亀井絵里はどうよ

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72小説【いじめられっこエリたん】
「おはよー」

返事はない。今日の午前は新メンバーだけでダンスの練習。
れいなちゃんとさゆみちゃんは、私のことなど眼中にない様に二人でしゃべっている。
例によって藤本さんはソロの仕事でここにはいない。
それは良かった。いたらどんな目に合うかわかったものではないから。

「ここってどうしちょー?」
「こんな感じ?アハハ。」

二人は楽しそうに、振り付けの確認をし合っている。
話す相手のいない私にできることは、少しでも早く振りを覚えることだけ。
(一生懸命がんばって、ちゃんと出来るようになれば、きっと皆認めてくれる)
それだけを信じて、私は黙々と練習に打ち込みました。
ダンス練習が終わり、お昼の時間。
れいなちゃんとさゆみちゃんは二人で別室へ行ってしまった。
私は一人きり、涙と汗でしょっぱいお弁当をつまみました。
73小説【いじめられっこエリたん】:03/02/19 15:29 ID:+rKiOnNC
午後は先輩メンバーと写真撮影の予定です。
4期以上とはまだ接する機会が少なく、私は少し緊張していました。
(昨日のこと、みんな聞いてるのかなあ?)
撮影場に入ると、そこには安倍さんや加護さんがいました。
私が一番恐れていた藤本さん、それにれいなちゃんやさゆみちゃんはいませんでした。
(そっか、今日はさくら組の撮影か)
高橋さんと新垣さんもいましたけど、知らぬ素振りで何もしてきません。
話す相手がいなく隅でモジモジしていると、後ろから急に抱きつかれたのです!

「きゃ!」
「わーお、きゃっだって。かーわいい」
「よ、吉澤さん」
「ヨッスィーでいいよ。新メン一人で大変だろうけど、固くなんなよ亀井」
「は…はい!」

まだドキドキが止まりません。
そんな小さな言葉が、私にどれだけの勇気をくれたことか…。