30 :
小説娘。:
あの電話から20分くらい経った頃、
"ピーンポーン・・・"
「あっ、裕ちゃんかな? は〜い・・・」
小走りで玄関に向かう安倍さん。
う〜・・何か中澤さんに会うの、ちょっと怖いなぁ・・・
「あっ、いらっしゃ〜い」
「お邪魔しま〜す。もうめっちゃ寒い〜・・・
まだまだ春には遠いんかなぁ〜・・・」
「そう? なっちはそんなに寒くないけど。
あ、裕ちゃん年だから・・痛っ」
「年は関係無いでしょっ。どうして会う度に年の事を言うの〜。
・・それより、そろそろ上げてもらえへん?
いつまで玄関でしゃべってたらええの?」
「あっ、ごめんね〜。さぁ、どうぞっ」
二人の足音が近づいてくる・・・
・・と思ったら・・・
「いやんっ、高橋〜〜っ」
「わぁ〜っ・・・ちょ、ちょっと、中澤さんっ・・・
お、重いですよ〜・・・」
いきなり抱きついてきて、押し倒された・・・
予測してなかったから、避けられなかったよ・・・
「こらっ、裕ちゃんっ。そんな事しちゃダメでしょ〜っ」
「ごめんね〜、もう可愛すぎて、つい・・・」
「ついじゃないでしょ〜っ、もう・・・
大丈夫? 高橋」
「は、はい・・ちょっとびっくりしましたけど・・・」
本当はすごくびっくりした・・・
今もドキドキしてるよ・・・
31 :
小説娘。:03/03/22 19:34 ID:B6Vsnepg
「まったく・・・あ、裕ちゃん、ご飯食べた?」
「ううん、まだやけど・・・何かあるん?」
「うんっ、なっち特製のカレーがあるんだっ」
「カレー? ええやんか〜・・食べてもええの?」
「もちろんっ。今よそってくるねっ」
「ありがとう〜っ・・・そう言えば、高橋は何でここに?」
「えっ、あ・・お菓子を食べようって言われて・・・」
「そうなん? 今度から姉ちゃんも誘ってな」
「は、はい・・・」
「あっ、今"はい"って言ったっ。絶対やからねっ」
「そ、そんな〜・・怖いですよ〜・・・」
「あははっ、ウソウソ、冗談やって。もう、そういう所も可愛いわぁ〜」
何か私、子供扱いされてるような・・・
可愛がってくれるのは、うれしいけどね・・・
「はいっ、裕ちゃん」
「お〜っ、おいしそうやん・・頂きま〜す・・・
んっ・・おいしい〜・・・ほんまになっちが作ったん?」
「あ〜っ、そんな事言うんだ〜っ」
「冗談やって。ほんまになっちは冗談通じへんから・・」
「う・・いいもん、どうせなっちは冗談が通じないですよ〜っ」
「あ〜あ、ひねくれてもうた・・・ごめんっ、許して〜、なっち〜〜」
「・・まぁ、そこまで言うなら・・・
今度、食事おごってくれたら許してあげるっ」
「ありがと〜・・って、調子乗んなっ」
「痛〜い・・・もう、裕ちゃんだって冗談通じないじゃないっ」
あははっ・・・おもしろいなぁ、この二人の会話って。
年が離れている事なんて、全然わからないくらい仲良しで・・・
きっとモーニング娘。が出来る前から、ずっと一緒だったからなんだろうなぁ。
・・ちょっと羨ましいなぁ・・・
32 :
もみ:03/03/22 19:50 ID:8+BT5QG4
なっち(*´Д`)ハァハァ
33 :
小説娘。:03/03/23 02:16 ID:oLt/98g2
「━━━でねっ、裕ちゃんが言ったの。
"いま頑張れば、いつか絶対報われるからっ"って。
いやぁ、あの時は"カッコいい〜"って思ったよ〜」
「なっち・・照れるやんか〜・・・」
「そうなんですか・・・」
モーニング娘。が出来た頃の事を話す安倍さん。
オーディションに落ちて、落胆してた時、
つんくさんに集められて・・・
そんな話を楽しそうに話してる・・・
そのそばで中澤さんは・・・
「高橋〜・・もう一杯注いで〜・・・」
「えっ? まだ飲むんですか?」
「当たり前やん・・こうやって高橋にお酌してもらえるなんて、
もう無いかも知れんもん・・・だからお願い〜」
さっきからずぅっとこんな感じ・・・
もうお酒臭いよ〜・・・
「裕ちゃんっ。もういい加減にしたら〜っ。
高橋だって困ってるよっ」
「う〜ん・・・高橋〜っ、困ってるの〜・・・?」
何か怖いよ・・・でも、ちゃんと言わなきゃ止まりそうにないし・・・
しょうがないっ。
「は、はい・・もう疲れました・・・ごめんなさい」
「高橋〜・・・」
や、やっぱり怒られるかな? どうしよう〜・・・
34 :
小説娘。:03/03/23 02:17 ID:oLt/98g2
「困ってたん? 何で早う言うてくれへんの〜」
「えっ?(怒ってるんじゃないの?)」
「言うてくれたら、すぐにやめるのに〜・・・
あっ、なっち・・お願いがあるんやけど・・・」
「ん〜、何? お願いって」
「今日、泊めてくれへんかな? もう帰られへんし・・・」
「えっ? 今、何時・・・あ〜っ、もう終電無いですよ〜っ」
「しょうがないなぁ・・・二人とも泊まっていって。
布団は・・二つかぁ・・・
じゃあ、裕ちゃんはお酒飲んでるから一人で寝てね。
なっちと高橋は一緒に寝るから」
押入れから布団を出しながら言い聞かせてる。
何か慣れてる感じがする・・・
「え〜っ、高橋と寝たい〜っ」
「何言ってるのっ。そんなお酒臭いんだから無理に決まってるでしょ〜っ。
今日は諦めなさいっ」
「・・あ〜あ、そんな事なら酒飲まなかったら良かった〜
・・しゃあないな、一人で寝よ・・・おやすみ〜、高橋」
「あ・・おやすみなさい・・・」
返事した瞬間、眠りにつく中澤さん・・・
やっぱり酔い過ぎたのかな。
・・それにしても・・・
「あの・・・」
「ん? どうしたの?」
「私・・あ、安倍さんと寝るんですか?」
「えっ、もしかして・・嫌だった?」
35 :
小説娘。:03/03/23 02:17 ID:oLt/98g2
「あっ、いえ・・・そういうわけじゃないんですけど・・・
何か照れるなぁ・・って」
「照れるの? 高橋って友だちと一緒に眠った事無いの?」
「それはあるんですけど・・・安倍さんと一緒っていうのが・・・」
「・・もしかして、なっちの事嫌い?」
「そ、そんな事っ・・その、何て言うか・・・
好きだから照れるみたいな・・・そんな感じなんです」
「本当? よかった〜・・なっち、嫌われてるのかと思ったよ〜
じゃあ、もう遅いし。眠ろっか」
「は、はい」
先に入ってた安倍さんの横に潜り込む・・・
でも、恥ずかしいから、少し離れて眠ろうっと。
「高橋・・・ちゃんと被れてる?」
「え、あ・・大丈夫です・・・」
「何言ってるの・・・少しはみ出してるじゃない・・・
ほらっ、もっとこっちにおいで。夜は寒くなるよ」
「はい・・・そうします」
ぴったりと寄り添うようになる・・・
うわぁ・・何か恥ずかしいよ〜っ
「高橋の体、暖かいね・・・全然寒くない」
「私も・・暖かいです・・・」
「そう? よかった。じゃあ、もう寝よっか。
おやすみ、高橋」
「おやすみなさい、安倍さん・・・」
安倍さんの体温を感じながら、眠りにつく・・・
・・不思議な感じ・・・何か、気持ち良い・・・・