。
2人は盾となり、爆風から雅を守ったのだった。
「・・・あの、あなたたちはひょっとして仮面ライダーさん・・ですか?」
2人は黙ってうなずいた。