★■続亀井絵里の小説3■★

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92名無し募集中。。。:03/11/12 20:25 ID:aKcaoKo+
少なくとも三度は入れ替わってるだろ。
あらためて一話から読み直すとぜんぜん違うよ。
でもこっちの方が面白いし、自分的にもいいと思う。
Pちゃん、これからもがんばってください。
93名無し募集中。。。:03/11/13 20:47 ID:afLPFd3A
ageときまーす。続き、楽しみに待ってまーす
94(・∀・):03/11/14 23:40 ID:YGVkKDAG
☆ノハヽ
ノノ*^ー^)
95Pちゃん:03/11/16 17:46 ID:zMZoNyf3
「年長メンが・・・何よ?」
高橋愛は明らかになにも知らない表情で藤本に言った
「なんでもねぇよ、けどお前もいずれあたしら側につくか、
この世界を辞めるかって時がくるはずだ。よく考えときな」
「・・・」
聞き返せなかった。不思議と事実を知ることに恐怖を感じた。
高橋はただトイレの入り口に立ち尽くしていた。
「じゃ戻るから」
ポン、と高橋の肩を叩いて藤本は早足で戻っていった。
96名無し募集中。。。 :03/11/16 19:34 ID:q+acg+ii
Pちゃん乙!
97ぱっつん絵里:03/11/19 14:11 ID:HN36KnqQ
保全しときます
98Pちゃん:03/11/24 11:30 ID:33WuiI2u

相変わらず、石川と吉澤の険悪なムードは続いている。
もちろんそれは絵里だけではなく、他のメンバーも気づいていた。

「なんか・・・嫌やなぁ」
「早くなかなおりしてほしいれすねぇ」

いつもは元気なこの二人も、やっぱり影響されてか、元気がない。
飯田は見てみぬふりをしていた。

(どうせいつものケンカなんでしょ)

正直、面倒くさいという気持ちもなかったわけではない。
ここ数日の度重なる疲労で、とても他のメンバーまで気を回す余裕がなかった。

・・・リーダー失格だってことは分かっている。

改めて、中澤の大変さを身に沁みて感じる。
無意識に中澤と比べてしまう自分がいる。

(あたし・・・やっぱり向いてないよ、裕ちゃん・・・)

99Pちゃん:03/11/24 11:30 ID:33WuiI2u

ふと、飯田は顔を上げた。

(声がする・・・)

そっと声のする方へ進む。
どうやら誰かが歌っているらしい。
曲は「モーニングコーヒー」。
懐かしいな、と自然に笑いがこみあげてきた。
あの頃は、何も考えてなかった・・・ただひたすら練習して、歌いたくて・・・。

「飯田さん?」

はっと意識を取り戻す。
「交信」は飯田の悪い癖だった。もう治ったと思っていたのに。

「か、亀井・・・だったんだ。歌ってたの」
「あ・・・聞こえてました?ヤだなぁ・・・下手なのに聞かれちゃった」

そんなことないよ、という風に飯田は首を振る。
確かに歌唱力、という点ではあの頃のメンバーには大きく劣る。
でも、絵里のその無意識的な表現力、魅せる力というのは、飯田も評価していた。

(この子、ちょっとなっちに似てるんだ・・・)
(こんな風に、なっちもよく残って一人で練習してたっけ)

100Pちゃん:03/11/24 11:31 ID:33WuiI2u

「エライね、亀井。練習してたんだ」
「はい・・・もっともっと練習しないと」
「でも、なんでモーニングコーヒーなの?」
「だって・・・」

絵里は笑った。

「だって、好きなんです。この曲」

「そっ・・・かぁ・・・」
「はいっ」
「・・・じゃぁさ、あたしも一緒に歌っていい?」
「えっ?」
「なんか、懐かしくなっちゃってさ。最近ぜんぜん歌ってなかったし」
「は、はい」
「よし、じゃぁいくよっ・・・・」

誰もいないレッスン室に、絵里と飯田の声だけが重なる。
歌いながら飯田は、常に冷静に絵里を見ていた。

(やっぱり似てる・・・表現も、歌い方も)

101名無し:03/11/25 08:47 ID:HwTIl/Kc
モーコーキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!

作者さん、乙です。
102名無し募集中。。。 :03/11/26 00:48 ID:rOU6+t/V
Pちゃんがんばってぇ〜♥
103Pちゃん:03/11/27 00:39 ID:YMudzNpV

「楽しかったよ、ありがと。亀井」
「絵里の方こそ・・・ありがとうございましたっっ」

大きく頭を下げて、帰っていく絵里の後姿を見ながら
ぼんやりと飯田は考えていた。

「やっぱり・・・あたしも頑張らなきゃ!!」

いつまでも逃げてばかりじゃいられないから。
そう、自分自身に言い聞かせ、ケータイを手に取る。
ピッ、ピッと押すのは「吉澤ひとみ」の番号。

プルルル・・・プルルル・・・プルルル・・・

「あ〜・・・もしもし、よすぃ子?ちょっとね・・・話があるんだ・・・・・」
104Pちゃん:03/11/27 00:40 ID:YMudzNpV

珍しく飯田から呼び出しを受け、吉澤は戸惑っていた。

(話がある・・・か。多分、梨華ちゃんのことなんだろうな)

飯田はリーダーである・・・が、もちろんあの新生モーニングの話はしらないだろう。
言ってしまうべきなんだろうか、とも悩む。
でも早過ぎる気もする。まだ、言うべき時じゃないのかも―――。

「なんだよ。随分暗いじゃん」
「・・・・さっき。飯田さんから電話があった。話が、あるって・・・」
「話ィ?」

勘の鋭い藤本は、一発でピンときたらしい。

「ふーん。石川とのことで、説教でもされるんだ?」
「分からないけど・・・」

ふと、藤本の表情が消える。
105Pちゃん:03/11/27 00:40 ID:YMudzNpV

「・・・この際さぁ。飯田もコッチに引き入れとこうよ」
「え?コッチって・・・」
「どうせ無能リーダーのことだから、あいつも新生モーニングの事とかしらないんだろ?」

無能、という言い方にはカチンときたが、確かにそう思う節はある。
ボーっとしていることの多い飯田だ。きっと気づいてないに違いない。
藤本のいうとおり、「コッチ」に引き入れるとは・・・新生モーニングの事を打ち明けるということか。

「あたしも行くよ。リーダーの所」
「はぁ?な、なんで」
「行っちゃいけないわけ?大体アンタ、一人で全部説明できんの?」

痛い所をつかれた。
藤本に説明をさせた方が、自分でするより格段にスムーズに進むことは目に見えている。

「わかったよ・・でも、飯田さんにばらして、その後はどうするんだ?」
「そん時はそん時だよ。どーにでもなる」

二人は立ち上がった。
飯田との待ち合わせは、いつもの喫茶店。ここから数十分ほどの距離。
無意識に、吉澤は溜息をついていた。
なんでこんなことになったんだろう・・・その思いと共に。

106Pちゃん:03/11/27 00:41 ID:YMudzNpV

そのころ、絵里もまた、ある人物から呼び出しを受けていた。

(なんだろぉ・・・石川さん、こんな時間に)

絵里が不思議に思うのも無理はない。だが、石川は焦っていた。


「梨華ちゃん、アノ話はどーなってんの?ちゃんとしてくれたの?」
「・・・・・・・え?」
「だぁかぁらぁ!よっすぃーと亀井によ!新生モーニングのこと!」
「い、いえ、まだ・・・」
「もうっ!トロいわね〜。早くしなさいよ!明日よ明日。いい?」

安倍と矢口にまくしたてられ、いよいよ今日は絵里にすべてを打ち明ける日なのだ。
いよいよ「新生モーニング」の計画が実行に移される。
心なしか、安倍も矢口も、顔が上気しているように見える。

が、石川の頭にはむしろ、吉澤のことしかなかった。

107Pちゃん:03/11/27 00:42 ID:YMudzNpV

(なんて言えばいいんだろ…よっすぃーに)

あれから、吉澤とはかなり険悪な雰囲気が続いている。
何度も誤ろうと思った。いや、以前の石川なら、素直に誤れたはずだった。
吉澤もきっと「もういいよ、」と笑って許してくれるだろう。

自分はずっと吉澤と一緒にいたから。
吉澤のことなら誰よりもよく分かってる、そう自信があった。

でも。

「藤本美貴」

あれが吉澤に近づくようになって、何かが変わった。
前のように、吉澤にくっついていくことも少なくなった。
というより、吉澤と一緒にいる時間が極端に減った。

(新生モーニングになれば・・・)
(またよっすぃーは、あたしの隣に戻ってきてくれるかもしれない)
(だって新生モーニングには、藤本は必要ないんだもん)

安倍と矢口が、藤本にいい感情を抱いてないのは都合がよかった。

(でも怒るだろうな。こんな、他のみんなを裏切るような計画だもん・・・)
108Pちゃん:03/11/27 00:43 ID:YMudzNpV

ちょっとませてて、大人っぽくて、でもとっても可愛いあいぼん。
いつまでも無邪気で明るくて、妹みたいな存在だったのの。
チャミラブコンビで一緒に頑張った高橋。タンポポで、初めての後輩分だった紺野にお豆。
マコっちゃんにはいつも笑わせてもらってた。

ちょっと口の悪い田中も、いつもマイペースなシゲさんも…
次々と、後輩の顔が浮かんでは、消える。

「ごめんね、みんな・・・」

そう呟いて、ふと、(亀井はなんて答えるんだろう…)と思った。


以前のあたしにそっくりな亀井。
つい、ほっとけなくて、あたしがやってきたことは、
本当に正しかったんだろうか・・・

109Pちゃん:03/11/27 00:43 ID:YMudzNpV

「石川、さん?」

ギィ、と扉の開く音がして
絵里がひょっこりと顔を出す。

「ごめんなさい。遅くなっちゃって・・・」
「あっ、ううん、いいの!ごめんね、あたしこそこんな時間に・・・」
「あ、いえ」

会話が止まった。
黒めがちな目で、真っ直ぐに絵里は石川を見つめている。
そんな視線に、思わず目をそらしそうになる。

(逃げてちゃ駄目だ・・・言わなきゃ、言わなきゃ・・・!!)

「あ、あのね。亀井・・・」

絵里の喉が、ごくん、と音を発した気がした。

「今から話すこと、本当に大事なことなの。落ち着いて、よく聞いてね・・・?」

110名無し募集中。。。:03/11/27 07:43 ID:Y5j0jn6u
Pちゃんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!
111名無し募集中。。。 :03/11/27 20:33 ID:eelqBUcR
Pちゃん乙!!
112名無し募集中。。。 :03/11/28 16:04 ID:tak7eKji
おー。緊迫してきたね
113(・∀・):03/11/30 13:43 ID:3agNHEYg
乙!
114Pちゃん:03/12/03 17:20 ID:gEMQc5Rm

「嘘、でしょ?藤本・・・」
「嘘じゃないですよ、飯田さん。」

少し笑いを含んだ目で、飯田を見つめる藤本。
飯田は、信じられない、といった表情でどこか宙を見つめている。
吉澤は何もできず、心配そうに二人を見守る。

「だからですね、美貴たち、裏切られたんですよ。あの三人に」
「・・・・・・」
「新生モーニングの計画は、ずっと前から密かに進められていたみたいです。美貴たちの、知らない間に」
「・・・・・・嘘よ」
「本当なんだよ、かおりん・・・」

堪らず吉澤が口を挟んだ。
こんな痛々しい飯田を、黙って見ていること自体無理がある。
でもこれは、伝えなければいけない悲しい事実だった。

「安倍さんと矢口さんは、既に梨華ちゃんを手中に入れてる。多分、次は・・・亀井かあたしにくると思う」
「・・・・・・・・亀井・・・?」

飯田の肩がぴくん、と震えた。

「どうして、亀井なの・・・?」
「それは、あたし達にも分からないけど」

そう、吉澤にも藤本にも「分からなかった」。なぜ亀井なのか、と。
亀井より歌える高橋だって田中だっている。知名度の高い辻加護だっている。
それなのに、あえて、「亀井」の理由・・・。

115Pちゃん:03/12/03 17:22 ID:gEMQc5Rm

しかし飯田は、
何かようやく「あぁ、わかった」と呟くように顔をあげた。

「なっち・・・、やっぱり・・・」
「え?」

藤本吉澤がきょとんとする前で、飯田だけが知っていた。
ついさっき、目の前で歌っていた亀井の姿を思い出せば
なぜ高橋でも田中でも辻加護でもなく、「亀井絵里」だったのか、など容易に想像がつく。

安倍はおそらく、今の亀井に昔の自分を見ているのではないか。
弱弱しくて、か細い亀井に。
いや、それはもしかしたら安倍だけではないのかもしれない。
矢口だって、石川だって、
「かつての自分」にそっくりな「亀井絵里」を、どこかで感じているのかもしれない。

それはとても簡単なことで
「モーコー」を歌う亀井は、飯田の目からもはっきり分かるほどあの時の安倍に酷似していた。
これからどうなるか分からない存在。

そんな「わくわく感」が
あの三人に亀井を「選ばせた」のだろう。
116Pちゃん:03/12/03 17:23 ID:gEMQc5Rm

「あのぉ〜。なんで亀ちゃんかっていうのは、この際どうでもいいんですよ」

いらいらした様子で藤本が突っ込む。

「飯田さんは、どうするんですかぁ?」
「どうするって・・・」
「あたしとよすぃ子は、戦いますよ。もちろん」

あの三人に、挑むというのか。
飯田は改めて、目の前の少女たちの目を見比べた。

(どっちも強い、「戦い」の目をしてる。)

デビュー前後の、あたしたちのような。
でも、こんな気持ちも懐かしい。悪くない。

「私も、戦う。」

負けてたまるか。
「モーニング」の名前は渡さない。
私はリーダーだから。
ほんとに便りなくて使えなくて無能で迷惑ばっかりかけて・・・でも。

「モーニング娘。」のリーダーは、私だから。
だから、負けられない。
117Pちゃん:03/12/03 17:25 ID:gEMQc5Rm

「飯田さん・・・」

いくらか安堵した声を漏らす吉澤と、
満足そうな笑みを浮かべる藤本。

「やっぱりリーダーは、そうでなくちゃ、ね!」
「よっすぃー・・・」

ぽんぽん、と肩を叩かれて、不覚にも涙が零れそうになる。
ここで泣いたら、元も子もないんだ!!
そう自分に言い聞かせて。


「絶対、あの三人をとめよう」
「うん」
「うん」


二つの軸が、ゆっくりと動き始めた。

118Pちゃん:03/12/03 17:43 ID:gEMQc5Rm
こっちもお願いします
 ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
川o・-・)ノhttp://www.topsites.jp/test/read.cgi/morning/1052466543/l15
119名無し募集中。。。:03/12/03 17:48 ID:lb6icuFp
Pちゃんキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━!!!!

そういや、自分が初めて見た頃にはすでに2つに分かれてたなぁ・・・・・
明らかにこっちが派生した話だってわかったけど、最初にこっちを読んだせいか、
結局こっちしか読んでないよ。
120名無し募集中。。。:03/12/10 13:58 ID:fOWXvTPk
age
121名無し募集中。。。:03/12/13 19:53 ID:AtLVQNsA
  ∩ノノハヽo∈ 
  .|从 ´ ヮ`) <れいな保全
122名無し募集中。。。:03/12/17 02:16 ID:tpba+rzT
 
 (( ∩
 /⌒つ ))
ノノハヽo∈
从 ´ ヮ`)< れいな保全
  ヽ_)ヽ_) 
123Pちゃん:03/12/17 13:23 ID:rbLMoYPw
その頃、真面目な顔で考えごとをしているメンバーがいた
新モーニング起案者の一人、矢口真里。
(今のところなっち、おいら、石川が確定でごっちんとよっすぃーは保留か。
亀井絵里は絶対に必要。あの子のセンターを任されている今の姿。
ふるさとの頃のなっちそっくり。加入時から誰かに似てるとは思ったけど。
なっちはおそらくもうすぐ辞める気であると思う。だからこそあの子は後継者的存在、
いや、それ以上の素質を持っているかもしれない。)
「亀井絵里は新モーニングには絶対的な存在。必ずおいら達につかせる」
124名無し募集中。。。:03/12/20 09:47 ID:GIwhTM8O
ノノ*^ー^)<sage
125Pちゃん:03/12/21 20:57 ID:m9SIPCe1

「そんな・・・・・」

言葉を失う絵里を前に、やっぱり言わなければよかったと後悔しても時は遅く。
みるみる涙目になる絵里から、石川はふっと顔を反らした。

「本当なんですか?」
「・・・うん」
「・・・なんで・・・・・?」

とうとうすべてを打ち明けてしまったのだ。この、14歳の少女に。
安倍と矢口の「裏切り」のことも、新生モーニングも、自分の立場も、すべて。
早すぎたか、とも思う。
でも、この計画に残される時間はもう、ない。

もっと取り乱すかと思ったが、案外落ち着いた絵里の姿に安堵する。
だが、やはり、動揺を隠し切れない様子だった。

「仕方がないことなの」

諭すようにささやく。
自分自身、何が「仕方ない」ことなのかと自問しながら。
それでも石川は、いや、他の誰であっても、あの二人には逆らえない。

(たとえ他のメンバーを裏切ることになっても・・・)

126Pちゃん:03/12/21 20:58 ID:m9SIPCe1


「亀井。冷静になって考えて?」

出来るだけ優しく、絵里の不安を和らげる様に。
ここで亀井に拒まれては、安倍と矢口の計画に傷をつける。
今後のことも考えると、それだけは避けたい事態だ。

「亀井は、モーニング娘。が好きでしょ?」
「・・・はい・・・」
「これからも、ずっと、続けていきたいよね」
「・・はい」
「だったら」

「自分がどうするべきか、わかるよね?」

口調こそ優しいものの、本当に冷たい言葉だ。
打ちのめされたように絵里はうつむき、後ずさる。
そんな姿を見て、これ以上の詰問は無意味だと感じた石川は、

「3日だけ、待つから・・・返事きかせて」

そう言い残して、部屋を出て行った。
127Pちゃん:03/12/21 20:58 ID:m9SIPCe1

(新生・・・モーニング・・・)

さっき石川に聞かされた、信じられないような計画。
そしてそこに、自分の名前も挙がっているという事実。
藤本美貴でも、高橋愛でも、田中れいなでもない

亀井絵里。

(どうして、私なの・・・?)

喜ぶべきなのかどうか。
そもそも、どんな答えを用意すればいいのか。
断れば確実に「モー娘。」としての道は絶たれてしまう。
それだけは嫌だ。絶対に。
どれだけ苛められても、悔しくても悲しくても

「モーニング娘。」が大好きだったから
だからここまで、続けてこれたのに。

128名無し読者:03/12/26 16:53 ID:znJhCref
川VvV从<なち姉たーん
129名無し募集中。。。 :04/01/05 23:17 ID:t0eqW0pt
小説続き読みたい・・・
130Pちゃん:04/01/09 17:51 ID:sn2X5SmJ
「なっち」
仕事帰りに安倍を呼び止めたのは矢口だった。
「なに?矢口」
矢口の顔は真面目だった。
「ちょっといい?」話を始めようとしたその時、
「安倍さん!矢口さん!」
石川が走ってきた。
「な、なによ。石川」
「亀井にあのこと話しました」
「そう。で、どうだって?」
「3日後に返事もらいます。きっといい返事くれると思います」
「そのことで、おいら今なっちに話があったんだけど石川もちょっと聞いて」
131Pちゃん:04/01/09 18:04 ID:sn2X5SmJ
「なんですか?」
「そうよ、矢口?改まって何?」
「・・この計画。たぶん藤本に気付かれてる」
安倍はなんとなく気付いていたのか何も言わない
石川の頭には藤本と同時に別のメンバーが浮かんだ
最近藤本とよくいる・・・吉澤ひとみ
まさかすでに二人は気付いて組んでいるのだろうか
他にも関わっているメンバーはいるのだろうか
しかしまだわからないこと。違っているかもしれない。
石川は口にしなかった。したくなかった。
「藤本が気付いてるとなるとやっかいだよ。あいつは」
132Pちゃん:04/01/09 18:12 ID:sn2X5SmJ
「で・・どうするの?矢口・・」
「とりあえず亀井をおいら達につかせたいんだ」
安倍はふと思った
(どうして、こんなに亀井に拘るのだろう?
・・・そういえば亀井って6期の中でも何か不思議な感じで、、
気弱な雰囲気で、、でもなにげに芯は太い。もしかして矢口・・
昔の自分に重ねて・・・)
「だから頼んだよ。石川」
「はい」
133Pちゃん:04/01/09 18:24 ID:sn2X5SmJ
「疲れたぁーーー」
やっと自宅に到着した安倍
(どうしよう・・もう前から決めてたことなのに・・
こんなことになるとは思ってなかった。言い出しにくいよ。
今日も言えなかった。―――卒業すること
矢口怒るかなぁ?新モニの計画放棄することになっちゃうもんなぁ)
安倍の脳内には「新モニ」「卒業」しかなかった
「ブルルル・・・!!」
携帯が鳴っている、誰からだろう?
「・・・・」安倍は戸惑いを隠せなかった。色々な意味にとれるこの一行のメール
送り主「飯田圭織」
本文「モーニング娘。好きだよね?」
134彷徨う名無し:04/01/10 04:23 ID:hajRH1kB
キタワァ*・゚゚・*:.。..。.:*・゚(n‘∀‘)η゚・*:.。. .。.:*・゚゚・* !!
135名無し:04/01/13 05:48 ID:TmwwM7JG
乙>Pちゃん
136Pちゃん:04/01/13 23:44 ID:XUWs3fhG

「私にとって、モーニング娘。ってなんだろう?」

そのときだった。

キィ、と扉のあく音がして、はっと息を呑む。

「加護さん・・・・」
「絵里ちゃん、おったんか・・・泣いてるん?」
「・・・・・・」

絵里は何も言わなかったが、加護も全て悟っているかのように、黙って絵里を見つめた。
重い沈黙。
やがて、加護の方から口を割る。

「うちなぁ、6期で一番、絵里ちゃんのことが嫌いやってん」
「・・・・・」
「はじめは、暗くて、ジメジメしとって、『何でこの子がセンターなん!?』って思って・・・」
「・・・・・」
「だから、高橋とかに苛められとるの知っとったけど・・・無視しとった。
 ののに『助けてあげようよ』って言われても、『あんな子、放っといたらええねん!』って・・・」

だんだんと、加護の声が震えていくのがわかる。

「・・・でも、違うかってん」
「違う・・・?」
「だって絵里ちゃんが―――」

絵里ちゃんが、怖かった。ずっと。

137Pちゃん:04/01/13 23:45 ID:XUWs3fhG

(怖かった・・・?)

「絵里ちゃんに、全部奪われる気がしとった。自分のパートも、ポジションも全部。
 だから、絵里ちゃんが苛められて、娘。やめたらええって・・・そう思って・・・・。」

加護の目からその白い頬に、涙が一筋、つぅっと流れる。

「ごめんな・・・ごめんな絵里ちゃん、ごめん・・・」

何度も謝る加護を前に、絵里は、微動すら出来なかった。
加護はまだ、言葉を続ける。

「うち・・うちな、聞いてもてん・・あかんって、思ったんやけど・・・
 さっきの、会話・・・梨華ちゃんと、絵里ちゃんの・・・話、全部・・・」

(さっきの会話・・・)
(新生モーニングの話)
(聞かれた?加護さんに?)

目の前が真っ暗になる。
が、覚悟を決めて絵里は、裏切り者と罵倒されるのを待った。
でも・・・

138Pちゃん:04/01/13 23:45 ID:XUWs3fhG

加護は、ただただ泣くばかりだ。
絵里を責めも、詰りもせずに。
苦しそうにしゃくりあげながら、何度もごめんと呟きながら。

「加護さん・・・泣かないでください・・あの、私・・・」

何を言おうとしても、加護は首を横に振るばかり。
やがて、少しはおさまったらしい加護が、涙で塗れた目でそっと絵里を見上げた。

「うち、誰にもいわへんから」

(え・・・・?)

「ののにも、よっすぃにも、絶対いわへんから・・・」

加護の、言葉の意味がわからない。
黙認する、というのだろうか。この「裏切り」を。
絵里への謝罪の気持ちから?

「なっちゃんとか矢口さんが、絵里ちゃんを選ぶ気持ち・・・わかるもん」

悔しいけど、と付け足す。

「うちは、選ばれるだけの器じゃなかったってことやから」

139Pちゃん:04/01/13 23:49 ID:XUWs3fhG


いつのまにか、外は真っ暗になっていた。
何だか凄く疲れた気がする。色んなことがありすぎて。
早く帰って寝てしまいたい。目がさめた時は、全部夢だったらいいのに。

厳しいけど、優しいリーダーの飯田さん。
子供っぽいけどそれがすごく可愛い安倍さん。
いつも楽しく笑わせてくれる矢口さん。
いじられキャラだけど、でも一生懸命な石川さん。
ちょっと男っぽくて、とても便りになる吉澤さん。
たった一つしか違わないのに何でもやりこなす加護さん。
いつもにこにこ笑って場を和ませてくれる辻さん。
歌がすごく上手で、あこがれていた高橋さん。
ダンスがかっこよくて思わず見惚れてしまう小川さん。
大人しいけど、やさしく話し掛けてくれる紺野さん。
はきはきしてていつも羨ましいなぁって思う新垣さん。

一番年下で、でも誰よりも努力家のれいな。
天然だけど、顔も仕草も全部可愛いさゆ。

何も知らなかった、入ったばかりの頃。
ずっとあの頃のままだったら良かったのに。

140Pちゃん:04/01/13 23:51 ID:XUWs3fhG

プルルルル、プルルルル、

「はい・・・石川です・・・はい、今日、伝えました・・・」
「・・返事・・・は、まだなんです・・・ええ、三日で、必ず・・・大丈夫です、あの子なら・・」
「よっちゃんは・・・まだ・・・ごめんなさい・・・はい、絶対・・・」

何度も謝って、ようやく電話を切る。
石川ははぁ、と一息、ため息をついた。

(よっちゃんに言わなきゃ・・・)

実際、絵里に言うよりもこっちの方が、石川にとっては憂鬱な仕事でもある。
ただでさえ険悪な状態のなか、最近は吉澤も藤本といることが多く、
なかなか近づき辛いということもあった。

だが、それよりも。
新生モーニングのことを話して、吉澤に拒絶されるのが怖い。

『よっちゃんが嫌だっていうんなら、それまでじゃん。新生モーニングは4人でいこう』

(そう、矢口さんには言われたけど・・・。)

二度目のため息をつこうとした時、また、石川の携帯が音をあげる。

(・・・・・・・・亀井からだ)
141Pちゃん

『あ、あの・・・石川さん?ごめんなさい、こんな時間に・・・』
「ううん、いいんだよ。どうしたの?」
『あの・・・今日の、返事のことなんですけど・・・』
「新生モーニングのこと?」
『はい・・・。返事、のばしてもらえませんか?』
「のばすって、でも・・」
「二週間後にあるコンサ会場・・・そこで、必ず、決めますから・・・』
「二週間後・・・?」

石川は迷った。
その日のコンサといえば、確か安倍さんと矢口さんが、新生モーニングを始動させる日を
その日にしようとか言っていたような・・・。
もちろん絵里はそんなことなど知らないのだろうが、
ぎりぎりまで返事を待つ・・・というのは、危険だろうか。

『石川さん・・・?』

電話のむこうで、不安げな絵里の声がする。

「・・・わかった。待つよ。そのかわり、いい返事期待してるからね」
『・・・・・・はい』

(結局、あたしも甘いんだよね)

少し自嘲気味に笑いながら、石川はそっと受話器を置いた。