225 :
加紺とう:
7.モノマネ〜後藤ver.〜
その後、加護は上野打線を完全に抑え込む。
辻は結局そのまま空振り三振。
2番亀井絵里は捕邪飛(キャッチャーファールフライ)、3番福田明日香は投飛(ピッチャーフライ)に打ち取った。
両投手が好投し、2・3回と両者ともノーヒットに抑え込む。
しかし、続く4回表に試合が動く。
1番の加護からだが、前回の打席は右打席に入っていたはずが、なぜか今回は左打席に入る。
スイッチヒッター?
だとしても、なぜわざわざ不利と言われる左で打つのか?
上野サイドは困惑の表情を隠せない。
しかも加護は、前回の打席とは全く違った構えをしている。
しかし、これまたどこかで見たことがある構えだった。
そう、それは紛れもなく今投げている後藤の構えだったのだ。
226 :
加紺とう:03/10/01 03:14 ID:2B/hGQl9
ニコニコと後藤を見つめる加護。
それがわずかながら後藤にプレッシャーをかける。
ただの見かけ倒しなのか?
それでも、全力で抑えるしかない。
そう割り切った後藤は投げた。
内角への152km/hの速球。
加護がリズムをとっているが、その様子はまるで後藤そのものだ。
加護が打ちにいく。
上手く腕をたたみ、腰を鋭く回転させ、ボールを捌く。
『カキーン!』
打球は一二塁間を破り、右前安打。
この試合で初めてのランナーが出た。