男(18)ですが、アヤヤと同じ位カワイイよ(^O^)!
2 :
:03/02/26 18:32 ID:eHRE9xzP
3 :
名無し募集中。。。:03/02/26 18:32 ID:M2g6E1jX
(゚听)バカかてめーわ
4 :
名無し募集中。。。:03/02/26 18:35 ID:W87ErWHg
晒しage
5 :
か:03/02/26 18:40 ID:R5OP4aHo
興味なしっ!以上
6 :
くそすれ:03/02/26 18:43 ID:i4NQFN5e
くそすれ
7 :
橋本:03/02/26 18:52 ID:P+CxWBB3
ナルシストスレ主
8 :
名無し募集中。。。:03/02/26 19:01 ID:mrA5fL9y
,/‐ \ ::::::::::::ヽ
, ' M \::::::::::::i
/""'/――ナ-t―-| / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
(__ノ-◎-◎― 彡| < 僕が斉藤学だ。
( (_ _) 6) かわいいでしょ?
ヽ. ε ゝ ∴ / ̄`\ \____________
ヽ、____ i⌒i/, -'"~ `ヽ、
,.‐'´ i--i \
`〈ヽ, -'"~T ヽ、 , -'" ~ `ヽ、
/ ( ̄ T iヽ、__ \.
/ ┐ ( ̄T | ~`ヽ、 }
く |  ̄ `ヽ、/__ /
/`ヽ、/| れいな命 `ヽ、___ノ
板違いですので自己紹介板に逝ってください。
以後dat落ちまで放置にご協力ください。
11 :
:03/02/27 11:35 ID:5+ZmW5Qc
______
/ )))
/ /// /―――-ミ
/ 彡彡 // / ヽ))
/ 彡彡 iiiiiiiiiiiiiii iiiiiiiiii|
/ 彡彡 < ・ > 、<・ >l
/ | ヽ 〉 ____________
/ ( | | __) | /
/ | ≡ /, ――― |ゝ < まずい!
>>1はゴミ箱にぶちこめ!
/ | | L ___」 l ヾ \
_ミ l ______ノ ゞ_  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
| l ヾ ー / | l
| | \ー ‐/ | |
/彡/二=-、___/\/ , -''´ |',ヽ \ ミ ヽ 彡
i彡 ,-‐'' 彡-、ス─'_______|ヽ \\ `ヽ、 ミゞヾ }レシ
ヾ彡/ r‐''ノ ノ リ \`ノ〃 ∧ヾ\\ヾヽヽ\ \\ヽ ミ≦
/ ヽ/ /、 |/ / / \\ ヽヾ\ \ \ミ ゞミミ
/ ヽ / |〃 / \\ミ ミ\ ヾ \ \ミ三シ'
く / | !〃 ', \ ヾ \ \ \ミi彡ノ
`\ / | / ヾヽヽ'、'、 \ ヾヽミヾ'ミ|彡i
` \ /_____」/ ヾヽ\ミ ヽ\ヾ \ヾ |彡ト,
`'ヽ、 /彡ニシ |川 ヾ'、 \\ミ\_\ヾヾミ|´ }
`Y´彡/ 川 ヾミ \‐十''ミ~ミヾゞ | ヽi
,r‐、ミソ ,r川===一 ヾミ ヾ _-_,, |ノノi
{i^ヾ、ミ シ __ ,ィ、。ノ>'''`' | /
ヾ r‐ヘ ,,ニ ィ。7ヽ ::.  ̄ ̄` |ノ
'、ヽ ヽ ´` ゙̄´ :::. |
\ ハ ::... | >>1は逝ってや!
ヽ_入 .: :. |
ヽ . .. _ , . |
゙、 /
/ハ _ - ,, -‐ /\
/ \ ´゙ ̄、 ‐-‐',,-' /ヽ \
/ \ ` /リ i | \
/,r‐‐、 \ヽ、 / / /ノ ,-、\
// / \\ヽ 、 ,, - ' / / / `i| \
13 :
名無し募集中。。。:03/03/06 12:54 ID:K1L4QpnB
晒しage
14 :
石川梨華を最後まで応援するぞ。:03/03/06 13:27 ID:vd8Eue6u
Gショック!札幌OP戦が駅ビルOPにマケソ〜!
巨人が駅ビルに食われる?! 6日に札幌ドームで行われる巨人vs日本ハム戦の前売り券が
実売2万5000枚前後と伸び悩んでいることが5日、分かった。その原因は、札幌駅に同日オ
ープンする駅ビル「JRタワー」ともいわれており、準本拠地ともいえる北の大地で、思わぬ不
入りに泣かされそうだ。
北の大地に、まさかの異変だ。巨人が主催する6日の日本ハム戦のチケットが売れていない。
主催者側はこの日「昨年並みです」と言葉を濁したが、複数の関係者の見込みでは「全体の入り
は6割くらい」。札幌ドームの収容人員は4万4500人だが、前売りは2万5000枚前後に
とどまっており、最終的な観客動員は3万人前後にとどまりそうだ。
相手は来年から札幌に本拠地を置く日本ハム。それだけにショックも大きい。しかも、その原
因が「駅ビルのオープン」だというのだ。
6日、JR札幌駅に「JRタワー」が誕生する。テナントの大手百貨店『大丸』と国内最大級
ショッピングモール『ステラプレイス』には会員限定のプレオープンとなった5日、6万人以上
が入場。6日の人出はさらに増えて15万人が見込まれている。こちらの関係者は「巨人戦と競
合するかはわかりませんが、観戦客も足を運んでくれるはず」と早くも“勝利宣言”だ。
昨年は違った。北海道でのオープン戦初開催となった3月7日の阪神戦は、今年と同じ木曜の
デーゲームで3万8000人が観戦。「原巨人vs星野阪神」の初対決に沸き、札幌ドームは約
85%の入りだった。
巨人ファンが多い札幌では、平日のデーゲームだった夏の公式戦開催も「仕事を休んででも見
に行け」と言われたほど。そんな土地柄だけに、関係者の焦りもつのる。ヤンキース入りした松
井のみならず、清原もペタジーニも不在では当日券の売れ行きも微妙。残った選手はせめて、寒
さを吹き飛ばす熱いプレーを見せるしかない。(サンケイスポーツ)
15 :
名無し娘。:03/03/10 18:35 ID:Afg6bG9T
さて。と。
16 :
名無し娘。:03/03/10 18:36 ID:Afg6bG9T
飛天飛央
17 :
名無し娘。:03/03/10 18:38 ID:Afg6bG9T
1 那義
春のやわらかい陽射しに目を細めた。
待ち合わせ場所のはずの街路樹には誰もいなくて、私は近くの
ガードレールの端に腰をおろす。
こんな日でも遅れてくるんだなぁ、と私は感心してしまった。
18 :
名無し娘。:03/03/10 18:39 ID:Afg6bG9T
ふいに風が吹いた。スカートを抑える手もいい加減に私は街路樹を
見上げる。枝がしなり若葉がざわざわと流れていた。
鞄を左手に持ち替えブレザーの襟を直していると、やがて坂道を
駆け降りて来る後藤の姿が見えた。
私は腕時計を見る。いつも通りきっかり5分遅れていた。
19 :
名無し娘。:03/03/10 18:40 ID:Afg6bG9T
「市井ちゃん、お待たせ」
悪びれずに現れた後藤は息を弾ませたまま、ふにゃふにゃと
笑みを崩すと、そのままぼさぼさの髪を手でとかし始めた。
街路樹の葉の隙間からこぼれた光りが、後藤の顔をまだらに
照らす。眩しいな、と思いながら私は見つめた。
20 :
名無し娘。:03/03/10 18:47 ID:bO/kwbt8
「どうしたの?」
「後藤ってばよく毎日毎日遅刻できるなぁ、って」
遅刻魔の頬がぷくっとふくらんで、私は声をあげて笑った。
「こんな日まで言わなくても良いのに」
「こんな日だって気になったら言うよ」
21 :
名無し娘。:03/03/10 18:48 ID:bO/kwbt8
通い慣れた道を並んで歩く。これからのこともこれまでのことも
あまり触れずに、目に映る風景の話しなんかしながら。
自転車に追い抜かれ、踏切を越えて、角を曲がり、交差点を渡る。
やがて近づいた学校の門には大きな看板が見えた。
卒業式。今日で私は高校を卒業する。1年下の後藤を置いて。
22 :
名無し娘。:03/03/10 18:49 ID:bO/kwbt8
「センパイ、泣かないでくださいね」
後藤が見え透いた泣きまねをしながら言った。私も軽口を叩く。
「そっちこそ泣きながらボタンもらいに来るなよな」
私達は笑った。そして「2時に」と別れた。
23 :
名無し娘。:03/03/10 18:50 ID:bO/kwbt8
廊下をきしませながら向かった教室では、クラスメイトが胸に
白い華をつけて騒いでいた。私は自分の席に座ると、机の上に
ちょこんと置かれた白い華を胸につけた。
窓から覗く陽射しが机を照らす。反射する光りに、私は目を細めた。
2 瀬名
後藤とつき合い始めたのはちょうど去年の、春だった。
放課後の靴箱の前。なかなか入らないかかとを押し込んでいる
途中で、急に話しかけられたのを覚えている。
「靴きつそうですね」
なんて、今思えば後藤らしい切り出し口調だけど。
聞き慣れない声に顔を上げると、見慣れない可愛い顔と目が合った。
2年生か、と赤いネクタイを見て思った。同時に誰だろう、とも
思ったけど私は「買ったばかりなんだ。この靴」と答えた。
「私、後藤真希って言います。あのですね」
知ってた。私は見つめた。そして私の言葉を無視して話しは続いた。
「私とおつき合いとかしちゃったりしないかな――なんて」
そもそも後藤真希を見たのはその日が初めてで、私は名前だけ
クラスの男子がよく口にするから知っていた程度だった。
そしてなるほど、と思った。
整った顔をしていた。そして胸も大きかった。スカートも短くて
2年生なのに3年にまで名前が届く理由にも納得がいった。
「あ――。私、後藤さんのこと全然知らないし。つか何で私?」
「市井ちゃんの顔が好きなんですよ」
「顔かよ、ってちょっと待った。市井ちゃん?」
「おかしいですか?」
「おかしいだろ」
「でも良い奴なんですよ」と後藤は両手を頬にそえてふにゃふにゃと
崩れた笑みを浮かべた。私にはつくれない笑顔だ、と思った。
今もつくれない。
誰もいない靴箱の前で私は「良いよ」と答えた。なぜか。「私も
後藤さんの顔嫌いじゃないし」
「え、良いんですか? 女の子同士なのに」
「うん。まぁ、今好きな人もいないし」私は口唇にひとさし指を
当てた。「後藤こそもてそうなのに彼氏つくんないの?」
「男は飽きたしうざいんで、ってちょっと待ってください。後藤?」
「そう、後藤。おかしい?」
小生意気な後輩の頬がぷくっとふくらんで、私は声を立てて笑った。
30 :
名無し:03/03/11 19:24 ID:mchQAMbn
この小説は、 「小説娘。」さん? それとも「名無し募集中」さん?
どちらにせよ。ガンガレ。 次回更新、期待し待てます。
3 戒
「卒業生、入場――」
アナウンスの声に導かれて歩き出す。父兄と先生と在校生の拍手に
包まれたまま、私達は体育館をぐるっと1周した。目線を上げると
舞い上がる埃が射し込む光りに踊っていた。
すべての3年が席に着くと拍手は急速に薄れて、やがてやんだ。
リハーサルには端折られたプロセスをすべて踏んで式は進行した。
校歌の斉唱、校長先生や来賓の祝辞と欠席者からの祝電、卒業生の
送辞と在校生からの答辞。
どれもまったく感慨を呼ぶことなく、私の頭を通り抜けていった。
座ってる間は2,3度姿勢を直した。おしりが痛かった。
ふいに私の携帯が震えた。そっとポケットから取り出すと
メールが着信していた。後藤からだった。
『起きてる?もうすぐ卒業証書授与だよv(^-^)v』
私はふっと笑みをもらし、寝ないよ、と口唇だけを動かした。
眠ったら終わりだ。私は3年1組で女子の出席番号1番なんだから。
普段の全校集会であれば、そこかしこで携帯が鳴り響くところ
だけどさすがに今日は違った。
生徒達が礼節を重んじた、と言うよりは、携帯を鳴らした奴はフル
ネームにクラス付きで注意する、という先生方の警告のおかげだろう。
そして。
「卒業証書、授与。名前を呼ばれた生徒は――」
メインイベント。クライマックス。このセレモニーのフィナーレに
向けて、2時間に及ぶドラマの幕がとうとう上がった。
クラスの男子が次々と呼ばれステージへと上がる中、しかし私は
ひとりうつむいていた。後藤への返信メールを作っていた。
そのメールをまだ作り終わらないうちに「女子1番。市井さやか」と
私を呼ぶ声が体育館中に響いた。一瞬、迷った。
「はい」
私は立ち上がると、作りかけのままメールを送信して歩き出した。
『起きてるよって打ってる間に始まった!(>_<)後藤私の晴れ姿』
どういう話になるのか・・・
4 藍水
夏休みが近づくにつれ後藤が「海に行こう」とうるさく
なりだしたのを良く覚えている。
私にとって夏休みと言えばクーラーの効いた図書館で本をめくる
というものだと提言したところ、後藤は意外な学を見せた。
「書を捨てよ、街へ出ようって言うでしょ?」
放課後にはもう、手を引かれてデパートの水着売り場にいた。後藤が
言うには「シーズン前に買わないとだめ」だそうだ。
「これなんかどう?」と後藤が赤いビキニを手に取った。かなり
派手だけど確かに可愛いかった。
「あぁ、良いね。うん、後藤に似合いそう」
「なに言ってるのさ。市井ちゃんが着るんだよ」
結局私はブルーのタンクトップ型ビキニを選んだ。これでも
せいいっぱい譲歩したのに、後藤は不服そうだった。
「あれ絶対可愛いのに」
そしてその問題のあれ、赤いビキニは後藤のバッグの中だった。
「市井ちゃんが似合いそう、って言ってくれたからさ」
夏休み初日の朝早く、私達は海への電車に乗り込んだ。お菓子を
食べて、流れる景色に視線を移し、少しだけうとうとして。
「海だ。着いたよ、市井ちゃん」
その声にはっ、と目を開ける。いつの間にか眠っていた。後藤は
ふにゃふにゃと崩れた笑みを浮かべて私を見ていた。
「うわぁ――」
楽しそうに砂浜を跳ねる後藤の後ろ姿がやけに眩しく、胸に刺さった。
私は「ごめん」と言った。1時間もひとりきりにさせてごめん。
そっと振り向いた後藤は赤い水着のせいかやけに大人っぽく見えた。
しかし次の瞬間、子供っぽい口調で言った。
「焼きそばおごってくれたら許す」
家族連ればかりの海で私達は騒ぎまくった。ナンパも来なかった。
「ここ穴場なの。親子連ればっかで全然男いないでしょ」
身体を動かすのは苦手だけどこの日は騒いだ。潜り泳ぎ漂った。
帰りの電車はふたりして爆睡した。海から帰った後も、火傷のような
背中をつっつき合ってはふたりして叫び声を上げたりした。
5 飛央
在校生と父兄の間を抜けてステージへ向かう途中、ありとあらゆる
視線が私に注がれた。おかげで両親や後藤をきょろきょろ探すことも
出来なかった。私は心持ち胸を張りやや遅めに足を進めた。
先生方がリハーサル中に何度も叫んでいた。美しく歩け、と。
来賓席の前で一度止まり、軽く頭を下げる。すると向うも返してきた。
これを生徒ひとりひとりと行なうのって結構大変な労力だな、なんて
思いながらステージを登った。
校長先生と向き合い目礼をする。私はそこで初めて校長先生がいすを
使わず立っていることに気づいた。
「卒業、おめでとう」
おそらくこれからの2時間、立ちっぱなしでこの作業を繰り返すの
だろう。そう思うとなんだか好感が持てた。
私は心から「ありがとうございました」と言って、頭を下げた。
その瞬間2回、会場が光った。
カメラのフラッシュだった。おそらく1つは私の両親で、もう1つは
きっと後藤だろう。なんだか胸がきゅっ、となった私は校長先生に
おしりを向けて、ステージから会場を見渡した。
予定外の私の行動にざわめきが起こる。そのざわめくすべての人達に
向けて、私は「ありがとうございました」と言って頭を下げた。
会場からまばらに拍手がもれる。そして私はやっと後藤を発見できた。
席に戻るとクラスの子から「びっくりした。市井さん、どうしたの」と
言われて、私はあいまいに笑った。戻る途中で前を通った先生からは
何も言われなかった。ほっとした。
ややあって震えた携帯は、見る前に誰からのメールかわかった。
『市井ちゃんカッコ良かった(*^-^*)さすが私の』
カメラマンからのメールは、私への仕返しか途中で切れていた。
6 晶
「さて問題です。秋と言えば『何の秋』?」
また始まった、と思った。後藤はときどきこういう持って回った
ものの言い方をする。もちろん、今も。
私は後藤を見ながら「読書の秋?」と答えた。当てずっぽうでは
ない。背中に回された手には、本が隠されているという確信があった。
「ぶっぶ――」
口唇を尖らせた後藤が背中から取り出したのは、オレンジ色の地に
白抜きで『スイーツ名店ベスト101』とレタリングされた本だった。
「正解は『おやつの秋』でした」
「そんな世の中にない言葉を私に当てさせようとしたの?」
「これ見るとこの辺のケーキ屋さんが8件も紹介されてるんだ」
私の言葉を無視して話しは続いた。
「朝9時から呼び出して何かと思えば。午後のお茶時間で良いじゃん」
後藤はきょとん、とした顔をした。そしてあぁ、とひとり納得して
「8件全部行くんだよ。朝ご飯抜いて来たよね?」と言った。
おいしい、と思えたのは最初の3件目までだった。それ以後は
どこも同じ味に思えた。腕の差などではなく、きっとどの順で
回ってもおいしいと思うのは3件目までだろう。
「いよいよラスト」
指を立てて後藤が言ったときには、すでに夜6時を回っていた。
「いらっしゃいませ」
後藤はさすがに慣れた口調で「本日のケーキ、2つ」と言った。お茶を
頼むのをやめたのが何件目からかも思い出せない。
見回した店内は広くきれいで、やわらかいソファも心地良かったけど
やっぱりケーキは砂糖の固まりだった。
秋の色づいた街路樹の下で、後藤は「市井ちゃん、お疲れ様でした」と
やけにていねいにおじぎをした。
「後藤こそお疲れ様」と私も頭を下げ返す。「でも楽しかった。なんか
こう、やり遂げたぁ、って感じ」
私が心から言うと、後藤はまた私につくれない笑顔をつくった。そして
その顔のまま「来週は逆回りのルートで食べましょう」と言った。
7 樹
単純な光景が繰り返されていた。呼ばれる名前の中には、聞き覚えの
ないものもあった。3年間、同じ学年だったのに。
手の中で丸まる卒業証書は単なる紙で、見上げると変わらず埃が
光りの中を踊っている。さっきまでと何か変わったんだろうか?
卒業後、私は大学への進学が決まっていた。そしてそれに伴い
実家を出てひとり暮らしもする。
住むところを探して、家電を買い揃えて、役所で手続きをして。
指を折って数えると、するべきことが山積みなのに気づいてあせった。
ふいに、後藤の顔が私の頭をよぎった。
私達はつき合っているという名のもとの友達だった。キスも
しなかった。当然、それ以上のことも。
大学生になった私を想像すると、カフェでお茶を飲みながら
大人っぽい服で本のページをめくってる映像が浮かんだ。
貧困なイメージに我ながら笑うと、同時に回りからも笑いが洩れた。
「えっ?」
辺りを見渡すと、どうもステージ上の男の子が何かやらかした
らしかった。私は前の席の子に「どうしたの?」と訊いた。
「あの人、卒業証書もらった直後にバック転したの」
私は改めてステージを見た。同時にその男の子は父兄席に向かって
「3年間お世話になりました」と爽やかに頭を下げた。
その子は袖口で先生に何かを言われていた。顔は笑っていたけど。
それから注意してステージを見ると、何かしらの行為をする生徒が
やけに多いのに気づいた。おじぎとか、ガッツポーズとか。
私がくすくす笑いながらまた前の席の子に「みんな面白いね」と
言うと、その子は「何言ってるの?」と不思議そうな顔をした。
「一番最初にやったのは市井さんじゃない」
8 飛天
道行く人を眺めて時間をつぶしていた。
クリスマスの街は夜6時になって、ますます賑わってきたように
見える。きっとこのまま不夜城になるな、と思った。
約束の時間を少し過ぎた頃、やがてこちらに向かって走ってくる
人影が見えた。私は腕時計を見る。きっかり5分遅れていた。
「市井ちゃん、お待たせ」と現れた後藤は初めて見る白いコートを
着ていた。そして私の視線に答えるようにくるっ、と回って
「どう?」と訊いてきた。
私がうなづいて「うん、可愛い」と微笑むと、後藤もふにゃふにゃと
顔を崩した。
「クリスマスの恋人同士は豪華なディナーでしょ」と後藤が
連れてってくれたお店は、入り口からして豪華だった。
「雑誌にも載ってない、超穴場スポットですから」
ボーイがうやうやしくドアを開けてくれた店内で、女連れは
私達だけだった。それどころか20歳以下に見えるのさえも。
料理もおいしくて、私は「すごい」と「おいしい」を連発していた。
暖まりふくれたお腹を抱えて外に出る。夜9時の風が気持ち良かった。
私は後藤からもらったイヤリングをしていて、後藤は私のあげた
マフラーを巻いていた。
「この後どうする?」なんて歩いていると「女だけで淋しそうだね」と
声がかかった。ナンパだった。嫌だな、と思う間もなく後藤は
その誘いを慣れた仕種で軽くあしらった。立ち止まりもしなかった。
身体も冷え切った頃、駅が見えた。着いてしまったら私達の今日は
終わりだ、と思った。不夜城を抜けた私と後藤に夜が訪れる。
私は立ち止まった。2歩だけ先に進んで後藤は振り返った。
「もうちょっと、遊ぼう」
私の言葉に後藤は「悪い子になりますか」と、あの笑みを浮かべた。
人影のない児童公園の冷えたベンチに並んで腰をおろし、ビールで
乾杯をした。そして私は驚きの新事実を知った。
「おいしいけど寒い」
「まずい上に、寒い」
その見かけとは正反対で、後藤はお酒が飲めなかった。そう言えば
煙草も吸わないし、誰もいない交差点でも律義に待っていたりしていた。
「後藤は見かけによらずまじめだよね」
「市井ちゃんは見かけによらずお酒好きだったんだね」
「この歳で酒好きそうな顔してたら泣くよ」
「大学、受かりそう?」
「急だね。でも、うん。滑り止めは確実。本命はぎりぎりかな」
「そっか。全部落ちて私と同学年ってのは無さそうか」
「ちょっと何それ――」
笑いながら見た後藤の顔は笑ってなかった。ただ、その顔がやけに
近くにあることに気づいた瞬間から、心臓がどきどきし出したのを
覚えている。いつか来るような気がしていた。目が合って、吐息を
顔に感じて、頬に手を添えると後藤がゆっくりと目を閉じて。
そうだ。後藤は、あのとき確かに、目を、閉じた、のに。
9 綺羅
4時間振りの太陽はやけに眩しく、私は目を細めた。卒業証書を入れた
筒と鞄を抱えて私は大きく伸びをする。全部、終わった。
「さやか」
呼ばれた声に辺りを見ると、何人かの泣いている女子と第2ボタンを
交換する男子、そしてこちらに向けて手を振る両親の姿が見えた。
「来てくれてありがとね」
私が笑うと父も「そりゃあ来るさ」と目尻にしわを寄せた。その
言葉に私の胸がまたきゅっ、となる。
「でも卒業証書授与のときに、急にこっち向いたのには驚いたわ」
そう言って残された母も口に手を添えて笑った。
「一緒に帰るかい?」
父の言葉に私は首を横に振った。「約束があるんだ」
「あら。それじゃしょうがないわね」
口ではそう言いながらも、ふたりとも明らかにほっ、とした表情を
していて、私は一瞬だけ目を伏せた。
もうすぐ訪れる別れを思って、私は駐車場へと向かうふたりの背中を
見えなくなるまで見送った。
私は子供の頃から本を愛していて、休みとなるとひとり、家で読書を
して過ごした。友達を家に呼んで遊ぶことも、友達の家にお呼ばれ
することもなく。両親はそんな私をずっと心配していた。
14時5分前。私は別れを惜しみ合うクラスメイトをよそに、校舎横に
ひっそり生える植樹へと向かった。顔も知らない何代か前の卒業生が
寄贈した樹。そこがいつもの待ち合わせ場所だった。
「あれ?」
遠目からでも誰かが居るのがわかり、もうちょっと近づくと
それが後藤であることがわかった。柵代わりの庭石に腰をおろして。
驚いた。絶対5分遅れてくると思っていたのに。
私は心持ち急ぎ足で待ち人へと向かった。私に気づいても後藤は
立ち上がらず、そのままで手だけを振った。
「早いじゃん」
私が立ったまま言うと、後藤は見上げた顔をふにゃふにゃと崩した。
「朝言われたからね。最後だけは遅刻しない、って気合入れた」
それから後藤はおやおや、と言わんばかりの声で続けた。
「市井ちゃんってば、ブレザーのボタン2個ともついてんじゃん」
私は「後輩にはもてないんでね」と答えた。
突然、風が吹いて樹の先が大きく揺れた。なびくスカートも
ほったらかして私はその樹を見上げる。細く高く伸びた枝の葉が
こすれてざわざわと音を立てていた。
風のおさまりを待って、私は顔にかかった髪を手で元に戻した。
「市井ちゃん、スカート抑えなよ。パンツ見えたよ」
「サービスだよ」
後藤は「きちゃないパンツなんて見たくないよ」と失礼なことを
言うと、おしりをはたきながら立った。そして伸びをしてから
私の横に来ると、同じように樹を見上げた。
「ボタンください」後藤は樹を見上げたまま言った。そして
敬語だった。「できればブレザーごと。あとネクタイも」
「良いよ」
私はその場でシャツ姿になった。後藤は受け取ると、今着ている
ブレザーとネクタイを脱ぎ、さっきまで私のだったそれをまとった。
目を閉じ慣れた手つきでネクタイを結び、振りかぶるようにして
ブレザーに袖を通す。それに合わせて胸の白い華も大きく揺れる。
まるで一枚絵のようにあざやかだった。
「市井ちゃんみたい?」
あの微笑みを浮かべて訊く後藤を、眩しいな、と思いながら私は
見つめた。そしてうなづいた。
過ぎる時間もわからない中で、私達はしばらく見つめ合った。
やがて後藤が予想通りの言葉を口にした。卒業式の間中ずっと
後藤との1年間を想い出していた私は、おそらくこの言葉を
聞くことになると思ってた。
私達は笑った。そしてもう一度、強い風が吹いた。
私はまた樹を見上げた。後藤が歩き出したのがわかったけど
私はそのまま風に流れる若葉を見続けた。肌寒い風がシャツ姿の
身体にかえって心地良かった。
風がおさまっても私はしばらくそうしていた。ぼやけた景色に
目を細めると、すべてはまた元に戻った。
終
84 :
名無し娘。:03/03/13 19:14 ID:eZFlgoQu
レスくれたのべ2人ありがとう。
こういうマターリ作品大好きですわぃ。
読解力なくてスマソ。後藤は最後になんて言ったんですか?
単純に面白かった
最後のセリフ
俺の選択肢には10くらいあったりするw
88 :
てすと:03/03/24 19:26 ID:WlAiRPki
こここ
89 :
名無し:03/03/25 12:53 ID:6fjAqekK
最後のせりふは、読者の想像ってとこだな。よく小学校のテストなんかで「何と言ったか、前後から考えて答えよ」見たいな感じだろ
ってか、作者殿。心が和みましたゾヨ
作者さん、ありがとう(●´ー`●)
ふたりは別れちゃったって事ですか?
どっちにしろすごい良かったです。
あっちも楽しみにしてますよー。
ほぜ
94 :
山崎渉:03/04/19 23:09 ID:PCCn7KBb
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
だな、はやくうp汁
96 :
山崎渉:03/04/20 02:19 ID:PUOWzPy8
∧_∧
( ^^ )< ぬるぽ(^^)
97 :
山崎渉:03/04/20 07:24 ID:R17+Sv0U
(^^)
_______ ___________________
|悲しいときー! | |レス来てると思って開いたら山崎だったときー!!|
 ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧∧ ∧_∧
( ゚Д゚) ( ´д` )
⊂○ ○ヽ ||””””””””””|
| | ̄ ( )山崎渉 ( )
/ /\\ ||_(^^)__|
/ / > / / / ) )
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99げtずさー
100tesズサー
101 :
.:03/04/26 08:43 ID:l58FcBo6
102 :
5:03/05/13 09:34 ID:VjhfdCvK
川σVvV从 σ
test
test
アヤヤーよ!!
作詞、作曲つるの武士
でもね 誰か言っていたけど
アヤヤ カワイイと は思わないの
人気 ありそうな顔は
けして あんなもんじゃないんだよ
まちゆくブス女やモーヲタを
きのすむまで たたきのめしたら
ハロープロジェクトを ハイキックで蹴散らしてゆこう
永遠に 救われない ヲタよ!!
こそこそとしてるフォーム なんか多分そんな感じで
ヤリ時を 見逃さないように
107 :
山崎渉:03/05/28 09:24 ID:YiI8kCfd
∧_∧
ピュ.ー ( ^^ ) <これからも僕を応援して下さいね(^^)。
=〔~∪ ̄ ̄〕
= ◎――◎ 山崎渉
補
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太陽神 ラー