モー娘。が結成されて50周年を迎える訳だが

このエントリーをはてなブックマークに追加
234名無し りさたむ
肺の中の空気を目一杯吐き出してから、
新垣里沙は額を伝いかけた幾筋かの汗を拭った。

里沙は、確信に満ちたスローペース頭を上げると
上目使いに眼前やや高い所にあるモニタを確認した。

里沙を除く3人の名前には×印が付記されていた。

(よし! て言うか、さすがに皆引っかかったんだ・・・)

後藤が取らなかったこと、に加えて
画面外の誰かがその後すぐに取ったこと。
その二つのハードルをクリア出来たのは
偶然の悪戯としか言えなかった。

実際には、「持ち上げた時」と言う台詞を意識しすぎて、
後藤の手にタイミングを合わせ損ねただけなのだ。
その直後の手に関しては、既に完全に集中力を失っていた。

それなりのタイミングで反応できた様な出来すぎた結果に、
里沙は慌てて少し顔を伏せた。
頬の血行の良さが普段より少し気になった。

その時点では、まさか数秒後に音を立てて液体が
自分の筒を振り落ちて来ることなど、里沙には知る由もなかった。
235名無し ののたん:03/12/29 00:15 ID:brTvVQIG
(何だってんだよ・・・)

吉澤、石川、加護が、ゲーム開始と共に
思い思いに散り散りなって以来、
辻希美は何度目かの同じ台詞をヘルメット内側にぶつけた。

確かに、決してベタついた関係ではなかったが、
希美としては仲が悪かったつもりは無い。
お互い良い仕事仲間だった筈なのだ。

(・・・くそっ、一緒に行こう。とか何で言わないんだ・・・)

目の前の急な岩肌に腹立ち紛れに
数回立て続けに前蹴りを入れた後、
希美は、改めて深い溜息をついた。

ゲームのターゲットも一向に見当たらないし、
段々と肌寒くなってくるはで、気分は腐る一方であった。
希美は、何度も苛立たしげに
腰の銃をのグリップを握る手に力を込めた。

同期三人に対する憤懣に浸りきっていた希美には
小石が自らの脇を数個転がり落ちていったことは
何の関心も払えない程度の事であった。