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まず、あたしはトイレに向かった。女子トイレは広くて、個室の数も10は数えられるくらい。
いちいち探してもよかったんだけど、その時ちょっとしたイタズラ心があたしの胸をくすぐった。
あたしはまずトイレのドアを、音がしないように慎重に開けた。それから足音を消して、
電気のスイッチのところへ向かうと、おもむろにスイッチを消した。
「ひっ」
ぱちっという音とともに、真っ暗になったトイレに声が響いた。奥から3番目の個室に、
間違いなくリカちゃんがいた。あたしはまた気配を消して、その前に忍び寄った。
そうして不意をつくように、全力でドアを乱打した。
ドンドンドンドン!
力なくドアが開いた時には、リカちゃんはちょっと泣いていたと思う。暗かったから
よくわかんないけど。
ちなみに男子トイレにはヨッスィーがいた。もちろん同じ方法で泣かした。