★☆小川脱退をひたすら祈るスレッド☆★vol,2

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22名無し募集中。。。
               n ヴィシ
               ,E)
        ノ ノノ人ヽ  //   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
      (●´ー`)//  < 不細工と、そのヲタどもを、一斉処分!!
     /.      /      \________________
    / /| 正義 /
    |_|__|____|
  /旦/三/ /|
  | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| .|

   ノノノノヽヽ  ドルルルルルルルルルル.!!!!! ∴*.∵;"*.∴|;".*
  从 ^▽^从 ___。  \从/  _ _ _*;:*;ビシュ!!_− __ −
  ミ(  つ【〔ロ=:(∈(二(@ >‐― ‐ ∴¨O:∴ −⊆( ゚劭) さいたま
 ∋oノハヽo∈ B ̄゛  /W'ヽ  -   ̄ ;\~~ビシュ∴|*.;'*':∵∴
   ( ´D`)___。  \从/  _ _  ゝ; 〆〃ハハ*;_−ヒィィィィィーーッ!!!
  ミ(  つ【〔ロ=:(∈(二(@ >‐― ‐ _ ∬;゚▽。;∬  ゚∴;ビシシシュッ!!(*。Д ゚) 植物
   @ノハ@ B ̄゛  /W'ヽ  -    ̄ \ 汚 ノ o ̄ζ ;:;'*':∵ '*':∵
   ( ‘д‘)___。  \从/   _ _  ;:;(__-、ノ'*'o∴*.∵ζ;"*.∴ -   ;'':∵
  ミ(  つ【〔ロ=:(∈(二(@ > ‐― ‐ _.ノノU*.;'*〆ビシュシュシュシュッ!!!-ヾ。∀゚)エロスレ
   人 ヽノ B ̄゛  /W'ヽ  ̄−─   ∪   ̄- - ̄- ̄  ̄.∵ζ;"*.  ̄
  (__(__) B.                      _    ;:;'*' ∴*;::;:
23名無し募集中。。。:03/06/16 01:13 ID:k6Ggj0vV
    【辻加護の本音: ほんとは 保田より小川の方が 気持ち悪い】
                                        
   @ノハ@                               ― ∋oノハヽo∈ 
  (つд‘l|l) オエップ、       〆〃ハハ           二二(;´D`)    
  ヽ    つ 吐き気が・・・     ∬;´▽`;∬         ―― ( つ  つ    近付くと 不細工が
    Y 人 ―              ( 汚 川 )            二 人  Y     伝染(うつ)るのれす!
   (_) J 二              U U             ― し(_)
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
24さいたま人民 ◆vc8CBCnIBw :03/06/16 01:14 ID:8QraJtny
>>22
また石川に撃たれてる…

萌え…
25植物物語 ◆P9atzyhA3w :03/06/16 01:41 ID:jnt6VIvY
なんで地獄に落ちろスレは止められたんだろう?
前半の小説が面白かったので残っていて欲しかったんだが。
26:03/06/16 02:08 ID:qLs/YIY0
おまえのしわざだろ
27植物物語 ◆P9atzyhA3w :03/06/16 02:10 ID:jnt6VIvY
非力な俺がどーしたらそんなこと出来るんだよ!!

ちなみに削除関連の板を見に行ったんだけど、依頼も何も見つけられなかったよ。
ホント、どーして止められたんだろうね。
28∬∬´○`):03/06/16 02:13 ID:xdoUYlnn
小説も移動しときます。
7 :名無し募集中。。。 :03/04/14 03:43 ID:v58DbRyD
「ここが地獄…?」
小川はきょろきょろと周りを見まわした。小川が想像した地獄らしいもの、例えば
血の池とか、エンマ大王とか、鬼とか、そういうものはカケラも見えなかった。
そこはただの、だだっ広いだけの白い部屋だった。

「えっ、ここ地獄ですよね?」
小川は思わずそう尋ねた。目の前の、ピンクのスーツを着た女は、にっこり笑って答えた。
「そうですよ♪」


8 :名無し募集中。。。 :03/04/14 03:47 ID:v58DbRyD
小川はちょっとがっかりした。正直、一瞬もしかして天国なんじゃないの?と
思ったりもしたからだ。「だって白いんだもん」と小川は胸のなかで呟いた。
「白がなんですって?」
「いや、なんでもないんですけど…」
答えてから、あれ、今心読まれた?と小川は思った。
「はい!読みましたよ♪」と女は言った。

思わず小川は呟いた。
「参ったなぁ…」

29名無し募集中。。。 :03/06/16 02:17 ID:qLs/YIY0
>>27
そうか。巣まんすまん。ちょと釜かけただけだ。
ほんまいらんことするやつがいるもんだな。
こんなことするからヲタがますます嫌われる原因になるんだよ。
ほっときゃいいものを・・
30∬∬´○`):03/06/16 02:17 ID:xdoUYlnn
11 :名無し募集中。。。 :03/04/14 03:51 ID:v58DbRyD
「あなたはですね…小川マコトさん、あなたは…」
白いノートをぱらぱらとめくりながら女はしゃべりだした。
「地獄に落ちた理由が…ブスだから、となってますね♪」
小川はちょっとぴくっと来たが、そこは流した。
「ということで、今後はここで生活してもらいますね、ずっと♪」

小川は部屋をみまわした。
四方に白い壁が見えた。他には何も見えない。窓もない、それどころか…
「生活って、ここ、ドアとかもないし、家具もなんにも」
小川は口をつぐんだ。女はいつのまにか消えていた。


12 :名無し募集中。。。 :03/04/14 03:55 ID:v58DbRyD
「参ったなぁ…」
小川はふたたび呟いた。そうして部屋中をふらふらと歩き回った。
白い壁をぺたぺたと叩いて呟いた。
「…そもそも、ブスだからって、なんだよ…」
もちろん軽くへこんでいた。

「…御飯とかどうすんだろ、トイレとか」
ぼそっとそんなことを呟いたあと、ふと思い出したように顔をあげた。
「あ、そうか」
あたし死んでんだっけ。と小川は思った。
それから、笑い出しそうになるのを必死に堪えた。死んでるって、何よ。
31∬∬´○`):03/06/16 02:18 ID:xdoUYlnn
13 :名無し募集中。。。 :03/04/14 04:02 ID:v58DbRyD
交通事故だったというのは、死んでからすぐに知らされた。

「死後の世界なんてほんとにあったんだ…。」というのが、小川が死んでからはじめて
抱いた感想だった。ピンク色のスーツを着た女はにこにこしながら、甲高い声で歌うように
死に様を説明してくれた。
「もうすっごいんですよ♪横転した車に、トラックがつっこんできて、もうミンチ♪」
あぁ、そうなんだ、という感じで小川はじっと聞いていた。
「あなたの他にもね、えっと…ひゃく?ひゃくさんじゅうにんも!死んだんですよ♪」

もう大盛況ですよ、とはしゃぐ女は、自らを天使だと名乗った。
あぁそうなんだ、と小川は思った。


32∬∬´○`):03/06/16 02:20 ID:xdoUYlnn
16 :名無し募集中。。。 :03/04/14 04:14 ID:v58DbRyD
女の話はやたらと長かった。
「…それでですね、私は言ったんですよ天使長に、何て言ったと思いますぅ♪」
「えっと、わかりません」
言いながら、この人誰かに似てるな、と小川は思った。
「私、ずっと天使長に憧れてましたぁ♪って!すっごい気の効いた言葉だと思いません?」
「えっと、思います」
答えながら、小川は考えた。誰に似てるんだろうこの人。
そして気づいた。

あれ、記憶がないな。


17 :名無し募集中。。。 :03/04/14 04:24 ID:v58DbRyD
思い出せない。そもそもどうして車に乗っていたのだろうか。きっかけが欲しい。
小川は頭を抱えた。
130人死んだと、女は確かに言った。
「それでね私ったら、その時…」
「あのぅ」
小川はおずおずと口を挟んだ。
「あたしの友達とかも、一緒に死んだんですか」

女はにっこりと笑った。
「覚えてないのに、知ってどうするの?そんなこと♪」
小川は自分にたずねた。覚えてないのに知ってどうするんだろう、と。それから
よくわからないけど、聞かなきゃよかったと、思った。
33∬∬´○`):03/06/16 02:22 ID:xdoUYlnn
18 :名無し募集中。。。 :03/04/14 04:34 ID:v58DbRyD
「あの時、もっと詳しく聞いときゃよかった」
歩きまわるのにも飽きた小川は、部屋の隅でしゃがんでいた。
「まさかこんな風になるとはなぁ…思わなかったもんなぁ…」

壁だけじゃなく、天井も白かった。床も白かった。つまり一面の白。
「地獄って、ヒマだな…」
ごろんと寝転がって、小川はそう呟いた。
「歌でも、歌おうかな…」
何歌おうかな、でも何も覚えてないや。
こみあげてくる笑いを、堪えながら小川はいつしか泣いていた。


34∬∬´○`):03/06/16 02:25 ID:xdoUYlnn
49 :名無し募集中。。。 :03/04/15 05:03 ID:a1Sv3obC
小川はそれを、クロールごっこと名づけた。寝転がったまま、ぺたぺたと床をはうように
壁のはしからはしへと、移動するだけの遊び。
「よし、いま十秒切ったぞ…たぶん」
無事壁に手をつくと、わけのわからない笑いがこみあげる。充実してんなぁあたし。
と、小川は思った。

疲れてもいないのに一休みしながら、頭の中で
「天使が様子を見に来てくれたら頼む物リスト」の一番下に、「ストップウォッチ」を加えた。

50 :名無し募集中。。。 :03/04/15 05:06 ID:lnaXMzsy
そのリストの一番上は「マジック」だった。その下にはもうすでに何百もの項目があって
それらは、ときに忘れたり重複したり、入れ替わることもあったけれど、一番上はいつも
変わらなかった。
小川が思い描いていたのは黒い、太いマジックペン。

「あぁ今って、何時くらいなんだろ」
寝転がって、小川は呟いてみた。もちろん返事はなかった。
真っ白い壁があって、天井があった。相変わらずそれだけだった。
35∬∬´○`):03/06/16 02:27 ID:xdoUYlnn
52 :名無し募集中。。。 :03/04/15 05:11 ID:lnaXMzsy
寝転がって天井を見ていると、時々不思議に思うことがあった。真っ白な視界。この目は
ほんとうに、見えているのだろうか、と。そんな時小川はいそいで、自分の手を見る
ことにしていた。
そこには白くてちいさな手の平がちゃんとあって、動かせば指はひらひらと動く。それで
やっと小川は安心するのだった。
あぁまだ見えてるな、と。

失明するのは構わない。
だけどあのピンク色だけは、見逃すわけにはいかない。
女はいつかまた来る。小川は信じていた。というより、それだけを頼みにしていた。
36∬∬´○`):03/06/16 02:28 ID:xdoUYlnn
54 :名無し募集中。。。 :03/04/15 05:20 ID:lnaXMzsy
「えぇと、じゃあ私について来てくださいね♪」
説明を終えて、説明以外のことまでさんざん喋り散らした後、一方的に話を終えると
女は身をひるがえした。
颯爽と歩き出す女。カツカツとヒールが音を刻んだ。
「ヒールとか履くんだ…天使でも、履くんだ。」
小川も後について歩きながら、妙なことに感心していた。

二人がその時歩いていたのは白い廊下のような場所だった。
「廊下…あれ?廊下?」
小川にしてみれば、いつのまにかそこにいた感はいなめなかった。
37∬∬´○`) :03/06/16 02:34 ID:xdoUYlnn
58 :名無し募集中。。。 :03/04/15 05:34 ID:lnaXMzsy
すたすたと前を行く女の背中を見ながら、小川の胸にふいに不安がおとずれた。
死んだことは聞かされた。でもそれだけ。それ以外のことは何一つ知らないままだ。
例えばここの廊下はどこだろう。そして向かっている先ははたして。

疑問がふと、口をついた。
「あのぅ、あたしは」
「質問ですかぁ♪」
女は、振りかえらずに答えた。

「…あの、あたしどうなっちゃうんですかね、これから」
38∬∬´○`)」:03/06/16 02:36 ID:xdoUYlnn
60 :名無し募集中。。。 :03/04/15 05:39 ID:lnaXMzsy
すぐの答えはなかった。女は歩きながら、ノートをぺらぺらとめくりだした。
「…これは!」
ノートに目を落としたまま、女はふいに立ち止まった。
「あなたにはですね、小川マコトさん、これから裁判を受けてもらいます。」

またえらく棒読みだな、と小川は思った。
「いいですか、裁判ですよ、さいばん。」
振りかえった女は、軽く不機嫌な表情でくりかえした。ぼぅっとした頭で、女の唇の動きを
小川はなぞった。
「さいばん」と言っている。
さいばんってなんだっけ、と小川はその時思った。無論、その言葉自体は知識として
知ってはいたのだけれど。

61 :名無し募集中。。。 :03/04/15 05:45 ID:lnaXMzsy
「裁判なんていうもんだから」
ドキドキしちゃったなぁあの時は、と呟き、小川は軽く笑った。数少ない
思い出の、それは何度目の反復だろうか。そのうち数えること自体も
忘れてしまいそうな気がした。

あれからどれだけ経ったんだろう。もう見当もつかないよ。
一秒から一万まで数えて、やりなおしたこともあったっけ、
あれっていつだったっけ…。

そんなことを考えながら、小川はまだぼんやりと笑っていた。
39∬∬´○`):03/06/16 02:38 ID:xdoUYlnn
62 :名無し募集中。。。 :03/04/15 05:56 ID:lnaXMzsy
部屋に来た最初、小川はじっと時間を数えていた。一秒、二秒と、丁寧に。
五千を越えたあたりから、一秒の感覚に自信が持てなくなってきた。
やがて一万になったところで、数えるのを中断した。
頼れるものをさがした。
ひとつだけ思いついて、小川は心臓に手を当てた。
鼓動を数えようとして、そして心臓が動いていないことに気が付いた。

それ以来、小川は数を数えていない。

ふと笑うのをやめて、思い出したように小川は首をひねった。
「やっぱり、時計も欲しいな」
そう呟くと、リストの2番目に「時計」をくわえた。
それからぼんやりと身を起こすと、うつぶせのまま這い出した。クロールの続きだ。
40∬∬´○`):03/06/16 02:42 ID:xdoUYlnn
85 :名無し募集中。。。 :03/04/20 05:31 ID:9qDuQv4x
>>62

「あぁ〜またはいはいしだしましたよ」
「…っていうか、楽しそうだよね、なんか笑ってるしさぁ」
「地獄になってないかも、これ失敗かぁ」
「やっぱカゴじゃ駄目だったか…」

「いいとおもったんですけどねぇ…」
「正直、オイラも思ってた」
「とじこめられたりしたじゃないですかぁ、みんなちっちゃいころとか」
「そうだけどね、どうしよっか天使長」

「しょうがない、あの子を呼ぶしかないか…」



86 :名無し募集中。。。 :03/04/20 05:43 ID:9qDuQv4x
白いワンピースのすそだけがはじめに見えた。小川は寝転がっていたから
すそだけが見えた。
ぼんやりとクロールを続けながら、小川は思った。なんかおかしいぞ、と。
誰かがいる、とは思わなかった。あるいはそれがピンク色だったら、すぐに
気づいたかもしれない。

「こんにちはー」
つぎに、頭の上からそんな声がした。

小川が体を起こして、白い影に飛びつくのとほとんど同時に。
41∬∬´○`):03/06/16 02:46 ID:xdoUYlnn
87 :名無し募集中。。。 :03/04/20 05:53 ID:9qDuQv4x
「あぁあああぁあああぁぁああ!」
自分がわけのわからない声をあげている、という自覚すらなく、小川はひたすら
無我夢中で影にしがみついた。
「うわぁ、何、どしたの」
そんな小川に対して、しかし焦る様子もなく女は微笑みかけた。

足にしがみつくと、もう声も出なかった。小川はひたすら震えていた。
逃がしてはいけない。
手を離したら逃げてしまうような気がしたからだ。

もう一人にはなれない。



88 :名無し募集中。。。 :03/04/20 06:05 ID:9qDuQv4x
「じゃあここからは一人で行ってくださいね♪」
廊下はやがて終わり、突き当たりのドアの前で女は振りかえった。
「えっ」
「私はもうついてっちゃいけないんですよ♪残念ですけど♪」
言いながら女はニコニコ笑っていた。

「じゃあもしかして、あたし一人で」
「はい♪」
指差されたドアは黒く重そうで、小川にはとても厳めしく感じられた。
42∬∬´○`)   :03/06/16 02:49 ID:xdoUYlnn
89 :名無し募集中。。。 :03/04/20 06:12 ID:9qDuQv4x
ノブをヒネリながら女が歌うように言う。
「失礼しま〜す♪」
「でもあたし何にも説明、あの」
焦る小川を尻目に、女はすでにドアを開けていた。
「小川さん入りまーす!チャオ〜♪」
軽く突き飛ばされたかもしれない。
そうしてその部屋で待っていたのは、あの子供と口ひげ。


90 :名無し募集中。。。 :03/04/20 06:16 ID:9qDuQv4x
あの時確かに…
「何をぶつぶつ言ってるの、ねぇ」
「えっ」
白い壁に白いワンピースそして白い肌、それは確かに他人だった。
「ほぅらなっちがね、会いに来てあげたんだよ寂しいと思ってさ」
客はそう言うと、子供のような顔でニコニコと笑った。
「ぼーっとしてばっかでいいの?」

「なっち…さん」
呆けたような顔で、小川はやっとそれだけ呟いた。
43∬∬´○`):03/06/16 02:53 ID:Dt1CPdhV
91 :名無し募集中。。。 :03/04/20 06:39 ID:9qDuQv4x
「足痛いから、ねぇ、そろそろ離して」
言われて、小川はそこではじめて自分が、初対面の人の足にしがみついて
いたことに気づいた。気づいたような顔になった。もっとも手を離しはしなかった。
「もう離してよ」
「いや離せません」
「なんで」
「なんでって」
なんでだろう、と小川は思った。
「なっち逃げないよ」
「逃げるとか逃げないとかじゃないんです」
「じゃあなにさ?わかんないよ」
女はおかしそうに笑った。
わかるわけないじゃんと言いそうになって、やめた。

101 :名無し募集中。。。 :03/04/24 18:39 ID:JNch/bb7
>>91
「んじゃ、なっちの話聞いてくれる?」
「あぁ…はい」
返事とともに女は、すっと足を抜いて身を離した。小川はとたんに恥ずかしくなった。
けれど女は笑っている。みっともない行為を、まるで気にしていないような笑顔が
小川に向けられている。

無造作にまとった白いワンピースそれはまるで子供のような装いだった。しかも
子供のようにきらきらした目がこっちを見ている。
「…かわいいなこの人」
色々なことをすっ飛ばして、小川はまずそう思った。

「あんまじろじろ見ないでよ、照れる…あのね、究極の童顔なんだ、なっちって」
「あぁ、究極なんですか」

なんだかしらないけどすごいなと、小川は頷いた。
44∬∬´○`):03/06/16 02:55 ID:Dt1CPdhV
113 :名無し募集中。。。 :03/04/24 23:29 ID:cy1PcPL0
>>101
「で、話ってなんですか」
「あぁ、お話…そう、お話をしに来たんだっけ」
「はい、さっきそう言ってました…なっちさんが。」

女はくすくすと笑った。さもおかしそうに。
「なんの話しようか?なっちお話ならなんでもだいすきだよ」
「なんでも…ですか、でもあたし…」
小川は口をつぐんだ。

「あ、そうだった」女は嬉しそうに目を開いた。
「記憶、ないんだってね」
女はまた、くすくすと笑った。どこか芝居を思わせるその仕草。

114 :名無し募集中。。。 :03/04/24 23:38 ID:cy1PcPL0
「記憶がないっていいことだよね…」
ふいに笑いやむと、女は呟くように言った。
「いくらでも、ものすごい幸せな記憶で、塗りかえられるってことじゃない」
女は腕組みをして頷いた。自らの言葉に、自ら感心しているような表情を見せた。

「記憶を、ですか」
「うん…辛いこととか一個もない、バラ色の記憶をつくって勝手に思い込むの」
なるほど、と小川は思った。
「なんかほら、考えてみなよ、すごい幸せな記憶をさ」
女は言葉を切ると、うながすように手をひらひらさせた。

しばらく考えて、小川は首をひねった。
「すいません、よくわからないです」
45∬∬´○`):03/06/16 02:56 ID:Dt1CPdhV
115 :名無し募集中。。。 :03/04/24 23:59 ID:cy1PcPL0
「あぁ…じゃ、なっちが考えてあげるよ、かわりにね」
女は笑顔を崩さない。腕組みをしたまま、白い壁にもたれかかるようにして
なにやら考え込む女の横顔を、小川はただじっと見つめていた。
やがて女は口を開いた。
「例えば……じゃさ、こういうのはどう?」

「どういうの、ですか」
「うんとね、アイドルだった、っていうの」
「アイドル…?」
「そう!アイドルだったんだよ、小川は」

その「小川」という呼び名は、どこかなつかしい響きをともなって聞こえた。
小川は不思議に思った。なんだろう、名字を呼び捨てられているだけなのに。

116 :名無し募集中。。。 :03/04/25 00:12 ID:4yJLnqEf
「でもアイドルって言われても、いまいちピンと来ないんですけど」
反応を確かめるように、顔をのぞきこんでくる女に対し、小川はおずおずと
申し訳なさそうにそう言った。実際に、なんだか申し訳ないような気がした。
「あ、ピンと来ないかぁ」
「はい…すいません」
小川は頭をさげた。

「そっか…じゃあ、なっちが詳しく教えてあげるよ」
「なにをですか」
「モーニング娘。のこと」
女は平然とそう言った。
46∬∬´○`):03/06/16 02:59 ID:byDjkz1k
117 :名無し募集中。。。 :03/04/25 00:14 ID:4yJLnqEf
「モーニング娘ってなんですか」
「え?娘。は娘。だよ」
「娘?」
「…あぁ、そっか、記憶ないんだっけね」
「え?」
「だから、小川が所属してたアイドルグループの名前さぁ」
「モーニングムスメ?」
「そう…あ、ムスメじゃないよ、娘。ね」
「娘?」
「娘じゃない、娘。だって」
「娘。」
「そうそう今の合ってる!そう今の感じ忘れちゃだめだよ?」


118 :名無し募集中。。。 :03/04/25 00:17 ID:4yJLnqEf
女は微笑をたたえたまま、小川をやさしく見つめている。小川は黙った。
その与えられた記憶を、咀嚼するかのように。しばらくの間があいた。
「じゃああたしは」やがて、小川は放心したように口を開いた。
「その…モーニング娘。とかいうアイドル、だったわけですか」

「そうね、でも正確に言うと…いや、そうね。確かに『だった』で正しいね」
「アイドル…」
とすると歌を歌ったり、踊ったりする自分がいたということになる。想像も
つかなかった。そんなことを考えるだけで、小川はなんだか体がむずがゆく
なるような感覚をおぼえた。

「あ」
「なに」
「でも、え?おかしくないですか」
47∬∬´○`):03/06/16 03:00 ID:byDjkz1k
119 :名無し募集中。。。 :03/04/25 00:18 ID:4yJLnqEf
「なにが?」
「だってあたし、ほら地獄に落とされたのって…」
小川はそこで口をつぐんだ。さすがに言いやすいセリフではなかった。

「あぁ」女は微かに笑った。
「そうねあなたは、ブスだったから地獄に落とされたんだものね」
ふふ、と女は声にだして笑った。
小川は一瞬真顔になって、それからへへ、と控え目に笑った。

「ブスがアイドルなんて普通」
「ブスがアイドルってなんですか」
言い出した声が揃った。ふふ、と女はまた笑った。
小川も、今度は声に出さずに笑顔をつくった。


120 :名無し募集中。。。 :03/04/25 00:19 ID:4yJLnqEf
「あのねぇモーニング娘。っていうアイドルはね、違ったの」
「なにがですか」
「なんていうのかな…?フツーじゃなかったのよ、とにかく」
「異常だった、ってことですか」
「異常…」そこで女は、軽くあごをあげて考えるようなそぶりを見せた。
「そうね、異常だったね確かに」
女はいかにも愛しそうにそう言った。

「モーニング娘。っていうのはね、最初は5人だったの…」
女はゆっくりと言葉をつないだ。
「変な名前でしょ、番組の企画で決まったのよ、その企画っていうのはね…」

48∬∬´○`):03/06/16 03:01 ID:byDjkz1k
122 :名無し募集中。。。 :03/04/26 19:29 ID:APXjpgqr
不思議なことがあった。

「…それで、やっとデビューが決まってね、そう、だきあって喜んでたんだよね…」
女は決して話し上手ではなかった。熱中するあまり、早口で聞き取れない部分なども
あったりした。また、時々わからない言葉が、説明もなしに出てきた。

「もう涙ぼろぼろだったよ、みんなほんとうに嬉しかったから…」
そしてそれは、説明などではなかった。感想、ともすれば思い出を、ただつらつらと
懐古しているだけのようにも思えた。

「それからね、しばらくは順調だったんだけど……」
が、にもかかわらず小川はいつしか、その架空のはずの物語に没頭していった。


123 :名無し募集中。。。 :03/04/26 19:47 ID:APXjpgqr
「はじめて一位を取ったんだ、あの日はいまだに覚えてるよ、きっとみんなも…」
女の声はとても柔らかく、その表情はころころと変わった。嬉しい話をしているときは
嬉しい顔を、悲しい話をしているときは悲しい顔を。小川の顔もそのたびに、ほころん
だり、ゆがんだりした。

女にはどこか、不思議な力があったのかもしれない。

「…悲しかったけどね、あの娘が決めたことだからしょうがないって、みんなね…」
小川はいつしかそれを、架空の物語とは思わなくなっていった。場面場面がやけに
リアルに感じられて、まるでそれはほんとうの記憶のように。
49∬∬´○`):03/06/16 03:03 ID:byDjkz1k
124 :名無し募集中。。。 :03/04/26 19:56 ID:APXjpgqr
フィクションが頭の中で色付いていく感覚を、小川はこう表現した。
「…まるで頭が痺れてるみたいだ」

「あの時はすごかったよ、あのライブは最高だった、雨がすっごい降っててね、
 もう中止になるかと思ったくらいで、でもね…」
話はときに逸れた。女は気づく様子もなく、熱にうかされたように語りつづけた。
小川もじっと聞いていた。

それでいいと思った。何せ、時間はたくさんあるのだから。
127 :名無し募集中。。。 :03/04/29 02:18 ID:z5eAE82S
>>124

「あの最後のライブは、ほんとうに最高だった」
やがて女のながい話も、ついにクライマックスを迎えた。

「テレビの企画でね、カメラも入ってて、ゲストなんかも来てちょっとした余興みたいな
のもあって…でもそんなのはちっちゃいことで、娘。達はもう夢中になって踊ったり、
歌ったりしたよ…」
女はそこで、はじめて言葉を切った。その目にはすでに涙が浮かんでいた。
50∬∬´○`):03/06/16 03:10 ID:oRvCPjjC
128 :名無し募集中。。。 :03/04/29 02:20 ID:z5eAE82S
「…あ、あたしも、その中にいたんですね」
話にも表情にも、女の全てに真剣さが溢れていて、その熱気は確かに伝わっていた。
あらゆることを忘れ、小川は今や、胸がいっぱいになるような興奮を、ただ味わっていた。

まるで御伽噺のようなこの状況のなかに、あたしもいたんだ──

「いや」女は首を振った。
「あなたはね、いなかった。いなかったの」
129 :名無し募集中。。。 :03/04/29 02:21 ID:z5eAE82S
「…へっ」

あぜんとする小川は、しかしすぐに気づいた。
女の様子がおかしい。
「そう…モーニング娘。『だった』のよ、あの時までは」

130 :名無し募集中。。。 :03/04/29 02:26 ID:z5eAE82S
ぶつぶつと喋り続ける女。
「さっき小川は言ったよね、モーニング娘。だったって。そう、小川は
 確かにモーニング娘。だったのよ、でもそれはちがうモーニング娘。
 だったの。ねぇわかる?」
それは問いかけるような口調だったが、その目はもう、どこも見ていなかった。
「モーニング娘。だった。そう、あの時から、モーニング娘。は…」

言葉を切り、女はとつぜん小川に躍りかかった。体ごとぶつかるようにして胸倉を
つかむと、そのままものすごい力で小川を壁に押し付けた。
「ねぇあんた達のせいでウチ等のグループはね、ちがうモーニング娘。に
 なっちゃったんだよ?あんた達のせいで、ねぇ」
51∬∬´○`):03/06/16 03:13 ID:oRvCPjjC
131 :「えっ?」
女は確かに「ウチ等」と言った。
「あんた達さえいなかったらモーニング娘。はモーニング娘。の
 ままだったんだよ、ねぇ」
「えっ?えっ?あたし…達…?」
「なっちの言ってることわかる?ねぇ、なっちの言ってること間違ってる?」

涙目のまま女は、右手を振り上げた。続いて、ぱぁん、という乾いた音がした。

132 :「なっちはねぇ、なっちは…」
ぱん、ぱん、と規則正しく、乾いた音は何度も続いた。小川は目を閉じた。
「なっちは…」
何故殴られるんだろう、とは考えなかった。かわりに、痛くないのに、と思った。確かに
頬には痛みを感じなかった。死んでいるからだろうか。

それから小川は思った。あぁ、一人になりたいな。
133 :「天使長…これ、やばいんじゃないですか?」
「うん、止めたほうがいいよ、これ。見てるほうが痛そう」
「そうだね、うーん…なっちがまさか、こんな風になるとは」
「強いからね、思い込み…とりあえずリカちゃん呼んで、止めてこさせてよカゴ」
「あ、はい、じゃいってきます」
「記憶も、ちゃんと消すようにって」

「でもさ〜なっちと二人きり地獄!って、いいと思ったんだよね」
「全然。いいはずないと思うんだけどそんなの。第一なっちが聞いたら怒るよ」
「でも、カオ一生懸命考えたんだよね…じゃあさ、ヤグチなんかいい案だしなよ」
「まぁ〜オイラに任せてよ、すっごいの考えたから」
52∬∬´○`):03/06/16 03:16 ID:oRvCPjjC
134 :目を開けるとそこはだだっぴろく、白い部屋だった。
小川はきょろきょろと周りを見渡した。小川が想像した地獄らしいもの、例えば
血の池とか、エンマ大王とか、鬼とか、そういうものは、そこにはカケラも見えなかった。
「ここが地獄…?」
小川は呟いた。それから、すこし首をかしげた。なんというか、不思議な感じがしたのだ。
だけどそれがなんなのかまでは、わからない。
144 :>>134
「あたしは」
白い壁をぺたぺたと叩いて、小川は呟いた。
「どうしてここにいるんだっけ」
さっきからずっとそうしている。部屋中をぐるぐると回りながら。

ここが地獄だということだけが、はっきりと頭に残っていた。しかし、その他のことは
何もわからなかった。何一つピンと来ない。
「ここが地獄。うん。」
確かめるように口にだすと、小川は頷いた。一つ一つ、状況を把握していくために。

145 :見まわした部屋には何もない。一面の白。普通ならば目が痛くなったかもしれない。
「…白いな、うん。」
呟いて小川はふいに、ほんの一瞬肩を震わせた。白という色に、どこかぞくりと
するようなイメージを、すこしだけ感じたから。
「なんだっけ…まぁいいや、思い出せないものは、思い出せないね、うん。」

頷いて、それから思った。
何一人でべらべら、喋ってんだろあたしは。…一人で?

とつぜん、小川は顔をあげた。「あぁそうだ、あたしは…」
すぐに口をつぐんだ。
「裁判にかけられたんだっけ、うん。」と小川は胸のなかで結んだ。
53∬∬´○`):03/06/16 03:19 ID:oRvCPjjC
146 :「何、一人でばくばく食ってんの」
「…」
小さなシルエットが最初にふたつ見えた。大きなテーブルに、仲良く
並んで座っている。部屋には他に、何もなかった。
「ここが、裁判のへや?」
女はすでに消えていた。小川は、口のなかだけでそう呟いた。

「ねぇーののにもさあ、わけてよ」
「…駄目です」
「ねぇー」
何やら揉めている様子の声は、少女のそれだった。ちょうど小川と同じ位の。

147 :「あのぅ」
いかにも済まなそうな風で、小川は割り込んだ。
「…裁判だって、聞いたんですけど」
ぴたりと声がやんだ。

食べているほうがはじめに顔をあげた。髪を二つ結びにした子供も、続くように
顔をあげる。注目されて小川は、なんだかどぎまぎしてしまった。何か言わなくては
いけないような気分。
「あのぅ、部屋、あたし、間違ってませんよね」
食べていたほうが頷いて、それに答えた。
「…完璧です」

大袈裟な人だな、と小川は思った。それから気づいた。
「…口ひげ?」
54∬∬´○`):03/06/16 03:19 ID:oRvCPjjC
148 :名無し募集中。。。 :03/05/04 03:53 ID:6/QW/oEn
「あれはすごい口ひげだったな、うん。」
ふりかえって、小川は思った。まるでマジックで書いたような。ほんとに
マジックで書いてたのかもしれないな。にやにやと、小川は笑った。

しばらくそうして笑って、それから部屋を見まわして、呟いた。
「殺風景だな、うん。」
白い壁を叩きながら、小川は思った。マジック欲しいな。


149 :名無し募集中。。。 :03/05/05 04:22 ID:2FMfSWtc


「資料が今用意されました、裁判を開始いたします」
裁判らしい丁寧な口調で、口ひげの無い方が喋り始めた。
「被告の名前は」
「えぇと…オガワ、オガワマコトです」
「被告はブスだからという理由で、世を儚んで自殺した。間違いないですね」

小川は首を捻った。
「そう…なんですか?」
「ええ」
ひげのない方が、自信ありげに首を縦に振る。「完璧です」
「でもあたし」
「なんですか?」
「なんか、事故で死んだって聞いてるんですけど」

55∬∬´○`):03/06/16 03:22 ID:oRvCPjjC
150 :名無し募集中。。。 :03/05/05 04:24 ID:2FMfSWtc
完璧そうな表情が軽く曇った。
「それって、誰から聞きました?」
「誰からって、あの、ピンク色のひとに」
「詳しくお願いできますか?」
「えっと、だから、交通事故で、車が横転して、そこにまた車が突っ込んできて
 確か、ひゃく、130人死んだって」
「…お名前、なんでしたっけ」
「ですから、オガワマコトです」

ひげのない方は再び資料に目を落とした。次に顔をあげたとき、もう完璧そうな
表情はそこにはなかった。資料と、小川と、それから口ひげの方を見比べるように
きょろきょろして、それからふっと脱力したように椅子に腰を下ろした。


56∬∬´○`):03/06/16 03:24 ID:+CWW9ujJ
151 :名無し募集中。。。 :03/05/05 04:27 ID:2FMfSWtc
口ひげはさきほどから興味なさげに、肘をついたままぼんやりしている。
「これって…もしかして、また違う人の資料じゃないですか」
ひげのない方がその耳元に、泣きそうな顔で囁いた。

「いいよめんどいから、このままやっちゃおうよ」
「めんどいからって、そういうわけにはいかないですよ、第一裁判なんですから」
「いいじゃん。ぽんぽん、って机たたいて地獄行きだぁ!で」
「そんなのダメです、第一理由はどうするんですか」
「…なんでもいいからでっちあげればいいじゃん」
「そういうわけにはいかないです」
「ほんっと変なとこばっかかたいよね」
「ツジさんがゆる過ぎなんです…さては、また資料無くしましたね」

「どうしよう…聞こえてますよって言うべきかな…」
小声の相談は、丸聞こえだった。小川はすこし困っていた。


57∬∬´○`):03/06/16 03:26 ID:+CWW9ujJ
152 :名無し募集中。。。 :03/05/05 04:30 ID:2FMfSWtc
「アサミちゃんさぁ、今日終わらないとアレだよ、またいいださんに怒られるよ」
「……」
「また無くしたのか!って言われるよ」
「書類、無くしたのはツジさんじゃないですか…」
「って言ったら、多分また言われるよ、どうして理屈ばっか言うの!?って」
「…言われる…かも」
「ダイジなショルイはコンノ、あんたがカンリしろって、カオリあれほど言ったでしょ!って」
「……」
「ねぇねぇ、今のちょっと似てなかった?」
口ひげはにやにや笑う。ひげのない方は、それには答えず立ちあがった。

小川は軽く安心した。どうやら密談は終わったようだ。そんなつもりはなかったが
盗み聞きしてるみたいでちょっと気まずかった。

153 :名無し募集中。。。 :03/05/05 04:32 ID:2FMfSWtc
すこし投げやりな調子で、ひげのない方が話をはじめた。
「あなたはですね小川マコトさん、自らの都合で130人の死傷者を出してしまいました。
 あなたはその日バスに乗っていた。そこであなたはブスブスと言われつづけついに
 発狂したのです。あなたは、…えっと…大声で何かをわめきながら立ちあがりました。
 あなたは…えぇと…バスジャック!そう、バスジャックしようとしたんです!運転手は
 思わずハンドル操作を誤って渋滞の列に突っ込みました。そこからまるで連鎖の
 ように玉突きが起こって」
凄惨な話に小川は、しかし耳を塞ごうかどうか迷っていた。話にうさんくさい匂いを感
じていたからだ。
「次に突っ込んできた青いスポーツカーの運転手はまだ若くて母親思いのいい人
 でした。そんな人生をもあなたは台無しにした」
「ねぇ」
ぽりぽりと、お菓子のようなものを口にしながら、口ひげが口を開いた。「長いよ」
58∬∬´○`):03/06/16 03:28 ID:+CWW9ujJ
154 :名無し募集中。。。 :03/05/05 04:36 ID:2FMfSWtc
「長いよとかやめてくださいよ、台無しじゃないですか…」
「だって長いもんは長いでしょ」
「しっ、じゃあ短くしますから、ツジさんはちょっと黙っててくださいね…」
「…あのぅ」
「失礼しました、かいつまんで言うとですね、小川マコトさんあなたは、まず第一に」
「だーかーら、第一にとかいらないでしょ」
口ひげが口を尖らせながらまた口を挟んだ。そして立ちあがって一礼した。

「まこっちゃんはザンネンですが地獄行きです、ごしゅーしょーさまです」
言いながらぽんぽん、と机を叩いた。それから満足げに笑った。

155 :名無し募集中。。。 :03/05/05 04:38 ID:2FMfSWtc
「しかしですねまだ理由の説明がまるで」
「理由は…ブスだからでいいじゃんめんどいから。おーい裁判しゅーりょーでーす」
がたっと音がした。口を閉じた口ひげが、口ひげのない方の腕をつかんで
立ちあがらせていた。
「あいぼんリカちゃん呼んでぇー、裁判終わったよー」
言い終わると、ふっ、とその姿が消える。

小川はその時、全く別のことを考えていた。
「ブスブスって…失礼だよなぁ」

不意に、後ろでドアが開く音がする。振りかえるとピンク色の影がちらりと──
59∬∬´○`):03/06/16 03:29 ID:+CWW9ujJ
156 :名無し募集中。。。 :03/05/05 04:49 ID:2FMfSWtc
「…口ひげ?」
いつのまにか目の前に、口ひげをつけた子供がいる。髪型は一緒だけど
先ほどとは違うその顔。幼い、黒目がちな瞳がきらきらと、まっすぐ小川に
向けられている。

「…あのぅ」
大きなテーブル。部屋にはほかに、なにもなかった。
「裁判だって、聞いたんですけど…」
小川はおそるおそるそう聞いた。

「裁判はね、もう終わったの♪」
背後から、とつぜんそんな声が聞こえた。
「あなたはですね、小川マコトさん、あなたは…」

157 :名無し募集中。。。 :03/05/05 04:50 ID:2FMfSWtc
小川は振りかえった。あのピンク色のスーツ、そして貼りついた笑顔。
「地獄行きに!決定いたしましたぁー♪」
その表情はそして次の瞬間、すっ、と事務的になった。じゃあ移動しますね、
そう言って女は、小川の手を握った。

「えっと地獄って」
小川は、最後まで言えなかった。
「じゃ、行って来まーす♪グッチャー♪」
女がそう言うと、とたんに視界が、まるで反転するように白くなる。

ワープだ、と小川は思った。
すごいな、天使って、ワープもできるんだ。
60∬∬´○`):03/06/16 03:34 ID:yoNO7r//
159 :名無し募集中。。。 :03/05/08 19:37 ID:KZHTuY1L
黒い箱のようなものに見えた。

始め小川はだから、黒い箱だと信じて疑わなかった。気が付くと、それは
そこにあったのだ。一面の白のかたすみに、ひとつだけ黒い点のように見える。
置かれているもの。
「なんだっけ…これ」
あまりにも自然に置かれていたため、まるで前からあったような、そんな気にすら
なっていた。その黒い箱。

小川はしげしげとそれを眺めた。小さなスイッチが一つだけついていた。どこかで
見たことがあるその箱。
その名前を小川は、やっと思い出した。
61∬∬´○`):03/06/16 03:36 ID:yoNO7r//
160 :名無し募集中。。。 :03/05/08 19:40 ID:KZHTuY1L
「……テレビ」
その上に、手をかざすように置いたまま、小川は呆けたように呟いた。
「テレビ…テレビ…」

呪文のように小川は、たっぷり百回はそう繰り返した。

「えへへ…テレビ、テレビ…。…テレビ!」
とつぜん何かに気が付いたような風で、小川は大声で叫びだした。
「テレビ!テレビ!テレビ!」
それから、おおいかぶさるようにして、その上に乗った。
「テレビ…えへへへ…だいすき…」

日課だったクロールのことも、欲しがっていたマジックのことも
全て忘れて、小川は呟き続けた。

163 :名無し募集中。。。 :03/05/10 17:30 ID:G5v5cZcf
>>160 画面のなかで、派手な衣装の少女たちが、歌いながら踊っていた。垂れ流される
音楽。きらびやかなステージ。踊っているのは十人、もう少しいるだろうか。
その人数に、一人足さなくてはいけない。

画面のなかの少女たちと、全く同じ振りつけで、小川はひたすらに踊る。音楽に
合わせる必要すら、すでになかった。陶酔したようなその顔は、すでに画面を見ても
いなかった。

いつもの白い部屋。小川はひたすらに踊る。
62∬∬´○`):03/06/16 03:37 ID:yoNO7r//
164 :名無し募集中。。。 :03/05/10 17:33 ID:G5v5cZcf
ふっ、と音楽が途切れた。少女たちの笑顔を映したまま、フェードアウトしていく
画面は次に、大掛かりなセットを映し出した。
「あぁ」
とたんに小川は踊るのをやめ、滑り込むようにしてテレビの前ににじり寄った。

先ほどと同じ衣装を身に着けた少女たちが、今度は喋っている。
「そうだ、今度の新曲はねぇ、どんなイメージなの?」
「はい、今度の曲はですねぇ…」
司会者らしき眼鏡の男がたずねる。向けたマイクに対し、少女の一人がにこやかに
答える。

なんということもないやりとり。小川の眉間にはシワが寄っている。司会者に向けて
まるで画面ごと射抜くような鋭い視線を浴びせている。
「……なんだよ…そのぬるい質問は……だからテレ東は駄目なんだよ…」
視線を固定したまま、ただひたすらにぶつぶつと呟く小川。


165 :名無し募集中。。。 :03/05/10 17:34 ID:G5v5cZcf
やがてスタッフロールが流れ、画面が切り替わる。映し出されたのは、さきほどとは
すこし違うセットと、そしてあの少女たち。
「…うたばんかぁ…大丈夫かな…」
心配そうに小川はぼやいた。

画面では少女たちが司会者と、やはりにこやかに喋ったり笑ったりしている。しかし
小川の目付きは鋭いままだ。明るい画面の中とは、あまりにも対照的に。

「……また年長メン弄りかよ…芸がねぇ…年の話……これじゃ一般受けしないだろ…」
「…ヲタだってよろこばねぇよ……こんなんじゃ……」
「……大体また新メンバーが目立ってない…だからダメなんだ…ぶつぶつ……ぶつ
 ぶつ……」
63∬∬´○`):03/06/16 03:38 ID:yoNO7r//
166 :名無し募集中。。。 :03/05/10 17:35 ID:G5v5cZcf
テレビは次々と映像を映し出した。途切れることなく。
小川はほとんど目を離すことなく、それに釘づけになっていた。疲れをしらず、眠る
ことさえ必要がない小川にとって、いつしかその映像が人生の全てになっていった。
人生といっても小川は、すでに死んでいるのだけれど。

そのテレビが映す映像は1種類だけだった。
正確に言うと1種類ではなく、歌番組、バラエティ、時には占い番組やドラマ、そしてコ
ンサート映像など、その内容は割と多岐に渡っていたりもしたのだが、しかし小川か
らしてみれば1種類に他ならなかった。

「……おっと、次は…なんだよFUNか……短いんだよな……」


167 :名無し募集中。。。 :03/05/10 17:36 ID:G5v5cZcf
なぜなら小川は、その少女たちしか見ていなかったから。
例えそれがどんな番組であっても。
そして少女たちは必ず出ていた。そういう番組が選ばれているのだった。

どんなにシリアスなドラマであっても、出番じゃない時は退屈そうにごろごろ
していた。そのかわり出番がくるとテレビににじり寄って、演技についてぶつぶつ
言い出した。
どんなにカッコいいゲストが出ても、気に入ることはなかった。むしろちょっと切れた。
どんなに面白いコメディアンが、笑わせようとしても笑わなかった。
そのかわり、少女たちの誰かが言った、どんなにつまらないダジャレでも笑った。


64∬∬´○`):03/06/16 03:42 ID:0rAK67Gb
169 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:18 ID:CwUGrkXC
>>167「なんか、幸せそうだよ、また」
「…すっかりハマってますねぇ、あ、またおどりだした」
「地獄になってないかも、これ失敗だよ」
「いやいやちょっと待ってなって、本番はこれからだから」

「あのねぇ、地獄には地獄のルールってもんがあんのよ、わかるでしょヤグチ」
「そうですよぉ、ちゃんとヒドイめにあわせないとおこられるんですよ、みんな」
「怒られるじゃ済まないよ、クビにさせられちゃうよ」
「クビになったらカゴなきますよ」
「カオだって泣くよ…天使長になんの大変だったんだよ?もう何年も…ぶつぶつ…」

「わかった、わーかったよ、じゃあそろそろ本番いくわ…」

170 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:19 ID:CwUGrkXC

愕然とした表情で、小川は立ち尽くしていた。
歌番組の最中に、急に切り替わった画面からは、ただアナウンサーの
無機質な声が流れていた。

「……解散することになった理由として、所属事務所からFAXが届いております。
 今、その全文を読み上げたいと思います……」

『国民的アイドルグループ、突然の解散発表』
画面の右下には文字で、それもやたらショッキングな色でそう表示されていた。
65∬∬´○`):03/06/16 03:43 ID:0rAK67Gb
171 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:20 ID:CwUGrkXC
「…ウッソだぁ」
ぼつりと小川は呟いた。その足は自分でも気づかないまま、ふらふらと、あちこちを
言ったり来たりする。

「……そう言った点で、今後の活動を一旦全てリセットして、各自それぞれ新たな
 スタートを切ることが、重要なのではないかという……」

画面がまた、不意に切り替わる。

「さて、人気絶頂のアイドルグループ、突然の解散ということですが、N元さん如何で
 しょうか…これは?」


172 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:21 ID:CwUGrkXC
「いやーね、私もね、噂は聞いてましたよ、確かにね」
「そうですか…事務所の方からはソロ活動の時期だ、という風な発表ですが」
「いやねぇ、私もね、それは思いますよ、ソロ活動という点ですよね、しかしねぇ実際…」

「…ウソだ」
小川はまた呟いた。すると、ぐにゃっという感じで、笑っていた膝が崩れた。
「…なんでこんなウソつくんだろ、このテレビは」
頭を振ってそれから、頬を引っ張った。しかし夢だとは思っていなかった。
「…どっちにしろ痛くないんだっけ、はは」

「それでは、記者会見の模様をお伝えします」

キシャカイケン。そう聞こえたその瞬間、小川はほとんど反射的に目を閉じた。
「私たちは…解散することになり」
そして耳を塞いだ。
66∬∬´○`):03/06/16 03:45 ID:0rAK67Gb
173 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:22 ID:CwUGrkXC
…しばらくして、薄目を開けた。滲んだ画面はちょうど切り替わった瞬間だった。
「以上、記者会見の模様でした」
「涙の解散ってやつですか」
へらへらとした笑顔で、リポーターがそうまとめる。

「まぁでもね、実際限界ですよね」
「旬っていうんですか?そういう問題が」
小川は気づけばスイッチを連打していた。一つしかないスイッチ。

「やっぱりね、流行ってものがね、あるじゃないですか」
「そこですね、売上げっていう点でもね、最近はね…」

画面は消えてくれない。何度も、叩くようにして連打した。でも消えなかった。

174 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:23 ID:CwUGrkXC


「キャハハハ!見た?今の顔見た?ねぇ?」
「……あのさ、ヤグチ」
「もう傑作!」
「…ヤグチさん」

「…んだよ。ちゃんとヒドイ目に合わせただろ」
「そうだけど、ちょっと…ねぇ、カゴ。」
「ねぇ。天使長。」
「ねぇじゃわかんないって……ウソだよ、はーいはい、わかってますよ、
 ヒドすぎるって言うんだろ?」
「ヒドすぎるっていうか」
「ヤグチの趣味じゃん、これ」
67∬∬´○`):03/06/16 03:46 ID:0rAK67Gb
175 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:23 ID:CwUGrkXC
「失礼しまーす♪」

「あ、リカちゃんさぁ丁度いいや、悪いけどテレビ片付けてきてくんない?」
「またダメだったんですかぁ♪」
「またって言うなよ…あぁ、いい案だと思ったんだけどなぁ、ヲタ地獄」
「カオの案の方がまだマシだね」
「…どこが」

「じゃ、行ってきますね♪グッチャー♪」

176 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:25 ID:CwUGrkXC

テレビを抱きかかえるようにして、小川は泣いていた。泣いていた、というのは正確
じゃなかったかもしれない。声もあげずに、涙も流さずに、ただ歯を食いしばって
時々こみあげてくる嗚咽だけを、震える唇からこらえきれずに吐き出していた。
じわっとくるたびに擦り続けて、目の回りはもうすでに真っ赤になっていた。

「失礼しまーす♪」

女の声に、小川は振りかえらなかった。
「テレビを、回収しに来ました♪」
テレビ、という響きにのみ、わずかな反応をしめした。しかし小川は動かない。その体
でしっかりと、画面を隙間なく塞いでいる。右足ではスピーカを完全に塞いでいる。
それでもわずかに洩れる声があった。
「……さて、次のニュースです。二十八日午後、K県Y市の路上で男」

それが、ふいにぷつっと途切れた。


68∬∬´○`):03/06/16 03:49 ID:S7BnZuvI
177 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:26 ID:CwUGrkXC
おそるおそる小川は体を離す。画面は完全に消えていた。そこにあったのは、ただ
の黒い箱。
女がそれにゆっくりと近付く。
「じゃ、持っていきますね♪」
「…なんで」
鼻歌まじりで箱をつかむ女を、小川は止めようとしなかった。かわりに震える唇から
くぐもった言葉を吐き出した。

「こんなことして、何が楽しいんですか」
小川の目はぎらぎらと光っていた。夢から覚めたようなその表情を、覆っていたのは
悲しみでも寂しさでもない、ただの怒り。


178 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:26 ID:CwUGrkXC
「楽しいなんて、誰も言ってないじゃない♪」
「だって、じゃあなんでそんな口調で、そんな笑顔で!」
絶叫して、小川は女につかみかかった。笑顔を崩さずに女は、それをひらりと苦もなく
かわす。バランスを失い、倒れる小川。
「大丈夫ですか♪」
小川は倒れたまま、ただ女を見つめていた。もう立ちあがる気力もなかった。その
様子を見て取ると、女はにっこりと笑った。

「こういう仕事してるとね、笑い飛ばした方がね、いいこともあるのよ♪」
言い終わるとすぐに顔をそらして、女は飛んだ。
ふわっとピンク色のスカートが揺れて、残ったのはまた一面の、白。
69∬∬´○`):03/06/16 03:50 ID:S7BnZuvI
179 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:28 ID:CwUGrkXC
「ただいま戻りましたぁ♪」
「じゃあどうすんの?」
「しらねーよ、大体カオリが天使長なんだから」
「リーダーだからってわかんないことくらいあるよ!」
「怒鳴んなくたっていーじゃんか!」
「そんなもめないでくださいよぅ」

「まだ揉めてるの♪」
「あ、リカちゃんおかえり」
「…どうだった?」
「片付けてきましたよ♪次の案はどうしましょうか?」

180 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:29 ID:CwUGrkXC
「次の案ってもねぇ…カゴの案もダメだったし」
「天使長の案もねぇ、ダメすぎだし」
「ヤグチの案だって、ちょう終わってるし」
「あ?」
「何かあんの?」
「そんなもめないでくださいよぅ」

「じゃあ、あたしに任せてもらえますか♪」
70∬∬´○`):03/06/16 03:52 ID:S7BnZuvI
181 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:30 ID:CwUGrkXC
目を開けるとそこはだだっぴろく、白い部屋だった。
小川はきょろきょろと周りを見渡した。小川が想像した地獄らしいもの、例えば
血の池とか、エンマ大王とか、鬼とか、そういうものは、そこにはカケラも見えなかった。
「ここが地獄…?」
「何言ってんの、まこっちゃん」
後ろで声がして、振りかえる。
「地獄?とか言ってなかった?今」
「あぁあたしも聞こえたー、何?夢でも見てたの?」
「それにしても爆睡だったね、ちょっと心配したよ」
そこにはにやにやと笑う顔があり、心配そうに見つめる顔があり、それらはいずれも
親しみに溢れていた。

182 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:31 ID:CwUGrkXC
「…ブスにとって、最高の地獄じゃないですか、でしょ?」

「ふぅん」
「なるほど…いいかもね」
「リカちゃんにしてはやるね、オイラ感心したよ」

「ありがとうございます♪」
「いやぁ、イシカワ偉いよ、カオリ見なおした石川のこと」
「リカちゃんすごいねぇ」
「じゃあ、この地獄で決定ってことでいいですか?」
「うん、カオリは賛成」
「オイラも賛成だよ、カゴも」
「じゃ、全員一致で♪」

「いろいろあったけど、まぁめでたしめでたしってことでね」
71∬∬´○`):03/06/16 03:53 ID:S7BnZuvI
183 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:32 ID:CwUGrkXC
がちゃり、とドアが開いた。
「チャオー♪」
「あ、お疲れ様でーす」
「お疲れ様です」
挨拶が交わされる。ぼうっとした頭でわけもわからず、小川もならって頭を下げる。
「どう?小川、目が覚めた?」
迎えてくれるアニメ声は、やはり親しみに溢れていた。差し出された缶ジュースを
受け取りながら、ぼんやりと小川は思った。

この人、誰かに似てるな。

184 :名無し募集中。。。 :03/05/11 21:38 ID:CwUGrkXC
レスくれた人返事返さなくてすいません、励みになりました。大体内容に反映させた
つもりですが物足りないって人はすいません。これで全力です。
一応終わったんで消えます、このスレはだからお返しします。突然小説始めちゃって
すいません。読んでくれた人全員ありがとう。
72∬∬´○`):03/06/16 03:58 ID:zYLEkGFM
以上で、移動終了です。  
 
作者の人に感謝です。
73名無し募集中。。。:03/06/16 06:36 ID:ySbR3x1R
>>25-72
いくらなんでも頑張り過ぎだw
オタ役の組織は、下っぱにきびしいのだなあ。
74さいたま人民 ◆vc8CBCnIBw :03/06/16 13:58 ID:8QraJtny
もしコンサで隣のバカみたいな男が「さいたま人民」と解ったらあなたはどうしますか?
75-:03/06/16 14:13 ID:aTiq9gef
【健康編@】
最近は、サプリメントを飲んでいます!
鉄分補給!ビタミンC!ビタミンD!
を飲んでいます!
http://www.c-gmf.com/index1.htm
76さいたま人民 ◆vc8CBCnIBw :03/06/16 14:23 ID:8QraJtny
>>75
それが答えか…
77名無し募集中。。。 :03/06/16 14:51 ID:vyJDzDH6
>>7
>>22(w
78名無し募集中。。。 :03/06/16 14:52 ID:AVhGMcoM
>>73
オタ役の組織=ufa事務所は上下関係に厳しいんだろw