101 :
西郷樹:
気付いた時には、私はどこかの部屋にいた。
『あら、もう起きたの?』
美貴ちゃんだった。手には何か持っている。
『はい、まあお水でも飲みなよ。』
「ここは、美貴ちゃん家?」
『そうよ〜。もう、紺ちゃん途中で寝ちゃって大変だったんだから〜。』
なんとなく記憶は残っているのだが、まさか“睡眠薬入れたでしょ?”とは、聞けない。むしろ、答えを聞くのが怖い。
とにかく、あまりいい予感はしなかったので早々にここから立ち去ろうと思い、
「あ、ありがとう。じゃあ、もう帰るね。」
ドアを開けようとすると、いきなり目の前に美貴ちゃんの手が出てきて退路をふさがれた。
『帰らせないわよ。』
「な、なんでよ?」
『ねぇ紺ちゃん、高橋とはどこまでした?
どうせまだキスもしてないんでしょう?』
言いながら美貴ちゃんはいきなり唇を寄せてきた。
「ちょっ!ちょっと、やめ・・・・・」
『あんなのより美貴のほうがずっといいわよ・・・・・』
抵抗する間もなくキスをされた。
ファーストキスだった。実は、まだ愛ちゃんともしたことがなかった。
「んっ・・・・・・・・・・」
初めての感覚だった。
なんとも言えないような不思議な感覚。
それが嫌かどうかすらわからないような不思議な気持ち。
何も理解できず、抵抗すらできなかった。
すると、美貴ちゃんがいきなり舌を入れてきた。
「いやっ!!!」
思わず美貴ちゃんを突き飛ばしてしまった。
自分でも自分の気持ちがわからなくなりそうで、美貴ちゃんの顔を見ることもできずに、私は外に飛び出していった。
102 :
西郷樹:03/11/23 21:30 ID:bp8wNfjE
家に帰る途中で、私はじっくりと考えていた。
確かに、いきなりキスをされたのにはびっくりしたけど、
なんというか、悪い気はしなかった。
「美貴ちゃんも私のこと好きでいてくれたんだなぁ・・・・・」
誰に言うでもなく、自然と口をついて出た。
103 :
西郷樹:03/11/23 21:30 ID:bp8wNfjE
私には、愛ちゃんがいるのに・・・・・・・・・・
自分で自分の気持ちが分からない。こんなこと、初めて。
私は、美貴ちゃんのこと・・・好きなの?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・