仮面ライダーののBLACK

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101ナナシマン
第45話 「狙われた秘宝伝説・インカ超エネルギーの謎!」


 霊峰富士の懐に抱かれた緑の魔界、それが富士樹海である。南米に勢力を誇る
ゼティマの大幹部、十面鬼はここにアジトを構え日本侵攻の拠点とした。彼の
目的はただ一つ、組織の野望のために絶対に必要となる密林の至宝、ギギの腕輪
とガガの腕輪を強奪することである。

 「出でよ、モグラ獣人」

地獄の底から響くような不気味な声。十面鬼により呼び出された新たなる尖兵、
それは赤い体毛に覆われたモグラの怪物であった。土煙を吹き上げながら、
モグラ獣人は地底より這い出して主である十面鬼に拝謁する。

 「チュチュー。お呼びですか十面鬼様」

 「モグラ獣人よ。貴様は今より東京へと向かい、仮面ライダーアマゾンから
二つの腕輪を取り返してくるのだ」

 軍団の尖兵に十面鬼はそう言って指令を与える。しかし、この獣人はこれまで
十面鬼が遣わした者達とはなんとなく風情が違う。何と言うのだろうか、十面鬼
の手先達が放っていた禍々しさが、このモグラ獣人からはあまり感じられない
のである。むしろそのたたずまいからはとぼけた味わいすら滲み出ている。
102ナナシマン:03/10/29 22:54 ID:mu7WyCRY
 「お任せください。アマゾンから腕輪を取り戻してみせます」

 「行け!」

 「奪い取るのだ!!」

 モグラ獣人の意気に十面鬼が応え、かくして獣人は東京を目指して再び土煙を
あげて猛進を始めた。獣人の身体が完全に地中に隠れ、地の底を掘り進んでいると
見た十面鬼は、更にもう一体の獣人を呼び出す。彼の召還に応じて現れたのは、
一匹の巨大なカニだった。

 「カニ獣人よ、モグラ獣人の後を追って東京へ向かうのだ。モグラ獣人が
しくじったならば、すぐにもお前が腕輪を奪い取れ!」

 十面鬼は善後策として、カニ獣人を第二の刺客として東京に差し向けることに
したのである。全身暗緑色のカニの怪物、カニ獣人は喜び勇んで巨大なはさみを
打ち振るう。

 「モグラの出番なぞあるものか。このカニ獣人が腕輪を奪い取ってご覧に入れます」

そう言うと、カニ獣人は巨体を揺さぶりながら十面鬼の前から姿を消す。2体の
獣人がそれぞれに東京を目指すこととなり、十面鬼は直ちに赤ジューシャ達に
命じて作戦の支援に当たらせた。

 「キョエーイ!モグラ獣人とカニ獣人のことは我らにお任せください」

例の赤ジューシャ二人組は、他の赤ジューシャ達と連れ立って東京へと向かった。
かくして、十面鬼がもくろむ腕輪強奪の二正面作戦は今始まろうとしていた。