亀井絵里はどうよ

このエントリーをはてなブックマークに追加
340作者エリ
「違う違う。あいぼんでもののでもないよ」
「辻と加護についてはねー。おいら達も悩んでいたんだ」
「そう、辻加護を入れないで7人体制にするか?入れて9人体制にするか?」

辻加護を引き離す訳でないことを知り、同期である石川は少し安堵した。
安倍も矢口もちゃんと考えている。辻加護を分けることに何のメリットもない。
もし辻一人、加護一人っであったなら、ただの幼い子供である。
二人は二人だから意味があるのだ。しかし逆にそれが障壁ともなっている。
辻加護はあまりにカラーが強すぎるのだ。いるといないでそのカラーは大きく異なる。
矢口が悩んでいるというのも分かる。
その結果が、新生モーニングの明暗を分けるといっても過言ではないから。

「まあ、その話は後々…ごっつぁん等にも相談するべさ」
「ごっちんとよっすぃーには、もうこのこと話してあるの?」
「いや、ごっつぁんだけ。よっすぃーは休んでるからまだ。あいつは禁食だ…ったく」
「そろそろ午後のレッスン開始時間ね。じゃあ梨華ちゃん、続きは夜に…」
「夜にはごっつぁんも合流するからさ。いい?石川。この話は絶対秘密だぜ」
「わかってます」
341作者エリ:03/03/16 13:01 ID:7BzSJM9j
午後は夏先生の指導の下、新曲振り付けの全体練習である。
午前中、別れて練習した個人パートを合わせる意味合いも持つ。
安倍矢口石川の三人が入ったとき、すでに10人のメンバーが集まっていた。

「よーし、全員揃ってるねー」
「先生、全員じゃありませーん。吉澤がいませーん。」

飯田が冗談まじりでそう言うと、みんな微笑んだ。

「そっかそっか。あとは全員いるね。1,2,3……12、13人。あれ?」
「足りない気がするべさ」
「誰がいないんだっけ?」
「これで全員じゃね?ギャハハハ」

夏やスタッフの前にも関わらず、藤本は馬鹿笑いをしてみせた。
石川がよく見ると、半数のメンバーが薄ら笑いを浮かべている。
そうだ、亀井絵里がいないのだ。