亀井絵里はどうよ

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943作者エリ
「AAAAAAAHHHHHHHH!!!!!!!」
「俺達が壁になる!!HEY!走るぜ!邪魔する奴はブットバス!」
「一般ピープルども!ナニがよくてナニがワルいかの区別はつくかい!?」
「ヘイ・コンコン、アンタはまだムリすんな、負傷はまだ完治してないんだからな!」
「HEY!YOU!カメイエリ!レッツゴー!」

謎の外国人軍団が群集を弾き飛ばしながら、エリの前に現れた。
英語で何を言ってるか分からないはずなのに、エリにはそれがとても良く分かった。
筋肉レスラー軍団に恐れをなして、群集は正気を取り戻す。
我先にと逃げるように人だかりは左右へ分かれ出した。
エリの前に一本の道ができる。
あの会場へと続く道、モーニング娘へと続く道だ。
エリは外国人軍団のおかげで、無事辿り着くことができた。
「ありがとうございます」とエリが微笑むと、レスラーの一人が大声でこう言った。

「カメイエリ!お前ならモーニングムスメを救える!
And That's the Bottom-Line 'Couse Stone Cold Said So !!」
(オレが言うからには、必ずそうなる!!)
944作者エリ:03/05/13 18:37 ID:bMNnNJMT
ステージではまさに新モーニング5人の圧倒的なライブが終わった所だ。
次は残された娘達の番である。
高橋、小川、新垣、田中、道重はすっかり打ちのめされていた。
目の前で実力の差を思い知らせれた。なんとかなるかもという甘い幻想も砕かれた。
誰もが勝敗の行方を確信していた。
新生モーニングも、残された者も、観客も、テレビ視聴者も、つんくすらも。
ただ二人を除いて…

「いくで!」
「唄うのれす!」

あきらめない二人がそこにいた。
これまで数々の伝説と奇跡を生み出してきた二人だ。
加護亜依。辻希美。
新モニに見捨てられた二人が、それでもまだあきらめていない。
いっぱい食べて、いっぱい遊んで、いっぱい唄って、いっぱい笑った。
あの頃のモーニング娘。に戻れるってことを健気に頑なに信じ続けた二人だ。
そん二人の声も、高橋、小川、新垣、田中、道重には届かなかった。
安倍矢口達が複雑な目で二人を見つめる。
加護と辻は互いに顔を見合わせた。
945作者エリ:03/05/13 18:38 ID:bMNnNJMT
「大所帯やったのに…二人きりになってしもたな」
「れも、ののは…ろこにも行かないれすよ。あいぼん」
「……」
「…えへっ」
「…のの」

バラバラに分裂崩壊した娘で、最後の最後まで残った二人…
辻と加護は目にいっぱい涙をためて抱き合った。
(たった二人しかいなくても唄うで)
(たった二人らけれも唄うのれす)
(うちはモーニング娘やもん)
(ののはモーニング娘らもん)

今宵発表されるはずであった未発表新曲の前奏が流れ始める。
そのメインパートを努める娘は、ここにはいない。
それでも二人はその小さな手にマイクを握り締める。

「唄います。新曲『みんなのこえ』」