愛たんの小説書いて〜♪Part参

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160「ファーストキス」
・・・・・。重い空気が流れて、あたしは高橋と視線をあわせられずに下を向いていた。見なくても、高橋がこっちをみてるのがわかって、胸が痛い。
つまんないわけ、ないじゃん・・・。だけどさぁ、だって、だって・・・こんな高橋があたしのなかで大きい存在だって、気づき始めちゃったんだもん。
ほんとにこないだまで、矢口さんが好きだったよ!?自分でも軽いとか色々考えてたんだもん・・あーもう!考えてる場合じゃないのに・・。
ちらっと視線をあげて高橋を見ると、バッチリ目があった。唇を尖らせているけど、目は悲しそうだった。
「・・・あの、高橋・・・。吉澤・・つまんなくないよ?」
「・・・・嘘。」
「嘘じゃないよ?ほんとに。」
「吉澤さん、私のこと好きじゃないんやろ?ええよ、無理せんで!」
感情のこもった声が、あたりに響いて、周囲の人たちが一斉にこっちを見た。
(な・・・あれ、モー娘。の・・・だよな?)(吉澤ひとみじゃない!?高橋愛も!!)(本物!?)
やばっ・・・!もーーー、この状況でぇ!?最悪!!!!
「高橋、とりあえず、ほら!」
一般の人々の目から逃げようと、高橋の手を掴んでその場をさろうとしたその時
”パシっ”・・・・・え?
「とりあえずっ・・・!!?とりあえずなんか、嫌です!好きじゃないなら、そう言って下さいよ!」
あたしの手を勢いよくふりはらい、目に涙をためながら高橋はそういって、走り去ってしまった。
すぐに追いかければよかったんだけど、言われたショックの方が大きくてあたしの体はかたまってしまっていた。
足が、動かない―
161「ファーストキス」:03/08/01 13:25 ID:z5/tFT9p
あれから、1人でとぼとぼ帰って二日目。昨日はメンバーはそれぞれ別れて仕事で今日また合流する。高橋に会う。
はぁ・・・・もう嫌だ。高橋に会いたくない・・・けど、会いたい・・・けど会いたくない・・・どっちだよ!
「よっすぃ〜どしたの?」
テケテケ近寄ってきた加護がしゃがみこんでジッとあたしの顔を見上げて来た。
「えー・・・別にどうもしないよ〜」
やる気なく答えて、また「はー・・・」とあたしはため息を吐き出す。
「やっぱなんかあるんじゃん!あー、ゥォッホン!加護博士にいってみなさい!」
歯を出して笑いながら言うと、加護はスクっと立ち上がって人差し指をたててなんか(?)の博士の真似みたいのをはじめた。
可愛くってついクスクス笑うと、
「あ、笑ったな〜!コイツ〜!」
っていって、加護があたしのおなかをくすぐってきた!
「や、こら、やめろ〜〜!!わっはっはっは!!!!!!!!」
ガタ、とあたしもイスを立ち上がって加護とつかみ合いになる。こんな時癒されるんだよねぇ、加護には。
「あははははは!!よっすぃーどこさわってんの〜!」
「加護が先におなかさわったんじゃ〜ん!!!」
「もう、えーいっ」
加護が腕を広げたかと思うと、あたしの背中に腕をまわして、胸に顔をうずめてきた。
「よっすぃー元気出してね・・・加護はよっすぃーが元気ないと寂しいよー」
あたしはなんだか、泣きそうになった。素直な加護がうらやましい。ためらいもなくあたしの腕に飛び込んでこれる加護は、可愛いもん。
なんで可愛くなれないんだろう。
「ありがとう。」
ちょっと涙ぐんで震えそうな声でいって、鼻をすすってから、抱きついてる加護の頭をぎゅっと抱きしめた。
ほんと、加護には癒されるな・・・
”キィー”・・・・ドアの開く音がしたから、あたしは加護の頭から顔を上げて音のした方向を見た。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・高橋!!
ドアから一歩足を踏み入れた場所に立ち尽くして動かない高橋、がいた。
162「ファーストキス」:03/08/01 13:26 ID:z5/tFT9p
「あ、愛ちゃんおはよー!」
加護があたしの腕からするっと抜けてなんともない表情で冷蔵庫を開け、ジュースを取り出す。
なんとかしようと、
「あ、高は・・・」と言いかけたところでそれを断ち切るように
「仲イイんですね」
と冷めた声で高橋が言った。あたしは言葉の続きがでなくって凍りつく。やばい、やばい・・・・やばいよ〜!!
「ん?(ゴクゴク)ぷはっ。よっすぃーと加護はラブラブだもんね!ね、よっすぃー!ところでジュース飲む?」
か、加護ぉお!!ジョーク通じないの、今!!!
高橋は悲しそうな目で、唇を尖らせて荷物を置くと、着替えに奥にはいってしまった。
やば・・・・・・大ピンチなんだけど!
その日高橋と、一度も視線が合わなかった。