プッチモ二

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88mmndk 代理

「りかがここにやって来たのは寒くなってきた冬の始まりだった」
「あの日、寒くて目が覚めた」
「そしたら小さい声なんだけど女の子の泣き声が聞こえるんだ」
「すぐに車を出て、声のする方に歩いた」
「寒くて鉄の杖にも力が入らないくらいだった」
「女の子は昨日まで無かった大きなダンボールの前にいた」
「おい!って声をかけたらこっちを向いた」
「かわいい子だった」
「誰!ってすごい警戒してるから」
「お前こそ誰だ?って静かに近づいた」
「その子私に警戒してるはずなのに逃げようとしないんだ」
「だからつい聞いちゃった」
「お前目が見えないのか?って」
「そしたら」
「うんって小さくうなずいたんだ」
「そして、ここはどこって怯えながら聞いてきた」
「わからない、ゴミしかないんだって答えたら」
「その子は真っすぐ前を見ながら腰を下げて自分の足元を触り始めた」
「バケツに小さなおもちゃに鉄の棒、DVDプレーヤー・・・本当にゴミしかないのねって言って立ち上がった」
89代理:03/05/23 23:16 ID:hXz/CJLt

「私は、そーだよってその子を見ながら言ったら」
「その子、フラフラした足どりで私の方に向かってきた」
「2,3歩で私の目の前に着いた」
「本当にかわいい子だなって思った」
「あたしなんでこんな所にいるのって今にも泣きそうな顔で聞きながらしがついてきたからビックリってゆーよりドキドキしちゃったよ」
「なんて言っていいのかわからなくて黙ってたら」
「ねぇ!どーして!!答えて!!って必死になってるから」
「つい・・・・・たぶん捨てられたんだよって言ったんだ・・・・」
「その言葉を聞いた瞬間にその子は私から少し1歩離れて、うそ・・・って言ってペタンって座った」
「お前はどーか知らないけど、私は捨てられたんだ、きっとって言うと」
「泣き出した」
「今思えばよく泣く奴だったな・・・・」
「その子は泣きながら」
「お父様は昨日、明日は楽しい所に連れてってくれるって・・・・言ったのに」
「って言った」
「私は何だか可哀想になってしゃがんでその子の頭を撫でた」
90代理:03/05/23 23:16 ID:hXz/CJLt

私は捨てられたけど、お前は何か事情があったんだろうな・・・きっとそのうちお父さんが迎えに来てくれるよって言いながら優しく撫でた」
「迎えに来てくれるわけないって分かってても、言ってあげたかった」
「その子は目をゴシゴシして、また真っすぐ前を見た」
「そーよね・・・あなた優しいねって言ってくれた」
「そして始めて笑顔を見せてくれたんだあの時・・・・」
「キラキラした・・・・本当にキラキラしたかわいい笑顔なんだ」
「その笑顔に見惚れてると、名前何て言うの?って聞いてきたから、なんかビックリした」
「なんでだろ・・・・まぁ、そんな事はいいや」
「名前って言われても、いつもお前とか、おいとかで呼ばれてたから」
「ないって答えた」