モー娘。が結成されて50周年を迎える訳だが

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198名無し 中澤
安倍なつみが、ソレを取り上げた時、
中澤裕子は、思わず声をあげかけた。

まるで空間が突如牙を向いた様だった。

数度響き渡った乾いた打撃音と同時に、
眼前数mの所にいた飯田圭織の身体が宙を舞い、
酷く不吉なダンスを演じながら、
ゆっくりと地面に崩れ落ちた。

奇妙に規則正しい数秒間隔で、
飯田の身体は地面の上で、尚ダンスの続行を試みていたが、
やがて徐々に動きを緩慢にダンスをフェードアウトさせた。

裕子は、振り返った安倍と顔を見合わせながら、
ただそれを呆然と眺めているしかなかった。

自分の鼓動がやけに耳につくことが不思議だった。

飯田の極限まで見開かれた動かない瞳を見ていると
まるで自分がそこに吸い込まれていくかのようだった。
199名無し 高橋:03/12/14 00:28 ID:7QEzFXJf
モニタの中の安倍の手元がズームインされ始めた。

高橋愛はボタンの上に伸ばした手に神経のフォーカスをセットし
モニタの中の安倍に視線を走らせた。

(・・・負けたく、負けたくない。)

同期の中で負ける訳にはいかなかった。

その後の経過がどうであれ、同期の中で、加入したその時から
己が一番優れてい続けていると言うプライドが愛の拠り所だった。
そこだけは絶対に譲る訳には行かないのだ。

何が原因であるのか異常に気分が高揚していた。

すうっと視野がモニタのみに限定され、
時折起こる筋肉の僅かなひくつきが奇妙に気になった。
掌や腋、背中の表面を零れ落ちる汗の量、軌跡までも
知覚できるほど感覚も鋭敏になっていた。

無意識に喉の渇きを癒す為、愛が僅かに唾を飲み込んだ時
安倍の手に動きが起きた。タイミングを図り、その動きを追い、
生涯最高の大胆な正確さで、愛は自らの腕に力を込めた。