116 :
新紺:
いつも長風呂なのは里沙ちゃんだが、結果的にお部屋に戻るのが同じぐらいの時間
になるのは、私の着替え時間と、浴後の「まったり時間」が長いからだ・・・。
私の生まれた北海道とは違い、東京は暖かいので脱衣場でまったりしてても風邪を
引いたりすることはない。今日もそんなペースで着替えていると、下着姿のままで
ドライヤーで髪の毛を入念に乾かしながら、里沙ちゃんが話しかけてきた。
『あさ美ちゃ〜ん、電話誰だったぁ?って何でまだ裸なのかね?この子は・・・。』
私から言わせてもらえば里沙ちゃんが早いだけなのだが・・・。
『ごめーん、これでも急いでるんだけどねぇ・・・。あっ、そうそう。電話の相手は
高橋愛ちゃんだったよ。』
117 :
新紺:03/02/15 03:34 ID:fA6uOpcg
私が先輩を「ちゃん付け」などで呼ぶはずが無いことなど里沙ちゃんは分かっている
のを分かっていても、娘。には「アイ」が2名いるので私達はついつい「愛ちゃん」を
フルネームで呼んでしまう事が多かった。。「エンジェル・ハーツ」の収録期間中に、
加護さんの事を「あいぼん」、辻さんの事を「ののたん」と呼べるようになるのが、
5期メンバーの1つの目標となっていたのだが、結局それは誰1人として実現できず
収録は終了した・・・。
『愛ちゃん?って事は、「カラオケ」のお誘いかな?う〜ん、いいんだけどねぇ・・・。
「喉を休めておきたい」っていう気持ちもあるんだよねぇ・・・。』
(愛ちゃん?ならいいよ。せっかく明日はあさ美ちゃんと2人っきりでいられるんだし、
断ろうよ!ねっ!あさ美ちゃん♪)
私は馬鹿じゃなかろうか・・・。Hな事をした後だからかも知れないが、里沙ちゃんが
そんな反応をしてくれることを期待してしまっていた。
118 :
新紺:03/02/15 03:36 ID:fA6uOpcg
『そっ、そおねぇ・・・。カラオケは私もちょっと。。』
『でしょ〜!それならもっと違う遊びでまったりとしたいよねぇ・・・。』
そこまで言ってから里沙ちゃんは「はっ!」とした顔をし、手をばたばたとさせながら
慌ててしゃべりだす・・・。
『って、ごめん!愛ちゃんと今、喧嘩中なんだよね!?ごめん。私、馬鹿だぁ・・・。』
お泊まりに誘う為に私が付いた嘘を、真に受けて真剣に考えてくれている。里沙ちゃんの
優しさが胸に痛かったが、それよりも里沙ちゃんのリアクションが自分の期待と違ってて
がっかりしていた私は、軽蔑されるのを恐れずに、正直に告白してしまっていた・・・。
『大丈夫。。その話、嘘だから・・・。』 『えっ??』
一瞬、驚いた感じでまん丸な瞳を更に丸くした里沙ちゃんだったが、
『やっぱねー!そ〜んな事だろうと思ったよぉ!』
と優しい笑顔で私の頭をまた撫でてくれた・・・。
119 :
新紺:03/02/15 03:57 ID:fA6uOpcg
『おおかた、「まことちゃんと色々とあって、それを年上の愛ちゃんにはやっぱ話を
しづらいから、気兼ねしないで済む私を相談相手に選んだ」って所でしょ?』
半分は正解なので首を縦に振る私。
『いいよ^^。何でも聞くから話して!でもその代わり・・・。』
『えっ!?』
嘘を付いたことを許してもらえて安堵していた私は、ちょっと身構える・・・。
『お部屋の冷蔵庫にあった飲み物は、あさ美ちゃんのおごりね!』
『!!(ほっ・・・。)』
何を条件にされるのかとはらはらしていた私は、安心して胸を張る。
『そのぐらい、紺野先輩に任せなさい!完璧です!』
『いよっ!さすが紺野先輩!太っ腹!!』
はしゃぎまわる里沙ちゃんを見て、私は(このまま時間が止まっちゃえばいいのに。)
と、半分本気で思っていた・・・。
120 :
新紺:03/02/15 04:33 ID:fA6uOpcg
『ん〜。それで?新垣は何を飲みたいんだ?お茶か?ポカリか?ん?』
愉快な事を、あさ美ちゃんは言う。
『何でも好きな物を飲みなさい。お金の心配はするな。う〜ん。あっ、そうそう・・・。
でもな、新垣。先輩は思いだしたぞ。君にこの間貸した200円。まだ返してもらって
ないよなぁ?』
『・・・!!(げっ!^^;)』
不愉快な事も、あさ美ちゃんは言う・・・。
吹くことも出来ない「口笛」を奏でるフリをしてごまかしていると、あさ美ちゃんは
またもや私に抱きついてきた・・・。
『もぉ・・・!ごまかすなっ♪』
今日一日で幾度となく私を困らせ続けてきた、「厄介でチャーミングな上目遣い」が
私の心を締め付ける。(かっ、カワイイ・・・)
『あさ美ちゃん・・・。』 『えっ!?・・・んっ・・・。』
121 :
新紺:03/02/15 04:36 ID:fA6uOpcg
無意識のうちに、私はあさ美ちゃんにキスをしてしまっていた・・・。先程とは違い
後ろめたさは全く無い。いや、「無い」と言えば嘘になるけれど、その「後ろめたさ」を
差し引いても、この「交互に男になったり女になったり・・・。」という何とも心地の
良い「あさ美ちゃんとのやりとり」に私ははまってしまっていた・・・。
唇を離し、私が目を開くと、嬉しそうに微笑んだあさ美ちゃんが、またもや私の胸に
顔を埋めてくる・・・。私の身体を更にきつく抱きしめ、くぐもった声で
『もぉ!キス泥棒・・・。でも、里沙ちゃんだから、先輩は許す・・・♪』
と言った。先輩の威厳は全く感じない、いつものあさ美ちゃんの声。こういう何気ない
一言が今の私にはたまらない・・・。私は彼女の背中に手を回すと、ひんやりとした
地肌の感触が・・・。所であさ美ちゃんは、何故まだ裸なのだろうか・・・?
『あさ美ちゃん、そろそろ・・・、服着ないと本当に風邪引くよ・・・?』
『えっ??あれ〜?・・・っ、、ックチュン!!』
122 :
新紺:03/02/15 04:40 ID:fA6uOpcg
あさ美ちゃんは思い出したように「くしゃみ」をすると、照れくさそうに笑った・・・。