まず最初にマコは、小さな内側のドアを開けに行きました。
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それから、外の緑色の金属の大扉を開きました。
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┃ ┃ .│ ノノハベ .┃
┃ ┃ . │(´;∬∬ .┃
┃ .│ ⊂ ) ..┃
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それがすむと彼女は時計の広間にかけもどり、ナチオペイアを腕に抱いて、次に起こることを待ちました。
___ ノノハベ
/* * * *\ (´◇` ∬
< ────(●´ー`⊂ __)
∪ ̄ ̄∪ (___J
すぐそれは起こりました!
突然、ぐらぐらっと揺れたのです。でも部屋が揺れたのではなく、時間が揺れた、言うなれば「時震」です。
!
ノノハヽヽヽ
∬∬ ´´ ``))
⊂⊂ ⊃⊃
(_(_)_)__)_)
やがて全てはおさまりました。
その瞬間、それまで様々な音で時を刻んでいた無数の時計が、ぴたりと鳴りをしずめました。
振り子はちょうど振り上がった位置のままで止まりました。なにひとつ動きません。
・・・・・・・・・・・
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.〆〃ハ
∬∬; ´)
時間が止まったのです。
マコがふと気付くと、見事に美しい大きな時間の花を手に持っていました。
どうやってこの花が自分の手にすべりこんだものか、全然わかりません。
!?
ノノハベ
(゜◇゜ ∬
★>⊂ ⊃
(__(_)
用心深くマコは一足前に出てみました。本当にいつもと変わらず楽に動けます。
ノノハベ
(´◇`;∬ ソロ〜リ
★>⊂ ⊃
(_)ヽ__) ))
マコは椅子に腰掛けてみましたが、椅子のつめものはまるで大理石のように硬くなっていて、押しても
凹みません。
アイタ!
__ノノハベ
| (´◇゜ ∬|
| ⊂ ⊃ | ─☆
/ ̄( ( / /||
|| ̄ ̄ ̄ ̄||
チョコレートの入った茶碗は、いくら力を入れてももう持ち上がりません。
〜〜〜〜!
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
\ 〆〃ハ
□D⊂∬;´ヘ`)
⊂⊃ ⊂ )
∋─ \
━─
どんな小さなものでも、時間の無くなった今は、もう動かせないのです。
ナチオペイアが手足をバタバタさせたのでマコはそっちに目を移しました。
〆〃ハ 「ジカンヲ ムダニシテル!」
∩;´◇`) ___
( ) /* * * *\
(__(_) (`−´●)──── >
∪ ̄ ̄∪
と甲羅に書いてあります。
そうです、大変です!マコは立ち上がりました。
〆〃ハ
∬ ´◇`)
★>⊂ )
(( し(_)
広間を駆け抜け、小さいドアをくぐり、廊下を突っ走って大扉の隅から外を覗くなり、
ぎょっとして飛びずさりました。
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┃ .│ . ┃
┃ ┏━━━━ │ ┏━━━━ ┃
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┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃ !!!
┃ ┃ .│ ┃ .┃
┃ ┃ .│ ┃ .┃ ノノハベ
┃ ┃ . │ ┃ .┃ ≡(◇゜; ∬
┃ .│ . ┃ ≡ ⊂⊂ )
┸───────┴───────┸ ≡ (__(_)
時間どろぼう達はぜんぜん逃げないのです!
それどころか、今では逆向きに流れる時間も止まってしまった<さかさま小路>を<どこにもない家>
に向かってやってくるではありませんか!
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
( ー) ( ー) ( ー) ( ー)
( ) ( ) ( ) ( )
人 Y 人 Y 人 Y 人 Y
(( し'(_) し'(_) し'(_) し'(_)
マコは広間に駆け戻って、ナチオペイアを抱いたまま、大きな置き時計のうしろに隠れました。
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はじめっから、困ったことになっちゃったわ。 ..|
\__________ _______/ .....|
∨ .─┘
___ 〆〃ハ
/* * * *\ ∬l|l´△`)
< ────(●´ー`⊂ __)
∪ ̄ ̄∪ (___J
すぐ外の廊下に灰色のヤマザキ達の足音が聞こえだしました。彼らはあたりを見回しています。
たいしたものだ!
\____ ___/
∨
ここが我々の新しい住処になるわけだな。
\______ _________/ マコが扉を開けて、我々を入れてくれたんだぞ。
∨ \_____ ______________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
( ー) ( ー) ( ー ) (ー )
( つと) ( ) ⊂ ⊃ ⊂ )
| | | | | | | | | | | |
(_)__) (_)__) (__(_) (__(_)
∧
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
なかなか物わかりのいい子だよ。どうやってあのばあさんをまるめこんだのか、
ぜひとも知りたいものだね。
灰色の男たちはキョロキョロあたりを探しましたが、その時突然、男の1人が言い出しました。
どうもおかしいぞ、諸君! 時計だ!時計をよく見てみろ!
みんな止まっている。ここの砂時計まで。
\_________ _____________/
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/⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
( ; −)∩ ( へ )
( ) ⊂ ⊃
| | | 人 Y
(_)__) (( し'(_)
∧
/ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\
あいつが止めたんだ
と別の声があまり自信なさそうに言いました。
砂時計が止められるものか!見たまえ、落ちかかった砂が宙に浮いたままで
止まっている!いったいどういうことだ?
\___________ ___________________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
( ; −) ( へ )
( つと) ⊂ )
| | | | | |
(_)__) (__(_)
__
(::::::)
):(
(..:...)
 ̄ ̄
その男がまだしゃべっているうちに、廊下を走ってくる足音がしたかとおもうと、また新たな灰色の
ヤマザキが興奮して腕を振り回しながら大声で叫びました。
たった今町から知らせが来た。自動車が動かない。何一つ動かない。時間が
止まっちゃたんだ。補給はすっかり途絶えたんだ!もう時間は無い!
カオが止めてしまったんだ!
\______ _________________________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
(l|l Д) Σ(△ ) Σ(△ )
≡⊂ ⊃ ( ) ( )
人 Y | | | | | |
≡ し'(_) (__(_) (__(_)
一瞬、死のような静けさがあたりを圧しました。やがて、ひとりが尋ねました。
なんだって?補給が途絶えた?
だがそれじゃあ、今持っている葉巻が無くなったら、我々はどうなる?
\_____________ _______________/
∨
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃ ⊂ニニ⊃
(; −) (д l|l) (ヘ l|l)
( ) ⊂ ⊃ (つと )
| | | | | | | | |
(_)__) (__(_) (__(_)
∧
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そんなことはわかってるじゃないか!恐ろしい破滅だぞ、諸君!
急に大混乱となって、みんなは口々にわめきたてました。
──カオは我々を滅ぼす気だぞ──
──直ちに包囲解除だ!──
──時間貯蔵庫にかけつけよう!──
──車なしで?それじゃ間に合わない──
──私の葉巻はあと27分しかもたない!──
──俺のは48分だ!──
──そんならこっちによこせ!──
──気でも狂ったか?──
──我が身を救うのが第一だ!──
\_________________________________________/
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃
( ヘ) (; △ ) ( 皿 ) (; 〜 )( −) ( д ;)
( ) ( ⊃⊃ 0 0 ( ) ( ) (⊃⊂)
みんなはいっせいに小さなドアに駆け寄って外に出ようとしました。
混乱状態に陥った彼らは互いに殴り合い、押し合い、引っ張りあって、ドアの前のもみ合いはひどくなる
一方です。誰もが我がちに逃げようとし、自分の灰色の命を救おうと必死です。
/⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃┃ ⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃ 〆⌒ヽ ⊂ニニ⊃ 〆⌒ヽ ⊂ニニ⊃
( 皿)∩ (△ l|l) (; д) (へ ) ( Д)≡⊃)△)∴ 〆⌒ヽ
(つ ) ⊂⊂ ) ( >⊂ ) (つ ) ⊂⊂ ) ⊂(д )⊃
互いの帽子をたたき落とし、とっくみあい、相手の口から小さい葉巻ひったくります。
葉巻を取られたほうは急に力が抜けたようになって、両手を前に突きだし、顔に哀れっぽい、怯えきった
表情を浮かべて、あれよあれよという間にその体が透明になり、ついには消えてしまいます。
・・・・・・!
/⌒ヽ,
⊂ニニ:::...
(Д l|::...
⊂⊂ ::::::...
Y :::...
(_::::::...
最後には、広間にはたった3人の男を残すばかりになりました。彼らはやっと順番にドアをくぐり出て、
逃げてゆきました。
マコは片手にカメを抱き、もう一方の手に時間の花を握って、あとを追いました。灰色のヤマザキ達を
見失わないようにすることに、今全てがかかっています。
〆〃ハ
∬ ´◇`)
(´ー`●)∪) )⊃<★
(( し(_)
大扉の外に出てみると、時間どろぼう達はもう<さかさま小路>にさしかかっています。
ところが、<どこにもない家>から走り出てきた仲間を見ると、彼らも浮き足だっていっしょに逃げだし
ました。瞬く間に、包囲の全軍が算を乱して退却しはじめました。
/⌒ヽ, /⌒ヽ,
⊂ニニ⊃⊂ニニ⊃
(ヘ ) (へ ) ノノハベ
⊂( ⊃ ( ) (´◇`;∬
Y 人 Y 人 (つ
(_)ヽ__) (_)ヽ__) ))
列のしんがりから適当な距離をおいて、マコはあとをつけました。
こうして大都会の中を、あべこべの追跡がはじまりました。灰色のヤマザキ達が逃げ、片手に花を
持った小さな女の子がそのあとをつけるという追跡です。
けれど町の様子ときたら、なんて奇妙なんでしょう!
男、女、子供、犬、猫、ありとあらゆるものが、ピンと硬直しています。
| | | | | | | | | | | |
(_)__) (_)__) (__(_) (__(_)
ノハヽヽ ノハヽヽ
川 ー ) ノハヽヽ ( へ)
( ) (▽ ) ∪ )
人 Y ( ) | | | ・・・・・
し'(_) (__(_) (_)__)
,-ー- 、 ノノハベ
____(_ソ・ エ・) (`;∬∬
τ/´ 〈 ∪ )
(_, ーーーー、)、) (_)__)
ハトの群れが、広場の上で宙に浮かんだままじっとしています。そのはるか上には、まるで空に
描き込んだように飛行機が高く止まっています。
_____/~7
ノコ ooooooo ̄/
(|__┌──、_ノ
`ー─\ \
~ ̄ ̄
.へ ヘ
彡〜 〜ミ .へ ヘ
彡〜 〜ミ
.へ ヘ
彡〜 〜ミ
∬ ´⌒`)
(´ー`●)∪) ∪
(_)__)
写真のように生気のないこの町を、灰色のヤマザキ達は走りに走りました。そのあとをマコが、
気付かれないように用心しながら追いかけます。でも彼らはどのみち、ほかのことに気を配る余裕なぞ
ありません。走るのが大変になり、つらくなってきたからです。
息が切れ、胸が苦しくなります。しかも小さな葉巻は、なくしたら最後命がなくなるのですから、片時も
口から離せません。走っている最中にうっかり葉巻を落とした者は、地面から拾い上げる暇もなく、
透明になって消えてしまいました。
/⌒ヽ,
⊂ニニ⊃
Σ(l|l △ ) )
( ) (
Y 人 ヽ )
(_)ヽ__) Y⌒ ━
/⌒ヽ,
⊂ニニ⊃
(; д)
( ⊃⊃ (
...:::| | )
...::::::__) ━
...:::::ヽ,
...::::::: ⊃
...::::: Д)
...:::::::::⊃
...:::::::::
...:::::: ━~
けれど逃走を辛くしたのは、こういう外的な困難ばかりではありません。自分達自身の仲間に襲われる
危険の方も、ますます大きくなってきました。彼らは自分の葉巻が燃え尽きてしまうと、絶望にかられて
仲間の口から葉巻を口から葉巻をひったくったのです。
ですから、彼らの人数は少しずつながらも、確実に減っていきました。
〆⌒ヽ ┃ 〆⌒ヽ
( ; △) 彡∩(皿 ;)
( つつ ( )
あちこちで凄まじい殴り合いが起こりました。葉巻が2、3本道路のコロコロ転がって、とっくみあって
いる連中の足に踏み潰されました。この世から消えてなくなるという不安で、灰色のヤマザキ達の
思慮分別はすっかり消し飛んでしまったのです。
| | | //> > | | | < < \\
(_)__) (_) (_) (__(_) (_) (_) ヽ ヽ
━⌒Y ━ ━ Y⌒┃ Y⌒Y⌒━
┃))) (((┃
町の中心部深く入り込むにつれて、もう1つ厄介なことが加わりました。
ものすごい人の群でいっぱいの場所が多くなって、灰色のヤマザキ達は密林のような人間の間を
通り抜けるのに、大変な苦労をしました。痩せて小さな体のマコには、もちろんずっと楽です。
もうずいぶん長い間走りましたが、まだあとどれくらい続くのか、マコには見当もつきません。
不安になって時間の花に目をやりました。けれど花は今谷と開ききったところです。これならまだ
心配しなくていいようです。
ノノハベ
(´◇` ∬
★>⊂( (∪(●´ー`)
(__(_)
ところがその時、マコに一瞬ほかのことを忘れさせてしまうようなことが起きました。
ある脇道に、道路掃除のアサミを見つけたのです!
アサミ!
\__ __/
__ ∨
_|__|o∈ ノノハベ
(・-・o川 Σ(゜◇゜ ∬
/と ) ⊂ ⊃
mm (_)ヽ_) (__(_)
とマコは叫んで、うれしさに我を忘れてかけよりました。
アサミ、町中探し回ったのよ!いったいどこにいたの?
どうしてあたしのとこに来てくれなかったの?ああ、アサミ、大好きなアサミ!
\_____________ _________________/
__ ∨
_|__|o∈ ノノハベ
(・-・o川 (´▽` ∬ ≡
/と ) ⊂⊂ )
mm (_)ヽ_) (_)ヽ_) ≡
彼女は飛びつこうとしましたが、アサミはまるで鉄でできているようで、彼女の体はガチンと跳ね返されて
あっちこっち痛くなりました。
ガチン ☆
__ /
_|__|o∈ ノノハベ
(・-・o川 (´ ∬∬ イタ!
/と ) (( ⊂ )
mm (_)ヽ_) (_(_)
マコの目から涙があふれました。彼女はしゃくりあげながらそこに立ちつくし、彼女をまじまじと眺めました。
__
_|__|o∈ ノノハベ
(・-・o川 (;´へ`;∬ ・・・・・
/と ) ( ∪
mm (_)ヽ_) (__(_)
彼女の小柄な体は、前よりもっと小さく見えます。その優しい顔はげっそり痩せて、青ざめています。
やっとのことでマコはアサミに巡り会いました。でも自分がここにいることに気付いてもらえないような
有様では、それが何になるでしょう。そしてもしかすると、これが彼女と会う最後になるかもしれない
のです。
腕の中のカメが手足をバタバタさせました。
〆〃ハ 「イソイデ!」
∬ ´◇`)
★>⊂( (∪(●´ー`)
(__(_)
と甲羅に書いてあります。
マコは慌てて大通りに戻ってみて、ぎょっとしました。
時間どろぼうは一人もいません!マコはさっき灰色のヤマザキ達は逃げていった方角に、少し走って
みました。でもやはり見つかりません。
彼らを見失ってしまったのです!
! !
ノノハベ〆〃ハ
(゜◇゜ ≡ ゜◇゜)
★>⊂( (∪(●´ー`)
(__(_)
呆然と彼女は立ちつくしました。どうしたらいいのでしょう?彼女は問いかけるようにナチオペイアを
見ました。
〆〃ハ 「ミツカリマス サキヘススンデ!」
∬;´◇`)
★>⊂( (∪(●´ー`)
(__(_)
と、カメの助言が光りました。
ナチオペイアが予言しているのですから、見つかることは見つかるのでしょう。そこでマコは、ある時は
左へ、ある時は右へ、ある時はまっすぐ、足のむくままに走りました。
ノノハベ 〆〃ハ
(´◇` ∬ ∬ ´◇`)
★>⊂( (∪(●´ー`) (´ー`●)∪) )⊃<★
(_)ヽ_) )) (( し(_)
〆〃ハ
∬ ´◇`)っ<★
( つ(●´ー`)
| (⌒)
し'
そうしているうちに、大都会の北のはずれに出ました。見渡す限り同じ形の建物とまっすぐな道路が
続いている新住宅街です。マコは走り続けましたが、どの建物も寸分違わず同じなので、しばらくする
うちに、ちっとも先に進んでいないような気がしてきました。
 ̄ ̄|_____、 _____| ̄ ̄ ̄ ̄
田 | | | l l l l | | | 田 田
|田 | | | l l | | | 田|
田 | | | | l . .. ... .. ... . ... ... . ... . l | | | | 田 田
|田 | | l‐ ..... .... ..... -| | | 田|
田 | | ― .... .... ..... ― | | 田 田
| .... 一 .... ... .... ー- |
―  ̄  ̄ ― -
〆〃ハ
∬l|l ´)
マコはもう少しで勇気がくじけてしまいそうになった時、不意に最後の灰色のヤマザキが角を曲がる
ところを見つけました。
| |
| /〆⌒|
| / ( .|
| / ( .|
| / 人 |
_______________________|/ (( し'(_ |______
〆〃ハ
Σ∬∬´◇)
`●)∪) )⊃<★
(_)__)
マコがあとをつけていくと、果てしなく続く建物の列の中に、ぽつんとそこだけ建物の無い場所に
出ました。そのかわりに高い板塀が、ぐるりおとその建設現場らしい一角を囲んで立っています。
その板塀に少し開いたままになっている戸口があって、その中に灰色のヤマザキの最後の落伍者は
するりと姿を消しました。
戸口の上には掲示がはってあります。マコは立ち止まってそれを読みました。
┌──────────┐
│ − 注 意 − │
│ │
│ 極めて危険につき │
│  ̄ ̄ │
│ 許可のない者は │
│ │
│ 立入り厳禁 │
│  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ │
└──────────┘
(つづく)