愛たんの小説書いて〜♪Part参

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77名無しじゃんか!
>>69の続き

中澤さんの所に向かいながら、ちょっと考えてみる。
そう言えば、矢口さんってたまにどっか用事に行っちゃうけど、
もしかして、中澤さんの所に行ってるのかなぁ・・・
・・あっ、確か私が矢口さんになるちょっと前・・・
『「ま、いいや。おいらちょっと用事あるからっ。じゃあね〜」』
って言ってたから、やっぱりそうなのかもっ。
・・何て考えてるうちに、着いちゃったよ・・・
ドアの側に『中澤裕子』って書いてある部屋の前・・・
その名前を見ると、もっと緊張してきた・・・よしっ
"コンッコンッ"
「や、矢口でーす・・・」
「お〜、入ってええよ〜、カギ開いてるから〜〜っ」
「し、失礼しま〜す・・・」
ドアを開けると、手招きする中澤さん。
促されるままに部屋に入る・・・一体何の用なんだろ?
「何やもう〜っ、遅かったやんかぁ〜」
「あっ、あの・・・ちょっと倒れてまして・・・」
「倒れたっ?! だ、誰が?」
「えっ・・あ、あの、私が」
「ホンマにっ? で、大丈夫なん?」
「あ、はい。今はもう何ともないです」
「はぁ・・それならええんやけど・・・って何か変やな。やっぱり」
「え? どこが・・・」
「どこがって、あんた自分の事『わたし』って言うてたっけ?」
78名無しじゃんか!:03/05/15 20:42 ID:qPxJxMPR
あっ、また出ちゃったんだ・・・
もうっ、えっと・・おいら、おいら、おいら・・・
私は・・いや、おいらは矢口、おいらは矢口・・・
「え、えっと・・そ、そうかな? な、中澤さんの勘違いじゃない?」
「ほらっ、中澤さんって呼んでるし。いつもなら『裕ちゃん』って呼んでるやんかっ」
「あっ・・そ、それは、あの、たまにはいいかなぁ〜って・・ははは」
「・・ちょっとおいで」
「な、何ですか?」
小さく手招きをして、自分の側をポンポンと叩いてる。
『ここに座って』っていう事だよね。
「あ・・・」
座った途端、手を額に当てて熱を測ってる・・・
きっと、熱でも出しておかしくなったって思ってるんだろうなぁ・・・
「ん〜、熱は無いみたいやな・・・どっかぶつけたとか?」
「う、ううん・・それはないみたい・・・」
「そう? まぁ、でも少しずついつもの矢口っぽくなってきたような気もするし。大丈夫かな?」
「そ、そうだよ。何、言ってんだよ・・ば、ば・・・」
「ば? ば、何?」
どうしよ〜っ、矢口さんならこう言うはず・・・
でもっ、やっぱり怖いよぉ〜・・・
ううんっ。今の私は矢口真里。これくらい出来なくてどうするのっ。よしっ
「な、何言ってんだよ。バカ裕子っ」
「矢口〜っ」
や、やっぱり怒られる〜〜っ・・・
79名無しじゃんか!:03/05/15 20:43 ID:qPxJxMPR
「それでこそ、矢口やんか〜。良かった〜、本当に何事もなくてっ」
「え? あ、そ、そうだよっ。はははっ」
良かった〜・・・本当に怖かったよぉ〜
それにしても、矢口さんってすごいなぁ・・・
中澤さんにこんなこと言っても怒られないなんて。
「ホンマにびっくりさせて〜。あ、そうや。これ持って来たで」
「えっ、あ、ありがと・・・」
急にテーブルの上の雑誌を私に差し出してきた。
これって、矢口さんが中澤さんに頼んだものだったんだね・・・
さてと・・どんな本なんだろ。早速見てみようか・・な・・・
「キャアーッ・・・」
な、何これ? 女の人の裸の絵と・・・えーーっ!
「うわっ、ど、どうしたんっ? 急に・・・」
「ど、どうしたって・・こ、これって、あ、あの・・えっと」
「ちょっ、ちょっと・・落ち着きなさいよ。どうしたん?」
「はぁ、はぁ、こ、これって・・一体」
「一体って・・いつもあんたが読んでる奴でしょ?」
「い、いつも読んでるっ?」
「な、何びっくりしてんの? あたしはあんたから借りたんやから。当然やんか」
や、矢口さんって、いつもこんなの読んでるの?
って事は何? 私って、ず〜っと、こんなの読まなきゃいけないの?
イヤだよ〜〜っ・・・
「あっ、ごめん矢口。あたしそろそろ行かなあかんねん。じゃあ確かに返したからっ。じゃあね」
「ちょっと、裕ちゃ〜んっ・・・行っちゃったよ」
80名無しじゃんか!:03/05/15 20:44 ID:qPxJxMPR
どうしよう・・これ持って行かなきゃいけないのかな・・・
イヤだよ〜っ、もし途中で誰かに見られたら・・・
でも、置いておく訳にはいかないし・・・しょうがないかぁ
これは服に隠してっと・・・よし、これで何とかなりそう。
それじゃあ帰ろうっと・・・
"ガチャッ"
部屋を出ると、外のゴミ置き場に急ぐ。
こんなの持ってられないもん・・・
ゴミ置き場に着くと、すぐに捨てる。ふぅ、これで何とか・・・
「あれ? も、もしかして矢口さんじゃ・・・」
「えっ・・あ・・・」
声のした方を向くと、一人の・・中学生くらいかな?男の子が立っていた。
・・もしかして・・見られた?
「あ、あのっ、さ、サインくれませんか?」
「えっ・・(見られてないのかな?)あ、いいよっ」
返事を聞いた瞬間、カバンから急いでペンとノートを取り出してる。
慌てていたから、筆箱から色々落としてる・・
「あ、慌てなくて良いよ。おいら逃げないしっ」
「あっ、す、すいません・・あ〜、恥ずかしい〜っ。じゃ、あのこれに・・・」
「はいよっ。え〜っと・・・」
・・・ど、どうしよう・・・そう言えば私って、
矢口さんのサイン書けないよ〜・・・
・・あ、でも、分かんないかも・・・うん、きっと大丈夫っ
81名無しじゃんか!:03/05/15 20:48 ID:PFu1IDBR
「・・・はいっ。どうぞ」
「あ、ありがとうございますっ。・・あれ?」
「えっ? な、何? 何か変?」
「あの〜、ちょっといいですか?」
「は、はい・・・(な、何・・?)」
「あの、友達も持ってるんですけど、矢口さんのサイン」
え〜っ・・も、もしかして・・・
「そ、それで?」
「全然違うんです・・・あいつ・・嘘付いてたのかな・・・」
「そ、そんな事・・・」
「いいんです。ただ、信じきってた俺が悪いんです・・・ハァ」
どうしよう・・私のせいだ・・・
私がこんな簡単に考えてたから・・・私、私・・・
「・・ご、ごめんね・・・」
「えっ、な、何で矢口さんが謝ってるんすか」
「ごめん・・ごめんねっ・・・」
「あっ! や、矢口さんっ・・・」
必死に走った・・・早くあの場から逃げたかった・・・
もし、私のせいであの男の子と友達の仲が悪くなったら・・・
私、どうしたらいいのっ。
・・もうイヤ・・戻りたい・・・『高橋愛』に戻りたいよ・・・
≪戻してあげるわ。元のあなたに≫
えっ・・この声・・・うっ!あ、頭が・・・
め、目の前が・・・白くなって・・いく・・・・・
82名無しじゃんか!:03/05/15 20:49 ID:PFu1IDBR

「・・う、う〜ん・・・」
体を揺らされて、目が覚める・・・あっ、私っ・・・
「大丈夫?」
「あ・・や、矢口さん・・・良かった〜」
私、戻ったんだ・・・戻ったんだ〜・・・
「それはこっちのセリフっ。ホントびっくりしたよ〜」
「ご、ごめんなさい・・・心配掛けて」
「いいっていいって。それより、何か飲み物でも持って来よっか」
「す、すみません・・お願いします」
「オッケー。じゃ、ちょっと待っててよ」
矢口さん・・・やっぱり矢口さんは矢口さんだよね・・・
初めから私には無理があったんだよね。
「はぁ・・ホント、良かった〜・・・あっ」
ふと窓の外を見ると、ネコがこっちを見てた。
白くて、毛がフサフサで・・可愛い〜〜っ
ネコって良いよね〜・・何か自由な感じがして・・・
しかもあんな可愛いもんね〜っ。ネコの世界ってどんななんだろ・・・
≪その夢叶えてあげるわっ≫
えっ・・ウソ・・ちょっ、ちょっと待ってっ。そういう意味じゃ・・・
あうっ・・・そ、そんなぁ・・頭が・・・イヤーーっっ!!!・・・・

                              つづく。