仮面ライダーのの555(ファイズ)

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18名無し天狗

第34話「むかし むかし・・・」

〜〜〜これまでのあらすじ〜〜〜

時は江戸、三代将軍家光の治世。
戦乱の頃より“化身忍者誕生の法”を開発していた越前美浜藩・五木家は、
苦心の末にその秘術を完成させたが、その時には既に泰平の世の中となっていた。
時の城主は、日本が再び戦乱の世に逆戻りするのを恐れて封印したが、
反徳川幕府の者たちにとって化身忍者誕生の法は垂涎の的となっていた。
そのうちの一つ「血車党」は、化身忍者誕生の法を狙い、江戸に参勤交代のために下向していた
現美浜藩主・五木治部大輔弘繁と江戸家老・堀内伝兵衛孝雄を襲い、秘術を手中に収めんとした。
だが、窮地に陥った弘繁を、謎の影が救い出した!!
19名無し天狗:03/03/15 01:49 ID:TO0E4O1A

「ぬぅ・・・貴様、何者だ!!」

血車党の指揮官・骸丸(むくろまる)は、千載一遇の機会を奪われて激昂し、
その張本人たる謎の影に己が怒りの矛先を向けた。
だが、影は弘繁を小脇に抱え、骸丸に背を向けたまま、一言も口にしようとしない。

「こら!貴様!我らを愚弄するか!!」

更に苛立つ骸丸。やがてその彼を嘲るかの如く、影はゆっくりと立ち上がり、静かに笑った。
その声を聴き、驚く血車党の面々。

「お・・・女だと!?」

低くかすかな声ではあったが、その声は女のものであった。影…いや、女は弘繁をそっと下ろすと、
骸丸の方を向き、羽織っていた黒布を勢い良く取り去った!!
20名無し天狗:03/03/15 02:27 ID:TO0E4O1A
黒布の下から現われたのは、運動性と機動性に重点が置かれ、見方によっては
妖艶ささえ感じさせる特異な装束姿の女であった。
全身に密着した銀の帷子、その上にこれまた全身に貼りつくようにまとった鎖帷子。
更にその上に、胸から下腹部にかけて黒い晒しを巻き、そのまた上に袖が無く、裾の短い
青い上着を着込み、腕には手甲、脚には脚反を身に着けている。
だが、袴は着けておらず、銀帷子と鎖帷子に包まれた両脚が露わになっていた。
そして、額に鉢金を巻いたその面立ちは、いかなる困難にも挫けず立ち向かうと言う強い決意を
そのまま人相にしたような、凛々しく端整なものである。と同時に、その顔からは慈しみや哀愁をも
感じ取れた。その彼女を見て、弘繁は感嘆した。

「・・・・・・ユキ!!」

ユキと呼ばれた彼女は、実は五木家に仕えるくノ一、すなわち“女忍び”である。
彼女は幼少の砌、両親を野盗に殺され、天涯孤独の身の上となったが、強くなりたい一心で諸国を巡り、
独学で武術の腕を磨いていった。やがて彼女は流浪の末に、“谷一族”なる忍者集団の存在を知り、
彼らの下に弟子入りした。