モー娘。が結成されて50周年を迎える訳だが

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203名無し まこたん
押下したボタンが予想以上にスムーズに浮かび上がってきた。
小川麻琴は、その動きに合わせるように、床に落としていた視線を上げた。

モニタ上に過剰な演出効果に彩られながら、
先程の一幕の結果がゆっくりと、馬鹿にしたような大きなフォントで映し出された。

(よしっ、一位!)

薄暗いモニタには、上から順に、1位小川、2位新垣、3位紺野と並んでおり、
その下の高橋の横には×印が付加されていた。
一瞬の通電ノイズの後、天井のスピーカーから、中居の素っ頓狂な声が響き渡った。

「おいおい、高橋そりゃ早過ぎるっぺ。
 取ったってのは、触った時じゃなくて、持ち上げた時だぞ。とろくせーなぁ。」

反射的に、麻琴が視線を投げかけた時、
高橋は蒼白な顔面で、右手薬指の爪を噛み、
カタカタと小刻みに身を震わせていた。

その高橋の居る筒と、三位の紺野の筒の表面を、
何か靄がかかるような液体が盛大に流れ落ちだし始めたのを
麻琴は黙って見つめていた。

我知らず、麻琴自身の身体も微かに震えだしていた。
204名無し こんこん:03/12/15 23:40 ID:Zjdka/t/
天井に吸い込まれている、この鬱陶しい筒の際から
何かが盛大に流れ落ち始めた。

この狭い筒の中では、盛大に流れ落ちるソレの発する
音響が想像以上に騒々しく、紺野あさみは僅かに眉をひそめた。

ソレに濡れることを回避すべき行動に一瞬思いを馳せたが
あさみが無駄を悟るのに殆ど時間を要しなかった。

筒の狭さに比して、ソレの勢いが良すぎた。
何より上下に逃げる術がないのだ、それこそ目の前の
ボタンの上に立つ位しかこの空間には逃げ場が用意されていなかった。

(・・・お、お湯?! ・・・それにしても、生暖かくて気持ち悪い・・・)

生暖かいソレは凄まじい勢いで狭い筒の中を満たしつつあった。
あさみは己の靴と靴下が沈んでいく様を
憮然として眺めているしかなかった。

− 苦虫を潰したような顔ってこんなのかな。 −

反射率の高い床を被う水面に歪んで映る
己の顔を見て、あさみは一人ごちた。