1 :
名無し募集中。。。:
AAのボクシングストーリが既にありますが、こっちで小説風の形式でやります。
更新は遅めですがよろしくお願いします。
2 :
名無し募集中。。。 :03/07/23 22:03 ID:hTbQEDN9
2げと
トレーナーは斉藤さん
40レスまでは24時間に一回書き込まないとdat落ちするよ。
マターリと待ちますか。
8 :
ひょっちゃん:03/07/24 00:43 ID:fOrqXegE
>>1 ありがとうございます!
ただ、今のところ内容をちょっとづつ考え中なので、ちょこちょこ書き込みつづけながらdat落ちしないようにしていきます。
まっててください。
>>4 斎藤さんは選手にするつもりです。あと主役は高橋でもいいですか?
ひょっちゃんさんがんがれ。期待してます。
主役、選手共にあなたのやりたいようにやればいいと思いますよ。
10 :
ひょっちゃん:03/07/24 03:00 ID:fOrqXegE
冒頭部分だけは書き終わったので更新します。
―――「高橋愛です!福井からきました。皆さんよろしくお願いします」
この一言からだった。私の今までの人生がガラッと変わってしまった。福井から父親の転勤で東京に来た。
最初は単身赴任でお父さんが一人で来るはずだったのに、東京都聞いてうれしくなった私は咄嗟にいっしょに行くことを申し出た。
いろいろと両親に説得されたが、こっちもいろいろと両親を説得し何とか東京に転校を許可してもらった。
遊びに行くんじゃないよといわれたが、私自身はただの旅行気分でいました。
…それがこんなことになるなんて、夢にも思ってなかったから…。
「あんたさ、ナニしゃべってんのか全然わかんないんだけど」
「うざい。早口だし。あ、だからて遅く喋っても意味無いから」
「福井?四次元?」
「ねえねえ、またあの福井人こっち見てるよ」
「目、合わせないほうがいいんじゃねえの?急に福井土産とか渡されるぞ」
「やめてよー!どうしていいか、わかんねえじゃん!」
私は今まで感じたことの無い強い悲しみに襲われた。誰も私と喋ってくれない。友達になってくれない。私の抱いていた夢は一瞬にして崩れた。
いじめられてるんだ。こんなことで。普通の話し方より強弱が違うだけで、普通の話し方よりちょっと早く喋るだけで。東京ってこんなところなんだ。
怖い。怖いよ。私は行き場の無い恐怖を抱え、机に突っ伏した。
―――――帰りたい。
福井の友達とまた遊びたい。同じ時間共有して、言葉のイントネーションなんか気にせずに気楽にやりたい。
転送して1ヶ月。私は既に学校に行く足が鉄みたいになって、物凄く重かった。
「愛、時間ないわよ!」
リビングでお母さんが叫ぶ。お母さんはパートがあるために既に出発の用意を済ませていた。
迷惑はかけられない。そう思ってとりあえず着替えてリビングに行った。
「アンタ、いい加減にしなよ。学校もそんなに近くないんだから早くしないと遅刻よ!」
お母さんは東京の生活に慣れようと普段から標準語で話すことを心がけているのだ。要所要所で方言が出るが、何とか標準語で通しているみたいだ。
私はお母さんみたく器用じゃない…。バレェやってたからって体のキレは良くなっても、言葉のキレは全く良くならない。
「いってくるね」
既にここからイントネーションが人と違う。細かく言えば東京人と違う。
お母さんには心配かけちゃ駄目だ―――その思いが、私を学校まで後押ししする。元気に、元気に見えるように玄関のドアを開けた。
「愛!」
お母さんに急に呼び止められた。不意に呼ばれるとビクッとする癖が治らない。
「アンタ…前から言おうと思ってたけど随分痩せたね。学校でなんかあったんでしょ?」
「え?」
お母さんは気づいていた。いじめられてるとかは口に出さなかったけど、そういう目だった。
「ねえ、なんかあったらお母さんにすぐ言うんだよ」
「………行って来ます」
言葉が心をえぐる。目の前の景色がぼやけてきた。早くお母さんを視界から消さないと。そう思って私は駆け足で外に出た。
「愛…」
お母さんの呟きが耳に入らない私は、一気に交差点を渡り公園まで来た。
公園には誰もいない。朝から食事もせず、全速力で走ったため息切れが酷い。
「ハァ・・・ハァ…」
膝に手をやり大きく呼吸する。よろよろとベンチに倒れるように腰掛ける。
「・・・・・・・・・・・・」
さっきのお母さんの言葉がまた頭に蘇ってくる。…お母さん。
「お母さん…。ごめん、ごめんね」
自然に声が漏れてしまった。誰もいなくて良かった。もうこれ以上人に弱いところを見せたくない。
自分の声を聞いて、また涙が込み上げてくる。私は自分の弱さと、お母さんの優しさを噛みしめながら、声を殺して泣いた。
不意にバックの中にしまった携帯電話が音を立てる。
「・・・・・・・・」
非通知。手に取った瞬間に切れた。最近ずっと続いている。せっかくお母さんが心配して渡してくれた携帯電話なのに、いつのまにかクラスの連中に電話番号を知られ、毎日のようにイタズラ電話される。
「もう…イヤだよ」
私は動かなくなった電話を強く握り締め、また泣き出した。
「もうイヤ!」
立ち上がり、電話を砂利の撒かれた地面にたたきつける。ガシャっと音を立てて携帯が2,3度弾む。私は弾んだことに無償に腹が立ち、砂まみれの電話を拾うと、もう一度全力で放った。
電話は運悪く水道にぶつかってしまい、中の基盤が飛び出した。もう100%使えない。
「あ〜あ…」
「え?」
誰?私はいつもの癖を軽くこなし、後ろを振り向く。
「何やってんだよ。大事な携帯だろ?」
私より7,8センチ背の高い、赤いジャージ姿の女の人が心配そうに私を見ている。運動の後なのかちょっと髪の毛が乱れているけど、息も切れてないし汗もほとんどかいてない。
しばらく無言で見ているとニコッと笑う。
「あ……いえ」
動揺もあって、こんなたどたどしい返事しかできなくなった。
「あれ。泣いてた?」
「え?…いえ、あの」
「目、赤いよ。腫れてるし」
「あ…あの」
「あ!その訛り!」
やばい!一瞬クラスメイトの顔が一気に脳裏を過ぎった。またいつものように馬鹿にされる。知らない人だけど、きっと私を変な人扱いするんだ…。そう思うとまた表情が曇ってしまった。
「もしかしてうちに転校してきた子でしょ?」
「え?」
「朝野高校だよ。私あそこの3年」
「あ・・・・はい。一ヶ月ぐらい前に」
「はイ、だって!アハハハ、イントネーションがちげー!」
「……」
私は案の定俯いてしまう。
「面白い、面白い。もっと喋ってみてよ。もっと訛ってんの聞きたいよ」
「え…?」
何この人。明らかに今までと反応違う。もっと聞きたいの?何で?
「あれェ…ビックリした顔のままで止まってる。可愛いねー。目ぇ大きいし」
何故か頬をつねられる。
私はハッと正気に戻り、薄っすらと開いていた口を閉じた。
「知ってるよ。うちの練習生ににアンタとタメの子がいるんだ。多分隣のクラスだろうけど」
「え、そうなんですか?」
また訛ってしまった。不思議だった。今までだったら一回訛ってしまったら、そこから何も喋れなくなるのに。
「アハハハ、噂どおりだ。そいつが言うには隣のクラスにみたこともない田舎もんが入ってきて、クラスでいじめ勃発してるらしいじゃん」
「あ…」
私はまた俯いてしまう。
「それで泣いてたんでしょ?でも転校生のいじめは良くあるんじゃない?ましてアンタみたいな田舎ものならさ」
「そんな!良くあるって、それだけで片付けないで下さい!私は…私は…」
「私は何?」
「私は…辛いんです。貴女には判んないかもしれないけど、福井から東京に出てきて、ずっと楽しいところだと思ってたのに、それがこんな言葉のイントネーションとか単語の違いだけでいじめられて、凄く辛いんです!」
「・・・・・・・・」
私が急に大声を出したからなのか、女の人は黙ってしまった。
「あ、あの・・・ごめんなさい私」
「・・・・・・・・・」
まだ黙っている。
「あの・・・」
「あのさ・・・」
「は、はい」
ちょっと怒ってる様子だった。
「学校サボりなよ」
「え?」
「学校。あんまり行く意味ないっしょ?」
「いや・・・」
「ちょっとついて来な。高校生だし、べつに親も心配しないでしょ?」
「はぁ・・・」
「よし決まり。カバンとかもそのまま持っといで」
女の人は公園沿いの道路を左右見回して、何かを探している。
「梨華ちゃん、遅いな・・・」
「あの、どこに?」
「え?訊いちゃうのかよ。そこは楽しみにしといてくれないと、こっちはやりにくいな・・・」
「あ、すいません」
「いいよ。まぁ、学校より楽しいところだとは思うけどね」
「へえ、そうなんですか。あ、あの・・・私、高橋愛って言います。16歳です」
「うわ、今訊こうと思ってたんだ。いいね。通じ合ってるね」
「あの・・・お名前」
「私は吉澤。吉澤ひとみ。18歳です。よろしくね」
「あの・・・よろしく」
「あの・・・ってすぐつけるよね。癖?」
「ハイ・・・あ、いえ・・・あの」
「ホラ、また言った!面白いね、高橋」
「いえ、全然です・・・」
「可愛いねー、今の感じ。顔赤いよ」
「いえ・・・これは夏だからっていうか、赤が好きっていうか・・・・・・何でもないです」
「アハハハ。もういいよ、無理すんな!」
「はい・・・」
「あ!きた!お〜い!」
遠くから走ってくるバイクに向かって手を振る吉澤さん。まだ大分遠いのに、気が早いなあと私は吉澤さんを見る。
しばらく待つとすぐにバイクは公園の前に到着した。エンジンを切り、キーを抜いて降りてきた。一連の動作からやけに丁寧な人だなと感じる。
「よっすぃー、ちょっと勘弁してよ。県、跨いじゃってんじゃん」
「悪いねー。最近バイク買ったって矢口さんから聞いたからさ」
「私も朝から練習あるんだから、あんまり頻繁には駄目よ」
「ていうか、私が気を使ってオーバーワークにならないようにしてあげてるんじゃん」
「うるさい。私はよっすぃーみたいに計画性の無い練習はしませんよ」
「あれは計画性が無いように見せる計画だもん。別にいいんだよ」
「もういいよ。・・・・・・あれ?この子誰?」
「あ、あの・・・高橋愛って言います。さっき吉澤さんにあって、それで、今からついて来いって言われて・・・・」
「え?」
「梨華ちゃん、この子も乗せてって」
「はぁ!?無理だよ!あたし免許もらって1ヶ月だよ!2人乗りすらできないですからね!3人乗りって・・・」
「いいじゃんいいじゃん。朝だし、取り締まり甘いよ」
「馬鹿!そういう事じゃないでしょ」
何故か小声だった。
「いいから乗せろよ。そうじゃなかったら金だしな」
「は?意味わかんないんですけど」
「あの・・・」
喧嘩になりそうだったので、何か一言挟まなくちゃと思い、出たのがこれだった。
「高橋、この親切な石川梨華さんが私たちを目的地まで誘ってくれるそうです
。これは大変ラッキーなことですよ。石川さんのすばらしい人柄が良くわかりますね」
「・・・・・・は、はい!」
「ほら、梨華ちゃん早く!」
「もう。いいよ、じゃあ早く乗って!」
「やったね!いくよ、高橋」
バイクは排気音を上げて公園を後にした。
導入としてはなかなか。
期待sage
更新は遅くても保全はマメにした方がいいよ
へえ さいきんなんか気になると思ったら
23 :
アブねー:03/07/26 00:48 ID:p0ff40nF
ageといてやろう
全部読みますた。
この話の続きキボンヌ。
25 :
:03/07/26 00:57 ID:/XD1f6dm
バイクは繁華街を抜けて、少しずつ小学生の姿が見え出した住宅街に止まった。私は、してみたゴーグルを外して辺りを見回した。
吉澤さんが言っていたような学校より面白いものは特別見当たらなかった。
「え〜、梨華ちゃんここじゃねえよ。もうちょっと先だよ」
メットを外し不満たっぷりの顔で吉澤さんが言った。
「残念だけどここまでだね。ジムの前まで行っちゃうと帰るとき凄い迷うんだ」
「そんなわけないじゃん!もともと自分がいたジムの近所把握してないってどういうことだよ」
「い〜の。ホラ、ここからは歩いていってよ」
「あの、吉澤さん」
また揉めだしたので一言挟んでみる。
「はいよ?」
「あの・・・私はいいです。歩くんやったら慣れてますから」
「え〜、でもさ〜」
「近いんですよね?石川さんもなんかこの後忙しそうやし」
「ほうら、よっすいー聞いた?愛ちゃん、わかってるじゃん」
「いえ・・・」
「ふーん。じゃあ、いいや。行こうぜ高橋」
「はい!」
「じゃあ、私は茅ヶ崎まで戻ります。今日は新しくジム入りする子が来るんだからね」
「え、また?儲かってるね、矢口さんとこも」
「私がいるしねー」
「・・・・・・帰りなよ、早めに」
また空気が重くなったので私は咄嗟に笑顔を作った。
「あ、ありがとうございました!」
「うん、じゃあね。愛ちゃん、また会うの楽しみにしとくね。バイバイ!」
石川さんは白地にピンク色の縦ラインが入ったメットを被ると反対車線にバイクをやり、エンジンをかけるとすぐに消えていった。
「・・・・・よし!行くかな、徒歩で」
「はい」
吉澤さんは私の前をさっさと歩く。早いな・・・。遅れにないように少し足早になる。
4,5分歩くと商店街のような所についた。途中あった小さな公園の中をふと見ると、時計は既に9時を回っていた。もう学校が始まって30分ほどたってる。あまり学校のことは考えたくなかったので、それ以上は公園を見るのをやめ、通り過ぎるまでちょっと走った。
一度吉澤さんを追い抜いてしまったが、悪いと思い少し歩幅を狭めて、またもとのポジションにもどした。
「よし、着いたぞ!」
「うわっ!」
しばらく俯いて歩いてたので、吉澤さんの声に普通に驚いてしまった。
「え?びっくりした?ごめんね、もう着いちゃったからさ」
「ここ・・・ですか?」
「ああ、ここだよ。私が通ってるボクシングジム。飯田ジムっていうんだ!」
建物の名前だけで何故か自慢気な吉澤さんを横目に私はその名前が掲げられた看板を見た。
「飯田・・・ボクシング・・・・ジム」
ジムって、ボクシングのことだったんだ。さっきから石川さんもジム、ジムって言ってたけどただのスポーツジムのことかと思ってた。
看板から目を下ろすと窓があり、そこから中の様子が伺えた。まだ朝早いのか、人は少ない。1・・・2・・・3・・・4人か。あ、なんか白いTシャツの人が奥から出てきた。ぱっと見吉澤さんより若干背が高い女の人だ。
そういえばこのボクシングジム女の人しかいない。
「あの・・・ボクシングて女の人は・・・」
「え?」
「ボクシングって男の人のスポーツやないんですか?なのに、ここみんな女の人・・・」
「う〜ん、それは違うな。ボクシングは男だけのものじゃない。サッカーだってそうでしょ?ちゃんと女の人のプロリーグだってあるしさ」
「ああ・・・そうや」
「女の人だって、強い人ならボクシングで男の人に全然勝てるし」
「ええ!ほんとですか?」
なんか返しが普通すぎるかなって思ったけど、今はその言葉しか出なかった。
「うん。あんまり見ないけどね。あ、あそこにいる白いTシャツの人とかそうだよ」
「ひゃー」
私はビックリして、Tシャツの人をしばらく見つめてしまった。
「高橋・・・見すぎ」
吉澤さんが笑った。
「よし、ちょっと日差し強いから中入ろうか」
「あ、はい」
「うぃ〜っす!」
吉澤さんの一声にジムにいた人たちは個々に挨拶をする。
「おはようございます!」「ちぃっす!」「チェインス!」
その声は疎らで、ふっと空に消えていく感じがした。そりゃそうか、4人しかいないし。
「あれ・・・ちょっと亀井!」
「はい!」
亀井と呼ばれた女の子が物凄い笑顔で、物凄い早足でやってきた。吉澤さんの傍に来るとニコニコと吉澤さんの顔を見ている。
「なんですか?」
「みんな来てないの?何でこんなに少ないんだよ」
「あ、みんなロードワークですよ。さっき行ったばっかりです」
「で、亀井。アンタは何してんの?」
「いえ・・・ロードワーク無事に終えたんで、これからシャドウかなんかいっちゃおうかな・・・みたいな雰囲気で」
「おう、偉いじゃん。ったくウチの才能なしどもは。この時点でロードワークぐらいしっかりこなしとけっつうの。なあ!」
「ですよね!」
「なあ!」
「あの・・・・」
この人は私をすぐ忘れるんだな。そう思って吉澤さんを見た。
「ああ!高橋!悪い悪い!この子は亀井絵里つってうちのジムの練習生。まだ入って2ヶ月ぐらいなんだけどね」
「この人は?」
亀井って呼ばれた子が私を見てきた。見てきたっていうか・・・見た。
「ウン、紹介するね。今日からうちの練習生になりました。高橋愛さん、16歳です!」
「え?!」
「え!?」
二人同時に声を上げてしまった。一瞬恥かしくなって顔を見合わせる。
「なんでぇ!吉澤さん、まだ私何も言ってないで!」
「あ、高橋さん訛ってるぅ!」
「あ、いや・・・。いやいや、吉澤さん、まだ私ここに着て10分もたってないし、それに・・・」
「高橋!よく聞きなよ。私はアンタがいじめられてるっていうのをのを聞いて、そしてその%8メCエ因が高橋自身の喋りに問題があるからだって聞いて、ここに連れて?%たんだよ。
ボクシングっていうのはねそのアンタの悩みの種、言葉を必要としないんだよ。ちょっと手握って!」
吉澤さんに言われて私は自分の拳を握ってみた。すると吉澤さんはそれをぎゅっとつかみ、ぐっと持ち上げて私の目と同じ高さに持ってきた。
「必要なのはこれだけなんだよ。拳。これだけで戦うの」
「・・・・・吉澤さん」
「いい?高橋がこれから必要とされるのは言葉じゃないの、この拳なの。アンタ、手と足がちゃんと二本あってラッキーだよ。これだけで強くなれるから」
「・・・・・・・」
吉澤さんの目をじっと見詰める。さっきまでの吉澤さんの目とは全然違う。
「どうする?」
いじめられるとか訛ってるからとか、もう邪魔になってきた・・・。ここで全部拭って、強くなりたい。私は吉澤さんについていく。決めた!
「・・・・・・・はい。私・・・やります、ボクシング。それで強くなりたい、絶対強くなってみせます!」
「よし!オッケー。じゃあ、決まりね。亀井!あれ持ってきな!」
「はい!」
絵里ちゃんは扉を勢いよく開けると奥の部屋に消え、すぐ戻ってきた。
「とりあえず書類で交わさないと。急に会社みたいになっちゃって悪いけど、よろしくね」
「お願いしますね、高橋さん。そうしないと飯田会長が」
「はい!」
私はちょっと興奮気味でペンが少し震えていた。
「よし!亀井!これを飯田さんに出してきて!」
「はい!」
絵里ちゃんは、また消えたと思ったらすぐ帰ってきた。飯田会長って人すぐ近くにいるのかな。もしかしてあの扉って建設ミスなのかなと思った。
「高橋!」
「はい!」
「ちょっときて」
吉澤さんに促されてジムの端のほうに来た。
「なんですか?」
「ちょっと待ってね」
吉澤さんは後ろを向き、なにやらゴソゴソと手につけている。
「よし」
漸く終わると一声上げこっちを向き直った。手には革素材の表面が平たくて円形の分厚い手袋をはめていた。
「ちょっと撃ってみ」
「え?」
「あ、そっか・・・テーピングとグローブか・・・。おーい!亀井!」
「はい!」
また絵里ちゃんが飛んできた。運動をした後なのか少し汗っぽい髪の毛になっている。
「ミット撃たせてみるから、準備のほう頼むよ」
「わかりました!じゃあ、高橋さんこっちにどうぞ」
「あの・・・私、何も」
「いいから、亀井が全部やってくれるから」
「は、はい・・・」
絵里ちゃんに連れられて飯田会長さんがいる部屋とは違う部屋に入った。そこはさっきよりちょっと薄暗く狭い部屋だった。
「そこ座ってくれます?立ってると巻きにくいんで」
棚に添えつけられた引出しを開け、テープのようなものとハサミを取り出しながら絵里ちゃんは私に言った。言われるまま私は近くにあった丸椅子に腰掛けた。
「これ巻かないと、手が危ないんで・・・」
「テーピング?」
「はい。とりあえずこれをしてからじゃないと何も始まんないんで」
「ふ〜ん」
「あの、高橋さん」
「なに?」
「私もなんです」
「なにが?」
「私も、ずっといじめられてて・・・・」
「あ…」
「登校拒否だったんです。みんなと顔を合わせることが怖くて・・・。そんなとき、たまたま吉澤さんが試合してるのをテレビで見て、凄くカッコいいなって、あんなに強いと何でも楽しいんだろうなって思えたんです。
それからこのジムにきて、練習してるんです。だから吉澤さんは私の憧れなんです」
「絵里ちゃん・・・」
「いつか吉澤さんに認めてもらえるボクサーになったら、堂々と学校にもいけると思うんです」
「そうなんだ・・・」
「よし!巻けた!グローブつけましょう!」
亀井は話題をかき消すように立ち上がりグローブを取る。
「普通練習用には16オンスですけど、高橋さんは超超初心者なんで8オンスぐらいでいいと思います」
「・・・ありがとう」
「準備できました!」
「おお!いいね、あんまり様になってねえけど・・・」
「・・・・・ごめんなさい」
「さぁ、やってみようか。とりあえず撃ってみて。自分のスタイルでいいから。自由に、一発!」
そういうと吉澤さんは両手にはめたミットをたたき合わせた。パンっと練習場全体に響くほどの大きな音が出た。そのまま態勢を低く構えた。
「こい!」
「じゃあ、いきます・・・・・・」
私は前進の力を拳に込めてミットに右パンチを一発当てた。
「うぃっ・・・!」
痛い!当て方が悪かった。手がグローブの中で捻ってしまい、激痛が走った。
「よし、いいよ。最初だし、しょうがないよ」
「ハイ、すいませんね・・・」
「いいよ、まずでも撃ち方を知らないとね」
吉澤さんはミットを外すと。私の横に並んだ。
「まず高橋は直立だったでしょ?これダメ。まずは左脚を前に出して」
ここは全部言われたとおりにしよう。
「それで踵を若干左側において。そうそう、で膝はぴんとせずに。そう、それで下半身の構えは充分。次は上半身ね。右手は肘を脇腹につけて。肝臓を守るんだ。ハイ、そしたら拳はアゴの横に付けて。
次、左は相手の利き腕パンチから頭を守んないといけないから腕全体を頭に寄せて。
あんまり近づけると左のジャブが出しにくいから拳は緩く前に出しといて。オッケー!構えはできた。これが基本形だから、とりあえず覚えてね。あとはパンチね。利き腕は?」
「右です」
答えるのに必死で、他の言葉は出てこなかった。
「じゃあ、左ジャブだ。これは凄い重要なパンチだからね。左拳を強く握らずに軽くパンチ撃ってごらん」
「・・・こうですか?」
私は言われるままに撃つ。
「ウンそんな感じ。で、撃つ時に肩を内側に入れるパンチをえぐりこむ感じで、これは軽くね。あとパンチは出したらすぐ戻して。この戻しが早ければ早いほど良いから」
「はい!」
私は今言われたことをしっかりと守ってもう一度撃ってみた。
シュッ!
「うわっ・・・」
「あ・・・」
「音が出た・・・」
「良いね、次は右ストレート。もう一気に教えたほうがいいや。今度はその左ジャブが戻るか戻らないかのタイミングで右を打つんだ。ストレートは一発で相手を倒せるほどの強力パンチだからね。
さっきのジャブの軽くやった動作を今度はしっかりとやるんだよ。肩を内側にぐっと入れて抉るように撃つ!こういう風に!」
吉澤さんがパンチを撃つと物凄い音が鳴った。
「ウワァ・・・・・」
「やってみな。これ、ワンツーっていうの。コンビネーションの基本ね」
「はい!」
吉澤さんはまたミットをつけ、構えた。
「オッケー。ワンツー!」
私は構えて、ミットを見た。手の動き、肩の動き、脚の動き、体の動き、全てをフル稼働させパンチを出した。
パパンッ!!
「・・・・・・・お・・・」
「あ・・・」
私は自分の出した音が一瞬信じられなかった。あの力の無い自分がたった2,3分吉澤さんの話を聞いただけで、こんな凄い音響かせられるなんて。ずっと固まったまま吉澤さんと自分の拳を交互に見ている。
「・・・・・す・・・すっげー!高橋!」
同じく固まっていた吉澤が急に大声を上げた。
「すごいよ、亀井今の見た?」
「軸が、全くぶれていませんでした・・・・。ウソ、初心者なのに・・・」
「な!そうでしょ?私も信じらんねえ!」
「え、私・・・・」
「凄いよ、高橋!初心者でパンチの撃ち方教わって10分もしてないのに、全然体の軸がぶれないもん」
「え、そんな。私はただ吉澤さんの言ったとおりの動きをしただけで」
「いや、凄いですよ高橋さん」
「絵里ちゃんまで・・・・」
「なんか昔やってたの?」
吉澤さんが物凄い笑顔で聞いてくる。
「昔ですか・・・・えっと、バレェをちょっと」
「バレェかぁ・・・・。あの爪先立ちが功を奏してるのかな・・・」
「はぁ・・・なるほど」
私は自分のことなのに納得してしまった。
「すごいなぁ・・・。こりゃ期待の新人になっちゃうかもよ」
「いや、そんな」
「お〜い!よっすぃー!」
私たちの会話を割るように誰かが奥の部屋から出てきた。
「え?あ、飯田さん!BAってきたんすか?」
あ、この人が飯田会長なんだ。さっきの白いTシャツの人だ。
「ウン、今ね。あ、見たよ。新しい子入るって?」
「ああ、それが凄いんですよ!この高橋愛ちゃんって子なんですけどね。
今ミット撃ち初めてやらせたんですけど、全く軸がぶれないで、凄くきれいなワンツー見せてくれたんですよ!」
「ホントに?」
吉澤さんに言われてもう一度ミットを撃った。また同じ様に心地よい破裂音が響いた。
「あら〜・・・困ったな・・・」
飯田会長は何故か顔を曇らせた。
「どうしたんですか?」
「いやね、今帰り道で亀井のスパーリングの相手を考えてたんだけどさぁ」
「え?」
絵里ちゃんが座っていた椅子から表情を変えて立ち上がる。
「まさか・・・」
「う〜ん、本当は一通り教えてからリングに上げないとダメなんだけど、ここまで綺麗なパンチ見せられちゃうとさぁ・・・」
「え・・・じゃあ」
吉澤さんも感ずいたようだ。
「まあ、いいや。亀井準備して!」
「・・・・・・・無理ですよ」
絵里ちゃんは私を心配してか、少し考えるように黙ったあと拒否した。
「どうしたの?」
「会長、わかってますよね?高橋さんは今日始めてボクシング見て、今日始めてパンチを撃ったんですよ。いくら私が経験2ヶ月だけとはいえ差は歴然じゃないですか」
「う〜ん・・・やっぱりそうだよね。・・・・どうする高橋」
どうしよう。スパーリングっていったらあのリングに上がって二人で実際に殴りあわなきゃいけないんだよ。まだ始めて10分の私が・・・。どうしよう。
私は無意識に吉澤さんを見ていた。
「高橋。アンタが決めなよ」
・・・・・吉澤さん。・・・・よし、頑張ってみよう。これが私の一つ目の試練だ。これを乗り越えて、強くなる第一歩にしてやる。
「・・・・・・やります。絵里ちゃん、お願いします」
「・・・・わかりました」
絵里ちゃんは飯田さんとともに準備に入った。
36 :
:03/07/26 11:15 ID:ip0hwm+f
新作乙。作者さんボクシングの経験でもあんのかな?
37 :
:03/07/27 09:21 ID:T6JUlSzu
ほぜむ
38 :
:03/07/27 21:22 ID:oEXGoWr3
ho
ze
40 :
名無しちゃん:03/07/29 00:21 ID:Cu/SloFE
ageたらぁ!
41 :
名無し:03/07/29 00:45 ID:MJjun2BC
age
続きはやくみたい
42 :
ひょっちゃん:03/07/29 19:45 ID:YLBdYl/E
今選手の必殺パンチを考えるのに時間を使っています。柴田の必殺パンチがいまいち思いつきません。
更新もうちょっと待ってください。
43 :
:03/07/31 00:10 ID:3wk6ssoh
ho
「高橋、ちょっと」
吉澤さんが私を呼んでる。
「はい?」
「いい?亀井はアンタより年は下だけど、かなり才能あるからね。ていうか今のアンタじゃ才能云々じゃないか・・・。とりあえずど素人はど素人なりに自由にやればいい。
飯田さんだって本当はアンタにやらせることは絶対やばいってわかってるよ。危なくなったらちゃんと止めてくれるから大丈夫。だから好きに暴れてきな」
「ん・・・」
「どうした?」
「いえ・・・・なんでもないです」
吉澤さんは安心させるために言ったんだろうけど、ダメだった。私は完全に吉澤さんによってプレッシャー負けしていた。膝の自由が早くも利かなくなってる。やだなぁ・・・怖いなぁ・・・。
でも、せっかく皆が用意してくれたスパーリングだし・・・。でも、怖いなぁ。
ガチャ。
私の緊張にかまうことなく音とともにドアが開き、準備を終えた絵里ちゃんと飯田さんが出てきた。
「お〜し、じゃあ早速行こうか。とりあえず亀井と高橋リング上がって」
「はい」
絵里ちゃんは素早くロープをくぐり赤色のコーナーについた。私は後に続くようにリングに駆け上がり、赤コーナーと対角に位置する青いコーナーに立った。
「よっすぃー、ちょっと高橋の方ついてやって」
「うぃっす」
吉澤さんがリング外から私の真後ろに周った。
「頑張れよ、素人。とりあえずさっきのリズムは忘れんな。ガードは崩さずに」
「・・・・・はい」
「よし、いくぞ!」
カーンッ!
飯田さんの手によってゴングが鳴らされた。
とりあえず吉澤さんに言われたとおりに構えをしっかりと。
パンッ!
「わっ!」
いきなり右手首に痛みが走った。
パンパンッ!
「イテッ!」
衝撃の隙をぬって思わず閉じてしまった目を開けた。そこにはさっき3メートルぐらい離れてた絵里ちゃんがもう目の前にいた。
早い!私は再会された雨のような素早いパンチを顔の前に出した二本の腕で受け止めるので精一杯だった。
「ウッ・・・ウワッ」
私は無意識にパンチの雨から脱出しようと左に少しずつずれる。ロープの感触が背中に感じた。
既に息切れがしてきた私は体重をかけると緩めにしなっていくロープが心地よくなる。その瞬間、右肩にパンチが入った
「くっ・・・」
今度は右肩に少し重めだ。もうやばい、腕が・・・。一瞬右腕に意識が集中してしまった。
「ダメだ!高橋!」
吉澤さんの声が耳に入った。
ドンッ!
「グァ・・・」
右肩に神経が行き過ぎた。肩を狙われてガードを上げてしまった。お腹痛いよ・・・。左の脇腹が・・・苦しい。
「高橋!ちょっと、飯田さん!」
吉澤さんが必死に飯田さんを呼んでいる。しかし飯田さんは何も言わないようだ。声が耳に入ってこない。私は痛みに耐え切れずに床に倒れこんでしまった。
「ウッ・・・」
少しでも体重移動を行うと、脇腹に激痛が走る。自然と息が荒くなる。早く体に酸素を入れないと死んでしまう気がした。
「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・・」
「高橋、いける?」
飯田さんの声が傍で聞こえた。もうダメかもしれない。凄い痛い・・・。もう辞めたいよ。
「高橋!高橋!」
あれ・・・吉澤さんが喋ってる。聞かなきゃ。ちゃんと吉澤さんの声、逃がさないように聞いておかなきゃ。
「立て!ここで泣いてたら後ずっと何にも成長無いぞ!強くなりたいなら立て!立って亀井を殴れ!」
「・・・・・・ハァ・・・・ハァ」
そうだよ。ここで終わったらダメ。絶対強くなるって決めたんだ。立たなきゃ。立たなきゃ!
体を起し、膝を立てる。少し時間が経ったとはいえまだ脇腹の痛みは治まらない。グローブを床に着いて、ぐっと立つための筋肉に力を込めた。
「うっ!」
痛い・・・。でも、負けない。痛い。負けない。痛い。負けない。痛い。負けない!
「くぁっ!」
勢いよく膝で反動をつけ立ち上がる。でもダメージの後遺症で脚がぐらぐらと安定してくれず、上手く姿勢を保てない。思っていた以上に立っているのが辛い。
「ハァ・・・」
「高橋、ニュートラルコーナーに一旦戻って」
飯田さんに促されてさっきとは別の白いポールのほうに寄り掛かる。直ぐに吉澤さんが走ってきてくれた。
「大丈夫?」
「何とか・・・。でも、脚が思うように動かんで・・・・」
「リバー入っちゃったからね・・・。でも大丈夫。亀井は手加減してくれてる」
「ハイ・・・」
「とりあえずパンチを出すタイミングを見つけるんだ。一瞬を逃がしちゃダメだよ」
「わかりました」
「よし、いって!」
2回目のゴングが響いた。絵里ちゃんは、自分のコーナーから小さく前に出ただけで、そこから大きく寄ってくる気配が無い。
どうしたの?私の状態を見て攻撃を緩くしているの?
私はなかなか攻撃してこない絵里ちゃんに苛立ちを感じ始めた。脚のガクガクも加味されて、何か落ち着かない。
「・・・・・・」
絵里ちゃんは黙ったままこっちを睨んでいる。
行くしかない。そう思った私はさっきの絵里ちゃんのように、素早く前に出る作戦に出た。
思い切りダッシュで絵里ちゃんに近づく。ぶつかる直前で体を止める。靴がきゅっと摩擦音を立てる。同時に脇腹に痛みが走った。
「ウッ・・・」
一瞬顔が曇った。しかし絵里ちゃんに悟られちゃうと思い、急いで普通の顔に戻した。
シュ!
風を切る音と共に絵里ちゃんがジャブを撃ってきた。
「キャッ!」
急いでガードの形を取り、ギリギリで防いだ。
あ…、絵里ちゃんの手が戻る・・・。
私はその瞬間を見逃さなかった。吉澤さんに言われたパンチのタイミング、見つけた!今だ!この瞬間、パンチを撃てば。
そう思った私は、足首を固め、左の拳を前に突き出した。
バシッ!
手応えあった。そのまま、もっともっとたくさんパンチを打って!左の腕に叫んだ。私は我武者羅にジャブを打ちつづけた。
バンッ!バンッ!バンッ!バンッ!
戻りを早く。吉澤さんの言葉が頭に浮かんだ。戻して、すぐ撃って。戻して、すぐ撃って。
破裂音が何度も響く。目線を離しちゃダメだ。当てなきゃ。絵里ちゃんに自分の拳を当てるんだ。
「あっ!」
「うわぁ!」
一瞬絵里ちゃんの顔が見えた。さっきまで腕のカーテンでほとんど見えなかったのに。
弾いたんだ。私のジャブが絵里ちゃんの腕を。
「空いたぞ!撃て!」
吉澤さんが叫んだ。言われなくてもわかってます。この瞬間をいってたんですね。右腕!頼むよ!
私は空いた絵里ちゃんの顔を狙って右ストレートを放った。
ガッ!!
「あうっ!」
絵里ちゃんが叫ぶ。絵里ちゃんの体が左に崩れ出した。当たった・・・。私のパンチ、当たった!やった!やった!やっ・・・
ドン!
・・・・・・・あれ・・・。何この痛み・・・・。あれ・・・目の前が、フワフワしてる。なんかボーっとしてきた――――――
アァ・・・・・・何これ・・・気持ちいい―――――
――――――――――高橋!
「高橋!起きろ!お〜い!」
ん・・・何か頬っぺたが痛い・・・。誰かがペチペチ叩いてる。あれ・・・・どうしたんやったっけ・・・。
「あれ・・・・どうしたんやったっけ・・・」
「高橋・・・。良かったァ・・・」
あ、吉澤さんが笑ってる。あれ、隣に絵里ちゃんもいる。あれ、もう終わったの?スパーリングは?ていうか私は?徐々に視界がはっきりしてきた。固い床の上に寝かされていたので少し背中が痛い。上体を起し周りを見回す。
「イタッ!」
頭がズキっとなった。
「大丈夫ですか?高橋さん」
絵里ちゃんが私の顔を覗き込む。
「う・・・・うん。それより、試合」
「もう、終わりました。私がついテンプル殴っちゃったおかげで・・・高橋さん気を失っちゃって」
「馬鹿だな、亀井は。ど素人相手に必死かよ」
吉澤さんが絵里ちゃんを小突いた。
「いや・・・ちゃんと手加減したんです。でもあんまりタイミングと態勢がバッチリ合っちゃったんで・・・・。高橋さん、痛くないですか?」
「いや・・・もう大丈夫やけど」
「まぁまぁ、結果はこんなもんだよ。よく頑張った、高橋」
「あの・・・・ありがとうございます」
「頑張りましたよ、ジャブは雑でしたけど」
「うるさい。アンタはとりあえずコンビニにジュース買いに走れ」
「ハイ・・・」
絵里ちゃんは悲しそうな表情でジムを出て行った。
「お疲れ、高橋」
飯田さんが奥から現れた。
「根性見せたね。よく耐えたよ亀井のリバー。・・・で、これから、どうする?このジム通って頑張るの?」
「はい!是非。私を強くしてください」
「よし、オッケー!それじゃ、今日はこれで終わりだ。とりあえず亀井が買ってきたジュースお土産に帰りな」
「はい!」
「高橋、明日から笑ってられないぞ。私にしばらくついてやってもらうからねとりあえず今から言うことを家でやっといて」
「はい!」
これから、頑張ろう・・・。また絵里ちゃんとやるときは気絶しないように・・・。
50 :
:03/07/31 16:26 ID:uAs652ag
お?新作乙カレー
51 :
:03/08/01 19:24 ID:mC6usYGW
圧縮前にageとくか
52 :
:03/08/03 08:42 ID:+1zSfM4V
定期保全
53 :
名無し募集中。。。:03/08/05 16:11 ID:0WFFD36n
sage
,,,--─===─ヽ/へ
/iiiiiiiiiiiiii彡≡≡≡|≡ヾ ヽ
iiiiiiiiiiiiiiiiiii彡≡≡≡≡|≡ミミヾ丶
iiiiiiiiiiiiiiiiiiii/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\ミiiiiiヽ
iiiiiiiiiiiiiiiiii/ \iiiiiiiゞ
iiiiiiiiiiii/ \iiヽ
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期待保全
57 :
age:03/08/08 02:07 ID:DO8bNiet
age
保
59 :
:03/08/12 09:23 ID:v8vdrs8e
気が向いたら保全
ほ
61 :
名無し保全中。。。 ◆2cELVQk0F6 :03/08/17 00:52 ID:PgGyHfkR
hozem
保
ほす
高橋(゚听)イラネ
ほぜん。
保
ちょっと下がりすぎ?
68 :
名無し募集中。。。:03/08/30 17:40 ID:uY0FiEw4
じゃぁage
69 :
69マン:03/09/01 07:55 ID:3rnvNx57
_n
( l _、_
\ \ ( <_,` ) ひょっちゃん、痛みに耐えてよく頑張った、感動した!
ヽ___ ̄ ̄ ) シックスナイン!!
/ 69 /
期待保
保
全
72 :
名無し募集中。。。:03/09/08 02:08 ID:f79zZCqM
軽くageてみる。
73 :
名無し募集中。。。:03/09/10 01:46 ID:tkrukPh3
期待age
74 :
名無し募集中。。。:03/09/12 21:14 ID:mDhN6+FX
さらにageて待つ
75 :
:03/09/15 02:16 ID:iXK/As12
アゲ
76 :
:03/09/18 21:15 ID:H2Mu8BvZ
もう一回あげて待つ
もう無理かな。
78 :
:03/09/21 19:26 ID:Z9dXjdM8
まだまだ
79 :
:03/09/23 16:28 ID:23/5bSe3
80 :
−:03/09/26 00:34 ID:q5f8BMcD
age
81 :
---------------:03/09/29 21:15 ID:J4U9QgxH
age
82 :
:03/10/01 20:23 ID:fA3951JD
ageばっかじゃのう
83 :
名無し募集中。。。:03/10/01 21:07 ID:Qy9zeBvf
漏れが続き書こうか?
84 :
au:03/10/01 21:09 ID:aN7Q22VJ
だれでもいいからかいて
86 :
83:03/10/06 21:14 ID:fljFTOP4
私は飯田ジムを出て絵里ちゃんが買ってきたジュースを飲みながら帰っていた。
でもいつもより帰る時間が早かったため近くの本屋で時間を潰すことにした。
店に入ると迷わず小説のコーナーに行きお気に入りの一冊を手にとって読み始めた。
夢中になって読んでいるといつのまにか時計の針が5時を過ぎていた。
私は「帰んなきゃっ」と思いあわてて入り口に急いで向かっていると一冊の雑誌が
目に飛び込んできた。
「・・・月刊レディースボクシングマガジン?」
思わず手にとって見てみると表紙には飯田ジム特集の文字が。
私は迷わずレジにそのまま持って行った。
レジを済ませて私は興奮しながらダッシュで家に帰っていった。
家のドアを開けるとお母さんが帰っていた。
「愛ちゃんお帰り」
やっぱり今朝のことを気にしてるのか心配そうな顔だった。
「たっだいまっーー!」
私は満面の笑みで答えた。
それは今朝みたいに作り笑いではなく心からの笑みだった。
それでもお母さんは不安そうだったが「今日はいいことがあったからね」と私
は思いそのまま二階へと駆け上って行った。
87 :
名無し募集中。。。:03/10/13 00:03 ID:BY+zNFEg
だれかつづき
88 :
83:03/10/18 01:18 ID:Mrp/E6pj
私は自分の部屋に入るなり今日買ってきた雑誌を夢中になって読んでいた。
「愛ちゃん、ゴハンよ〜?」
当然その声は私の耳には届かない。
「愛ちゃん、ゴハン!」
急に私の部屋のドアが開きお母さんが入ってきた。
私はビックリしてお母さんを見上げた。
「何?そんなに驚かなくてもいいんじゃない?・・・ん?何これ?」
お母さんの目線が床に転がっていた雑誌に向けられていた。
「へぇ〜、ボクシングねぇ〜。意外だわ、愛ちゃんが格闘技に興味もってたなんて。」
「・・・えっと・・その・・それは・・・。」
私は言い訳に困った。
私がボクシングを始める事を両親にどう説明するか決めていなかった。
・・・2人とも反対するだろうし。
私が無言でいると
「まぁ、そんなことよりゴハンにしましょ。」
そう言ってお母さんは部屋を出て行った。
私も『いつか話さなきゃ』と思いそれに続いた。
このスレももう駄目かな?
91 :
名無し募集中。。。:03/10/27 18:05 ID:bsx45WUm
もっかいageてみる。
^)<ここは?
σll<そうミュンね…
・)<様子見ということで…
・)<ニィ…
>>92 漏れみたいに小説待っている香具師もいるのだから、やめてくれ。
・)<承知。
sage