仮面ライダーののアギト

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782名無し天狗
「申し訳ござりませぬ。先発隊、敢え無く失敗致した由(よし)にて…。」

ここは血車党本拠地。
その頭領の間では、ユキ暗殺の第一陣失敗の報せが
頭領・魔神斎とその腹心・骸丸にもたらされていた。

「骸丸様…。」
「良い、結果はとうに見えておった。
 あの兄妹は“策”を着々と進めるに当たって時を稼がせるための捨て駒に過ぎぬ。」
「うむ、いかにも。
 十重二十重に張り巡らせた我が血車地獄の罠、その恐怖はここからが本番なのだ!」

骸丸と魔神斎は、己の人生を投げ打ってまで血車党に尽くした下忍の兄妹に
微塵の憐れみも見せず、そればかりか「死んで当然」と平気で割り切り、声高らかに笑った。
確かに、この「忍びの世界」は非情である。が、血車党の掟はどの忍群よりも
飛び抜けて冷酷極まりない。

暫くして、魔神斎は念押しにこう切り出した。

「ところで…第二陣以降に抜かりはないであろうな?」
「はっ、万事滞りなく…。」

更なる過酷な罠を以ってユキ抹殺を目論む血車党。
ああ、「第二陣以降」と呼ばれた彼らをも、魔神斎らは
あたかも蜥蜴の尻尾の如く容易く「消耗品」として斬り捨てると言うのか。