【25】
パジャマの下には、パンティとブラジャーをいつも必ず身に着けている。
意外な事だが、メンバーの中にはブラジャーを着けない者が多い。
中には真っ裸で寝るメンバーもいたりするから驚きである。
皆、寝る時ぐらいは楽な格好でいたいのだろうが、
石川は好きではなかった。
やはり恥かしさの源である“胸”と“秘部”は隠しておきたいのだ。
それにブラジャーの効果で乳房の形がキレイに保たれる利点もあった。
――羞恥心をスパイスとした抜群のプロポーション――
石川は「色香」と「清純さ」を兼ね備えた稀有な女性に成長したのである。
(う〜ん・・・触りたい・・・でもダメ・・・ふ〜ん・・・)
小さく寝返りをうちながら身悶えを繰り返す。
ベッドの上ではまだ格闘が続いていた。
さきほどの軽い愛撫で身体が火照っているのが憎らしい。
(もぅ〜パジャマは脱いじゃえ。これでスッキリして眠れるわ)
でも眠れるわけはなかった。体はもっと根本的な『何か』を求めている。
(そうか。このブラがいけないんだわ・・・これを着けてるから熱いのよ)
石川は間違った認識にも気付かずブラジャーを取り外してしまった。
(まだ熱いわ・・・これも取れっていうの?しょうがないわねぇ・・・)
まるで自分に言い訳するかのように最後の一枚に手を掛けた。
これを取れば一糸まとわぬ全裸になってしまう。
――もしそれでも熱かったら――
石川は自分の心が屈服しそうで怖かった。