16 :
小説娘。:
「ここですか?」
「そうだよ〜っ、さぁ入って入って」
「はい。あ・・・」
「ん? どうした?高橋」
「あ、開けられません・・・」
安倍さんが半分持ってくれてるから、
軽くはなったんだけど・・・
まだ両手が塞がってたんだっけ・・・
「えっ? あっ、カギ掛かってる?」
「いえっ、あの・・手が塞がってて・・・」
「あ、そっか。じゃあ、なっちが・・ってなっちもだね。
じゃあ、ちょっとなっちの分も持っててくれる?」
「はいっ、お・・っと・・・」
「OKっ、開いたよ。さぁ、入って」
「は、はい・・・」
ここが安倍さんの部屋なんだぁ・・・
・・何か想像と違う感じ。
「ごめんね〜、ちょっと散らかってて」
「い、いえ・・・」
「好きなとこ座ってて良いよ。何か飲む〜?」
「そんなっ、自分でやりますっ」
「そう? じゃあ、お願いするねっ」
安倍さんに合ってる感じの少し小さい冷蔵庫を開ける。
えっと・・何があるかな・・・?
17 :
小説娘。:03/03/18 14:34 ID:tY1EUQLk
え? これって・・・すご〜い。
「あ、安倍さんっ、これって・・きりりですか?」
「え? あ、うんっ、そうだよ〜。
ほらっ、最近CM撮ってもらったでしょ?
その時にたくさんもらっちゃったの」
「すごいです・・・冷蔵庫の半分くらい入ってますよ」
「う〜ん、やっぱり貰い過ぎちゃったかな。
ちょっと前までは、ほとんど冷蔵庫いっぱいに入ってたの。
だからさ〜、圭ちゃんに頼んで半分くらい持っていってもらったんだっ」
「そうなんですか・・・あ、私もこれ頂きます」
「本当? ありがとう〜、助かるよ。
あ、テレビでも見てて。なっち、ちょっとやる事あるからっ」
「は〜い・・・えっと、今日は何があったかな・・・あれ?」
ちょっと下を見ると、ビデオテープがたくさん積まれている。
え〜っと・・あ、これ、『モーニング娘。』って書いてある。
ちゃんと録画してあるんだ〜・・・ちょっと見てみたいかも。
「あ、安倍さんっ、このビデオ見ていいですか?」
「えっ? あ〜、それ? うん、いいよっ」
「いいですか? じゃあ・・・これ見よっと」
適当に選んでビデオに差し込む。
ちょっと古いのかな? 画面がチラチラする・・・
あっ、これって・・中澤さんがいた頃のものだ〜・・・
18 :
小説娘。:03/03/18 14:35 ID:tY1EUQLk
「お〜、懐かしいもの見つけたね〜っ。裕ちゃん若〜い」
「そうですね・・・あっ」
「あ〜、高橋〜っ、裕ちゃんが聞いたら怒るぞ〜」
「えっ・・そ、そんなぁ・・・」
「ふふっ、冗談だよっ。裕ちゃん、ああ見えて結構優しいから」
「ほ、本当ですか?」
「うんっ、大丈夫だって。・・あ〜っ、焦げちゃう〜〜っ」
焦げる? 何か作ってるのかな・・・
あ、じゃあ私も手伝わなきゃっ。
「あ、あのっ、私も手伝いますっ」
「うん? いいよ〜、ゆっくりしてて」
「でもっ・・安倍さんだけにやらせるなんてっ」
「気にしないで。なっちが好きでやってるんだから。
高橋はお客さんなんだから、ゆっくりしてていいのっ」
「あ、う・・わ、わかりました・・・」
何か気が引けちゃうよ・・・
でも、やらせてもらえそうにないし・・・
・・今日は甘えちゃおっかな・・・
「あ・・いい匂い・・・カレーですか?」
「うん、そうだよ〜、高橋はカレー好き?」
「はいっ、好きですっ」
「そう? よかった〜・・・
嫌いな人はあんまりいないとは思うけど、
高橋は好きかな〜って、ちょっと不安だったんだ〜」
ほっとして感じで笑顔になっていく。
本当にかわいい笑顔だよね・・・私まで笑顔になる感じ。
私も安倍さんみたいになりたいなぁ・・・