208 :
Pちゃん:
仕事が終わり、深夜の公園で人を待つ。
人目につかないように帽子を深くかぶり、サングラスをかけて
安倍は、ひたすら時計を気にしていた。
(懐かしいな・・・この公園。遊びに行くときはいつも、この公園が待ち合わせ場所だったっけ)
楽しかった昔を、今でもはっきりと思い出す。
あの頃はみんな、何も考えず…ただ笑ってた。
(もう、あの頃には戻れないんだ・・・)
福田が抜けて、石黒、市井、中澤、後藤…そして保田。
初期のモーニング娘。を知るのも、安倍と飯田の二人だけ。
また不意に、新生モーニングのことを考える。
事務所もプロデューサーも・・・メンバーすら裏切って誕生する、新しいモーニング娘。
重いため息をついて、最近ため息が増えたな、と思う。
(新生モーニング・・・きっとみんな、喜んでくれる。応援してくれる。ね・・・?みんな・・・)
209 :
Pちゃん:03/05/21 15:28 ID:hTz+Uobo
「ごめん、待った?」
安倍と同じく、ニット帽を深くかぶって・・・彼女は近づいてきた。
顔こそよく見えないものの、その声や雰囲気で正体はすぐにわかる。
「久しぶりね・・・ごっつぁん。最近どぉ?」
「ん・・・まぁまぁだよ。そっちは?」
「なっちも・・・まぁまぁ。」
思わず自分で笑ってしまった。
まぁまぁ、なんて曖昧な言葉、昔は大嫌いだったのに。
「とりあえず・・・座ろっか」
安倍も後藤も、お互いプライベートでは仕事の話は一切しない。
でも、なんとなく今日は違っていた。
「そっちも色々あるね・・・6期加入に、分裂か・・」
分裂、と聞いてドキッとする。
そうだ。さくら・おとめの分裂は、刻々と近づいてきていた。
それまでに新生モーニングは発足させておかなければならない。
期限は・・・後、二ヶ月。