『未来予報』
「ふぁ!」
「また!?どうしたの?」
「いや、なんでもないッス…。」
最近よっすぃ〜がおかしい。
急に何かに気がついたかのように大きな声をだしてその後何か考え込むのだ。
ちょっと前からずっとこの調子で他のメンバーとおかしいねなんて言ったり。
明らかに最近おかしいのだ。
「ヘンなよっすぃ〜…。」
心配する梨華ちゃんが見守る中よっすぃ〜はまたぶつぶつ言いながら
考え込んでいるようだ。
「あいぼん、よっすぃ〜に聞いてみるのれす!」
「そやな…。」
と、ゆうわけでうちら2人はよっすぃ〜に真相を聞いてみる事にしたのだった。
うちとのので楽屋外の自販機によっすぃ〜を連れ込み
「よぉし、のの姉さんがおごったるのれす。」
何故か姉貴ぶるののにジュースを買ってもらい、話を始めた。
「ひとみさん?最近何かおかしいようだけど…。」
「早く吐けなのれす!」
「えぇ!?」
困惑するよっすぃ〜。
「ののは落ち着け。よっすぃ〜最近へんやがな。何かあるん???」
「えぇ〜、なんにもだってぇ〜。」
手を顔の前で振り大げさにリアクションをとるよっすぃ〜。
けれど焦りの色が滲み出ている。
ののとうちとで睨みをきかせてよっすぃ〜を見つめてみた。
しばらくあの大きな目でこっちを睨みかえしていたよっすぃ〜だったが、
一つ大きなため息をついてうちとののを順番に見た。
「どうしたん?」
「かつどんが待ってるのれす。」
すると、ようやく決心したかのように大きく息を吸い込んでこう言った。
「多分信じてもらえないかもしれないけど…。」
ドキドキドキドキ。
「最近未来が見えるんだ。」
……………………………………。
「ハッ!」
「すっげ〜のれす!!!!」
賛否両論(?)まっぷたつ。
「…ほらね。やっぱいいや。」
「のっ!のっ!ののは信じているのれす!話をきかせてほしいのれす!」
「辻…。」
何かなつかしの漫画のようなキラキラをバックに分かち合う2人。
でもうちには全く信じられないのでわざわざ輪には入らなかったが。
「ささ、辻はこっちに。何もし〜んじてくんない加護ちゃんはほっときましょうね〜。」
「は〜い♪」
「やっ!さすがの吉澤さん。やっぱり何かすごい事してくれるんじゃないかと
思ってましたよ〜♪♪」
こうして話を聞く権利を得たのだった。
「何か不思議な気はしてたんだ。15ってゆう数字がいきなり思い浮かんだ。それが何かは全くわかんなかったけど。」
「…15ってなんなのれすか」
そやそや。
「今の娘。だよ、わかれYO!」
「「な〜るほど」」
「続けるよ。それでこんなんは偶然だろうなって思ったんだけど。」
「うん。」
「次はいきなり5・11ってゆう数字が思い浮かんだんだよ!」
「そりは一体…。」
そやそや。
「シャッフルだよ、気づけYO!」
「「な〜るほど」」
「これってもしかしてって思って、今、日記みたいにして書き溜めてる。」
そういってよっすぃ〜は小さなノートをポケットから出した。
「それが…?」
「そう、今のところ思い浮かんだ、数字、場所、物。」
「未来予報やな…。」
「「未来予報??」」
「天気予報ってゆうやん?せやから未来予報。」
「おぉ!なるほど!いいね!かっけ〜。」
「かっけ〜のれす!」
こうしてうちんらはよっすぃ〜の不思議な予感を未来予報と呼ぶことにした。
よっすぃ〜がノートに書き溜めていた予報には
当たったものに赤いペンで丸がつけてあった。
その中のひとつに印象深い言葉が見当たった。
『ハロプロコン・14』
「これなん?」
「…まだわかんないけど、何か思い浮かんだ。」
「へぇ〜…」
この言葉が後になって非常に重要なものになるなんて
うちんら3人は誰も予想できなかった。
ここまでです。。。
感想等あったら書き込んでくださると嬉しいです
小説始まったーーーーー!!!
名無しあいぼん。。。さん、イイですよ、面白いです!
続き期待してます!
悪くない。
頑張って上質な小説書いてほしい。
そしてその後。
よっすぃ〜は相変わらず何かを思い浮かべる。
うちんらは推理する。という日々が続いていた。
(今日の課題は珠代姉さん。)
「む〜ん。わからんのれす。はろもに??」
「わからんなぁ。そういやぁ今日は新曲もらう日??」
「そだったNE〜、どうせまたパートないんだろうなぁ。」
「オマエは痩せれ。」
「あいぼんもなのれす。」
「いや、辻もNA。」
そこに加わるハイトーンノイズ。
「なになに〜?私もいれて♪」
「梨華ちゃんは大丈夫なのれす。」
「そうそう。」
「セリフがあるからNE!」
「ひどぉぉ〜い!あ、でも何か演歌らしいよ??」
「「「は?」」」
そして配られたデモテープ。
タイトルを見てうちんらは目を合わせた。
そんな事はともかく、歌入れの日がやってきた。
のの情報によると安倍さんがかなりのパートをもらってるのではないかという事だった。なんせデモテープを3本ももっていたらしい。
「何かたなかってやつがブースにこもってるのれす。」
「はん、どうせたいして練習もしてこぉへんかったんやろ。昔のオマエみたいに。」
「あいぼんがゆうななのれす。そういや今回はパートがあるのれす。」
「良かったやんけ!また売り上げ落とさんようにきぃつけや!」
「でぶのひがみなのれす。」
「地黒のねたみやな。」
「ひどい…。」
「「はいってくんな、ハイトーンボイス。」」
「え〜ん;;」
スタジオをとびだす梨華ちゃん、そして安倍さん。
「あれ?なっちゃんどうしたんれすか?」
「あ、いや、喉暖めてくるべさ。辻も加護も喧嘩じゃなく練習するんだべよ。」
「「は〜い」」
その時は何も思わなかった言葉。いつものスタジオ。
出来上がった新曲の安倍さんのパートはたったの1つだった。
そんなある日、いつものテレビ局のあの自販機の前でののが泣いていた。
隣で紺野ちゃんが背中に手を置き上下していた。
ののが泣いているのは珍しいことじゃなかったけど、
あんなに悲しそうだというのに、
(うちに何も言ってくれないのに紺野ちゃんにはゆうんや。)
という気持ちになってしまった自分に反省しつつ2人に近寄った。
「どうしたん?」
「あ、加護さん…。」
ののの代わりに紺野ちゃんが返事をした。
「ののどうしたん?」
「あ、何か…安倍さんの事らしいです。」
「安倍さん??」
「なっちゃん…そろれびゅぅするらしいれす。」
「!!そうなん!?おめでたい話やなぁ!でもいつ録ったんやろ??」
「しゃぼんらまの時らしいれす。れも…。」
「どうしたん?嬉しくないんか??」
「多分…辻さんは脱退の事とかを心配してるんだと思います。」
紺野ちゃんのひと言にののはうなずいた。
「脱退?なんで?」
「ごっちんも、そろになっちゃったから脱退したんれす。」
「でもCDだしてからだいぶん経っとったやんけ。」
「つんくしゃんは出した時から思っていたってゆっとったのれす。」
紺野ちゃんは絶えず背中をさすっている。
「なっちゃん、最近やけにプリクラも写真もとりたがるのれす。」
「さいしょはうっとぉしかったけろ、嫌な予感がするのれす。」
「悪いうわさをきくのれす、ごっちん時みたいに…。」
ののはそう言ってさらに泣きだしてしまった。
確実な情報があるわけでもなし。
なすすべもなく紺野ちゃんと2人必死でののをなぐさめた。
それなのにうちは、ある1つの事を思い出していた。
『ハロプロコン・14』
のろのろペースですいません、
しかもニィニィのスレなのに出てこないしw
感想ありがとうございます、確実に完結させます。
良かったら最後までお付き合いくださう。
作者さん、更新乙です。
ちゃんと最後まで読ませてもらいます。
~キュッ~
よっすぃ〜の小さなノートには赤い丸がつけられた。
ののの目はまだ赤く潤んでいる。
「ごめん…。」
「なんでよっすぃ〜が謝んねん。」
ののも小さく頷いた。
よっすぃ〜の未来予報は当たってしまった。
安倍さんが卒業するらしい。
そしてそれは『ハロプロ』のライブで発表されるらしい。
そして安倍さんが脱退した後の娘。は『14』人だ。
これはこじつけなんかじゃない、これはすごい能力だ。
うちはそんな事を思っていた。
「どうしよう、こんな事…。」
よっすぃ〜がそうつぶやいた。
こんな能力を持ってよっすぃ〜はさぞ大変だろう。
「大丈夫?」
ののが小さくよっすぃ〜に聞く。
「…でも3分の1だよ、ずっと楽。」
うちはなんかの歌詞みたいやなと、ぼんやり思った。
言われていた通り、安倍さんの卒業発表があってから時間は急速に動き始めた。
安倍さんのソロCDが発売され、さくら・おとめの活動も増え始めた。
ののと組が別れてしまったからうちはさくらの時、よっすぃ〜と一緒に居た。
けれどスタジオとかはみんな一緒だし、ずっと会えないわけじゃなかった。
よっすぃ〜の未来予報も健在だった。
『1・1・1』
これは紅白のセットリストで、娘。1。さくら1。おとめ1。とゆう意味らしい。
うちは何故か仕事の事ばかりを未来予報するよっすぃ〜を
少し訝しげに思い始めている。
何故なら昨日親しげに話すアホつんく♂とよっすぃ〜を見かけてしまったから。
まぁそれが未来予報と関係があるかなんて全くわからないし、
なんとなくそう思ってしまったから。だけど。
そして年がかわり安倍さんの卒業がせまった。
最近のののはテレビでは無理して笑っているが
普段はかなりの影を背負っている。
よっすぃ〜も何かを思い浮かべるみたいだけど、
その後暗い表情を浮かべるから聞くに聞けなくなってしまった。
そんな時、ある日の収録でののが声をかけてきた。
「あいぼん。」
「どうしたん??」
「なっちゃんはそろになれて幸せなんれすよね??」
「…そやろ!ごっちんだって幸せそうや?おばちゃんなんてめっちゃリラックスしてるしな。ソニンさんなんてな、」
「いや、あの人はいいのれす。そうれすよね、これは喜ぶことなんれすよね。」
「そやそや、こっちが暗い気持ちで見送るなんて安倍さんが可哀相やで。」
「そうれすよね!!よっしゃ明るく見送るのれす!」
「うぇぃ!」
その日からののは本当の笑顔を浮かべて毎日を過ごしていた。
安倍さんが卒業するまで。
いよいよ、安倍さんの卒業式。
最後の最後まで笑顔をたやさなかった安倍さんは、
ステージを降りた時に静かに目を閉じた。
ののは最後まで泣かずに見送ろうとしていたけれど
ステージからおりた瞬間、安倍さんに抱きついて泣いてしまった。
「なっちゃん、がんばってくらはい、がんばってくらはい」
「ありがとう、ありがとう。のん。ありがとうみんな。」
「安倍さん、プレステのやりすぎはあかんでぇ」
「やかましっ、あいぼんものんも喧嘩せずに、仲良くすんだべ。」
「「はい!」」
「矢口、これからもパワフルで頑張るべ!」
「おぅ!」
「梨華ちゃんはその雰囲気を大切にすんだよ。」
「はぃ…。」
「よっすぃ〜、これからも男前でネ、頑張って。」
「はい。」
「高橋はあんまり頑張り過ぎない事!」
「はぃ」
「小川はきっともっとダンスがのびるべ、レッスン頑張れ!」
「はい!」
「紺野はそのマイペースっぷりが最高だかんね。」
「はい。。。」
「お豆はね、まだ成長できるよ!もっともっと大きくなってね!」
「はい!」
「6期メンの、みんな亀ちゃん以外とあんまり話す機会なかったけど、
早く先輩たちに追いつけるよう頑張るんだべ。」
「「「はい!!!」」」
「圭織、喧嘩ばっかりだったけど、なっちの事一番わかってくれてたよね。
のんを任せたべさ、ふふふ。」
「…わかったよ。」
安倍さんは1人1人に言葉を残してモーニング娘。を去った。
この時
もう会えなくなるなんて
多分よっすぃ〜も、誰も予想できなかった。
ここまででれす。
>>112さん
ありがとうございます、頑張ります。
作者さん、更新乙です
なっちの卒業式のセリフ
いくつか当るかもしれませんね
120 :
名無し募集中。。。:03/08/13 14:42 ID:qXiKmS+o
みんな、さきがけてるな
hoze
うわっ!おちてない良かった…。
更新しなくてすいません、すぐ書きますだす
|
|ハ@
|д‘) < コソーリ応援してるで
⊂
|
次の日安倍さんが交通事故で死んだ。突然だった。
打ち上げの後送って行った運転手の不注意が原因だった。
ののと飯田さんが体調を崩し、娘。他ユニットも休養というかたちをとって
半年休養をとった。
そして半年後。
ののと飯田さんも完全ではないが回復をして新曲をだした。
思い切り安倍さんを意識した歌詞で、こんなものを売り物にするなんてと
矢口さんは最後まで歌うのを嫌がっていた。
誰もが本物の笑顔ではない、本当に元気ではない。丸わかりの歌。
売れるはずもなかった。ただでさえ落ち目だったんだから。
結局その後のハードスケジュールについていけず飯田さんが倒れたりした。
矢口さんは事務所の意見に反対しっぱなしだし、ののは毎日下を向いていた。
みんなの気持ちがバラバラしていた。
早く気持ちを切り替えて仕事に専念したい人。
まだ何もかもが忘れられない人。
そして次のシングルを出した後ついに娘。は解散コンサートをする事になった。
コンサートの中の1日、リハーサルの後にメイクでよっすぃの隣のイスになった。
珍しくよっすぃから話しかけてきた。
「あと、少しだよ。頑張ろう。」
「…よっすぃどうすんの?解散したあと。」
「うん…まだ決めてないや。休みたいけど。加護ちゃんは?」
「わからん…けど、またこの世界戻ってくると思う。好きやし…。」
「ふ〜ん。」
自分で聞いたくせに真剣にきいてくれない。
そうゆう感じだ。よっすぃは。
「なぁ、未来予報。覚えてる?」
最近、めっきり予報しなくなったよっすぃ。
ふと思い出し聞いてみた。
「うん、覚えてるよ。」
「…こんな風になるのも未来予報したの??」
「う〜ん…。」
どっちともとれるようなとれないような返事でよっすぃは目を閉じた。
メイクさんがラインをひいている。
うちも目を閉じた。
「あのね。」
よっすぃが口を開いた。
「このまま、もし2人が変わらずこの仕事を続けていてさぁ。
で、もしコンビ組んだりしたらさぁ…。
すごい大物になる。これ未来予報だよ。」
「へ?2人って誰??」
「加護ちゃんと。辻。」
「…当たるかなぁ。どやろ?」
「当たるよ。よっすぃの未来予報だからね。」
自分でいって自分で微笑む。
目を閉じていたからわからなかったけれど、多分そうだったんだろう。
うちもきっと、少し微笑んでいただろう。
解散コンサートの日。
みんなでタイムカプセルを作って一番頼れそうな紺野ちゃんに預けた。
1年後また皆で元気に集まる。それを約束して。
3ヶ月休養をとっていたうちは、奈良に帰ることも考えたけれど
結局この世界でやっていくことに決めた。
やっぱりこの仕事ぐらいしか向いてなさそうなのだ。
ののはもう少し休むらしく、まだお休みモードだった。
解散してからもちょくちょく会ってはいたけれど、
まだ前みたいな無邪気な笑顔は見れなかった。
そしてうちが少し仕事で忙しくなってきたときふとののにメールをすると
メールがつかなくなってしまった。
そして、その日からののと連絡がとれなくなってしまった。
あいぼんまでいるぅ!
がんばります。やる気がでます。
先がどうなるのか楽しみ
次回も期待してますよ
更新乙。
この作品、なんか妙なリアリティを感じてどんどん引き込まれていくな。
131 :
名無し募集中。。。:03/08/19 18:15 ID:08EHKtx2
なんか、来週は、新垣塾のスペシャルらしい
132 :
:03/08/19 18:15 ID:fcQPCmhf
あんな解散の仕方だったからか初めの頃の仕事では
娘。時代のことを過剰に聞かれたりしてへこんだりもした。
そんな時にののの声が聞きたかったのに連絡がつかない。
うちは連絡がつかなくなってちょっとしてから紺野ちゃんに連絡をとった。
「もしもし、うちやけど…。」
『うん、加護さん。どうしたんですか??』
「あのね、ののって今どうしてる…??」
『…。さぁ…どうかしたんですか??』
「う〜ん、何か急に連絡がつかんくなって…。」
『最近連絡とってないんですよ。すいません。』
「そかぁ、ごめん。さんきゅう。」
『はい、じゃあ。頑張ってください!』
「ありがとう。ばいば〜い。」
結局手がかりのないまままた何日か過ぎていった。
それから暇をみて他のメンバーにも連絡をとってみたけれど
誰もののの事を知っている人は居なかった。
「おかしいなぁ…。」
もう誰も居ない。
ひとりごとにつっこんでくれる人も。
相談にのってくれる人も…。
一緒に笑ってくれる、ののも。
解散てゆうのはそうゆう事だった。
それからまた1ヶ月ぐらい後、うちはCDのリリースが決まった。
やっとのオフが入りそうな矢先にまた暇がなくなってしまった。
「あれ?加護ちゃん?」
「ミキティ!元気??」
歌録りをするスタジオの前、同じ事務所のミキティ。
娘。が解散してから会った数なら一番だ。
タレント、として活動するうちと、歌手として活動するミキティ。
でも会うと娘。時代を思い出して妙に懐かしい気分になる。
「最近どぉ??」
「ん〜、やっと懲りたみたいであんまり聞かれなくなったけど。」
「あ、うちも。他の誰かに会ったりする??」
「仕事でなら矢口さんとか。相変わらず亜弥とは普通に連絡とってるよ。」
「あ、そっか。矢口さんかぁ。」
矢口さんは娘。が解散してから一番に復帰して仕事を続けている。
事務所は前と変わらず、今はポップジャムの司会をしたり、結構忙しそうだ。
「あ、なぁ…ののと連絡してる?」
「1回メールしたらさぁ、着かないの!まぁしょうがないからそっからは
連絡とってないや。別に用事もないしさ。冷たいやつだよねぇ。」
「そうなんや。うちも連絡つかなくてさ…。」
「何、加護ちゃんにも教えてないの?そうなんだ。あ、私いくわ。
じゃあまたねぇ。」
「あ、うん。ほななぁ。」
「結局ミキティもしらんのかぃ…。」
どうなっちゃたんだののは。
これから忙しくなるっていうのにすごく気になったから、
うちはほんの少しの空き時間にののの家に行くことにした。
ののの家は少しも変わりなかったけど
昔は何人かみかけたファンの人たちも今は見かけない。
少し安心、少し寂しかった。
チャイムを押して少し待つと、
お母さんではなく文子が顔を見せた。
「あ、ふみこ。」
「あれ、あいぼんじゃん。」
「ののは?おれへんの??」
「………うん。いない。」
「携帯変えたん??うちなんもきいてへんねん…。」
「あ…。」
そんな時携帯の着メロがなった、時間だ。
「あかんわ。ののに連絡ちょうだいってゆっといて!ほな!」
「………。あいぼん。ごめんね。」
「え?!何?」
うちは電話をとってしまったから聞こえなかったんだ。
文子の言葉も、その意味も。
読んでくれてありがとうございます。
>>131san
このスレもしかして死んでない?!
>>137 氏にスレ使ってる時ってこんなもんだよ
スレタイと>1だけ見て書き込む人も結構多いし
上手い感想書けないからあれだけど見てるんで頑張ってね
139 :
名無し募集中。。。:03/08/20 09:41 ID:JNVcnBWX
>>137 別にスレが死んでてもなんら不思議な事はない。
2ch、特にモー板には、よくある事だろ?
連絡もないまままた1ヶ月が過ぎてしまった。
CDをリリースしたうちはテレビやラジオで忙しい日々を送っていた。
ランキングも目立って1位とかではなかったけれど
10位以下に落ちても長い間100位以内には残っていた。
歌番組で収録が重なった愛ちゃんと少し話をしたぐらいで
あとは誰とも一緒にならなかった。
っていっても今のとこ活動している、解散の時いたメンバーは
うち、ミキティ、矢口さん、愛ちゃん、お豆ちゃんの5人だけだけど。
仕事が忙しくなってきてからは、
話がしたいと思うこともあったけれど
それはののが望んでいないんじゃないかとそんな風に思うようになった。
実際のところ、家にまで行ったのに連絡の1つもよこさないののに
少し腹が立っていたところもあった。
この時うちはまだ何も気付かずに幸せだったと思う。
年賀状も送った。
春には自分のCDをつけた手紙も送ってみた。
自分が何かしたなら言ってほしかったのに、
ののはそれでも何も言ってこなかった。
仕事ばかりの毎日、ただひたすら時間が過ぎていって。
とうとうあの日が近づいてきた。
あるメールが1通届いた時、そんな季節だったと再認識した。
―加護さん
もう1年もたったんですよ!ちょっとびっくりですよね。
順調そうでなによりです、私も大検を受けようと今必死です。
さて、タイムカプセルの件ですが
矢口さんが口キキで知り合いのお店を貸切にしてくれました。
ちょうど1年後のあの日の夜10時に『ろまんす』というお店に集合です。
確か加護さんは娘。時代に行っていると思うので場所はわかると思います。
出欠の確認だけ、お願いします。(出席だとは思いますが。)
では、忙しいでしょうが頑張ってください。 紺野―
紺野ちゃんらしい。その文面も、
そしてパソコンで送ってきたのも何だかうちは可笑しかった。
出席の連絡とののが来るかを尋ねた内容のメールを送って返事を待ったが
紺野ちゃんもそんなにたくさんのメールを送れないのか
大検が忙しいのか返事はなかなか来なかった。
そんな中前日になってやっとメールが1通届いた。
―加護さん
出席確認しました。明日遅れないでくださいね!10時ですよ☆
辻ちゃんは都合が付き次第来られるそうです。
明日、楽しみにしています。 紺野―
せっかく返事をくれた紺野ちゃんには悪いけど
うちはののの事が気になってしょうがなかった。
都合が付き次第って何??
うちは何か知らないことがあるの??
そしてやっぱり全く連絡がとれないわけじゃないんだ。
送ろうとしないだけだったんだと。
そうなんですか。。。
では続けても大丈夫ですよね。がんばります。
ちょっと続きが楽しみになってきたな。
作者さんがんがってくらはい。
「あ!あいぼん!元気だったぁ??」
「あ、梨華ちゃん。何かやけてへん?」
「やぁだぁ。そんな事ないわよぅ。ちょっとテニスをまた始めただけ!」
一番に着いていた梨華ちゃんがうちに声をかけてきた。
どうやらうちは2番めについたらしい。
「CD聞いたよぉ。あんな大人っぽい声も出せたんだね。」
「ほんま?ありがとう。あの頃は…まぁ色々つくっとたし。」
「そうだよねぇ。わたしも…。」
「いやいやいやいや。」
「そんな完全否定しないでよぉ。あ!よっすぃ〜!」
「梨華ちゃん!加護ちゃん!久ブリだZEィ!」
よっすぃ〜の顔を見て『未来予報』のことを思い出す。
「予報、外れてんでぇ?」
「だからゆったじゃん、辻との関係があのときのままだったら。って。」
「……それどうゆう…。」
「あ!2人とも!飯田さんと矢口さんよぉ♪久しぶり〜!」
梨華ちゃんのハイトーンノイズに邪魔されたうちらの会話。
よっすぃ〜も聞こえてなかったのか梨華ちゃんの方へ行ってしまった。
だんだんと人が集まり最後にタイムカプセルを持った紺野ちゃんが現れ、
1年ぶりに娘。のメンバーが揃った。
ののをのぞいて。
「紺野ちゃん、ののは…?」
「都合が付き次第来るって言ってましたよ。」
「んなら来んこともあるん?」
「はぁ、あるかもしれないですけど…。」
「そぉか…。」
少し残念な気持ちにもなりつつ、それでも久しぶりの再会に充分楽しんでいた。
立食パーティみたいな感じで料理が並んでいて
『ろまんす』の料理もとてもおいしく、お酒もちょびっといただいた。
1時間ぐらいそれぞれが自由に行動したあとに
いよいよタイムカプセルがテーブルの上に置かれみんなが周りに集まる。
この時はじめてみんなの顔をようやくじっくり見ることが出来た。
少しふっくらした飯田さん、今は絵の勉強をしているらしい。
少し痩せて綺麗になった矢口さん、今も変わらずおしゃべりだ。
変わらないハイトーンな梨華ちゃん、今は休んでいるけどいずれ復帰したいみたい。
ますますふくらんだよっすぃは、完全引退を決めたらしい。
完全イメチェンをした愛ちゃん、かっこいいキャラで曲をだしている。
まこっちゃんも少し痩せた?今はダンスのレッスンに忙しい日々らしい。
自分で化粧してる!紺野ちゃん。今は大検に忙しい日々。
ずんどこ背が伸びてゆくお豆ちゃん、ティーン雑誌のモデルさんとして頑張っている。
ミキティは今一番自分と近いメンバー、歌1本で勝負している。
亀ちゃんは通信制の高校に通っているといっていた。
道重ちゃんは山口に帰って亀ちゃんと同じように高校生している。
れいなは単身渡米して厳しいレッスンを重ねているらしい。久しぶりの日本だから少し長めにこちらにいるそうだ。
そして。
「ののこぉへんのかな〜…。」
自分では小さくつぶやいたつもりだったけど
周りの数人がギョッとしたようにうちを見た。
「え?!何か変なことゆった!?」
「あ、いや…。」
「別に…。」
うちは明らかにおかしい周りの空気に反論した。
この人たちは何かを知っている。
「なんなん?うち何かおかしい?ねぇ!」
持っているグラスの氷が音をたてて形を崩した。
全ての穏やかな空気がガラガラと壊れた。
代わりに重い沈黙がみんなを包んだ。
「加護さん」
初めにその沈黙を破ったのは紺野ちゃんだった。
「私達は口止めされてたんです。」
「誰に?」
「辻ちゃんです。辻ちゃん本人に。」
何を…?
紺野ちゃんの声の他にも「ほんとに知らなかったんだ。」とか聞こえる。
「うちは何を知らないの?」
「…辻ちゃんは今病院に入院しています。」
「辻ちゃんは病気なんです。」
わからへん。
一瞬目の前が暗くなってその場にしゃがみこんだ。
遅れましてすみません。
暑いですねぇ…。
更新乙です。
今日は暑いですねぇ。ヒサブリに冷房をいれた。
更新乙カレーさん。
暑さに負けず、ガンガレ!
遅れたこととか気にしないで自分のペースでいいですよー
保全NA
保全しますだ
「なんやねん…なんの病気…。」
「ココロの病気です、人よりココロがとても弱ってしまっている。
安倍さんの事、解散の事、今までの疲れ、そして加護さんの活躍。」
「う…うち?」
「その全ての事が今は辻ちゃんのココロに重くのしかかっている。」
「ど、どうしてうち???」
「だって!加護はのんちゃんの一番のライバルなんだよ!?…のんちゃんの中でだけかもしれないけど!!!」
躊躇する紺野ちゃんのかわりに飯田さんが答える。
下を向くうちに慌てて紺野ちゃんが付け加える。
「そっそれが全てって訳じゃないんです。私も医者じゃないし自分なりに考えただけですけど、安倍さんの死、かけがえのない娘。の解散、疲れ、そしてきっと加護さんへの嫉妬、焦り。だと思うんです。」
「うちに?しっと?なんであせり?」
「きっと…〜活躍する加護さんを見て自分が完璧に復活出来ない〜焦り。だと思います。」
「そんなん…うち、ちっとも…。」
「…辻は今加護に会う自信がないんだよ、オイラ1回お見舞いをしたもの。」
「でも、でもどうしてみんな教えてくれへんの…。うち…。」
恥ずかしい!!
うちはののに腹を立て怒りすら感じていた!!
よろよろと立ち上がって『ろまんす』から出ようとする。
途中亀ちゃんが引き止めてくれたけれど、うちはかまわず歩いた。
「加護ちゃん!何も知らなかったんだから何も出来なくて当然だよ!!」
ミキティが声を荒げて叫んだ、けれどこの時は後ろも振り向かずに ありがとう
と言う事しか自分の気持ちをつたえることが出来なかった。
―202号 辻希美 殿―
「ここ、か…。」
音が聞こえるぐらい大きくつばを飲み込む。
ドアのノックしようとして、やめた。
「失礼しまぁ〜す。」
ドアのノブに手をかけて、小さく中をのぞきこんだ。
うちは教えてもらった病院を見て、少しホッとした。
ココロの病気っていうから特別な病院に入っているものだと思っていたけど
そうじゃないらしい。
後からわかったことだけど、
大きなストレスから物があまり食べられなくなり
点滴で栄養をいれるために入院をしているそうだ。
「のの…。」
確かにののはそこに居た。
保全ありがとうございます、かわらずのろのろペースですが…。
どうやらパソコンが、ウイルスにっ!!(直せよ
更新お疲れ様です。
相変わらず気になる話の切り方をなさる!w
だから何度も足を運んでしまうのですがね。
ウィルスって…ヲ〜イ
ho
160 :
名無し募集中。。。:03/08/29 13:50 ID:pEGLyG6b
:。; / ヘ( ・e・)ノ ラスト50の保全走り
≡ ≡ ≡ ≡ ( ┐ノ
:。; /
「あいぼんら。」
そう言ったののの腕は細く、点滴につながれていた。
ひとまわり小さくなったののは幻を見たような顔をしてキョトンとしていた。
「な、なんか痩せたなぁ…うらやましいわ。」
ののは目を細い腕でゴシゴシこすった。
「…どうしたん?」
「ほんものれすか。」
「あ、あたりまえやろ。」
「…あいぼんには会いたくなかったのれす。」
「の…のの、うち…。全然わからんかって…。アホや…。」
「あいぼん。」
「うち、ののはただシカトこいとんかと思ってん。家にいってもおらへん。
文子に言っても連絡こぉへん。…けど、ごめん。」
「のぉは、あいぼんに、会いたくなかったのれす。」
正直キツイ。そうやって正面から聞くと悲しくなる。
「わかってる、わかってるけど…。謝りたくて…。」
「あいぼん、聞いてくらさい。会いたくなかったって思ってたんれす。
色々色々考えて、あいぼんがうらやましい、憎い。顔が見れない。れも今やっと思い出した。
顔を見て思いらしたのれす。そんな時はいつもあいぼんが話をきいてくれてた。
やっと思いらせた。なんか今、嬉しくなっちゃった…へへ。」
ののがあの特徴的な八重歯をのぞかせて笑顔を見せた。
ちょっと前までは当たり前だったその笑顔なのに、
不覚にもうちは泣いてしまったのだった。
その日を境に、あいている日は極力のののお見舞いに行くように心がけた。
うちはのののライバルだけれど、親友だ。
お互い悩みをぶっちゃけてスッキリしていた、あの頃のように、
うちらは色々な話を話した。
ののの顔色がよくなってきたのが目に見えてわかりはじめたころ、
ののの退院が決まった。
その頃うちがいる時にちょうど紺野ちゃんが来た。
「この間のタイムカプセルを持ってきました。」
ってことらしい。
自分で何を書いたか全く覚えていなかったけど。
便箋を開いた時笑いがこみあげた。
―ビックになるでぇ!(出来たらコンビで) あい
―あいぼんと歌手がしたい のぞみ
数ヵ月後、
うちとののがやっと2人でCDをだしたころ。
よっすぃ〜がつんく♂さんと入籍した。
付き合いは娘。の頃かららしい。
「スポーツ新聞れご報告れすか、つめたいひとれすねぇ。」
「…こ〜ゆ〜事やったんやな。」
「なんがれすか。」
「ののは、そのままでおってや。ぷぷぷ。」
「何かむかつくのれす…。」
よっすぃ〜の未来予報は裏につんく♂さんがついていたんだろうか。
うちにはわからない。
けれど信じてみてもいい。
もう少し後、よっすぃ〜の予報通りに、
うちらがスマッシュヒットをとばすことを。