亀井絵里はどうよ

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554作者エリ
その日は来た。仕事合間の昼休みである。
飯田がいる。石川がいる。吉澤がいる。辻がいる。加護がいる。
紺野がいる。小川がいる。新垣がいる。田中がいる。道重がいる。
わざわざスタジオから駆けつけたつんくまでいる。
保田の姿もあった。その隣には後藤もいた。
安倍と矢口、そして藤本の姿はない。
高橋は一番最初にそこへ来て、準備万端で待ち構えていた。
亀井は一番最後にやってきた。胸に手を当てややうつむきながら。

「時間もないし、はじめましょー!」

司会の加護ちゃんが合図すると、新曲の前奏が流れ始めた。
壁に寄りかかっていた高橋がゆっくりと前へ歩み出す。
亀井にチラリと視線を寄せ言った。

「私が先行だよ」

亀井は無言で頷いた。静かに相手の姿を見つめていた。
高橋は左手を胸の前に持ってゆき、右手でリズムをとり始める。
やがてその口から美しい歌声が聞こえ始めた。
555作者エリ:03/04/07 15:47 ID:DVuSyv9p
(2万は…厳しいか)
歌唱力において保田圭は絶対の自信を持っていた。その保田が顔色を変えた。
後藤真希は無表情を装っていたが、その鼓動を高ぶらせていた。
前奏の間はしゃいでいた辻と加護が、ピタリとその動きを止めていた。
(あの子いつのまにこんな…)
飯田の頬に大粒の汗が流れ落ちる。歌手としての本能がざわついて止まない。
田中と道重は感嘆のため息を落としていた。
吉澤は保田と後藤の方に目をやり、少し寂し気にまた高橋へ視線を戻した。
高橋の同期である紺野小川新垣、三人の顔に複雑な色が浮かんだ。
(安倍さんと矢口さんがここにいなくて良かった)
石川梨華はそう思った。いたら間違いなく荒れるからだ。
ずっと唄の中心にいた二人がこれを聞いて、穏やかにしているとは思えない。

「むぅ…」

つんくが思わず声をあげる。そしてそのまま押し黙った。
誰もが高橋愛の歌声に目を奪われていたのだ。
556作者エリ:03/04/07 15:48 ID:DVuSyv9p
エリは背筋にゾクリとしたものを感じた。腕に鳥肌が立っている。胸が波打っている。
なんという素敵な歌、なんという素敵な声なのだろう。
高橋愛。まさかこれほどの素質が埋もれていたとは。いや素質だけではないはずだ。
多くの期待と、それ以上のプレッシャー、結果を出さなければいけないポジション。
特に後藤真希脱退後の娘において、その圧力は想像以上であったはず。
成功して当たり前、失敗すれば責任追及の為必要以上の叩きに合う。
この唄に辿り着くまで、どれほどの見えない汗と涙が流れてきたのだろうか?
そんな相手とエリはこれから競い合わなければいけないのだ。
エリは震えていた。
その震えは感動から来たものか?緊張から来たものか?恐れから来たものか?
どれでもあり、そのどれでもない気がする。
エリ自身、その正体に気付いてはいない。
喜び――――これほどの歌声と共に歌い競い合えることへの。
震えていた。震えながら、エリの口元には笑みが混ざっていた。
エリは笑っていた。
557作者エリ:03/04/07 15:49 ID:DVuSyv9p
☆ノハヽ
ノノ*^ー^) <岡女で笑い転げて、更新が遅れました。
保田さんの「肩身が狭い」完全正解は面白すぎです。もはや職人芸です。
ガキさんは私と同じ年なのに、変わった町の名前知っていて凄いです。
小川さんの貧乏ともっと歌いたいには泣き笑いでした。
かわいいだけじゃない。石川さんは見事な寒さでした。
吉澤さんの雑シリーズもっと見たかったです。
紺野さんは流石です。できる人がいないとバカが際立ちませんから。
最後のツートップ対決は手に汗握りました。どっちがバカだー?
やっぱり辻さんだ!辻さん最高です!最高のバカ女です!soxです!
エリも早く岡女に転入したいです!