亀井絵里はどうよ

このエントリーをはてなブックマークに追加
436作者エリ
早朝の繁華街は、深夜の喧騒が嘘のように静まっている。
夏場だと言うのに深くかぶった帽子、目元を大きく隠したサングラス。
一人の女性がこじんまりとした喫茶店に入る。まだ客はほとんどいない。
長い髪を惜しみなく伸ばした女が一人、コーヒーを啜っているのみであった。
サングラスの女は迷うことなく、長髪の女のテーブルに向かった。

「待たせてごめん。久しぶりだね」
「いいよ。仕事忙しいんでしょ。たまにテレビで見てるわ」
「えへへ〜。なんか照れるなぁ。どうなっちの活躍は?」
「あんまり時間ないんじゃ?用件を先に言って」
「相変わらずクールねぇ。まぁらしいけどさ…用件は電話で話した通り」
「新生モーニング……か」
「もう一度なっち達とやり直さない?今こそあなたの力が必要なの!」
「……」
「ここですぐ返事してとは言わない。決断したら連絡頂戴ね」

サングラスの女―――安倍なつみはそれだけ言って席を立った。
長い髪の女は何も言わず、またコーヒーに口をつけた。

「良い返事待ってるから。明日香」
437作者エリ:03/03/25 12:51 ID:YH7/ZBtt
収録前、テレビ東京の女子トイレにて、新垣と小川が会話をしていた。

「今日はどうやって亀いじめてやろっか?まこっちゃん」
「ねえ、里沙。しばらく止めておかない。昨日あんなことあったばかりだしさ」
「う、うぅーん。確かに本当に自殺でもされたらヤバイしなぁ」

元々二人は直接亀井を憎んでいた訳ではない。高橋に誘われていじめに加担していただけ。
亀井がいようがいまいが、自分たちにセンターが回ってくるとは思えない。
危険を冒してまでいじめを続ける理由はなかった。

「ああいう顔のいい子いじめるのは、それなりに気持ちよかったけどね」
「そろそろ引き際か。これ以上はコネ使ってもモミ消せなそうだし」
「ミキティがやり過ぎなのよね。限度知らないっていうか」
「ちょっ…!まこっちゃ…」

新垣の焦りを含んだ声に、慌てて振り返る小川。
女子トイレの入り口に、鬼の形相を浮かべたミキティが立っていた。