仮面ライダーののBLACK

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586名無しスター
「くそっ!・・・」

さすがのケイもこれ以上追いかけるのは無理だ。
その場で立ち止まり、肩で息をしながら膝に手を付いた。

キキィ!!

そこへ猛スピードで走ってきたバイクが音を立てて止まった。

「ケイちゃん、乗って!」

「遅いよ、矢口!」

ケイはそう言ってバイクの後部シートに飛び乗る。

「やっぱりあの子なの?」

「うん、多分間違いないよ。」
587名無しスター:04/01/13 20:57 ID:LW8QsSTs

矢口とケイは2人で夜間パトロール中だった。
(ジャングラーは目立つので、今日は矢口と2人乗りだった。)

そこで偶然さっきの場面に出くわした。
ケイすぐに出て行こうとしたが、矢口は少し躊躇した。
あの空手の動きに見覚えがあったからだ。
顔が知られているかも知れない・・・

矢口は物陰に隠れ、とりあえずケイ一人で様子を見に行ったのだった。

「でもあの子、どうしてあんなことを・・・」

「くそ、追いつけなかった・・・やっぱり明日からトレーニングを再開するよ!」


「・・・・いや、必要無いと思うよ・・・」
588名無しスター:04/01/13 21:10 ID:LW8QsSTs

雅は後ろをチラチラと振り返りながら必死に逃げようとする。
しかし無改造のスクーターでは60km/hが限度だ。
矢口の運転するバイクは雅のスクーターにみるみる近づいていく。

キキキィィィ―!

矢口が追いついたと思った瞬間、突然スクーターがブレーキをかけた。

「あっ!あぶない!」

慌てて矢口は横に避ける。

勢い余った矢口はスクーターを追い越してしまった。
スクーターはその隙に路地に逃げ込む。

「・・・・しまった!」

矢口は慌ててUターンして路地に入った・・・
589名無しスター:04/01/13 21:13 ID:LW8QsSTs

「あれ?・・」

路地に入るとスクーターが倒れていた。

「・・・コケたのかな?」
「でも、あの子は?」

雅の姿が見当たらない。

「走って逃げたのかな?・・・」

「ちょっと、これ見てよ・・・」
ケイがスクーターの異変に気付いた。

「コケた跡が無いね。」
地面にも、スクーターの側面にも擦ったような跡が無い。

「それに、これ・・・」

逆にフロントカウルは穴が開き、握り潰されたように曲がっている。

「壁にぶつかった・・・わけじゃないよね、これ。」

二人は立ち上がり、警戒して周りを見渡し始めた。
590名無しスター:04/01/13 21:22 ID:LW8QsSTs

「あれ見て!」

矢口がそう言って指差した方向に、月明かりに照らされた人影があった。
いや「人」とは思えないシルエットだ。屋根の上をジャンプしながら移動している。

「あっ、あの子が!」
よく見るとその影が雅を抱えている。

「追いかけるよ!」

「バイクじゃ無理よ・・・ハァーー!・・・」

バイクに飛び乗った矢口の横でケイが腕をクロスさせた。

「ちょっと!まさかここで・・・」


「アーーマーーゾーーン!・・・」

そう叫びながらクロスさせた腕を開くとケイの目が赤く光り、全身がまばゆい光に包まれた。

「先に行って待ってるからね」

光の中から現れたアマゾンはそう言ってをジャンプし、さっきの影を追いかけた。