【新スケバン刑事〜少女武闘伝〜】

このエントリーをはてなブックマークに追加
1名無慎二
このキャスティングでドラマ化きぼ〜ん
2名無し募集中。。。:03/04/01 01:57 ID:YWe937O+
∋8ノノハ
 川o・-・) <3トワマミー?
3名無し募集中。。。:03/04/01 01:58 ID:YWe937O+
∋8ノノハ
 川o・-・) <…さゆみん証明遅えよ!
4名無慎二:03/04/01 01:58 ID:aDbVwwAZ
札幌市内から少し離れた郊外を一台の黒いBMWが走っていた。
広々とした大地に伸びた広く長い道路。
晴れた空の下には対向車も少ない。
最新のタイプのエンジンは騒音もなく、ただ北海道の澄んだ空気を切り裂きながら疾走していた。
やがて車は一軒の家の前に停まった。

「ここね」
サングラスをはずし、その家を見上げる。
その車を運転していた人物は車を降りた。
30代を過ぎたくらいの女性。
細身の身体に上品な黒のスーツが良く似合う。
服のシワを軽く直し、すっと背筋を伸ばす。

モダンな洋館風の家。
石造りの門をくぐり、ドアの前に立ち呼び鈴を押した。

「はーい」

声がしてしばらくして、ドアが開く。
30代半ばくらいの女性が顔を出した。
「はい、どちら様でしょう?」

「わたくし、こういう者です」
彼女は内ポケットから警察手帳を出して見せた。
「警察の方?」
「そうです、それともあなたにはこちらの方がわかっていただけるかもしれませんね」
そう言って彼女はポケットから何かを取り出した。
彼女が取り出したのは、赤い同心円が描かれている銀色のヨーヨー。
「!?」
5名無慎二:03/04/01 02:00 ID:aDbVwwAZ
彼女はヨーヨーに仕掛けられている小さなスイッチを押した。
ヨーヨーの片面が開き、中から桜の代紋が現れる。
「探しましたよ、先輩」
懐かしそうに彼女は微笑んだ。
「あなたは?」
「はじめましてですね、私は警視庁の五代と申します。かつて2代目スケバン刑事麻宮サキと名乗っておりました。
あなたが行方不明になった後、あなたの名前と任務を継いだ一人です」
彼女は名刺を差し出す。
警視庁特別公安部特殊捜査課、警部五代陽子
名刺にはそう書かれてあった。
「……もうその話は結構です。私は今は……」
「海槌三姉妹との戦いの後、あなたは忽然と姿を消し行方不明となった。
実は全身に火傷を負い、通りがかった若い医師に助けられた。
あなたは身元不明のままその医師の勤めていた病院に入院、手術を受けました。
回復後、あなたはその医師と結婚、一女をもうけ、そして、ご主人の仕事の都合で北海道に移り住んだ。
まちがいありませんね?」
「調べたんですか?」
「いえ、あなたのご主人が殺された事件を追っているうちに偶然、あなたの事を知ったんです。
行方不明だった麻宮サキをね」
「……」
6名無慎二:03/04/01 02:01 ID:aDbVwwAZ
サキは黙って五代陽子の目を見つめた。
「今日、わたくしがお伺いしたのは他でもありません。
率直に申し上げます、あなたの娘さんに「特殊潜入捜査官」になっていただきたいのです」
「あの子に、「スケバン刑事」になれというのですか?」
「あなたもご存知の通り、この任務は警視庁内でもごくごく一部の者しか知らない極秘任務です。
仕事の性質上、公的な活動ができません。捜査官も特別な事情を持って捜査に協力できる者に限られます。
失礼ながら、あなたの娘さんをしばらく調査させていただきました。
さすが、初代「スケバン刑事」の血を引くだけあって、みごとな才能を持つお子さんです。
私どもに彼女を預けてはいただけませんか?」
「帰ってください!、私のような目に娘を会わせる訳には行きません」
「それがあなたのご主人を殺した相手でもですか?」
「?」
「かつて壊滅させた「青狼会」の残党が「神狼会」と名を変え暗躍しています。
今、彼らが何を企んでいるのか、何をしようとしているのかわかりません。
でも、その企みの前にあなたのご主人の存在が邪魔だったようなのです。
他にも「神狼会」によって優秀な研究者や医師などがさらわれたり、殺されたりしています。
私も、部下を2人亡くしました。
もう一刻の猶予もありません。「神狼会」の計画が実行されないうちに彼らを壊滅させる必要があるのです。」
サキは黙っている。
陽子は手に持っていたヨーヨーをサキに手渡した。
ずっしりとした重合金製の特殊ヨーヨー。
もうこのヨーヨーを2度と手にする事はないと思っていた。
懐かしい重み。
「これもあの子の運命なんですか……」
サキの呟きに陽子は小さく頷いた。
サキは掌の十字のキズ痕を見つめた。
「やっと運命の呪縛から逃れられたと思ったのに、やっと普通の生活ができると思ったのに……」
7名無慎二:03/04/01 02:02 ID:aDbVwwAZ
数日後、都内某所のとあるビルの前に一人の少女が立っていた。
大きなリュックを背負い、不安げにビルを見上げる。
そのビルの窓から、その少女を見つめる女性が一人。
「来たわね」
彼女はすぐに下に降りてその少女を迎えた。
「いらっしゃい、待ってたわ。
私は警視庁特別公安部特殊教練課の教官、風間唯と言います。よろしくね。
今日から3ヶ月間、あなたをみっちり鍛えてくれと2代目から頼まれてるのよ。
あなたを一人前の「スケバン刑事」にしてくれってね」
「あ、あの……
一体何の事だか
私、とりあえずここに行きなさいって、言われて来ただけで……」
「なんだ、何も聞かされてなかったの?
まあいいわ、事情は追々説明するわ。
とりあえず今日からしばらくここで私の特訓に付き合ってもらうわよ。
そしてあなたは今までの名前を捨てて新しい名前を名乗るの
あなたのお母さんの名前。
麻宮サキ
そして特殊潜入捜査官として働いてもらうわ、コードネームは「スケバン刑事」
もう、今日からあなたは、紺野あさ美ではなくなるのよ」

というキャスティングでドラマ化きぼーん
8名無し募集中。。。:03/04/01 02:07 ID:i01W9ytq
これ何のスレでつか?漫画板の方でつか?
9 :03/04/01 02:12 ID:EhZmuvea
幼少のころ見ていた気がしないでもない
10名無し募集中。。。:03/04/01 02:13 ID:i01W9ytq
できれば登場人物をハロプロのメンバーに当てはめて、ストーリーをちょっと
ひねってくれた方が面白いんですけど。
11名無し募集中。。。:03/04/01 07:02 ID:ouELN2C6
>>1
キャスティングの意味をしらないアフォ
12名無慎二:03/04/03 01:58 ID:OvB4K5C6
#1

「じゃあ、お母さん行って来るね」

小川麻琴は真新しいセーラー服に紺のカーディガンを羽織った。
彼女の家は都内のとあるヘアサロン、1階が店舗で2階が自宅になっている。

「ちょっと、待ちな」

階段を下りようとする麻琴を母親が呼び止めた。

「いいかい、麻琴、何でも初日が大事なんだからね
ここで、ガツン!とやったら後々大丈夫なんだから」

「もうその話はいいよ、お母さんの時代とは違うんだからさ」

麻琴は母親の腕を振り払った。

「違うもんかい、こういうことはね時代が変わっても同じなんだよ
何の為にお前に子供の頃から、”技”を仕込んできたと思ってるんだい?」

「はいはい、いじめられないように頑張ります」

麻琴は肩をすくめた。

「仕事じゃなきゃぁ、入学式に付き添ってあげられるんだけどねぇ」

「ちょっと、やめてよ。もう子供じゃないんだから!!
母さんが来て学校で騒ぎなんか起こされたらたまったもんじゃないわ!」

13名無慎二:03/04/03 01:59 ID:OvB4K5C6
麻琴はそう叫んで、家を飛び出した。
彼女の母親はまだ30代半ば
高校卒業後、美容師の専門学校に通っている時に、父親と知り合った。
すぐに妊娠、そして結婚。
二人は麻琴を育てながら働き、都内に小さな店を持つまでになった。
そしてその一人娘も今年の春から高校生になる。
彼女が今日から通う「天王洲高校」は私立の共学校。
制服は都内ではすっかり珍しくなった、男子は学ラン、女子はセーラー服。
中学部もあり、大半は持ち上がりで進学する。
地元の公立中学に通った麻琴は、高等部からの入学になる。

家を出て駅に向かい、電車に乗る。
学校に近くなるにつれ、同じような制服姿の学生が増えてくる。
彼女と同じ新入生だろう、父兄同伴の生徒も多い。

電車が目的の駅に到着すると、各ドアから学生の集団が次々と吐き出される。
駅前の人ごみ
ぞろぞろと連なる学生の列
一人だけ流れから取り残されるように、とぼとぼと歩く女生徒がいる。
ポニーテールに大きな黒いメガネ。
大事そうにカバンを抱えている。
あんまりとろとろと歩くので、麻琴はその女生徒にぶつかりそうになった。

「さっさと歩けよ……」

麻琴のその呟きが聞こえたのか、彼女はぺこりと頭を下げた。

「すいません……」

(こういう気の弱そうな子はいじめられるんだろうな)、彼女を追い抜かしながら麻琴はそう思った。
14名無慎二:03/04/03 02:00 ID:OvB4K5C6
しばらく歩くと、前の方で生徒達が何かざわめいているようだった。
見ると若い男が2人、髪の長い女子生徒に絡んでいる。

「ちょっと放してよ!!」

(やれやれ、初登校の日から騒ぎを起こさなきゃなんないのかよ……)

麻琴はポケットに手を忍ばせようとした。

「?」

見るとさっきのメガネの女生徒が、麻琴のすぐ横からすっと前に出た。
彼女は教科書を熱心に読みふけっている。
彼女は教科書に集中しているのか、騒ぎに気づかず、その男達のところに真っ直ぐに歩いていく。

「なんだこいつ?」

麻琴はその女生徒の奇妙な行動を訝る。

ドン!
当然その女生徒は男達にぶつかる。

「なんだよ、お前!」

男達は今度は彼女にからんできた。

「すいませんすいません」

メガネの女生徒はそのとき初めて、とんでもないところに飛び込んだ事に気づいたのだろう。
おどおどしながら、何度も頭を下げた。
絡まれていた髪の長い女生徒は、その隙にその場から立ち去ろうとした。
15名無慎二:03/04/03 02:02 ID:OvB4K5C6
「ちょっと待てよ!」

ところが、追いかけようとする男の足がメガネの女生徒の足に引っかかり、男は派手にひっくり返った。

「てめえ!」

「すいませんすいません」

更に申し訳なさそうに彼女は頭を下げる。

「ちょっとこっちに来いっ!」

メガネの女生徒は駅前通りのビルとビルの間の狭い通路に連れ込まれた。

「おいおい」

見るに見かねた麻琴が追いかけようとしたが、メガネの女生徒ははそこからすぐに出てきた。

「すいませんすいません」

ぺこぺこ謝りながら逃げるように走り去る。

「!?」

麻琴が通路を覗き込むと、さっきの男が2人おなかを抱えてうずくまっていた。
ホンの一瞬の出来事だった。

「何これ!
いったいどういう事?!」

続く
16名無し募集中。。。:03/04/03 02:55 ID:0RZqZtM7
小川以外のハロプロ登場人物が出てきませんが・・・
17ただすぃ:03/04/03 04:26 ID:HXveDHeN
(・ム_・)ヨピソ
18名無し募集中。。。:03/04/04 01:31 ID:4xiQP5Hr
小川はポケットから何を取り出そうとしたんだ?
ビー玉か? 袱紗か? 折り鶴か? リリアンか?
19【新スケバン刑事】 :03/04/05 07:44 ID:er40O/ci
天王州高校入学式は滞りなく終了した。
麻琴のクラスは1年B組
天王洲中学出身者でもなく、また同じクラスに知り合いもいないので、彼女は教室の一番後ろの窓側の席に一人で座っていた。
ひときわおしゃべりがうるさい2人組がいる。恐らく、中学からの持ち上がり組だろう。
数人の取り巻きを従えて、たわいもない話題に花を咲かせている。
教室を見回すと通路側の後の席に、さっきのメガネの女生徒が座っていた。

「あいつと同じクラスだったんだ……」

一見、真面目で気弱そうないじめられっ子風。
でもさっきの一瞬の出来事が、麻琴には信じられなかった。
あの数秒の間に一体何があったんだろうか?
麻琴は目立たないようにじっとその女生徒を観察することにした。

先生が入ってくる。
背の高い若い美人の先生だ。

「はーい、みんな席について頂戴」
生徒たちは一斉に席に座る。
彼女は黒板に大きく名前を書いた。
「私が今日から1年間このクラスの担任をします。飯田圭織と言います。
専門教科は美術です。
みんなよろしくね」

さっきの2人はまだおしゃべりを続けている。

「ほらそこ、静かにしなさい
ええっと、あなたは達は辻さんと加護さんね」

名前を呼ばれた2人はふてくされた顔で、おしゃべりを止めた。
20【新スケバン刑事】 :03/04/05 07:45 ID:er40O/ci
「とりあえず、しばらくは出席簿順に席に座ってもらいましょう。
出席番号の1番は……麻宮サキさん?」

「はい」

名前を呼ばれて、さっきのメガネの女生徒が立ち上がった。
「じゃあ、麻宮さんから順番に出席順に座ってくれるかな?」

(ふーん、あいつ麻宮サキって言うんだ……)

HRが終わった。
HR中もひときわおしゃべりがうるさかった2人がさっそく麻宮サキにからんでいた。

「あなた、見かけない子ね、どこの中学?」

2人組の片方、加護が訊いた。

「私は北海道から転校してきたんで……」

「ふーん、名前何て言ったっけ?」

「麻宮サキです」

「私たちは天王洲中学出身の辻希美と加護亜衣よ
田舎者のあなたは知らないと思うけど、ここは中学からの持ち上がりの生徒が多いの、ヨソモノは何かと大変だから色々と教えてあげるわ」

「ありがとうございます」

サキは小さく頭を下げた。
21【新スケバン刑事】 :03/04/05 07:47 ID:er40O/ci
「あーあ、あの子可愛そうに……」

それを見ていた麻琴の隣にいた女生徒が呟いた。

「何?どういう事?」

その独り言を耳にした、麻琴はその女生徒に訊いた。

「ああ、あの辻さんと加護さんの事よ。ああやって弱そうな子に目をつけてはパシリ代わりに使うの
中学の時もそれが原因で何人か学校辞めたり、自殺未遂騒ぎまで起こしてるのよ。
対外的にはその子個人の問題で片付けられたけど、
みんな知ってるわ、原因があの2人のイジメだったってこと
可愛そうに、今年の犠牲はあの子になりそうだね」

「ふーん……」

サキは辻加護に話し掛けられながら、ちらちらと横目で別の生徒を見ていた。
髪の長い女生徒
そう言えば、朝男達に絡まれてた子だ。
また、麻琴はさっきの女生徒に訊いた。

「あの髪の長い子は誰?」

「ああ、新垣さんよ。
彼女も天王洲中学からの持ち上がり組の一人で、お父さんが大学教授だったかな?
お金持ちのお嬢様よ」

べちゃべちゃうるさく話しかける辻と加護を無視して、サキは立ち上がった。
新垣の席に向かう。

「こんにちは」
22【新スケバン刑事】 :03/04/05 07:51 ID:er40O/ci
「あら、朝の……?
大丈夫だったの?」

「ええ、なんとか上手く逃げられました」

「あなたも、ドジですねあんなところに飛び込んでくるなんて
でも、おかげで助かったわ
ありがとう」

彼女は頭を下げた。

「私、新垣理沙って言うの、よろしくね」

「麻宮サキです。よろしくおねがいします」

2人はにっこり微笑んだ。

続く
23名無し募集中。。。:03/04/05 08:30 ID:t+PnFx8y
おう、続いてくれぃ。

つか、続けてくらはい。
24いちおう参考までに:03/04/05 08:38 ID:t+PnFx8y
鷹羽学園2年B組・麻宮サキ。またの名はスケバン刑事。
スケバンまで張った麻宮サキがなんの因果かおちぶれて、今じゃマッポの手先。
笑いたければ笑うがいいさ。
だがなぁ、テメエらみたいに魂まで薄汚れちゃいねぇんだぜ!



鉄仮面に顔を奪われ、一七歳(とおとななとせ)。
生まれの証しさえたたんこのあてぇが、なんの因果かマッポの手先。
けんどなぁ、こんなあてぇでも愛することの尊さは忘れちょらん!
二代目スケバン刑事・麻宮サキ。
愛を忘れ、人の心の弱さにつけこむ悪党ども――おまんら、絶対に許さんぜよ!



人が邪悪に身を委ねたとき、人の皮を被った悪魔になる。それが“影”じゃ!
青龍学園1年B組・風間唯、またの名を三代目スケバン刑事・麻宮サキ。
人の世に邪悪を為す闇の住民ども、許さんかいね。
忍の術で人をまやかし、日本を滅ぼそうなどと、このわちが許さん。
お前ら、おとなしゅうせんと叩き潰すぞ!
25まちがえた:03/04/05 08:41 ID:t+PnFx8y
>>24
× 一七歳(とおとななとせ)。
○ 十七歳(とおとななとせ)。

……どーでもいいか(w
26名無し募集中。。。:03/04/05 09:03 ID:5MUhtU95
麻宮サキもいっそ、ハロプロメンバーの誰かに当てはめた方がいいと思うが
27名無し募集中。。。:03/04/05 09:55 ID:casQvsLU
>>26
>>7の最後から2行目
28名無し募集中。。。:03/04/05 12:40 ID:/LPpNsVQ
本題までにはまだ遠そうな感じだね
サキはどんな特命でその高校に来たんだろう・・・
29【新スケバン刑事】:03/04/08 02:48 ID:eTqxS4ol
お詫びと訂正

>22

「私、新垣理沙って言うの、よろしくね」

 × 新垣理沙
 ○ 新垣里沙

校正ミスですた スマソ
30【新スケバン刑事】 :03/04/08 02:52 ID:eTqxS4ol
「じゃあ、今日はこれで終わりです。
みんな、明日から頑張りましょう。
はい、みんな起立!礼!」

飯田先生の号令で高校生活第1日目が終わった。
一斉に生徒たちは教室を出る。
早速、辻と加護の二人がサキに近づいてきた。

「麻宮さん、一緒に帰りましょうよ」

サキは二人の声を聞こえない風にして、里沙の席の前に行った。

「里沙さん、一緒に帰りませんか?」

「辻さんと加護さんはいいの?」

里沙が訊いた。
サキの背後で辻と加護の二人が何やら大声で騒いでいる。
「ちょっと、麻宮さん、シカトする気!!」
サキはそんな二人には全く意に介さない様に言った。

「ああ関係ないから大丈夫ですよ」

「気をつけなさい、サキさん。
あの二人、中学の頃からあなたみたいにおとなしそうな生徒に目を付けてはイジメてたのよ。
今日のところは彼女達に付き合っておいた方が良いんじゃない?」
31【新スケバン刑事】 :03/04/08 02:53 ID:eTqxS4ol
「そうなんですか」

サキはまるで他人事の様に言う。

「サキさんて変わってますね」

そう言って里沙は笑った。

「え?」

「普通なら、あのイジメっ子2人組を無視して私なんかに話しかけたりしないわ」

「ええ、ちょっと事情があるんですよ」

「事情?」

「話したい事があるんです。
帰り道で話しますから、行きませんか?」

辻と加護の二人の声が更にうるさくなったので、サキは里沙を促した。

「ええいいけど……」

教室を出る2人を見て、麻琴はこっそり後を追いかけた。
学校を出て、しばらく歩いている二人。
駅前通りを抜け、人気のない住宅街へ。

「さっき言ってた話って何?」

里沙が訊いた。
32【新スケバン刑事】 :03/04/08 02:55 ID:eTqxS4ol
「ええ、実は……」

サキが言いかけたその時だった。
一台の車が猛スピードで近づいて来て、2人の前に停まった。
中から男が3人現れる。
内2人は朝、里沙にからんでいた例の男達だ。

「サキさん逃げて!!」

「この人たちは何?」

「わからないけど、ここ何日か私を狙ってるみたいなの
あいつらの狙いは私、だからサキさんは逃げて」

サキは逃げない。
新垣里沙はセーラー服のスカーフを取り、片方に結び目を作る。
右手にもう片方を数回巻きつけると、背中でサキをかばうように3人からの盾になった。
サキはメガネをはずし、構えた。

「何なの!これは一体!

物陰に隠れていた麻琴は目の前の展開に驚く。

「あなた達、いい加減にしてよね」

里沙が叫ぶ。
襲いかかる男に里沙のスカーフが鞭のようにたたきつけられた。
転がる男。
続いて襲ってきたもう一人の男の拳をサキは冷静にさばく。
右正拳突きが入る。
33【新スケバン刑事】 :03/04/08 02:58 ID:eTqxS4ol
「ぐわっ!」

一撃で男は動かなくなった。
拳法?空手?どちらにしろ相当な使い手には間違いなかった。
新垣の動きも男たちに負けていない。こちらもかなりの”闘い慣れ”した感じだ。
だが、サキの方はそれ以上。
麻琴もいろいろとこういった現場を体験しているが、サキは単純に”強い”そんな感じだった。

3人目の男が胸ポケットに手をやった。
その手には拳銃が握られている。

「危ない!!」

麻琴は動いた。
シュッ!!
唸りを上げて振り下ろされる右腕。
その手から放たれた弾は、一直線に男の手の甲に当たった。

「うわ!!」

男の手から拳銃が離れた。
一緒にビ−玉が2つ、転がって落ちる。
サキは物陰の麻琴に気付き軽く会釈をした。
同時に拳銃の男に蹴りが入る。
吹き飛ばされるかという程の勢いでのけぞる男。
3人の男達は、3人の少女によって一瞬で倒されてしまった。

「早く!逃げましょう!!」

サキは里沙の手を引っ張った。
34【新スケバン刑事】 :03/04/08 03:03 ID:eTqxS4ol
「何なんだよ!あいつらは」

そう叫んで、麻琴もその場から走って逃げた。

********************

「サキさんって、めちゃめちゃ強かったんですね」

肩で息をしながら里沙は言った。

「あの男達は何?」

「私の事を狙ってるみたいなんです。
最初は偶然を装って、最近は堂々とあんな風に襲ってくるようになりました」

「そうなの……
実は私、あなたを護衛する為に派遣されてきたんです」

「私の護衛?」

「ええ」

サキはニコっと微笑んだ。
さっきの場所から数百メートルは走っただろうか?
それなのに、彼女は息一つ乱れていない。

「私、護衛なんか要りません、自分の身は自分で守れます。
護身術も習ってるんです、あんなくらいの男なら私負けません」
35【新スケバン刑事】 :03/04/08 03:05 ID:eTqxS4ol
「でも、任務なの
そして、それは私の運命……なのかもしれない……」

そう言って、サキは少しだけ目を伏せた。


中途半端なところで切れてしまった……続く
36名無し募集中。。。:03/04/08 17:56 ID:72iOEU2H
岡女でのセーラー服姿萌え
37【新スケバン刑事】 :03/04/09 02:18 ID:PQmDI9ZQ
「麻琴、学校どうだった?」

小川麻琴が家に着くなり、母親が近づいてきた。
その目は、一人娘が高校生活第1日目にしてどんな騒ぎを起こしたのだろうかという期待で満ち溢れているのが、麻琴にはありありと見て取れる。

「うん、まあ……色々あった」

とりあえず、そんな母親を喜ばすような今日の事件を話す訳には行かない。
拳銃を持った男たちと戦った……なんて話しをした日には、驚喜するに決まっているからだ。
麻琴は曖昧に答える事にした。

「とりあえず……変な子がいたんだ、見かけ弱っちそうなのに、やたら強いんだ
麻宮って言うんだけれどね……」

「えっ!」

母親の動きが止まった。
表情が見る見る変わる。
何時にない真剣な表情で彼女は訊いた。

「もしかして、その子「サキ」って名前じゃない?」

「知ってるの?」

「麻宮サキがお前の学校にいるのかい?」

「ええ、そうだけど……」
38【新スケバン刑事】 :03/04/09 02:19 ID:PQmDI9ZQ
「そうか……」
彼女は目を閉じ、しばらく考え深げに頷いた。
「多分、その子が私の知っている麻宮サキと関係がある子なら……麻琴、その子に協力してあげなさい。
私がかつてそうしたようにね
お前に子供の頃から仕込んだ”技”がきっと役に立つはずだよ」

そう言って彼女は娘の両肩を強く掴んだ。
娘の目を見つめるその瞳は、かつて”ビー玉のお京”として鳴らした頃の輝きから全く変わっていなかった。

********************

都内某所にある高級高層マンション
まるで高級ホテルのような豪華な造り。勿論住人もそれなりの階級の人が住んでいる。
一室でも数億は下らないであろう、そのマンションの最上階。
このフロアーを全て”彼女”が独占していた。

黒いスーツの男が、やってきてドアをノックした。

「どうぞ」

ドアを開けると、中に女性が2人。
部屋の両端に置かれたデスクにそれぞれ座っている。

「梨華様、お電話です」

男は手に持った受話器を渡した。

「……」

受話器を受け取るとすぐに彼女は顔を曇らす。
39【新スケバン刑事】 :03/04/09 02:20 ID:PQmDI9ZQ
「……わかりました。
次の指示を待ちなさい。追って連絡を入れます」

それだけ言うと彼女は電話を切った。

「失敗?」

もう一人の背の低い女性はそれを見て、困った顔をして肩をすくめた。

「みたいね……」

「愛様に報告しないと」

「そうね……」

”愛様”と呼ばれるその女性の秘書、梨華と真里は2人の机の間にある、大きな扉を少しだけ開いた。

2人の足音すら完全に消してしまうほど敷き詰められた絨毯。
奥にある広いリビングに、少女が一人いる。

「愛様……」

真里は恐る恐る声をかけた。

「失敗したの?」

彼女はまるでそれが当たり前なのかのように言った。

「申し訳ございません」

梨華と真里は同時に頭を下げた。
40【新スケバン刑事】 :03/04/09 02:24 ID:PQmDI9ZQ
「もういいわ、騒ぎが大きくなると面倒だし」

「消しますか?」

梨華が訊いた。

「消しちゃって」

そう言って笑う笑顔は、ごく普通の少女と何ら変わりがない。

「かしこまりました」

秘書2人はお辞儀をしたまま、静々と部屋を後にした。

愛は大きな窓の前に立ち、外の風景を見下ろした。
都心の町並み。
広がる景色を眺めながら、なぜか彼女はくすくすと笑い出した。

「仕方ないわ”彼女”に働いてもらわないといけないわね……」

翌日、同じく都内某所。
大小様々なビルが立ち並ぶ、そのビルの一つ。
柵もないビルの屋上に3つの人影があった。
そう、サキたちを襲ったあの男達……
男達3人は下をじっと見ている、表情は無い。
通行人が屋上の人影に気付く。
一人、また一人ビルの屋上を指差す。
その数が少しずつ増えてくる。
衆人の見守る中、男達は一斉に飛び降りた。
野次馬から悲鳴が上がった……
41【新スケバン刑事】 :03/04/09 02:26 ID:PQmDI9ZQ
新スケバン刑事〜少女武闘伝〜
第一話
「北海道から来た新入生・新スケバン刑事麻宮サキ登場!!」

終わり

次回予告

サキの希望で原宿を案内する麻琴。しかしそこで、以前麻琴ともめたことのある渋谷のチーマー達に出会う。
彼らは麻琴に復讐しようと、彼女を拉致しようとするが間違えて理沙を連れて行ってしまう。
理沙を救う為、サキのヨーヨーがうなる!!
次回 新スケバン刑事〜少女武闘伝〜
第二話
「さらわれた理沙」
乞うご期待

「この拳の餌食になりたい奴、前に出な!!」

というキャスティングでドラマ化きぼ〜ん
42名無し募集中。。。:03/04/09 02:38 ID:0kkYF5Ab
待ってました!

麻琴はビー玉のお京の娘。だったのか。
43名無し募集中。。。:03/04/09 02:40 ID:JcqqnJGK
水槌三姉妹はいつ登場するんでつか?
44名無し募集中。。。:03/04/09 07:40 ID:VHgRwMrH
期待あげ
45名無しサキ:03/04/09 14:54 ID:WSLzTq0g
>麻琴はビー玉のお京の娘。だったのか。

となると? 新垣は雪乃の娘だったりするんですか?
4645:03/04/09 15:08 ID:WSLzTq0g
>18
袱紗って何? 何て読むの? 雪乃が投げてるやつだよね?
その頃幼稚園だったんですが、てっきりスカーフかハンカチか投げてるかと
思ってました。「ハンカチ投げただけでこんなに痛いんだ?」とか思った。
47名無し募集中。。。 :03/04/09 15:34 ID:HuBVxfmg
(・∀・)イイヨイイヨー!
とくに麻琴視点ではなしがすすむのがイイネ。
なんつーか傍観者キャラだし。
期待してるよ。
48名無し募集中。。。:03/04/09 15:34 ID:KJ19+Ne1
>46
ふくさ


ファミ劇の放送開始に合わせたようなスレだね。
紺野は麻宮サキ役にぴったりだ。
ハロモニで1度でいいからパロディやって欲すい・・
49名無し募集中。。。:03/04/09 15:36 ID:Z+m/aE+H
>>46
「ふくさ」だよ。お茶の道具。

ちょっと懐かしい想いで読みました。続き期待してます。
そういば紺野って斎藤由貴に似ているものね。
50名無し募集中。。。:03/04/09 15:38 ID:Z+m/aE+H
ageちゃったうえに、かぶちゃったね。ごめんね。
51名無し募集中。。。 :03/04/09 16:03 ID:a8U/uG4P
>>1
紺野と斎藤由貴は確かに似てる
52名無し募集中。。。:03/04/09 18:41 ID:0kkYF5Ab
>49-51
細かいツッコミ、斉藤由貴。 スマソ

>48
やんねぇかなぁ、ハロモニ。
しかし、スタッフがファミ劇観てるとは思えんしなぁ。

あのころはみんな、スケ番じゃなくても、スカートの丈長いのな。
53【新スケバン刑事】 :03/04/10 00:19 ID:fXOTwzce
お詫びと訂正

>41

普通に入力すると絶対「理沙」って変換してしまいます。

 × 理沙
 ○ 里沙

何度も スマソ
54【新スケバン刑事】 :03/04/10 00:23 ID:fXOTwzce
ちょっと前に、2時間ドラマで斉藤由貴、浅香唯、遠藤久美子主演の推理サスペンスがありました。
エンクミには悪いが、「ああこれが南野陽子なら、夢の3ショットだったのに……」と思った

斉藤由貴といえば、紺野って若い頃の彼女に似てるなって前々から思ってたんです。
落ちちゃいましたがこんなスレもありました
【80'sアイドル】斉藤由貴+…+伊藤つかさ+…【紺野】
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/ainotane/1037251410/l50

斉藤由貴には失礼かもしれないが、紺野に娘役なんかさせたら面白いなー
そうかー斉藤由貴もそんな歳なんだなー

紺野といえば、この春から高校生(になる年齢)
セーラー服似合いそうだな

これらのバラバラな考えが、ある一つのキーワードで全部つながってしまいました。

「スケバン刑事」

麻宮サキの娘役で紺野
エージェントに南野陽子
3人娘。の後2人は小川と新垣
高橋は敵のボス
キャスティングに「娘。」メンバーを当てはめれば……

あっという間にこの話ができました。
全然話しが進まなくて申し訳ありませんが、ぼちぼちやりたいと思います
55名無し募集中。。。:03/04/10 02:40 ID:D1Ej9U8r
マジでおもしろいっスw
目立たない5期の小川、新垣、紺野を主役、んで敵ボスを高橋
んで矢口、石川が秘書ってのもかなりいいw
しばらくこのスレチェックw
56名無し募集中。。。 :03/04/10 20:41 ID:mCRS25x4
期待age
5745:03/04/11 10:21 ID:DWscnrN9
質問に対するお答えありがとうございます。
ところで、折鶴使いは吉澤でどうでしょうか? 彼女なら鉄板で鶴折れそうだよ?
5845:03/04/11 14:52 ID:DWscnrN9
ところでリリアンは何に使う道具なんだろう…? 編み物じゃないよな?
ましてバーベキューに使うわけでもなさそうだし?
59いつもの報告人 ◆xQ9aXAgxT6 :03/04/11 21:10 ID:GhcMV7eF
>作者様
小説総合スレで紹介&更新情報
掲載してもよろしいでしょうか?
60【新スケバン刑事】 :03/04/12 03:14 ID:afDih1GN
>いつもの報告人様

ありがとうございます

私の駄文が小説総合スレッド報告人様のお目にとまるなんて、光栄でございます

ただきっと今後の新作更新のペースが遅くなる事が予想されるので
(4月になって急に仕事が忙しくなった)
あんまり更新情報掲載の機会が少ないかもしれません

よろしくお願いいたします
61名無し募集中。。。:03/04/14 21:25 ID:BgXkw5S9
川VvV从<闇の中でのさばり続ける悪党ども

( ^▽^)<てめえらのような悪は許せねえ

川o・-・)<天に代わって成敗する

というキャスティングでドラマ化きぼ〜ん
62名無し募集中。。。 :03/04/15 23:15 ID:vf3kGUkV
ほぜむ
63名無し募集中。。。:03/04/16 20:51 ID:omDOzIti
>>58
∬´▽`) < 子供むけ編み物道具だよ。

川o・-・) < まこっちゃん、このスレでは吊り目で登場したほうが感じ出るよ。

∬´▽`) < じゃ、

∬`▽´)ノ < 子供むけ編み物道具だよ!

川o・-・) < でも何かちがうような気もする・・・ので、ぐぐってみました。

   htp://www.hanaichi.net/club/ririan/1page.htm
   htp://www.tnc.ne.jp/oasobi/oasobi02/25lilyyarn/01.html

川o・-・) < 私の記憶にあるリリアンはどうやら、「ニッチング」と呼ぶ道具のことだったようです。
       由真さんが武器にしていたのは、リリアンの「編み棒」なんですね。

∬`▽´)ノ < 編み棒の由真! じゃなかった、編み棒の麻琴!

川o・-・) < あなたはビー玉の麻琴なのでは?

∬´▽`) < そーだった。チャンチャン!

川o・-・) < お後がよろしいようで。以上、完璧な保全でした。

∬´▽`)ノ < ほな、さいなら〜
64名無し募集中。。。:03/04/17 22:25 ID:ZJGxxw25
>>54
それ見たよ。。。最後の5分だけ。。。(号泣
エンクミもfiveっつースケバン刑事みたいなドラマに出てたんだから仲間に入れてあげて!
65名無し募集中。。。:03/04/19 00:42 ID:LB/zPeVS
>>54
私も見てました。
見ながら、撮影スタッフはきっとスケバン刑事ネタで盛り上がっていたにちがいない
と勝手に妄想してました(w
当の本人たちはどうだったんでしょうかね。

なんてこと考えてたら、放送終了後、コロンビアあぼ〜んの速報が!
以後、チャンネルはCNNを中心に、あっち切り替え、こっち切り替え、
そんなこんなで徹夜になった日のことでした。関係ないけど。

>紺野といえば、この春から高校生(になる年齢)
>セーラー服似合いそうだな

岡女SPは観ました?
やっぱセーラー服は年齢ですねぇ。
みんなそれなりに似合ってた5期メン+辻加護に対して、
正直、飯田・保田あたりはちょっと……(w
66名無し募集中。。。:03/04/19 00:42 ID:LB/zPeVS
>>64
>fiveっつースケバン刑事みたいなドラマ
それ知らないわ。
「セーラー服反逆同盟」なら知ってるけど(w

歳なんてバレてもいいのさ(w
67名無し募集中。。。:03/04/19 04:36 ID:88Jjx9le
fiveも反逆同盟も知ってる俺はどの世代なんだろうw

しかし今更ながらサキ=紺野の配役には感心しきり
68名無し募集中。。。:03/04/19 08:46 ID:jRWrWpFZ
石川梨華主演の美少女仮面ポアトリンが見たい。プティットは勿論あいぼんで。
69山崎渉:03/04/19 22:58 ID:PCCn7KBb
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
70山崎渉:03/04/20 02:12 ID:udOYBORH
   ∧_∧
  (  ^^ )< ぬるぽ(^^)
第二話「さらわれた里沙」

次の日、学校へ登校中のサキの前に、黒いBMWが停まった。
黒いスーツにサングラスの女性。
中から現れたのは、五代陽子だった。

「あ、五代さん……」

「サキ、ちょっと来て」

陽子はサキを車に乗せた。

「サキ、この男達に見覚えある?」

陽子は3人の男の写真を手渡した。
サキにはその写真のに見覚えがあった。
昨日、サキと里沙を襲った男達だ。

「昨日私たちを襲った……」

「やはりそうね、この3人死んだわ」

「え?」

「昨日、ビルの屋上から3人一緒に飛び降りて、即死よ
目撃者がたくさんいるわ、警察は自殺として処理したけどね」

「やはり神狼会と関係が?」

「そういうことね。
三人が同時にビルの屋上から飛び降りるなんて不自然過ぎる。
それも、あなたたちを狙っていた男たちがね。
どういう方法を使って、この三人が自殺したのかはわからないけど、それが神狼会のしようとしている事に何か関係がある……そんな気がするわ。」

「神狼会の目的?」

「恐らく神狼会が関係しているのではないかと思われる、ここ数年内に起こった事件はね、
優秀な脳外科医だったあなたのお父さんを初めとして、精神科医、心理学者や催眠術師……
これらの情報と、私の部下だった捜査員の命がけの潜入捜査で得られた調査結果から
私達は、神狼会は何らかの方法で大量の人間を「コントロール」しようとしているのではないかと見ているの」

「里沙さんのお父さんも?」

「ええ、新垣教授は行動心理学の優秀な研究者だった。
特に人間の潜在意識に働きかける心理的な効果の研究を続けていたわ。
「ハロー効果」と呼ばれる「無意識のコントロール」の研究。
もしその研究で「成果を上げる方法」が見つかっていたとしたら……
そのために神狼会に狙われたのだと思うわ。
新垣教授が行方不明になった後でも里沙さんを狙うのは、その研究の関する重要なカギを彼女が握ってるのかもしれないわね」

******************************

麻琴はまだ昨日の出来事が信じられなかった。
麻宮サキについて母は多くを語らなかったが、麻宮サキという名前が何やら特別な名前であるという事はなんとなく理解できた。

「それが何か知りたかったら、自分で探りなさい」
母はそれだけ言った。
「でも間違いなく、お前を退屈させる事はないよ」

(いったい麻宮サキって何者なんだろうか?)
麻琴はそう言った母の言葉を思い出しながら、学校に行った。
廊下の向こうに、その麻宮サキが歩いていた。
一人の女生徒がサキに近づいてくる。

「あれ、紺野さんじゃない?」

「え?」

サキは驚いたように彼女を見つめた。

「覚えてない?一昨年の空手大会の準々決勝で闘った……」

「人違いですよ、私麻宮と言うんです……」

「あれ、そうなの、ゴメン。いやあんまり似てたもんだから……」

それを見ていた麻琴は、その女生徒に近いて訊いた。

「ねえねえ、さっき言ってた紺野って誰?」

「ああ、北海道出身の女子空手の選手よ
大人に混じって練習してたくらいで、北海道の女子空手界じゃ無敵だったらしいわ。
私は2年の時に準々決勝で対戦して負けちゃったんだけどね……」

「ありがと」

麻琴は彼女に礼を言うと、すぐに学校の図書室に向かった。
パソコンを立ち上げ、検索サイトにキーワードを入力する。

「紺野……北海道……空手……」
1000件近い検索結果が出た。
確かに「全国空手道選手権」女子個人組手の部で、北海道出身の「紺野あさ美」という選手が中学生の部と一般の部で優勝している。
麻琴は、その選手権が行われた翌日の新聞記事をデーターベースから検索してみた。
データーベースに保存されていた新聞記事にも小さく記事が載っていた。
切手くらいの大きさの写真もあり、そこもに小さく顔が写っている。
なんとなくだが、その写真の少女は麻宮サキに似ていた。

(なるほど、あれは空手だったんだ……)

昨日のサキの動きが空手のものであることは、これで間違いない。
彼女の隠された強さの秘密が一つ判った気がした。

******************************

麻琴が教室に戻ると、サキが辻と加護にからまれていた。

「ちょっと、麻宮さん、お願いがあるんだけど?」

「なんですか?」

「購買部にいってパンを買って来てくださらない?」

「ええ、いいですけど……」

じっと立っている

「何やってるの早く買ってきてよ」

「あ、あのお金は……?」

「ああゴメンネ私達お金持ってないから、出しといてちょうだい」
「私も持ってないんですけど」

「じゃあ、誰かに借りたら?」

「それくらい自分で考えなさいよ」

サキは仕方が無いという感じで気弱な笑顔を見せた。
辻加護のイジメにも従順に従っている。

「私が貸してやるよ」

麻琴が言った。

「ほら、これで買ってきな」

麻琴はサキに1000円を手渡した.。

「ありがとうございます」

サキは小さく言う。
あくまでも、気の弱いイジメられっ子を装っている。

「いいよ、お金はこいつらから返してもらうからさ」

そう言って、麻琴は辻と加護の二人を睨んだ。

「お、小川さん、お金は麻宮さんに返しておくから、彼女からもらって頂戴ね」

麻琴に睨まれて、慌てて辻が言った。

「いや、私は”お前達”に貸したんだ、”お前達”から返してもらうよ、いいね」
そんな会話を無視するかのように席を離れて購買部に向かおうとするサキに里沙が近づいた。

「どうしてあの2人に従ってるんですか?
サキさんくらい強かったら、あんな奴らすぐにでも……」

「いいのよ」

サキは言った。

「この前も言ったけどあいつら、中学の時からこうやって女の子をイジメては……」

「わかってる、でも事情があって、目立った事はできないの
強さを鼓舞するよりこうやっていた方が都合が良いんですよ」

北海道にいた頃若干13歳で女子空手の頂点に立った。
北海道の女子では一般の部を含めてもほぼ無敵と言われるまでになった。
しかし、いわれの無い他流試合の申し込みや、ケンカを売ってくる者など後を断たなかった。
強くなりたくて始めた空手だったが、強くなって良かった事など一度も無かったような気がする。

******************************

次は体育の授業だった。

「はーい、女子の体育担当の保田です。
今日は、初めての体育の授業ですから、みんなのチームワークを高める為にバスケットボールをします。
良いですね、じゃあチームに分かれましょう」

保田先生はクラスを適当に何チームかに分けた。
サキは辻と加護と同じチームになった。

試合は小川麻琴と新垣里沙がいるチームとだった。
試合は小川麻琴と新垣里沙がいるチームとだった。
試合が始まると同時に、加護がサキにぶつかってきた。
よろけるサキ。

「ちょっと麻宮さん、何やってんの!!」

「す、すいません……」

辻がサキにパスを出す。
投げられたボールは勢い良く、サキの顔面をめがけて飛んできた。
よけるサキ、よけた手にボールが当たり跳ね返ったボールが加護の顔面に当たった。

「ちょっと、麻宮さん何やってんの!!」

怒る加護
ボールを投げつける。
サキが思わずよけた手に当たったボールは、今度は辻の顔面に

「すいません、すいません」

大笑いする、麻琴と里沙
つられて他のクラスメイトも笑い出す。

「大丈夫ですか?」

サキは辻と加護に駆け寄って謝った。

「す、すいません、わざとじゃないんです……」

しかし、麻琴はボールが当った瞬間に、サキが微妙に跳ね返る角度をコントロールしていたのを見逃していなかった。

(やるな……こいつ……)
授業が終わり、サキが一人水道で顔を洗っていた。
麻琴は周りに人が居ないのを確め、彼女に近づいた。
サキに手に持っていたタオルを手渡す。

「あ、ありがとう……」

タオルを受け取り、サキは言った。

「あんた何者だい?」

豪を煮やした麻琴は直接サキに訊いた。

「何の事ですか?」

「とぼけるんじゃないよ、私は見てたんだからね」

「やっぱり、あなたでしたかあの時は助けてくれてありがとうございます」

丁寧に頭を下げる
知らない人が見たら、麻琴がサキをイジメているようにしか見えないだろう。

「あんた、スケバン刑事なんだろ?」

そう言った瞬間だった。サキのそれまでの気弱なイジメられっ子の雰囲気が一変した。
一瞬にしてその手が麻琴の喉元を掴んだ。
恐ろしいまでの彼女の殺気。メガネの下の目つきがさっきまでとまるで違う。

「なぜそれを知っている」

「ちょっと、待って……話すから、この手を……離して……」
あとちょっとサキが力を入れたら、麻琴は喉の筋肉を握りつぶされていただろう。
答えによってはそれを躊躇わずにやる……そう思わせるまでの恐ろしい殺気だった。
力を少しだけ弛められた麻琴は激しく咳き込む。

「うちの母親が昔、麻宮サキと一緒に闘った事があるんだって言ってた。
麻宮サキはスケバン刑事の名前だと教えてもらったんだ」

「そうなんですか……」

彼女の殺気が消え、元のイジメられっ子に戻った。

「でもこれ以上私に構わないほうが良いと思います。危険な目に会いますよ」

「そういう訳にはいかないんだよ」

「どうしてですか?」

「なんだか面白そうだから」

小川麻琴はそう言って笑みを浮かべた。

「うちの母親が、騒ぎとか揉め事とか大好きなんだ。
やだねーそんな血を引いてるのか、わくわくしちまってんだよ。
麻宮サキに付き合ってたら、退屈しない高校生活を送れそうだ……ってね」

「でも、これは普通の市民が知ることの無い事件。
何か起きてもあなたの命までは守れません
それでもいいんですか?」
「いいよ、自分の身は自分で守る。
そのためにガキの頃から”技”を仕込まれてんだ。
私の名前は小川麻琴って言うんだ。通り名はビー玉のマコ、よろしくな」

そう言って、麻琴は手を差し出した。

「麻宮サキです。よろしくお願いします」

二人は固い握手を交わした。


続く
81名無し募集中。。。:03/04/20 20:38 ID:nlaRAXnT
82名無し募集中。。。 :03/04/20 20:56 ID:8ZoUTg1R
この作者さん
デットオアアライブさんじゃなの?
83名無し募集中。。。:03/04/20 21:08 ID:rnpaIX46
ちなみにデッドオアアライブさんの作品

【小説】 ★★ 『ハロプロ』バトルロワイヤル★★
http://tv2.2ch.net/ainotane/kako/1011/10110/1011018323.html
★★【小説】 ☆☆【 BATTLE AFTER 】 ★★
http://tv2.2ch.net/ainotane/kako/1026/10262/1026256054.html
8482:03/04/20 21:25 ID:8ZoUTg1R
>>83

おおっ。battle after 読みたかったのよ!
どこかのログは200レス弱しか残ってなくて・・・
ありがとん
85名無し募集中:03/04/22 16:24 ID:qo7TcvaH
シゴクイイ!!

マジドラマ化キボーン
86名無し募集中。。。:03/04/22 16:39 ID:ZlFRRrCy
新垣は一生鉄仮面で生活してて下さい
87名無し募集中。。。:03/04/22 17:14 ID:ZlFRRrCy
先ほどはスレタイだけ読んでのレス失礼!
面白いです、愛様はやっぱり青い目の人形を抱いてるんでしょうか?
もしかしたら「あすか組」の敵ボスと混同してますが。

あと出ていないキャラは「リリアン」と「折り鶴」と「新聞部」
でしょうか?蟹江敬三の役が南野洋子なんですね、もしかしたら
作者さんはCSかCATVでファミリー劇場を見たのでは?再放送で
二代目をやっていまね、笑いながら私は見ています。
88名無し募集中。。。:03/04/22 20:53 ID:6REWsZ5O
>>87
南野陽子だ、氏ね
>>64

FIVE……設定見て期待して見ましたが、出演者がなんだか大根ばっかで幻滅しました
もっと、こうチャーリーズエンジェルとかスパイ大作戦(ミッション・インポッシブル)の日本版みたいなのを期待してたんだけど

>>67

ありがとうございます

>>68

ポワトリン……スマソ

>>82

残念ながら違います
ただ、以前他に「娘.。」小説は書いた事があります。

>>88

ええっと、「スケバン刑事」は結構リアルタイムだったりします。
歳なんてバレてもいいのさ(w

>あと出ていないキャラは「リリアン」と「折り鶴」と「新聞部」

「折り鶴」は次回登場予定です。
後は考えてません。
ってゆうか、「娘。」メンバーですら無理矢理出演させてたりしますんで
更に「スケバン刑事」出演者まで全員出そうとすると、話が訳わかんなくなりそうなんで
90名無し奈々氏:03/04/25 11:05 ID:2jD3PGKf
実生活では・・・

折り鶴の人:借金あり(返済ずみ?)
リリアンの人:バツイチ

ちょっとシャレになりませんな。登場する時には荒れてないことを祈ります。
91名無し募集中。。。:03/04/26 03:19 ID:75YAQC+Z
-こんこん練習中-

川o・-・)ノ――――@" クルクル〜
川o・-・)ノ@ パシッ
川o・-・)ノ――――@" クルクル〜
川o・-・)ノ@ パシッ
川o・-・)ノ――――――――――――――@" クルクルクル〜
川o・-(@≡≡  ビシッ!!

川o・-・) ……

。・゚・川ノД`o)・゚・。うぇぇぇ…
92名無し募集中。。。:03/04/27 03:58 ID:wORmFPAk
川o・-・) ア〜 イタカッタ

川o・-・)<気を取りなおして、保全をかねて無駄話を


川o・-・)<斉藤さんがCMやってたのは NEC PC-88VA

川o・-・)<南野さんがCMやってたのは 富士通 FM77AV

川o・-・)<浅香さんがCMやってたのは 沖電気 if-800

川o・-・)<BASIC全盛のころでしたね


川o・-・)<あっ

川o・-・)<もちろん私、紺野あさ美が当時を知っているわけじゃないですよ
       そんな生まれる前のこと
93木村一八:03/04/28 22:48 ID:Dt8IuOG8
PASOPIA 保全
94岡田有希子:03/04/29 00:40 ID:e9q+k76I
>>93
IQでポエムしちゃった♥
95名無し募集中。。。:03/05/03 00:16 ID:nae3/u4d
川o・-・)<保全しときますね
96【新スケバン刑事〜少女武闘伝〜】:03/05/04 02:31 ID:6I6pDw1c
「父は心理学者だったんです」

里沙は言った。

「サブリミナル効果って知ってますか?
顕在意識には知覚されないが潜在意識には届く、特殊な刺激により潜在意識を活性化させる手法
簡単に言えば、無意識をコントロールする方法なんですが、
父はその研究をしていました。
実際にサブリミナル効果では、簡単な決定事項にしか影響はありません。
のどが渇いて、ジュースを買う。コーラかオレンジジュースかどちらか選ぶ。
そんな簡単な決定事項に効果が出る程度なんです。
それによって、人格や意思の全てをコントロール出来る訳ではないんです。
でももしそれができるなら?
父が研究をしていたのは「ハロー効果」という「サブリミナル効果」に「自己暗示」を組み合わせた「意識のコントロール」
これなら集団の意識のコントロールが可能と考えていたようなんです」

「そういう研究者が次々に行方不明になっているのよ」

サキは言った。そう言う彼女の父親も、その中の一人だ。

「あの男達は、父の研究をまとめたレポートのありかを探しているようです。
父は私にそのレポートを預けたらしいんですが、だから執拗に私を狙ってきているんです。
でも私には覚えがありません。
でも、サキさんがあいつらを追い払ってくれたおかげで、あれから来なくなりましたね」

「そうですね」

サキは微笑んだが、その3人が既に謎の自殺をしていることを言えないでいた。

「せっかく、何時あいつらがやってきても大丈夫なように、特製スカーフにしてるんだけどなぁ」
そう言って里沙はサキにスカーフを見せた。
一見、普通のスカーフだが中に細い鎖が織り込まれている。
引っ張るとその鎖が寄り集まり、かなりの強度になる。
これでムチのように使えば十分な武器だ

「あ、そうだサキさん。今日私の家に来ませんか?
家と言っても、下宿させてもらってる先なんですけど
私、母が死んでから父と二人暮らしだったんですが、その父が行方不明になって
しかも、家は何者かに荒らされてぐちゃぐちゃになっちゃうしで……
護身術を習ってる道場の師範に相談したら、師範の家に下宿させてもらえる事になったんです。
その師範にサキさんの話をしたら、ぜひ連れて来なさいって」

「ええ、いいわよ」

彼女の下宿先は倉庫のような建物だった。
どうやらそこが道場になっているようだ。
すぐ横に玄関があった。
建物自体は倉庫風だが玄関や入り口は普通の民家の物と変わらない。
建て方からして以前、工場か倉庫だった建物とその事務所を改造して住居にした……そんな感じだ。

「ただいま帰りました」

里沙が言うと、奥から一人の女性が現れた。

「おかえり、里沙」

「先生、昨日話をした麻宮サキさんを連れてきました」
理沙の言っていた師範というのはどうやらこの女性のようだった。
髪の長い目の大きな美人。
こんな大きな道場の師範をしているとは、とても思えない。
彼女は微笑みながら、右手を差し出した。

「いらっしゃい、お待ちしてましたわ。
あなたが麻宮サキさんね?」

差し出したその掌が一瞬、鋭い手刀へと変化した。
サキはとっさにその手を掴む。
身を反転させて関節を決める。
しかし、師範は関節を決められないように体を回転させた。
同時に左手がみぞおち辺りを掴んでくる。
サキは冷静にその手をさばいた。
更に右足のハイキック。
連続するその技に覚えがあった。
サキは身をかがめて足を避け、しゃがみながら師範の軸足を払った。
彼女はバランスをくずすも、ぱっと身を離す。
つい最近、散々訓練させられた一連の動き。

「風魔鬼連組手」

たとえ武器を失っても、両手両足の一撃必殺の技を連続して繰り出す事により、確実に相手を仕留める。
いや、相手を仕留めるまで技を繰り出し続けるという、地獄の連続技。
暗殺を目的とした古武道……すなわち「忍術」の一種

「さすが、麻宮サキを名乗るだけあるわね、受け払いは完璧だわ」

サキは黙ったまま、彼女を睨んだ。
「いきなりこんなことしてごめんなさい、新しい「麻宮サキ」の実力を見てみたかったの。
随分風間教官に鍛えられたみたいね。「風魔鬼連組手」をここまで凌いだのは素晴らしいわ」

髪をかき上げながら、彼女は言った。

「はじめまして、私は風間格闘術道場の師範、風間結花と言います。
あなたを訓練した特殊教練課の風間教官は、私の妹なのよ」

「ああ、あなたが……」

彼女に付いては特殊教練課の風間教官に聞いた事があった。
風間教官は若くして、しかも女性にもかかわらず、いかつい体格の男性相手に高度な格闘術を教えている。
それも様々な実戦を潜り抜けてきた百戦錬磨の警官相手である。
なぜ彼女にそんなことができるのか、サキには大きな疑問だった。
その理由は彼女が代々「忍者」の家系に生まれ、幼い頃から特殊な訓練を叩き込まれてきたためと教えてもらった。
彼女の持つ高度な技術とは、「忍者」が実際に確実な暗殺を行う為に積み上げられた技術の集大成。
彼女に教えられる特殊任務を行う特務警官は、誰一人として彼女に勝つ事ができなかった。
30歳そこそこの小柄な美人の女性を前に、アメフトの選手のような体つきの男たちが手も足も出なかったのである。
そんな風間教官は自分より強いと思った女性が3人いると言った。
一人は特殊捜査課のエージェント「2代目麻宮サキ」の「五代陽子」。
2人目はすぐ上の姉「由真」
そしてもう一人は三姉妹の長女「結花」
彼女は現在「忍者」の一族「風魔鬼組」の頭領を務めていると聞いた。
その彼女が里沙に格闘術を教えた師範だったのだ。

「普段はこうやってみんなに格闘術を教えているのよ」

結花は言った。
「サキさんスゴイです!!
私なんか、さっきの技全然かわした事無かったですよ」

「里沙もねうちの道場じゃかなりの腕前なんだけど」

そう言って、結花は里沙の頭を撫でた。

「それでも鬼連組手はなかなか破れないのよ。
まあ、鬼連組手の技の稽古をつけられる段階ですでに凄いんだけどね」

******************************

都内某所……とある高級マンションの最上階

真里と梨華の部屋のドアが静かに開いた。
そこに一人の少女が無言のまま立っている。

「来たわね」

「早速、愛様に……」

真里と梨華は互いの顔を見合わせて頷くと、大きなドアを開き、その少女を中に案内した。

「愛様、”ナンバー5”が参りました」

真里と梨華はうやうやしく頭を下げた。
”ナンバー5”と呼ばれたその少女は、無表情のまま黙って立っている。

「待ってたわ、早速あなたには働いてもらうわよ」

ナンバー5は相変らず表情を変えない。
愛はそれが当たり前かのように、彼女に話しかける。

「新垣教授が残した「ハロー効果」の研究データー、必ず探し出して頂戴。いいわね?」

ナンバー5は無言のままうなずいた。

******************************

続く……前振りが長くて申し訳ありません。
2話のタイトル「さらわれた里沙」とか言っときながら、ちっともさらわれませんね。
次回でやっとさらわれます(w
102名無し募集中。。。:03/05/04 21:19 ID:5cPJxMyF
交信乙彼ちゃ〜ん!
スケバソ刑事世代のヲサーンには堪らないでつ。
次回交信楽しみにしとりますぞ。
103 :03/05/05 13:46 ID:YQ9h/Vqz
うんこれ面白いっすね!
昔ナンノファンだったw
104名無し募集中。。。:03/05/07 00:03 ID:gFD96Yip
川o・-・)<16歳になりますた。
105名無し募集中。。。:03/05/07 19:21 ID:cerN5sKN
こんこんおめでとうこんこん
106sage:03/05/08 00:33 ID:EFWKASUq
ハイブリッドレコーダ買って、スケバン刑事SAGAをディスクに落としました。
CMはカットしたし、画質劣化もないからBGVに最適。

このスレ、楽しみにしております。
「なあ、サキ、里沙、今日授業終わったらどっか行かないか?」

午後の休み時間、サキと里沙の元にやって来た麻琴が訊いた。

「?」

サキはしばらく考えた後、答えた。

「私、渋谷とか原宿に行ってみたい」

「あ、渋谷はちょっと事情があってダメなんだ、原宿ならなんとかいいけど
連れてってやろうか?」

「うん、どこでもいい」

サキはその時初めて、普通の高校生らしい笑顔を見せた。

授業が終わると、3人は教室を飛び出し原宿駅に向かった。
駅を降りて竹下口から竹下通りに向かう。
学校帰りの時間帯ということもあって、通りには彼女たちのような制服姿の学生も多い。

「なんか食べませんか?」

いろんな店から流れてくる食べ物の匂い。
里沙はお腹を押さえながら言った。

「そうだな、サキ何がいい?」

「わたし、こういうとこ初めてだから……何でもいいです」
3人はアイスクリームやクレープ屋の前で食べたり飲んだりしながら歩いた。
ウィンドーショッピングをしたり、アクセサリーショップで足を止めたり。
ふざけ合う麻琴と里沙を見ながら、サキは目を細める。
ぶらぶら歩きながら、3人が明治通りに出た時だった。

「お、お前!、ビー玉のマコじゃねえか!」

そこにチーマー風の若い男が5人、3人の前に立っていた。

「あちゃー」

その男たちの顔を見て、麻琴は頭を抱えた。

「マコ。この前はひどい目に合わせてくれたな!」

「この人たちは誰?」

サキが訊いた。

「この前、大喧嘩した渋谷の連中……こっちまでは来ないと思ったのに」

麻琴はすまなそうに言う。

「ちょっと来い!」

男は麻琴の手を掴んだ。

「離せよこのタコ!、お前たちまたやられたいのか?」

麻琴はその手を振り払い、キッと睨みつける。
「なんだと!」

「お前達みたいなタコが10人束になっても無駄だよ。
またやられたいのなら相手になってやるぜ
でも今日は見逃してやるから、さっさとどっかに行きな!!」

「……」

男たちは黙っている。

「さあ、ここでまたやられるのか、どこかに行くか、どっちか選ぶんだな」

麻琴は強気に言う。

「じゃあ、行くよ」

麻琴はサキと里沙の手を引っ張って歩き出した。

「3ヶ月ほど前にね、原宿で同じ中学の友達があいつらに絡まれててね
助けようとしたら、仲間が現れて結局10人くらいを相手にケンカしたのよ
でも、そいつら私一人で倒しちゃったんだけど
男が10何人と中学生の女の子一人だったんで結構騒がれちゃってね
だから、私は渋谷はもう歩けないのよ」

「へー、マコさんすごいんですね」

しばらく歩いていると、一台の車が近づいてきた。
丁度、里沙が麻琴と立ち位置が入れ替わった時だった。
車のドアが開き、男の手が里沙の腕をつかんだ。

「あ!」
突然の事で驚いた里沙は、そのままバランスを崩す形で車の中に倒れこんだ。
男たちは里沙の身体を後部座席の中に引きずり込むと、急いでドアを閉めた。

「里沙!!」

麻琴は車の後を追って走り出した。
サキはとっさに車のナンバーを記憶する。
携帯を取り出し、すぐに五代に連絡した。

「車のナンバーは××××、車種は×××、白のセダン、そうです……」

麻琴は数十メートルほど走ったが、さすがに車のスピードには敵わず、里沙の乗った車を見失ってしまった。

「ダメだ見失っちゃったよ」

肩で息をしながら麻琴は戻ってきた。

「大丈夫、ナンバーで手配かけたから、持ち主はすぐわかるわ」

サキがそう言ったと同時に携帯が鳴った。
五代からだった。

「サキ、車の持ち主がわかったわ。
杉村のぼる……住所は渋谷区宇神谷町の工場街ね」

「ありがとう、五代さん」

サキは礼を言った。

「マコさん、杉村って知ってる?」
「ああ、連中のリーダーだった男がたしかそんな名前だった」

麻琴は答えた。

「間違い無いわ。里沙さんは恐らくそこね、行きましょう」

サキは腕にはめているリストバンドをはずした。
一見テニスとかで使う普通のリストバンドだが、テーブルに置いた時、ゴトリと音がした。
セーラー服の下にはベストのような肌着を着ている。サキはその肩と脇の下にあるマジックテープをはがした。
その肌着はゴトリ、とまた音がして床に落ちた。
靴と靴下を脱ぐ。靴下の下にも腕と同じようなリストバンドを付けている。
スカートの下、太腿の辺りにも大きなサポーター状のものを巻いている。
麻琴はその一つを持ってみた。

「お、重い」

服の下にまいたベルト、脱いだ靴も普通の物ではない。
両腕、上半身、腰、両腿、両足
見かけではわからないように作られているが、それぞれが1キロ近い重さがある。
サキは普通のセーラー服の下、見えない部分にこれだけのウエイトを仕込んでいたのだ。
全部数えるとその重さは10キロ近くにもなった。

「サキ、あんたいつもこんな物付けてたの?」

サキはにっこり微笑むと、鞄からカンフーシューズを出して履き替えた。
二、三度軽くジャンプする。
手首や足首も軽くほぐす。
そして、両手に黒い皮の手袋。
拳の部分にはメリケンサック状の金属の突起。掌にも金属の板が貼り付けてある。

サキはポケットからヨーヨーを取り出し、右手に握り締めた。
メガネをはずすと、弱々しいイジメられっ子の顔が「戦士」の顔つきに変わる。
戦闘準備は完了した。

「行きましょう、マコさん」

そんなサキの顔を見て、麻琴は鳥肌が立つほどゾクゾクしている自分を感じていた。
ケンカや揉め事が大好きな姉御肌の母親、元ビー玉のお京が若い頃「麻宮サキ」に心酔していたという話が、麻琴に理解できたような気がした。

「ああ、行こう」

そう答える麻琴も「戦士」の顔つきに変わっていた……

続く
113名無し募集中。。。:03/05/11 23:44 ID:fvP36yRG
わくわく
114名無し募集中。。。 :03/05/12 02:12 ID:rGPWuTlw
オイラも鳥肌立ちますた
115名無し募集中。。。:03/05/14 13:41 ID:hTXHM6rU
hozen
116:【新スケバン刑事〜少女武闘伝〜第二話】:03/05/15 02:32 ID:WSbu3iFV
宇神谷町の工場街。
しかし昨今の不況で工場は次々と倒産し、その跡地にはマンションがどんどん建てられている。
そんな一つ。
誰もいない廃工場。
20人位の男と真ん中に里沙が猿轡をされ、両腕を後手にぐるぐる巻きにされ、転がされている。

「麻琴の携帯の番号はわかったのか!」

男の一人が叫んだ。
十数人いる男たちの中でもひときわ身体が大きい。
金と茶のまだらになったドレッドに、鼻や耳や口にいくつものピアス。
どうやらこの男が、リーダーのようだ。

「今調べてるんで、もうちょっと待ってください」

男の一人が言う。

「バカ野郎、間違えて別の女連れてきやがって
しかも、こんなガキ犯す気も起きねえ」

「うー、うー、うー!!!」

里沙は猿轡の下で叫びまくっている。
足をバタつかせて暴れる。

「静かにしろ!」

リーダーが里沙の腹を蹴った。

「うぐっ……」

変な声を出すと里沙はおとなしくなった。
「くそっ!むかつく
早くしないか!!」

リーダーはイライラしながら歩き回る。

その時、工場の倉庫の奥の方から音が聞こえてきた。
シューン、ガチッ……シューン、ガチッ
金属と金属がぶつかり合うような音。

音のする方にはセーラー服姿の少女が一人立っている。

その手に握られているヨーヨー。

シューン、ガチッ……シューン、ガチッ

戻ってきたヨーヨーは、グローブの掌の金属板にぶつかって重い音を立てる。
彼女は男たちのいる真っ只中に1歩1歩近づいて来た。

「おいおい、何しにやって来たんだ」

男の一人が近づこうとした時、彼女の手元のヨーヨーがうなりを上げた。

「グエッ!」

重合金製のヨーヨーは一撃で男を倒す。
ざわめき出す男たち。

「だ、誰だ!お前は」

彼女は男達を睨みつけた。
「天王洲高校1年B組麻宮サキ。
またの名を7代目”スケバン刑事”
なんの因果か母娘そろってマッポの手先。
だがな、母親より名前と共に受け継いだ熱い血と、代紋入りのこのヨーヨーが
てめーらみたいな悪党を許せないんだよ」

サキは右足を前に出して、腰を軽く落とした。
左手を引き、正拳突きで右拳を前に出す。

「エイヤッ!」

拳と共にヨーヨーを男達に向ける。
仕掛けてある小さなスイッチを押すと、ヨーヨーの片面が開いた。
そこに現れたのは「桜の代紋」
サキはすぐに蓋を閉じ、ヨーヨーを握った。

「この拳の餌食になりたい奴、前に出な!!」

「お前のようなガキが一人で、これだけの人数相手に何やろうってんだ」

リーダーが叫んだ。

「やっちまえっ!」

襲いかかる男達。
サキはヨーヨーを握り締めた。
重合金製のヨーヨーはかなりの重さがある。
特製グローブの突起とヨーヨーの重さがプラスされ、サキの拳の破壊力は格段にアップする。
「あなたには”具錬功”は向いていないようね……」

溜息をつくように、風間唯は言った。
「スケバン刑事」になるための特訓をした風間教官が、彼女に下した結論だった。
”具錬功”とは風魔でいう「道具を使った闘い方」の奥義である。
忍者は刀や手裏剣は元より、棒術や槍術、小刀やくない、手甲鉤といったポピュラーな物は当然。
更には釘や金具、小枝や石といった身近な物に至るまで、あらゆる物を己が武器とする能力を求められる。
風間教官の二人の姉が鋼鉄製の折り鶴やリリアンの編み棒を使う技術も、彼女達が極めた”具錬功”の奥義の一つなのだ。

元々空手の選手でもあった”紺野あさ美”には、どうもこの”具錬功”が性に合わなかった。
「あくまでも拳で闘いたい」そう願う彼女の為に、風間教官は早々に”具錬功”に見切りをつけ、「武器を使わない闘い方の奥義」”無手錬功”に切り替えた。
”無手”とは本来「剣の奥義を極めた達人」にのみ達せられる境地。
しかし、風魔では「格闘術」としての”無手”が早くから発達していた。
「素手でも相手を倒す」というのは忍者の必須技術の一つと考えたからだ。
格段に高い格闘センスを持つ彼女は、この奥義を乾いたスポンジのごとく吸収した。
「格闘戦」に限って言えば、風間唯でも彼女には敵わなくなるほどであった。

「これからはこれで闘いなさい」

訓練の最終日、晴れて”麻宮サキ”となった彼女に、風間教官は特注で作らせたグローブを手渡した。
重合金製のヨーヨーのウエイトが、その拳の破壊力を増すようにと工夫されたグローブだった。

不用意にサキの前に飛び出した不幸な男たちは、その拳の前に次々に倒されていった。
そして暗闇から放たれるビー玉。

「うわっ!」

「私もいる事を忘れてもらっちゃ困るね」

そう言いながら現れたのは、小川麻琴。
同時に放たれるビー玉は、次々に男たちにヒットする。
サキは男たちを避け、既に里沙の所に来ている。
麻琴の援護している間にすばやく縄と猿轡を解いた。

「さあ、里沙さん逃げて!!」

「嫌です、私もサキさんといっしょに闘います!」

そう言って里沙はスカーフを解いた。
生地の中に細い鎖が織りこまれた特殊スカーフ。

「サキさん、肩を借ります!!」

里沙はそう叫ぶと跳躍した。
右足一本のジャンプでサキの背の高さまで飛び上がると、左足でサキの肩を踏み台にして更に高く飛翔する。

「軽功跳飛」

片足一本で生卵の上に立てるくらいのバランス感覚。身体の重心を完全にコントロールする事で可能となる技「軽功」
「軽功跳飛」とは、この技を極める事で弱い力でも高く飛べる跳躍術。
「忍者」が高い壁を飛び越えたりするために、鍛えられた技。
里沙が風間三姉妹の長姉、結花から伝授された数々の奥義の一つだ。

里沙の身体が地上に舞い下りた時、4人の男がスカーフの鞭の餌食になっていた。
サキの拳が次々と決まる。
麻琴のビー玉が2人の援護射撃をする。

20人近くいた男達はあっという間に一人になった。

「お、お前らいったい……」

残ったのはリーダーのみ。
「マコさん、こいつはどうしますか?」

サキが訊いた。

「私にやらせてくれ」

麻琴は男にケリを入れた。男はその足をつかむ。
間髪をいれずに麻琴は片足を掴まれたまま、もう片方の足で男の頭を蹴った。
思わず掴んでいる手を離す。
さっと起き上がり、ビー玉を構える。

「待ってくれ、お前達には敵わない。悪かった許してくれ」

男は両手を上げた。
だが、麻琴はそれを無視してみぞおちにキックを食らわせた。

「グエッ」

唸り声を上げて、男は倒れた。

「いいか、もう2度とこんなことすんじゃねえぞ。
これからこの3人がお前らのようなグループを全部潰して、関東一円をシメる。
ここにいる麻宮サキがその大ボスになるんだ。よーく覚えておきな、」

「ちょ、ちょっとマコさん何言い出すんですか!やめて下さい」

「いいのいいの、こういう奴らにはこれくらい言っとかなきゃ
それにさ、”スケバン刑事”って言うくらいなんだから、本当に”スケバン”にならなきゃ」

「んもお……」

サキは頭を抱えた。
新スケバン刑事〜少女武闘伝〜
第ニ話
「さらわれた里沙」

終わり

次回予告

「神狼会」が裏で糸を引く英会話教室に潜入したサキ。
そこでサキはついに「神狼会」のボス高橋に遭遇する。
とっさの判断で高橋の洗脳から逃れたサキだったが、そんなサキに最大の敵”ナンバー5”が襲いかかる。
そして五代陽子はその”ナンバー5”の顔を見て驚くのだった……
果たして”ナンバー5”の正体とは?

次回 新スケバン刑事〜少女武闘伝〜
第三話「最大の敵・”ナンバー5”登場!!」

乞うご期待

「この拳の餌食になりたい奴、前に出な!!」

というキャスティングでドラマ化きぼ〜ん
ええっと、こんな感じでぼちぼち書いてますが、こんなんで良いんでしょうか?

ちょっと心配……

ご感想をおながいします
124名無し募集中。。。:03/05/17 22:11 ID:0ZnnldqK
>>123
いいですよ。楽しみにしています。
作者さんの好きなように書いちゃってください。
なんだ感想書いといたほうがよかったのか。
もうね、引き込まれちゃってるから余計な口出し無用って思っちゃうのよね。
126名無し募集中。。。:03/05/18 23:06 ID:dayCVYGs
>>123
おおおっ、更新されているっ!!
ってことで、続きを一気に読ませていただきました。

とても面白いです。最初はアレ?と思ったキャスティングでしたが、
いつのまにかそれぞれの役にピッタリと思えるようになりました。
早く、続きが読んでみたいです。
ありがとうございました。
127マシュー南:03/05/19 00:24 ID:Bz1kWZQg
ツボにズッポリハマってマス

ところでサキ(紺野)は7代目なんでつか?
128名無し募集中。。。:03/05/19 21:53 ID:/GKSJOAc
見せ場のアクションシーンですね
ヨーヨーの音と共に暗闇からサキが登場するシーンがカッコイイです。
キュルルルルルッ!パシッ!  キュルルルルルッ!パシッ!
紺野サキの格闘アクションは反逆同盟の仙道敦子を彷彿させますね。
ファミ劇での2の再放送と平行して楽しんでます。

ところで作者の方は本編と予告の間に入るED曲はどれをイメージして書いてますか?
初代つながりということでやっぱり白い炎あたりでしょうか。
亀レスですいません

>>124
>>125
>>126

ありがとうございます。
誰も読んでなかったりしてなんて、思ったりしたもんですから

>>127
>7代目なんでつか?

理由は追々明らかになる予定です。

>>128

>キュルルルルルッ!パシッ!  キュルルルルルッ!パシッ!

しまった、こっちの音の方が臨場感がある

>ところで作者の方は本編と予告の間に入るED曲はどれをイメージして書いてますか?

「楽園のDoor」(南野陽子)かな?
歴代の曲の中では最高に「カッコイイ曲」だと思います。
ちなみに一番好きなのは「Believe Again」(浅香唯)
一番の名曲だと
130名無し募集中。。。:03/05/22 12:32 ID:bp06FbSy
紺野が7代目ということは
きっと何人かのスケバン刑事がフォースの暗黒面に(ry
131名無し募集中。。。:03/05/23 21:48 ID:4a6leiDo
7代目に関しては序盤に南野が斉藤との会話の中でこう語ってたよ
>私も、部下を2人亡くしました。
以後、超合金ヨーヨー同士がぶつかり合う音が聞えてきそう
まだ登場してない娘メンは安倍、吉澤、6期。”ナンバー5”とは誰だ!
132名無し募集中。。。:03/05/23 22:30 ID:DrxF4Scn
細かいことだが2代目(南野)は
五代陽子も仮名で本名は早乙女志織だぞ!
133名無し募集中。。。:03/05/24 08:50 ID:ZNTkPb/t
失敗の報告にきた部下に愛様のヨーヨーがしなやかに炸裂
134名無し募集中。。。:03/05/26 20:52 ID:3jMgSEk1
人は傷つけあい 夢を覚えていくの 天使じゃない
くじけた時にしか 見えないものあるよね 青春は
涙の止め方 上手くなるより もっと深く今を知りたい

※Believe Again
失くすものさえ ない今が強くなるチャンスよ
だから Try Again 歩いて行くの もう一度
いつか夢は現実になるから

膝を抱えながら なぐさめの内側に 逃げ込んでた
悲しみの結び目 解けるのは自分の 両手だけ
大人になる度 孤独の長さは そっと深く延びていくけど

Believe Again
心の中を 新しい風で満たしたいよ
だから Breath Again 信じることが大事ね
ツライ夜は長く続かない

※Repeat
135とも:03/05/26 20:53 ID:aiprj8GF
136_:03/05/26 21:14 ID:d3YBUoHb
137名無し募集中。。。:03/05/27 17:49 ID:l9C8D3jy

   ∋oノハo∈
    川o・-・) 燃やせ!燃やせ!真っ赤に燃やせ!
    ( ゚。ヽy/。゚_ゝ  怒る心に火をつけろ 倒せ!倒せ!力の限り
    <,,ノ∞ヽU   お前の空手を見せてやれ!
    /___/__|
138山崎渉:03/05/28 09:05 ID:dhYNjlbJ
     ∧_∧
ピュ.ー (  ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
  =〔~∪ ̄ ̄〕
  = ◎――◎                      山崎渉
139ダイモス:03/05/29 09:55 ID:ijgBqTqo
コンコンコンコン闘将コンーコーゥンッ!
みーんなーがおまーえをー呼ーン でるぅ〜
140名無し募集中。。。:03/05/31 10:26 ID:jRQF/i83
武蔵みてたら敵役に水野美紀もいいかと思った
彼女は少林寺拳法やってた人だから紺野の空手との対決でも迫力が出そう
仕事が忙しくてなかなか、第3話が進みません。

すいませぬ

しばしのお待ちを!!
142名無し募集中。。。:03/06/02 12:29 ID:pZVPhbYK
ほっ
143名無し募集中。。。:03/06/03 12:29 ID:ae3zDYXk

――――――――――――――――◎
144名前いれてちょ。。。:03/06/05 17:19 ID:frLOCQTy
>>143
あぶないじゃんか!
145ヨーヨー:03/06/06 00:02 ID:8+WnfVFC
――――――――――――――――――――◎

ttp://bbs1.aquatic.jp/?0100/sukebandek

◎――――――――――――――――――――
>>130
>きっと何人かのスケバン刑事がフォースの暗黒面に(ry
>>131
>以後、超合金ヨーヨー同士がぶつかり合う音が聞えてきそう

たいした伏線も張ってませんので、ネタバレはご勘弁を……

>>132
>五代陽子も仮名で本名は早乙女志織だぞ!

どっちにしようかなーと迷ったんですが、スケバン刑事のエージェントとしての名前が
”早乙女志織”だとちょっと迫力ないかなと思ったので、”五代陽子”にさせていただきました。
代わりに”早乙女志織”は次回登場します。

>>134

Believe Again……名曲ですよね
「娘。」の曲にはなんでこういう「かっこいい曲」って無いんでしょうねぇ

>>140

水野美紀といえば昔カプコンの「ストリートファイター」のCMで「春麗」をやってましたね

長らくお待たせしました、第三話です。
数日後のとある放課後。
天王洲高校体育館。
いろんなクラブが練習する中、隅のほうで空手部が練習している。
サキはドアにもたれながら、ぼんやりとそれを見つめていた。

「紺野先輩、今度の大会もガンバって下さい!」
「3連覇目指してくださいね!!」
次々に声をかけてくる後輩達

レイプされている女生徒
男達に殴りかかる
怒りに我を忘れて殴り続ける
次々に倒される男たち
瀕死の重症
女生徒を支えながら立ち上がる
サイレンが聞こえてくる
駆け寄ってくる警官
しかし手錠は彼女の腕にかけられる
驚く彼女

出場停止……
自宅謹慎……

様々な記憶が頭の中を通り過ぎて行く。

「どうしたんだ、ぼんやりして?」

そんなサキを見て、麻琴が声をかけた。

「いえ、なんでもないです。なんでも……」
小さくそう呟いて、サキは立ち去った。
寂しそうな後姿だった。

******************************

飯田圭織は朝礼前だというのに、ぼんやりと窓の外を見ていた。
職員室の窓からは部活動中の生徒たちが、あわただしく動き回っている。

「はあ〜………」

大きなため息。
教師になって間もない彼女だが、今年初めて担任を持つことになった。
しかも、問題児の多いクラスの担任とは。
彼女は初めてクラス担任を持つというプレッシャーと、その責任の大きさに苦悩の日々を送っていた。
集中力も途切れがちで、こうやってぼんやりとする事も多くなったような気がする。

「ほら圭織、校長先生が来たわよ」

「あ、ありがと」

同僚の保田圭が彼女に声をかけた。
2人ともこの高校の同級生、それぞれ進んだ大学は違ったが卒業後母校の教員として戻ってきた。
母校の教師となって2年。今年から2人は1年生のクラスを受け持つ事となった。
保田がA組、飯田がB組。
以来、2人はお互いを励ましあいながら頑張ってきた。

校長は女性を一人連れてきている。

「えー皆さん。
前々から話をしていたと思いますが、先月より出産のため一時お休みされている石黒先生の代わりの先生が来てくれましたので、紹介します。
早乙女志織先生です」
紹介された女性は、少女マンガの主人公みたいな名前とは裏腹に地味な紺のスカートに白いブラウス、銀縁のメガネをかけている。
長い髪を後で無造作に束ねただけの髪型。
何だか全体的にもっさりした感じだ。

「えー早乙女先生には、石黒先生の代わりに1年A組とB組の副担任をしてもらうことになります。
今年からクラスを持った飯田先生、保田先生はまだお若いですので、早乙女先生に良きサポーターになっていただきたいと思っています。」

「あ、はい……」

飯田はまた憂鬱の種が少し増えたような気がして、不機嫌そうに答えた。
そんな、彼女のわかりやすい反応を察した保田は、必死にこみあげて来る笑いを押さえた。

「よろしくおねがいします」

早乙女先生は丁寧に頭を下げる。
彼女は飯田の向かいの席に座った。

「わからないことも多いと思います、いろいろ教えてくださいね」

早乙女先生はそう言って微笑んだ。
近くで見ると意外と小綺麗な感じ。
年齢は自分より10歳以上年上のようだが、こんな地味な格好をしなければ結構若く見られるのに
飯田圭織はそう思った。

「私、保田圭です。体育担当でA組の担任を持ってます。
で、こっちが飯田圭織、美術担当でB組の担任です」

保田圭は飯田の腕をぐいっと引っ張る。

「よろしくおねがいします」
飯田はちょっと照れくさそうに頭を下げた。

「校長から聞きましたが、問題児の多いクラスの担任だとか?」

「そうなんですよ!」

彼女の叫び声の大きさに、他の先生達から注目の的になってしまった。
まだ朝礼中だったのだ。
飯田圭織は真っ赤になって下を向いてしまった。

飯田は早速早乙女を教室に連れて行った。

「えー今日から、産休の石黒先生に代わってA組とB組の副担任として来て下さいました、早乙女志織先生です」

紹介された早乙女先生の顔を見たサキは、目を見開いた。

(五代さん……!?)

いつものブランドの黒のスーツ姿でなく、地味なブラウス姿。
髪も適当に束ねただけだが、アゴにあるホクロは五代陽子のものに間違いない。
そう言えば、彼女は”五代陽子”という名前は本名ではないとか言ってたっけ……

彼女はサキの視線に気がつくと、ほんの少しだけ目を細めて答えた。

(学校まで来るなんて、どういうつもりなんだか……)
都内某所、とある高級マンションの最上階。神狼会本部……
高橋の前に一人の男が立っていた。
与党上府論党幹事長の寺田だ。

「どう?私の言ったこと本当だったでしょ?」

「信じられない、あの不利な状況下で、一体どんな魔法を使ったんだ?」

「それは教えられないわ、まあこれであなたの顔も立ったって事ね」

高橋はまるで同級生の友達に話すように言う。
相手は毎日ニュースに登場するくらい、日本の政治を動かしている男だというのにもかかわらずだ。

「じゃあ今度の統一地方選も頼みます」

寺田はニヤニヤしながら頭を下げた。

「それはどうかなー」

「何!?」

「鱧兄党さんがねー、倍額出すって言ってんのよ」

高橋はちょっと悪戯っぽく笑った。

「ちょっと待った、今回の知事選の話は統一地方選も含んでということになっていたはずじゃないのか!」

「うん、そうなんだけどねー、数億円くらいの上乗せ程度なら断ったんだけどねー
倍出すって言われちゃー、断る訳には行かないじゃない?」

「貴様!」
寺田は普段テレビのニュース映像で見せる穏やかな人気政治家の顔から一変、どす黒い裏の世界も押さえる男の顔に豹変した。
こんな小娘に良い様に扱われている憤りが露骨に表情に出る。

「鱧兄党さんも必死みたいでねー、絶対当選するんなら上府論党さんの倍額出してでも安いって言ってくれてるんだー」

「この小娘が、人の足元を見やがって」

寺田の握りしめた拳がわなわなと震えている。

「あんたなんか勘違いしてんじゃない?」

そんな寺田を見下す様に、高橋は冷たく言った。

「あの絶対不利と言われた都知事選で上府論党の候補が当選したのよ?
その逆もできるって考えない?
びっくりするわよー、世間が誰も上府論党さんに投票しなくなったら。
私もね、そこまでひどい事はしようと思ってないのよ。
ただ、それをしない代わりにもらったお金は返さないって言ってるだけなのよ。
安いもんじゃない?」

「いったい何億出せばいいんだ」

「あら、気が変わったの?」

「すぐには答えが出せない、追って連絡する」

そう言うと、寺田は踵を返した。
荒々しくドアを開けると、梨華と真里が驚いた顔で立っていた。
寺田は二人を無視して、黒服の男にずかずかと歩み寄った。

「山崎、これはどういうことだ!!」
寺田はその男の胸ぐらを掴んだ。
しかし山崎と呼ばれたその男は、表情を変えずに寺田の手をふりほどいた。

「どういう事だ山崎。お前ほどの男が、
かつて政界の影の実力者とまで言われた男が、なぜあんな小娘に振り回されているんだ」

「愛様の話は脅しではありませんよ。
それはこの前の知事選でも証明されたし、現にこうして私も愛様に従っているのです」

「人の心を操るという話のことか?」

山崎は黙って頷く。
かつて自分も一目を置いていた男の変わり果てた姿に、寺田は背筋が寒くなるのを感じた。

寺田は山崎を若い頃からよく知っていた。
あれは、20年近く前になるだろうか。

当時、日本の六大財閥の一つ海槌財閥の総帥であった海槌剛三の顧問弁護士、それが山アだった。
財界には強い発言力のあった海槌剛三だったが、残念なことに政界に対してはあまり強いパイプを持っていなかった。
政界に強い影響力を持つため、海槌は海槌グループ傘下の学校法人を中心とした全国の学園支配をもくろむ。
自分の影響下に置いた生徒を毎年社会に送り出す事で、それまでに全くない新たな組織票の基盤を作ろうとしたのだ。
計画自体は剛三の3人の娘が実際の遂行に当たっていたが、それはあまりにも本来の目的からかけ離れた物になってしまっていた。
海槌財閥の政界進出が目的だったのが……それがいつの間にか「学園支配」だけが目的になってしまっていた。
そして、海槌剛三の野望は志半ばにして頓挫する。
自らの過去の殺人を記者会見会場の記者たちに丸聞こえの場所で告白するという失態を犯してしまったのだ。
剛三は自殺、3姉妹の長女は傘下の薬品工場の爆発事故現場から遺体で発見され、次女、三女も逮捕された。
山アは、崩壊した海槌家の資産と財界のパイプを利用して、鎌倉の「信楽老」に近づきその息子の若い天才的な指導者、信楽恭志郎をそそのかして「青狼会」を作らせる。
「信楽老」とは、本名は勿論、莫大な財力の出所すら一切の情報のない謎の権力者。長年日本を影で操ってきた大物だった。
恭志郎は「信楽老」の後盾を利用して、海槌家がやろうとした「学園支配」を完成させようとした。
しかしその組織も長くは続かなかった。
勢いづいた恭志郎は親である「信楽老」を倒して実権を握ろうとして、逆に殺されてしまったのだ。
そしてその「信楽老」自身も「鬼怒良の秘宝」という「不老不死の妙薬」の秘密にとり憑かれ、逆のその「秘宝の呪い」なのか何者かによって命を奪われる。
山アはまたしてもそこで「信楽老」の残した財産を自分の物とする事に成功している。

一般には決して知られることのない影の実力者「信楽老」の死亡は、日本の影の権力構造を大きく一変させた。
もっと影の存在、日本でもその存在を知るのはごくごく一部という「忍者」
そしてその中でも、もっとも暗部を支配してきた「陰」と呼ばれる組織が暗躍を開始したのだ。
しかも「陰星」と呼ばれる180年に一度現れるという凶星の出現も手伝い、「陰」の忍者はその勢力をのばした。
結局はその「陰」も別の「忍者」の手によって封ぜられ、日本の影の権力騒動は鎮静化を見せた。

山アはその「忍者」の存在に脅え、「信楽老」の後釜に自分が座ろうとはしなかった。
そんな山アに声をかけて、上府論党に入党させたのが寺田だった。

その後山アは資金力で政財界に圧倒的な力を持ち、その地位を確固たるものとした。
信楽恭志郎の下で働いていた、元「青狼会」の残党を集め、新たに「神狼会」という組織も作った。
かつての「信楽老」ほどではないが、確実にその力を伸ばしつつあったのだ。
しかし、山アは3年前に突然行方不明となり、「神狼会」は「愛様」と呼ばれる謎の少女を新たに総帥として迎えていた。
******************************

「愛様、どのように対処するおつもりで?」

寺田幹事長が帰った後、山アは訊いた。

「何もしなくていいわよ
上府論党が負けたら鱧兄党のせいだと言えばいいし
鱧兄党が負けたら上府論党のせいだと言えばいい
あとはお互いにうまいこと言っておけばいいのよ」

「……」

「どちらの政党が勝っても負けても、日本が変わる訳がないわ
それなら、搾り取れる方からお金を搾り取った方が得じゃない?
要はお金
どっちが日本の政治の実権を握るとかそんなの興味ないわ 
でも豊富な資金があれば何だってできる
そうでしょ?山崎」

山アは黙って頷いた。

続く……
156名無し募集中。。。:03/06/09 12:21 ID:5QeelzdS
とりあえず新作age!!
157名無し募集中。。。:03/06/09 17:45 ID:EU4CjIXt
カオリンが何かしでかしてくれそうなヨカーン
158名無し募集中。。。 :03/06/10 00:39 ID:dNUHpncQ
159名無し募集中。。。:03/06/10 20:30 ID:PLLT5jTo
>3姉妹の長女は傘下の薬品工場の爆発事故現場から遺体で発見され
海槌麗巳は死んでたのか・・・残念。
ハンニバルの敵の大富豪みたいな姿で出てきて欲しかった。

>>158
斉藤由貴と紺野の画像ですね。蓮じゃなくてよかったw
蓮といえば>>91をアレンジした蓮AAを狼でみたぞ
160名無し募集中。。。 :03/06/14 22:13 ID:kJ4ZitNT
おもしろい娘。小説だと聞いてきたけど
既存の設定を焼き直ししただけで、オリジナルでもなんでも無いじゃん
161名前いれてちょ。。。:03/06/16 08:20 ID:4HgIjK1h
>>160
20代前半はお断りかな〜。
俺なんかフニャコフニャオに好きなマンガ画かせてる
のび太の気分だけどな〜。
162名無し募集中。。。:03/06/16 18:11 ID:32n1BCji
>>160 既存の設定を焼き直ししただけで、オリジナルでもなんでも無いじゃん

それでもめちゃめちゃ面白いんですが何か?
163名無し募集中。。。:03/06/20 01:29 ID:L8XE3Bgo

――――――――――――――――◎
164名前いれてちょ。。。:03/06/20 08:40 ID:vxMyseP/
>>163
だからアブねっつってんだろ!
165名無し募集中。。。:03/06/22 03:54 ID:83ZTu2d2

――――――――――◎
166名無し募集中。。。:03/06/22 06:44 ID:UB9U0zNQ
>>165
だからアブねっつってんだろ!
167名無し募集中。。。 :03/06/22 07:14 ID:PF2IO+XJ

―――――――@
>>159
>海槌麗巳は死んでたのか・・・残念。

ふふふふ(無気味な笑い)

>>160
>既存の設定を焼き直ししただけで、オリジナルでもなんでも無いじゃん

「娘。」小説の定義ってのは何なのかわかりませんが、
題材として「娘。」を使っている時点で既にオリジナルでもなんでもない訳で……
自分的には「娘。」小説というより、>>1 にも書いた通り、あくまでドラマ化きぼーんの設定とストーリーを綴っているといった感じです

>>161
>>162

ありがとうございます。
お待たせしました、続きでございます。

「どう思いますか?早乙女先生」

職員室の向いの席から、飯田圭織は神妙な面持ちで訊いた。

「どうって?」

彼女の真剣な表情に、ちょっと戸惑いながら早乙女志織は答えた。

「B組の麻宮サキのことです……
彼女なんかこう弱々しい感じがして、授業中とかでもおとなしいですし。
彼女もしかしたらイジメられているんじゃないかと思うんです」

「そうですか?」

早乙女志織は思わず吹きだしそうになりながらも、出来るだけそれを悟られない様真面目な顔で話す。

「校長も言ってたと思うんですが、B組は問題児が多いクラスなんです。
辻さんと加護さんなんかも、中学部で同じクラスだった生徒が何人か学校を辞めたり、自殺未遂事件なんかも起きています。
2人が何かやったという証拠は無いんですが、どうやら影でイジメていたのではないかというウワサがあります。
そんな問題児だというのに中学部からの連絡ミスで、2人を同じクラスにしてしまうし……」

飯田は少し涙声になっている。

「麻宮さんは、そんな2人に格好の標的になってるんじゃないかと思うんですよ。」

「考え過ぎなんじゃないですか?」
「ですが、何かあってからじゃ遅いと思うんです。
最近見ていると、麻宮さんは小川さんとよく一緒にいるみたいなんですが、
この小川さんも中学時代に渋谷の不良10数人を相手にケンカをしたということで
どこの高校も入学を拒否した問題児なんですよ。
なのに、小川さんのお母さんがうちの矢島理事長の親友だというんで、うちの学校に入学してきたっていうし……」

(雪乃さんの親友?……そうか、小川さんはお京の娘やったんか……)

早乙女志織は飯田に気付かれない様に、少し微笑んだ。

「私が見たところでは、彼女達仲良くやっている様でしたが……」

「ええ、でも私達の見えないところで何かある……麻宮さんと小川さんを見ているとそんな感じがするんです」

(正解よ、飯田先生)

「もう少し様子を見てはいかがですか?
麻宮さんも見かけほど弱々しいというのではなさそうですし、
小川さんも確かに不良っぽい雰囲気ですが、どっちかというと姉御肌の性格でそんな麻宮さんを面倒見ているという感じです。
辻さん加護さんも、そんな小川さんに少し遠慮があるみたいですから、中学の頃のような事は出来ないでしょう」

「私はこの学校の卒業生なんですが、学生の頃クラスの友達と仲良くなれなくて学校を辞めようと思ったことがあったんです。
でも、担任の先生が色々と相談に乗ってくれて……そのおかげで卒業する事が出来たんです。
麻宮さんがもし、あの頃の私と同じ気持でいるのだったら、力になってあげたいんです」

「飯田先生のその気持はきっと彼女達にも伝わりますよ」

早乙女志織は微笑んだ。
その微笑は本心からのものだった。

「そうでしょうか……」
飯田圭織は不安気に言うも、早乙女先生に悩みを打ち明けられた事もあって、少し気持が楽になれたようだった。


******************************

サキはとある駅前のビルの前に立っていた。
ビルには学習塾のテナントが入っている。
「ウルフ英会話教室」の看板。
玄関のドアには「入学説明会会場」と張り紙がしてある。

次々とこの教室の生徒がビルに入っていくのに紛れて、サキもそのビルの中に入った。
大きな教室に30人以上の生徒がいる。
授業内容の説明を受ける。
若い日本人女性と、ハンサムなアメリカ人男性が交互に壇上で話をする。
何の事ない普通の説明会。
教室には心地よい音楽がかかっている。
サキは眠たくなるのを必死に堪えながら説明を受けた。

説明会を終え、帰るサキの前に黒いBMWが停まった。
学校での”早乙女志織”の服装ではなく、いつものブランドスーツ姿の”五代陽子”だった。

「乗りなさい」

車をしばらく走らせた後、五代は訊いた。

「説明会はどうだった?」

「どうって事ない普通の説明会でした。
里沙さんの話では、一回でいきなりというのではなくて普段から「ハロー効果」の出やすい素地を作る。
きっと何度か通う間に無意識への”すりこみ”を繰り返していくのだと思います。
「ハロー効果」はそういった”すりこみ”の積み重ねで効果を上げるのだと里沙さんは言ってました。
でも肝心な部分の研究データーがないと、完全なコントロールまでには行かないようです」
「それさえあれば、もっと恐ろしい事が可能なのかもね。
これは、未確認だけど前回の都知事戦、絶対当選する事が無いと思われていた候補が結局当選した。
浮動票が随分その候補者に投票されて票が伸びたということらしいの
誰が誰に投票したかなんて調べる事ができないけど
調査の結果、普段投票に来ないような若い有権者の投票が目立ったということらしいの。
もしこれが、神狼会の仕業なら大変なことよ。
来月、統一地方選がある。
この投票に同じような事が起きたら、日本の政治をコントロールする事だって可能だわ」

「もう少し、あの英会話教室に通ってみる事にします」

「そうね」

次の日からサキは「ウルフ英会話教室」に通う事になった。

授業自体はなんの事無い普通の授業。
心地よいBGMが微かに聞こえる程度に流れ、リラックスした状態で授業を受ける。
最近は小人数で、外国人講師とマンツーマンに近い状態で勉強ができるスタイルの英会話教室が多いが、ここは1クラスで常時20人近くいる。
数名の講師が交代で教え、多人数でワイワイやりながらの授業。
しかも、受講料が激的に安いため高校生からOLや会社員まで幅広い層に人気があるようだ。

(これでどうやって「ハロー効果」の素地を作るんだろう?)

サキは眠気を堪えながら、注意深くあたりを見回す。
特におかしな所は見当たらない。
むしろ、知らないうちに何かしらの”仕掛け”をされているのではないかという事の方が恐い。

何度か通ってみるが特に変わった事もないまま、何日かが過ぎた。
そんなある日

講師の先生が一人の少女を連れてきていた。
「皆さん、ご紹介します。
彼女は私の友人で高橋愛さんといいます。
まだ若いですが、優秀な心理カウンセラーです。
今日は日頃何かとお疲れの皆さんに、特別にリラクゼーションタイムを設ける事にしました」

そこにはサキと同じくらいの年齢の少女が座っている。
何かある、サキはそう思った。
そういえば、いつもかかっているBGMがいつもよりヴォリュームが大きい様な気がする。

「みなさん、今からリラクゼーションの為の特別授業を行います。
気持を楽にして、私の言う簡単な指示に従って下さい。
では、皆さん目を閉じてください……」

教室にいる20人以上いる生徒は素直にそれに従う。
サキも一緒に目を閉じた。

「何も考えずに、音楽を聴いていてください。
ゆっくりと深呼吸をしてください。
はい、吸って……吐いて……
吸って……吐いて……
さあ、目を明けてこちらを見てください」

生徒たちは一斉に目を見つめる。

(いけない、これは催眠か何かだ!)

サキは咄嗟にポケットに隠し持った画鋲を太腿に刺した。
痛みが走る。
苦痛が表情に出ないように集中する。
サキはなるべく高橋の目を見ないようにした。

(でもあの顔。どこかで見覚えがある……)
174名無し募集中。。。:03/06/23 21:09 ID:p8UKruuh
愛様キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!

飯田先生にも××フラグらしきものが・・・
175【新スケバン刑事〜少女武闘伝〜】:03/06/23 23:13 ID:ixHpcWKL
中途半端なところで連続投稿制限がかかってしまいますた

続きです
サキはそう思った。

(何処で見たんだろう?)

そうこうしているうちに、周りの生徒は高橋の目に釘付けになっていた。

「これから皆さんは、私の言う指示に従います。
いいですね?」

「はい……」

生徒たちは一斉に答える。
高橋の目を見た生徒たちは、彼女の術にかかったかのようになっている。

(もしかしたら、彼女が催眠か何かをかけて無意識を操ってるのかもしれない……)

生徒たちを見回し、成果に満足したかのように高橋は頷いた。

「では今日はこれで終了です。
ありがとうございました」

「ありがとうございました……」

サキも術にかかっているフリをして、他の生徒たちと一緒にそう答えた。

その後の授業は、いつもと変わりなく行われた。
生徒たちにとっては、特別何かが行われたという意識は無いようだ。
きっと、本当に単なるリラクゼーションの時間が設けられただけと思っているのだろう。

しかしあの目は、何かしら特別な能力のようなものを感じる。
サキは太腿に差した画鋲のおかげで、なんとか意識を保つ事ができたが、そうでなければ彼女も他の生徒たちのようになっていたかもしれなかった。
(高橋愛……いったい何者なんだろう?)

授業が終わってサキはビルを出た。
少し離れたところに五代の車が停まっている。
サキは辺りに人がいないのを確め、すばやく中に乗りこんだ。

「どうだった?」

そう問いかけた五代に、サキは高橋愛の話をした。

「高橋愛……何かありそうね、早速調べてみましょう。
できればその彼女の写真も撮りたいわね。
しばらくここで張り込んで見ましょう」

そんな2人の乗るBMWをビルの窓から見つめる少女がいた。
ナンバー5だった。
彼女は車の人影を確認すると、ニヤリと笑みを浮かべた。

数時間が過ぎ、あたりはすっかり暗くなってきていた。
しかし、ビルから高橋達が出て行く気配は無い。
黙ったまま2人は「ウルフ英会話教室」を監視を続けた。

その時だった。

いつの間にか一人の少女が車の前に立っている。
彼女は車のフロントガラスに向けて、手にした何かを投げた。

ビシッ!

一瞬にしてフロントガラスがヒビだらけになる。
2人は車を飛び出した。
「何者!!」

サキは叫んだ。
その少女は何も言わない。
サキは飛び掛った。
突き、蹴りの連続攻撃。
しかし、彼女は上手くそれをさばく。

(強い……)

暗がりでその少女の顔は見えない。
サキは横に走った。
彼女も後に続く。

もう一度彼女の懐に飛び込もうとするが、彼女の手から投げられた物がそれを阻んだ。
唸りを上げるその武器

銀色のヨーヨー……

彼女は両手を前で重ねて大きく振りかぶった。
左足を力強く前に踏み出し、右腕が大きく後方に回転する。
丁度ソフトボールの投法。
腰のあたりからものすごい勢いでヨーヨーが飛んで来る。

ギュルルルルルッ!

あまりのスピードに目測を誤ったサキは、胸にまともにそのヨーヨーを受けてしまった。
「し、しまった……」

あまりの衝撃の強さに、サキはその場にうずくまった。
ナンバー5はゆっくりとサキに近づく。
街灯の明かりが彼女の顔を照らす。
その顔を見て五代は叫んだ。

「な、なつみ……!?」

続く……

180名無し募集中。。。:03/06/24 18:21 ID:WSfyU3uu

  なっちキタ━━━━━━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━━━━━━━━━!!!!
181名無し募集中。。。:03/06/25 23:35 ID:GgtM5tFf
>サキは咄嗟にポケットに隠し持った画鋲
まだ辻加護は性懲りもなくサキの靴に画鋲入れるようなことしてるのか・・・

>あまりのスピードに目測を誤ったサキは、
ウインドミルでチェンジアップ投げられると元プロ野球選手でもタイミングに苦労するからね
182名無し募集中。。。:03/06/28 12:22 ID:ikoEase5
今週のオソロにて紺野さんが嬉しいセリフを!
「北海道でのんびり育ったはずが何の因果か今夜も仕切り、〜」
台本書いた構成作家さん、ありがとう。
番組でラジオドラマのアイディアも募集中なんで送ってみたらどうかな。
アイディア紹介のコーナーで「新スケバン刑事」採用されたら泣くぞ。
>>181
しまった、画鋲をなぜ持っているかというくだりを入れておくべきでした。

>>182
>アイディア紹介のコーナーで「新スケバン刑事」採用されたら泣くぞ。

私の駄文を業界関係者の方々も見ていただいてるのかと思うと、嬉しいですね。
ぜひドラマ化きぼ〜んです。

お待たせしました、続きでございます。
サキはセーラー服の中から胴に巻いたウエイトを外した。
うずくまっている間にリストバンド、足首のバンド、太腿のバンドをすばやく外す。
靴を脱ぎ裸足になる。

「このウエイトが無かったら、完全にやられていた……」

胴に巻いたウエイトには約2キロの砂鉄が仕込んである。
ヨーヨーの衝撃はその砂鉄を通してもかなりのものがあった。
鈍い痛みが胸に残っている。

「あのヨーヨーをまともに受けたら、今度こそ終わりね……」

専用の特殊グローブをはめ、ヨーヨーを握る。

身軽になったサキはすくっと立ち上がった。
手にしたヨーヨーを彼女に向け、睨みつける。

「天王洲高校1年B組麻宮サキ。
またの名を7代目”スケバン刑事”
なんの因果か母娘そろってマッポの手先。
だがな、母親より名前と共に受け継いだ熱い血と、代紋入りのこのヨーヨーが
世の中に巣食う悪党を許せないんだよ」

サキは右足を前に出して、腰を軽く落とした。
左手を引き、正拳突きで右拳を前に出す。

「エイヤッ!」
拳と共にヨーヨーを向ける。
仕掛けてある小さなスイッチを押すと、ヨーヨーの片面が開いた。
そこに現れたのは「桜の代紋」
サキはすぐに蓋を閉じ、ヨーヨーを握った。

「この拳の餌食になりたいのなら、前に出な!!」

彼女はサキの姿をじっと見ていた。
眉をひそめ、目を閉じる。
それまでの無表情な顔が、少しだけ変わったような気がした。
そしてゆっくりと口を開いた。

「私のヨーヨーを受けても無事だなんて、運がいいわね」

「お前は誰だ?」

「私の名はナンバー5、麻宮サキ、死んでもらう!!」

ナンバー5がそう叫んだと同じに、ヨーヨーが飛んで来た。
サキよりもヨーヨーさばきは上手い。
あの、ソフトボールの投法で投げられるヨーヨーには要注意だ。
なかなか間合いに入れない。
顔面めがけて飛んで来るヨーヨーを間一髪でよける。
チェーンが伸びきってヨーヨーが一瞬停止した瞬間をサキは狙った。
手刀で叩き落す。
間を空けずに間合いに入る。
左の正拳突きが決まった。
しかしナンバー5は後方にジャンプして、拳の威力を半減させる。
瞬時にそれをやってのけるナンバー5はやはり強い。

既にナンバー5の手元にはヨーヨーが戻っている。
ナンバー5は構えた。
ガッチーン

ナンバー5のヨーヨーが手から離れた瞬間、別のヨーヨーが飛んできた。
ぶつかり合った2個のヨーヨーは火花を散らす。
五代陽子のヨーヨーだった。

「なつみ!!」

ナンバー5と名乗ったその少女は、五代の声にも何も反応しない。

「なつみ、生きてたの!」

陽子は再びヨーヨーを構えた。
2対1になり形勢が不利と見たナンバー5は、身を翻した。

「待って!!」

五代が叫んだが、その姿はあっという間に夜の闇に消えてしまった。

「あの”ナンバー5”っていった女性は何者ですか?」

サキは五代に訊いた。
五代は逃げ去った”ナンバー5”を呆然と見ている。

「あのヨーヨーは私とそしてあなたが持っているヨーヨーと同じものよ……」

「じゃあ、あの人は?」

「そう、彼女も私たちと同じ「麻宮サキ」を名乗った「スケバン刑事」……
このヨーヨーを手にした5人目の戦士よ……」
新スケバン刑事〜少女武闘伝〜
第三話
「最大の敵・”ナンバー5”登場!!」

終わり

次回予告

サキの前に現れた最大の敵”ナンバー5”はかつて5代目スケバン刑事だった安倍なつみだった。
再びサキ達の前に現れた”ナンバー5”の前に里沙が倒され、麻琴も謎の少女たちによって倒されてしまう。
果たして最大の敵”ナンバー5”に立ち向かうサキの運命は?

次回 新スケバン刑事〜少女武闘伝〜
第四話「対決2人のサキ!!」

乞うご期待

「この拳の餌食になりたい奴、前に出な!!」

というキャスティングでドラマ化きぼ〜ん
188名無し募集中。。。:03/06/30 03:54 ID:EHYOOi7j
なっちキタ━━━ヽ(ヽ(゚ヽ(゚∀ヽ(゚∀゚ヽ(゚∀゚)ノ゚∀゚)ノ∀゚)ノ゚)ノ)ノ━━━!!!!

>>182 それは聞かずにはおれまいて。
189名無し募集中。。。:03/07/03 07:06 ID:YdsWKdKz
いつも予告が多くを語り過ぎのような気も・・・
190名無し募集中。。。 :03/07/05 21:27 ID:KWOO++od
hozenn
191名無し募集中。。:03/07/07 12:29 ID:av4xb0hY
>サキはセーラー服の中から胴に巻いたウエイトを
Mステ見ました。まさか紺野さんがホントに腰にウエイト巻いてるとは・・・・
192名無し募集中。。。 :03/07/08 00:14 ID:OwSbfIOf
193名無し募集中。。。:03/07/09 17:36 ID:XSNjH8Jk
あげ
194名無し募集中。。。 :03/07/10 11:09 ID:iT+1Vizk
保全
195名無し募集中。。。 :03/07/12 01:25 ID:pBSETX81
>>192

そりゃ保全だわ
196名前いれてちょ。。。:03/07/15 20:20 ID:zVZ+X/jo
川o・-・)
  □ 
  <<>>
197名無し募集中。。。:03/07/16 15:30 ID:kxI/ET5w
保田
198 名前いれてちょ。。。 :03/07/18 17:27 ID:+4PPTtVk
川o・-・)
  □ 
  >><<

199名無し募集中。。。:03/07/19 14:08 ID:oP8M3tt7
( ´D`)<ほじぇん
えー下書きで6話ぐらいまで書き終えたんですが、ラストのオチに若干の不満があり、
伏線の張り直しとか、未登場人物の設定のし直しとかで
結局、4話以降を全部書き直さなければならなくなってしまいますた

中でも一番大変なのは、既に書いた3話分との辻褄合わせ……

すいません、更新もちょっとお待ち下さいませ。
201名無し募集中。。。:03/07/22 21:18 ID:MC/ZtiSo
川 ’−’川<高橋も楽しみに待ってるやよ
202名無し募集中。。。:03/07/24 12:57 ID:tHtsBE8R
(●´ー`)<なっち、悪役で終わるんだべか?
203名無し募集中。。。:03/07/25 08:25 ID:AhNqv8Es
( ^▽^)<あたしとまりっぺは死ぬのかなあ・・
204名無し募集中。。。:03/07/26 12:19 ID:TDSvLZeG
( ´ Д `)<後藤は紺野のピンチに薔薇の花を投げる役ってきいてたんですけど
205名無し募集中。。。:03/07/27 10:56 ID:VzdHWh4v
川‘〜‘)||<ショ(ry、間違ってるぞ
206名無し募集中。。。:03/07/27 20:06 ID:mxBjtUkk
( ´D`)<・・・
207【新スケバン刑事〜少女武闘伝〜】:03/07/28 00:36 ID:yI1T3FRI
皆様、保全ありがとうございます

続きでございます
208新スケバン刑事〜少女武闘伝〜第四話「対決2人のサキ!!」:03/07/28 00:41 ID:yI1T3FRI
五代陽子はBMWを運転しながら、”ナンバー5”について語り始めた。

「あなたに格闘術を教えた風間教官が3代目の「麻宮サキ」を引退した後、
闇の機関はすぐに4代目の「特殊潜入捜査官」……当時は「学生刑事」って言ってたんだけど……を選考した。
選ばれたのは某国軍のコマンド訓練を受けた少女だった。
しかし彼女は潜入捜査先で見つかり殉職したの
それまで闇の機関が「学生刑事」なんていう捜査方法をやっていた事は、警視庁上層部でも問題になっていた。
わたしたちが「スケバン刑事」として捜査活動ができたのも、あなたのお母さんが「海槌三姉妹」という、公安部も手を焼いていた連中を倒したから
そして、私や風間教官も、それまでなかなか警察の手の届かなかった大物フィクサーを倒した実績があったから
しかし、4代目の殉職はその功績を妬む他の警視庁幹部からの格好の攻撃材料になった。
結果、暗闇警視を中心とした闇の機関は解散。
それ以後「スケバン刑事」は任命されることはなかったの。

その後、私は警視庁に入り、所轄署の刑事として働いていた。
丁度3年前よ、ある行方不明事件の捜査を担当する事になったの
それは優秀な脳外科医が数人、ほぼ同時に行方不明になった事件。
捜査を続けるうちにね、ある人物の関与がある事がわかった……
「山崎」
元、海槌家の顧問弁護士で、その後「青狼会」の幹部となった男。
「青狼会」解散後政界に入り、いつの間にか政界の影の大物と呼ばれるようになった。

私がかつて「スケバン刑事」だった頃上司だった西脇さんという人が、今公安部で働いていてね、
「山ア」については同じく公安部でも以前から要注意人物として目をつけていたの。
彼の話では、「青狼会」の残党が「神狼会」と名を変えて暗躍を開始しているらしいということだった
そして、その捜査について公安部が「特殊潜入捜査」のための人員を探していることもね

その「特殊潜入捜査員」は婦人警官の中から選ばれた
それはかつてわたしの部下だった女性。
”安倍なつみ”
元、ソフトボールの選手でオリンピックの強化選手だったほどの腕前
彼女は潜入捜査員になるのを了承する為に、ある条件を出したの
武器として桜の代紋の入った重合金製のヨーヨーを作ってもらう事
潜入捜査先で「麻宮サキ」と名乗る事
彼女は私に言ったわ「5代目を名乗らせてください」と……

でも彼女は捜査開始数ヵ月後に行方不明になった……

彼女が行方不明になった事で、公安部は本腰を入れて「神狼会」の捜査に着手したの
特殊捜査課を設立して、捜査員を派遣する事になった。
すぐに次の「スケバン刑事」……6代目ね……が派遣されたけど、彼女もすぐに行方不明になった。
私は所轄署から呼び出され、新しいスケバン刑事のエージェントになるよう命じられた。

実は私はその時、ある人物の行方を追っていた
北海道総合医科大学で脳外科手術の腕を振るっていた紺野医師。
「神狼会」が関連すると思われる行方不明者の一人だった。
捜査を進めているうちに、色々と面白いことがわかった。
紺野医師には妻がいて、それがかつての「スケバン刑事」初代麻宮サキである事
彼女の娘は北海道で無敵の強さを誇る空手選手だった事

それがあなただったのよ……」

「じゃあ、あのナンバー5というのは「5代目スケバン刑事」のこと……」

「そういうことね
私を見て何の反応もしなかったところを見ると、彼女は洗脳されているのか何かだと思う
彼女が私達の敵になるなんて……強敵よ」

「わかってます、あのヨーヨーがをまともに当たっていたらやられてました」

サキはナンバー5のヨーヨーが当たった個所に手を当てた。
まだ鈍い痛みが残っている。
彼女はヨーヨーをぎゅっと握った。
「骨折とかはしてないみたいやけど、なんか、えらい打身になってるで
とりあえず湿布貼っとくけど」

保険医の中澤先生はそう言って、サキの胸に湿布を貼った。
サキの右胸辺りには赤紫色の打身痕ができている。

「しばらくは痕が残るかもよ。
女の子やねんから、注意しいや
いったいどないしたん?」

「ソフトボールが当たったんです……」

サキは咄嗟にウソをついた。

「ぼーっと歩いてたんちゃうか?気ぃつけや」

「はい、すいません……」

「ところで話は変わるけど麻宮さん、あんたなんかスポーツやってへんの?」

サキの腕を触りながら中澤先生は言った。

「いえ、なんにも」

「そうか?なんか男の子みたいな腕の筋肉やで
もったいないなあ、何かスポーツやったらどうや?」

「あ、あの、太りやすいんでダイエットで筋トレをずっとやってたんです……」

サキはそう言ってごまかした。
「私な、女子空手部の顧問やってるんやけど、どうやうちのクラブ入らへんか?
中学で全国大会ベスト8になった生徒もいるんやで」

「か、考えておきます……」

サキはそう答えたが、顔は引きつった笑顔になっていた。

******************************

「大丈夫なのか?」

保健室から出ると、麻琴と里沙が待っていた。
ちょっと心配そうに麻琴が訊いた。

「うん、打撲ぐらいで済んでる。骨とかには異常無いみたい」

サキは笑顔で答えた。

「そりゃあ良かった。
今度そいつが来たら私も戦うよ」

「私も闘います!」

麻琴と里沙は言った。

「ありがとう……
でもあのひとはかなりの強敵です、元スケバン刑事が相手なんですから」

「1人じゃ無理かもしれないけど、3人なら何とかなるって」

根拠の無い麻琴の言葉だったが、サキはなんだか嬉しくなった。
212名無し募集中。。。:03/07/28 15:42 ID:xCU9fuPD
続きキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
213名無し募集中。。。:03/07/28 17:08 ID:gO0UM1Tx
(●´ー`)<みんなハンカチの用意しといたほうがいいべさ
   なっちは何故婦人警官になったのか?何故スケバン刑事にこだわったのか?
   過去の涙のエピソードが今明らかにされるべさ
川VoV从<でも、そういうの死亡フラグが立ったとか言いますよね?
(●´ー`)<うるさい!この4代目が!
川VoV从<4代目は嫌ですよ〜もう死んでるし〜
214名無し募集中。。。:03/07/29 15:40 ID:7ySKDM8Q
从 `,_っ´)<しぇからしか━━━━━━ !!!!!
215名無し募集中。。。:03/07/29 18:07 ID:5dw+ZbsG
( ・e・)<本作が読書感想文の課題図書に決定!祝age!
216_