モー娘。が結成されて50周年を迎える訳だが

このエントリーをはてなブックマークに追加
313名無し まこさま
一切の自立的な行動を廃止し
プカプカと漂うばかりの紺野の姿は
悪い冗談としか思えなかった。

小川麻琴が腫れ上がった己の掌と
紺野の黒髪に視線を往復させ疲れた頃に
天井のスピーカーは唐突に無機質な
ある意味ソレだからこそ不快な投げやりさを感じさせる
単調なブザー音を吐き出し始めた。

「おいおい、小川ぁ。叩いたらダメだぞ。ワンペナな。」
「あのな、おめーって、自販機とか叩くタイプだろ?」
「今時小学生でも叩かねーって。 っておい、高橋!何押してんだよ。」

麻琴は、軽薄な台詞の合間に
己の刑の執行にサインが書き入れられたことを認識するよりも
同期の名前に反応した。

麻琴が最速の努力の結果補足しえたのは、
白目を剥いた高橋が崩れ落ち、
最後の支えにとボタン台に伸ばした手が
虚しく滑り落ちる瞬間だった。

麻琴の筒の表面をソレが流れ落ちてきだした。

高橋はソレに若干勢いを削がれながらも
底面に身体の左側面から衝突しすると、
ゆっくりと再浮上してきていた。
314名無し なっち:04/02/06 00:18 ID:ZsDJOoIz

安倍なつみが短い悲鳴をあげかけた時、
けたたましい音と共に十メートル余り後に
一足先に分断された、なつみの腕程もある枝が落下した。

加護らしき者の放った一撃は
大きく逸れていったが、その過程において
紛れもなく、それが極めて暴力的な力を持っていることを
雄弁に証明していった。

− あの子・・・ 加護・・・ アイツ、私達に向けて撃ったべ。 私達を殺そ・・・ −

一瞬の喧騒に反抗する様に、滞留し続ける静寂に耐え切れず
堰を切ったように喋りだした、なつみを遮る様に、中澤が言った。

「・・・うん、あ。 ・・・うん ・・・でも、私には、
 あの子には当てる意思は無かった様にも・・・ 見えた・・・ かな・・・」

なつみは、加護の走り去った方の林を向き、
少し唇を噛む様にして、じっと立ち尽くしている中澤の横顔を見つめていた。
その表情から中澤の思いを読み取ることは殆ど出来なかったが、
少なくとも、なつみの個人的な事情には
全く気づいた様子が無いことだけは理解が出来た。

なつみは、少し濡らしてしまった下肢に、望まず着せられた
この安っぽい衣装が、へばり付きかけるのが不快だったが
細心の注意を払い、何事も無い様を装いながら立ち上がった。