台本どおりに進行するスレ

このエントリーをはてなブックマークに追加
120HN募集中。。。



 人生ゲーム、お楽しみいただいてるでしょうか?
 
 このゲームは、あなたにただ平凡な日常を過ごしてもらう、

 というモノではありません。

 あなたの今までの人生より、

 更に非日常な日常を過ごしてもらう、それがこのゲームです。

 と、いうわけで、目が覚めて、これを読んだら、

 そこに一緒に置いてあるピストルと弾を持って、まず、


         矢口真里を殺せ。

121HN募集中。。。:03/10/28 22:39 ID:Vy3Cp9Dw

私は雨に濡れるのも構わずに店を飛び出し、駆け回り、よしこの背中を探す。
だけど、見えるのは傘、傘、傘、道を歩く傘ばかりで、
私にはそれを見分けようが無かったし、
よしこがこの近くに居るかどうかも分からなかった。

雨はいっそう強くなって、私自身が一体何なのかを分からなくさせる。
私は私か、それとも雨か、それとも虚しい空気の一部なのか。

だけど、そんな分からない、分からない同士に挟まれていながら、
私は駆け回るだけでも、何でも、何か行動しなければ不安になる。
何もしなければ、全てを受け入れなくてはいけないような、
普通ではあり得ないコトについて考え、練り、そして遂には、
行動に移さなければいけないような。
昨日一日で、私はそんな気にさせられていた。
122HN募集中。。。:03/10/28 22:40 ID:Vy3Cp9Dw

そうして駆け回っていい加減息が上がり、脅迫じみた思い込みが、
どうにか柔らかくなった頃、私は、明るいけれど黒い空を見上げる。
顔に当たる強い雨を感じながら、考える。
頬に伝う雨が暖かい。また知らない内に涙が流れていた。

私の、この涙はいくつもの意味を持っている。

よしこに殴られたんだろう頭の鈍い痛み。
よしこに撃たれた肩のしびれるような痛み。
よしこにお母さんと弟を殺されたという心の痛み。

そして、矢口真里を殺せ。というクソッタレな命令。
123HN募集中。。。:03/10/28 22:40 ID:Vy3Cp9Dw

昨日とは違って、私は悲しくてやりきれなかった。怒りに任せてよしこに飛び掛った時、
あの時よしこが私を殺してくれていれば、どれぐらい良かっただろう、なんて、
やたらに弱気になったりして、右手に握られた銃と、紙切れを見つめた。
その紙切れはもう雨に濡れて、どうやら字は読めそうに無い状態になっていたけど、
内容は鮮明に覚えている。人を小馬鹿にしたような、人を人とも思っていないような、
ふざけた内容。クソッタレな命令。

誰が書いたのか。よしこか。それとも全く別の人か。
そして、このゲーム全体は一体全体どういうもんなのか。
さっぱり分からない。その上で、恐い。

だから私は悲しくて恐ろしくてむかついて、涙を流しながら、
右手に、誰にぶつければいいのか分からない怒りをいっぱいにして、
そいつらを投げ捨てた。

数メートル先で、コンクリートの地面に当たって、ガチャン、という硬い音がした。
ふと周りを見ると、道を歩く傘たちは、私の行動全てを見ていながら、
何事も無かったかのように歩いていた。
124HN募集中。。。:03/10/28 22:41 ID:Vy3Cp9Dw

そんな無感情なモノたちを見て、私は、耐えがたい寂しさと、
怒りと、悲しみに突き動かされて、気付けば、足は勝手にあのファミレスに向かっていた。

そして、夏にしては冷たく強く長い雨に打たれながら、何の根拠も無く私は思った。

――――あそこに戻れば、私の気持ちもきっと落ち着くだろう。

――――それからまた、あのハンバーグを食べよう。