吉野屋風に言ってみるinモ板

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52名無し
「ふー」
トイレの個室に入って、戸を閉めると、私は息をもらした。
やっぱり気づいてくれるわけないか・・・。
 矢口さんと石川さん。後藤さんと吉沢さんなど、仲の良い
のを、この世界に入るまえから、見ていた。
 ぶっちゃけ北海道では友達の少なかった私は、そんな様子
を見ていて羨ましかった。
 同期で入った愛ちゃんや、まこっちゃん。彼女たちとも、
そんなふうに仲良くできたらいいなと、加入した時から思っ
ていた。
 確かに仲は良くなれたけど、まだ、まだ・・・。
「あさ美ー」
 名前を呼ばれ、私は回想から戻った。
「あさ美ー、だいじょぶー?」
愛ちゃんの声だ、と分かった。
 どうして?私は慌てて、
「何が?」
とだけ答えた。
「何か体調悪そうだったから。へーき?」
「う、うん。大丈夫」
私は使ってもいないのに、水を流してごまかすと、急いで
個室を出た
53名無し:03/09/22 01:52 ID:r3vLfZM1
「どっか悪いの?」
愛ちゃんは、私の顔をのぞき込んで言った。
「ううん、別に」
「気持ち悪いとか?」
「大丈夫だから・・・」
「そ?良かったあ」
愛ちゃんは、別段変に思っている様子もなかった。
あんな事を思ってた矢先、なんだか嬉しかった。
「アイスもう来てるよ」
「え?」
「芋アイス。食べたかったんやよね?」
「あ、うん」
「早く行かなあ、食べられちゃうよ」
「ありがと」
私は、ちょっと愛ちゃんの後ろ姿を見送ると、急いで手を洗
ってテーブルに戻った。