も
ぽ
ほ
保全しますよ―
まもー
保全
田
軽い音をたてて崩れていく足下の落ち葉が
二人の軌跡を描き出していた。
安倍なつみは距離の消失に反比例して
それが加護亜依であることの確信を増大させた。
背格好、ヘルメットからこぼれる髪、
そして何よりも、その身に纏った雰囲気が
加護そのものであった。
徐々に、その姿が鮮明になるに連れて、
なつみの確信に、新たな不信が重ね塗りされ始めた。
隈取のようにヘルメットの表面に、上着も、脚も、
加護は全身に点々と赤黒い化粧を施していたのだ。
その上加護は、幾ら、なつみ達が呼びかけても
腰の武器らしきモノに手を添えたままだったし、
むしろ近づくに連れて警戒の色を強めていた。
それは責められるべき事ではなかったが、
その時の、なつみには、次の一歩が
限界のラインを越えるとは認識できてはいなかった。
鯖重すぎsage
298 :
空気嫁 ◆v/1SSCML0. :04/01/26 21:44 ID:20rHb4jC
モームス言うな
ほ
右足の斜め上方15cm辺りにあった
小さな砂質の岩に狙いを定めると、
辻希美は、軽く持ち上げた右足を
正確にその上に渾身の力を込め打ち下ろした。
満足を感じられる若干の抵抗感の後、
ソレは、砕け、さらさらと崩れ落ち始めた。
希美の視線は、尚もソレに固定されていた。
文字通り粉砕されたその流域の中に、
若干、未だ破壊しきれていない大粒のモノが幾つか混じり、
まるで、嘲るように、ゆっくりと転がり落ちていった。
(くそっ・・・ くそったれぇ・・・)
今日何度目かの大きな舌打ちをした時だったろう。
静寂に包まれたこの森に、似つかわしくない
非創造的な大音響に顔を上げた、希美の眼に映ったのは
大きく跳ね上がり、攻撃的かつ芸術的な放物線を描き
襲いかかる己の頭部の数倍はある巨岩だった。
一瞬、崖上に見知った顔が、昔よく見せていたような
追い詰められた表情を浮かべていたような気がしたが
希美には、それ以上認識を深める時間は存在しなかった。
(・・・もう、あかんで。限界や・・・)
加護亜依は腹を据えた。
−これ以上距離を詰められると、万が一の時に対処出来なくなる。−
無論、今の距離なら絶対大丈夫という訳ではないが、
遠目ヨーダのような怪物の方は銃器らしきものを携帯しているので
あまり近づかれては、決定的な状況になりかねない。
勿論、いざとなれば距離を詰めると言う策もあるのだが、
向こうは豚人間も居るし、2対1は決して望ましい状況ではない。
(・・・くっ、どないしたらええんや・・・)
我慢しきれずに、亜依は銃を抜いた。
左手を右手に軽く添え、十分に反動に備えた後に、
上体を大きく使い、腰を若干捻り、豚人間に狙いを定め様とした。
それを契機に二匹の様子が、にわかに混乱し始めた。
ヨーダが銃に、緩慢に手をやりかけたのを見て、
亜依は慌てて上体をヨーダの方に向き直そうとした。
はっきりしない、むしろ誘う様な緩慢な二匹の怪物の動き。
不十分な彼我の距離と、緩慢だが着実なその更なる消失。
そこが我慢の限界だった。
亜依は無意識の内に人差し指を引き絞っていた。
へ
ほ
ん
ソレは一段と加速したようにさえ見えた。
急角度で錐揉み状態に、まるで獲物を狙う鷹のように、
避ける術の無いスピードと、助かる術の無い質量を持って
飽きれる程の精緻さで、ソレは銀ヘルメットに襲い掛かっていった。
もう巻戻せない事に気がついた時、
憑かれた様に駆り立てられていた
市井紗耶香は、初めてその事に気がついた。
(・・・アノコモ、ニンゲンナンダヨネ・・・)
出来すぎたその光景を、
紗耶香は最後まで見続けることが出来なかった。
顔を伏せた紗耶香の耳に
悲しくも鈍い音響が一つ飛び込んできた。
薄黒く少し湿り気味の地面を掴む、
紗耶香の指は少しずつ少しずつその中へと沈んでいった。
ほ
おっ、大丈夫?
一応
保全
一切の自立的な行動を廃止し
プカプカと漂うばかりの紺野の姿は
悪い冗談としか思えなかった。
小川麻琴が腫れ上がった己の掌と
紺野の黒髪に視線を往復させ疲れた頃に
天井のスピーカーは唐突に無機質な
ある意味ソレだからこそ不快な投げやりさを感じさせる
単調なブザー音を吐き出し始めた。
「おいおい、小川ぁ。叩いたらダメだぞ。ワンペナな。」
「あのな、おめーって、自販機とか叩くタイプだろ?」
「今時小学生でも叩かねーって。 っておい、高橋!何押してんだよ。」
麻琴は、軽薄な台詞の合間に
己の刑の執行にサインが書き入れられたことを認識するよりも
同期の名前に反応した。
麻琴が最速の努力の結果補足しえたのは、
白目を剥いた高橋が崩れ落ち、
最後の支えにとボタン台に伸ばした手が
虚しく滑り落ちる瞬間だった。
麻琴の筒の表面をソレが流れ落ちてきだした。
高橋はソレに若干勢いを削がれながらも
底面に身体の左側面から衝突しすると、
ゆっくりと再浮上してきていた。
安倍なつみが短い悲鳴をあげかけた時、
けたたましい音と共に十メートル余り後に
一足先に分断された、なつみの腕程もある枝が落下した。
加護らしき者の放った一撃は
大きく逸れていったが、その過程において
紛れもなく、それが極めて暴力的な力を持っていることを
雄弁に証明していった。
− あの子・・・ 加護・・・ アイツ、私達に向けて撃ったべ。 私達を殺そ・・・ −
一瞬の喧騒に反抗する様に、滞留し続ける静寂に耐え切れず
堰を切ったように喋りだした、なつみを遮る様に、中澤が言った。
「・・・うん、あ。 ・・・うん ・・・でも、私には、
あの子には当てる意思は無かった様にも・・・ 見えた・・・ かな・・・」
なつみは、加護の走り去った方の林を向き、
少し唇を噛む様にして、じっと立ち尽くしている中澤の横顔を見つめていた。
その表情から中澤の思いを読み取ることは殆ど出来なかったが、
少なくとも、なつみの個人的な事情には
全く気づいた様子が無いことだけは理解が出来た。
なつみは、少し濡らしてしまった下肢に、望まず着せられた
この安っぽい衣装が、へばり付きかけるのが不快だったが
細心の注意を払い、何事も無い様を装いながら立ち上がった。
316 :
ねぇ、名乗って:04/02/07 09:23 ID:CNHSv/0W
もう50年たったのか。知らなかったよ
保全!
Yes.We can do.
ぽ
つぇ
保全
田
記念sage
遅筆でつね
ミニモニ。アルバムがよかったから保全
がんばれ
も
期待保全
高橋は、ゆっくりと身体前面を下向きにする体勢に移行していった。
同時進行的に、かなりの回数、その中の何度かは特に激しく、
ソレの中に気泡を吐き散らした後に、
ようやく落ち着いたのかの様に、その中を漂っていた。
少し茶色に染めた髪が四方に広がり、
時折痙攣する高橋の動きを、忠実に根本から拡散し形作っていた。
小川麻琴が、量を増しつつある、己自身に関与するソレを意識したのは、
紺野と高橋が、完全にその動きを止めたのを確認したかのように
透明なガラス様であった二人の筒が、前触れも無く鏡面化し、
二人の様子が計り知れなくなった頃になって、ようやくの事であった。
(・・っっ、これって、お、お酒!?)
膝の辺りから腿の辺りへと量を増しつつあるソレの
嗅いだ事のある、どこか甘ったるいような刺激臭は強まるばかりであった。
僅かの時間の中で、皮膚を刺すような感覚が我慢出来ないほど気になりだし、
眼や、鼻、口の粘膜も、その見えざる攻撃に晒されている事を
嫌でも自覚出来るほど通常機能を損ないだしていた。
涙に霞む目で、己の太腿部から更にその上を浸そうとしている
ソレを再確認した時に、遂に麻琴の口から短い悲鳴が漏れた。
ro
na
ほ
mo
333ゲト
Ho
保全するから
気長に続けてくだされ